52 / 186
番外編 〜 ノア3〜4歳 〜
番外編 〜 可愛い店員さん 〜 ノア4歳、アス5歳 ベル妊娠発覚前
しおりを挟む「いらっちゃい、ましぇ!」
「いらっしゃいませ!」
『いらっしゃーい!』
『いらっしゃ~い!!』
まぁっ、可愛い店員さんですわ! 若干名、有名落語家のような「いらっしゃい」が混ざっておりますが、今はわたくしの可愛いノアですわ!
いつものように、イーニアス殿下の皇宮に遊びに来たわたくしとノアですが、おもちゃの宝箱で店員さんの対応を見ていた二人が、今日はお店ごっこをするのだと、皇宮のパティシエに作ってもらった美味しいお菓子を、机の上に並べて、わたくしと皇后様に売り出したのだ。
「あら、可愛い店員さんね!」
「ははうえ、きょうのおすすめは、この、マカロンです」
「マカロンをおすすめしてくれるのね。じゃあ、アタシはマカロンにしようかしら」
「ありがとう、ございます!」
「ありがと、ごじゃいます!」
『マカロン、たべたーい!』
『アオも、マカロンたべる!!』
本日のおすすめお菓子があるらしい。ごっこ遊びとはいえ、お店を良く見ていますのね。
アカとアオは店員さんじゃありませんでしたの?
「アカ、アオ、てーいんさん、だべちゃめっ、よ」
『おかし、たべられない!?』
『やだやだー!! たべたーい!!』
あらあら、妖精たちが駄々をこね始めましたわ。
「では、ふたりは、あじみがかりなのだ!」
『! アカ、あじみがかりー!』
『アオも、あじみがかりー!!』
さすがイーニアス殿下、味見係は店員さんにはいないけれど、新たな職業を作ってしまわれましたわ。
ノアも、注意できるなんて偉いですわよ!
「おかぁさま、わたちのおすすめ、ちーじゅケーキよ!」
「あら、ではわたくしは、ノアのおすすめチーズケーキをいただこうかしら」
天使のおすすめなら、なんだって美味しいわ!
「どーか、さんまい、なのよ」
「フフッ、はいはい銅貨3枚ですのね。はい。いち、に、さん、チーズケーキ、お願いいたしますわ」
「……おかぁさま、めっ、よ。どーかないの」
エア銅貨で支払うフリをしたら、なんと、ノアは本物のお金を要求してくるではないか!
「え? 本物のお金が必要ですの?」
「しょうよ。うりもの、なの」
『おかね、ひつよー!』
『だすもの、だせー!!』
「まぁっ、ミランダ、わたくし銅貨は持っていたかしら??」
ミランダに預けているお金を確認してもらうと、
「奥様、銀貨と金貨はございますが、銅貨はございません……」
と耳打ちされる。
どうしましょう……。そうですわ!
「わたくしの可愛い店員さん。店員さんたちのケーキも、購入させてくださいませ」
「う? アスでんか、おかぁさま、わたちたち、ケーキかってくれりゅの」
「それは、ふじんの、おこころづかい、かんしゃいたします」
「! おここりょ、かんちゃ、ちます!」
まぁっ! わたくし銀貨一枚で、こんな可愛い感謝をいただきましたわ!!
「ちょっと! ズルいわイザベル様っ、アタシも店員さんに好きなスイーツ買うわよ!」
『スイーツ、はいりましたー!』
『はいりましたー!!』
皇后様……、ホストクラブではないんですのよ。
「ははうえも、おこころづかい、かんしゃいたします」
「かんちゃ、ちます!」
「もぅ! 可愛すぎるわ!」
いくらでも買っちゃう! と悶えている皇后様が、ホストにハマった女社長に見えてきましたわ。
「おかぁさま、あーん」
こんな可愛いホストなら、わたくしもハマりそうですけれど。
「はいはい。あーん」
可愛い店員さんは、食べさせてほしいと口を大きく開けるので、そこへチーズケーキをぱっくんさせてあげる。
「おいちー!」
「フフッ、美味しい? 良かったですわ」
向かいの席では、イーニアス殿下も皇后様にあーんをしてもらってご満悦だ。
こうして、店員さんごっこは、ホストクラブのように……ゴホンッ、可愛いおやつタイムへと変わり、銀貨は二人のお子様のお小遣いへと変わったのですわ。
2,484
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。
木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。
彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。
しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。
【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな
みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」
タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
だってお義姉様が
砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。
ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると……
他サイトでも掲載中。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる