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第四章
トモコの自信作、御披露目の日
しおりを挟む『喧しいぞ貴様ら。ミヤビ様が驚いているではないか』
マネージャーのようにファン…珍獣達を一喝し黙らせると、フンッと鼻を鳴らしてドヤ顔で私をみるヴェリウス。
まるで誉めてと言わんばかりに尻尾を振る様が愛らしい。
「ヴェリウス、ありがとう」
頭を撫でると、珍獣達が羨ましそうに見てくるので変な汗が出てきた。
ロードはこれ見よがしに肩を抱いてくるし、トモコは合掌造りの家を見てウンウン頷いている。
「神王様っ ご結婚おめでとうございます!!」
誰かがそう声を上げた途端、周りに居た人達も次々に「おめでとうございます!!」と声を掛けてきて拍手が巻き起こる。
「あの夜の美しい雷の光は、忘れられません!!」や、「御二人の御子様がお生まれになるのが今から楽しみです!!」等と恥ずかしい事を言われて顔が上げられなくなる。
すると、
「この村は神王様とロード様のご成婚の祝いで生まれた村と言っても過言ではありませんな~」
等と声高らかに、長老が人垣を掻き分けて現れたのだ。
その顔は本当に嬉しそうに微笑んでおり、その言葉を聞いたロードは、村の事を聞いた時には顔をしかめていた癖にキラキラした瞳で喜んでいるではないか。
「俺達の成婚祝い…」
「いやいや、成婚祝いで村が生まれるっておかしいよね?」
ニヤニヤし始めたロードにツッコミを入れてブレーキをかける。
が、長老は「この村はさしずめ、ラブ村でしょうか。何しろ神王様とロード様は仲睦まじくていらっしゃいますからなぁ~」等と言い出したのだ。
ラブ村!? なにその壊滅的センスのネーミング!? 珍獣村で良いでしょ!? ウチの裏手がラブ村なんて嫌だよ!!
「まぁつがいだしなぁ。魂で惹かれ合っちまってんだよなぁ~。ラブ村かぁ。なかなか良いんじゃねぇか?」
『お主ら大丈夫か? 何だそのおかしなネーミングの村は』
常識犬ヴェリウス!! 言ってやって!! コイツらにズバリと言ってやって!!
「おや? ヴェリウス様は反対ですかな? 良い名だと思うのですが…やはりラブより“愛に溺れる村”の方が宜しいですかな?」
長老おぉぉぉ!?
「ミヤビは俺の愛に溺れてるしなぁ」
溺れてるっていうか、もう死体になって流されてるわ!!
じゃねぇよぉ!?
「何言ってるの~? この村は白川郷「アンタは黙ってなさい!!」え~」
トモコが余計な発言をしようとしたので黙らせた。
「そんな事より、浄水場と下水処理場はどうなったの?」
「あ゛? 何だそりゃ」
話をそらそうと聞いた事に食いついたのは、ロードだった。
「ーー…トモコ様のご指導もあり、浄水場と下水処理場は何とか形になっております」
好々爺然とした風体で川沿いへ案内してくれる長老の足取りは軽い。
おじいちゃんに見えて魔獣なのだから当たり前だが、今日はロードやヴェリウスにも御披露目するからか張り切っているのかもしれない。
「いや~設計が大変だったよ~。そのかいあって自信作が出来上がったけどね!!」
トモコはよほど自信があるのかニンマリ笑って隣を歩いている。その顔にロードが訝しげな目を向けている所から、2人の温度差が分かる。
「神王様のお陰で河川までの道程が短縮できましたので助かりましたなぁ~」
転移扉でショートカットしたので長老は大喜びだ。
とはいえ、トモコがサプライズしたいというので、河川の少し手前の道を村と繋げた為に、こうして皆で森を歩いているのだが。
「さぁ、見えて参りましたぞ。あれが浄水場と下水処理場です」
木々の間を光が差し込み緑々と茂った葉が風に揺れる中、長老が指を差したのは、木とガラスで作られたかなりお洒落な…近代的な建物であった。
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