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28 幸せ。
しおりを挟む「おかえりっ!! 花奈ちゃん!!」
「亜豆ちゃん! ただいま!!」
城のゲートを潜ると、真っ先に聞こえた別の天使の声。
聖女の亜豆ちゃんが駆け寄って、私に抱き付いてきた。
美少女の抱擁に舞い上がる気持ちになりながら、ムギュッと抱き締め返す。
「花奈ちゃんいなくて、寂しかった……」
「そんな照れるよ。ハグしよう」
可愛さ百点満点な亜豆ちゃんを、もう一度ムギュッとさせてもらった。
「ゴホン」
王子ことジェームズ殿下が咳払いをしたものだから、離れてみれば、それが目に入る。アーチが並んだ廊下にずらりと整列した騎士達。その間にいるのは、王様と王妃様に王弟殿下様一行だった。
おっっっと。高貴な方々が出迎えてきている。
きっと長年行方不明になっていた国宝のためだろう。
私は急いで身を屈めてお辞儀をした。
「我が国の救世主、ハナ様。そう身を低くする必要はありません」
ひぃ。見目麗しい王妃様に、救世主って言われちゃった。
「顔を上げてくれ。ハナ様」
王様にまで言われては顔を上げずにはいられない。
私は引きつらないように笑みを心がけた。
あはは、幻獣から国を救って、国宝を見付ける手助けまでしちゃって。
私、聖女のおまけなんですけど。
こんなんでは亜豆ちゃんの立場がないのでは……。
ちらりと横目で確認してみれば、亜豆ちゃんは笑顔で喜んでくれていた。
はい、天使です。
「国王陛下。国宝の“心の雫”です」
そうセドリックが代表で、王様へ返す。
私達に、拍手喝采だった。
ほとぼりがさめた数日後、水の都アークアに来た。
一緒なのはレイヴ。それに亜豆ちゃん。そして殿下と護衛についてきた第一部隊の騎士さん達だ。その中にもちろんエリュさんもいた。
あの夜から、顔を合わすのは初めてのこと。
ばっちりと目が合ってしまった私はちょっと照れて俯いては、にっこりと笑みを向けた。同じくらい照れたような笑みを返されたので、あれは夢ではなかったのかもしれない。
ドキドキしてきたな。
私はそれを誤魔化すように左手で亜豆ちゃんの右手を握っては勢いよく上げた。
「よし! 水の都でデートをしましょう!」
無事、許可をもらって水の都アークアの観光しに来たのだ。
「なっ、観光だろう」
「亜豆ちゃんと二人っきりが良かったのですが」
「そんなこと無理に決まっているだろう。君が触れているのは、聖女だ!」
その手を下げて声を潜めて言うのは殿下。
「わかってますよー」とむくれる。聖女な亜豆ちゃんと二人っきりで出歩くのは許されないことだ。
私と違って、自由が許されていない亜豆ちゃんはというと、不自由さを感じているどころか目を輝かせていた。美少女の喜んだ笑みを拝める。
「なんて綺麗なところなの! 花奈ちゃん! 早く行こう!」
「うん!」
気に入ってくれて何よりだ。
私は興奮して手を握ったまま進もうとした。
でも亜豆ちゃんを殿下が呼び止める。
「先に行ってはだめだ、アズキ。ほら、オレとも手を繋ごう」
優しく微笑んで亜豆ちゃんに手を差し出す殿下は、悔しいけれど王子様系のイケメンだった。亜豆ちゃんは何の躊躇いもなく、その手に左手を重ねる。
なんだろう。この屈辱的な気持ち。
亜豆ちゃんは私とデートなのにっ。
「あの、ハナさん」
「はい?」
不意に呼ばれたから振り返ると、そこにはエリュさんがいた。
おっと、彼から接近してきたぞ。
頬が火照る。緊張しつつも、笑みを保って首を傾げた。
「なんでしょう、エリュさん」
「今日も魔導師様からハナさんを守るように頼まれました。だからと言ってはなんですが……自分も手を繋がせてもらってもよろしいでしょうか?」
同じくらい少し緊張を滲ませた笑みのエリュさんはそう言って、私に手を差し出してくれる。繋いだことのあるその手を見て、緊張が増した。
震えそうになるけれど、かっこ悪くなってしまうので平然を装って、そっと手を置く。優しく包まれた。
「はい……えっと、行きましょう」
はにかんで私は頷く。
エリュさんはどこかホッとした笑みで頷き返す。
両手に華である。これではダブルデートね。
なんて俯いていたら、視線に気付いた。
亜豆ちゃんがじっと見ている。ニコニコして何も言わない。
私とエリュさんの間に何かあったと気付いたのかも。
私は誤魔化すように視線を泳がした。繋いだ手をにぎにぎされる。
えへへっと笑みを溢すと、亜豆ちゃんも笑った。
イタリアのヴェネツィアを連想させる水の都アークアの入り組んだ街並みを探検。渡り船にも乗っては、透き通った水の底にある石ころを眺めた。市場で瑞々しい果物を食べたりして、楽しんだ。
「まるでファンタジーの世界に迷い込んだみたい!」
「ここファンタジーの世界だよ、亜豆ちゃん」
はしゃぐ亜豆ちゃん。マジ天使。
でも私も同じくらいはしゃいでいた。
「ああー! 幸せ!」
聖女のおまけでも、ファンタジーな世界に来れて、幸せだ。
改めて思って叫んでしまった。
殿下の冷ややかな眼差しも、エリュさんの熱を孕んだ視線も、今は気付かぬふりをしておこう。幸せに浸って、真っ白になってしまった髪を耳にかけて、笑みを溢した。
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はい!
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わかりにくいですよね! すみません!
まったりの4巻にこの作品の主人公であるハナちゃん達も出ます! クロスオーバーです!
私も大好ぶオラァ(p゚ロ゚)==p)`д)グハッ
これからも応援を糧に頑張りますね!
感想をありがとうございました!
まったりも好きですが
こちらも大好きです😍
更新待ってます!
好きー!!! ありがとうございます!
こちらも二章目を練りたいですね……
また楽しんでいただけるよう
頑張りますね!
感想ありがとうございました!
これで終わりな流れですが、個人的には聖女に他国から要請が来て、どこぞのアズキアズキと独占欲丸出しの王子とは違うパーフェクト王子とかオレサマイケメン将軍とかに聖女とオマケが口説かれて、そんでもって他国のワガママ王女も乱入、王子も騎士もお兄さんも聖獣も胃痛隊長もてんやわんやのベッタベタテンプレが見たいです(笑)
ああ、いいですね。テンプレも。
テンプレ目指すと踏み外しちゃうタイプなので、期待しないほうがいいと思いますが(笑)
他国の王子は出したいですね。
頑張って続き考えておきますね!
感想ありがとうござますっ!!