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第1章 ブラッディー・ウルフのオスフィオス
01 その褐色の女
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ソラスフィア帝国アテン領のとある街の冒険者ギルドの酒場。
ガヤガヤと冒険者達がそれぞれ新たな依頼がないか探す者。今日、冒険者として初めて登録をしたのかガタガタと緊張の面持ちをしている者等様々な者がいる。そんな中、受け付けには口元がなんとも艶かしい美しい女性がにこやかに座って仕事をしている。
その女性の前には受付のカウンターを挟み、男が1人肘をつき、自慢げに自分の冒険譚を話している。
「それでさー、そこで俺がスバーンとレイジベアーを叩っ斬ったってわけさ!」
「そうですか。それはそれは…」
「だからさ今度食事…」
「悪いが、そこを退いてくれるか?」
「あん?」
男は話を遮られたのが気に食わなかったのか睨み付けるように後ろを振り返った。
「あ?おん、な…?」
そこにいたのは、外套をまとい褐色の肌に真っ白な髪をした、赤い目の女が立っていた。
目を引くのは外套の隙間から見える腹部の肌が大きく露出していること。
更にはその腹部には大きな大きな傷があった。
顔にも頬から顎までにかけての大きな傷が見える。
髪は女にしては珍しく短く、耳の下ですぐ切られている。顔立ちは傷はあるものの決して悪くなく、その身体付きは明らかに女と分かるものだった。
その女は早くどいてくれとこちらを急かす。
男は女の体と顔を舐めるように見るとニヤリとした。
「まぁ、待ってくれよ。俺が今この子を口説き落とすからよ!…それとも、あんたが俺に口説き落とされたいとか?」
「冗談はその法螺話だけにしてくれないか」
「っ?!てめぇ女だからって俺をバカにするとタダじゃ置かねぇぞ!!」
女の言葉に男は声を荒らげる。
ふざけるなという言葉と共に女の襟元を掴もうとする。
しかし、それが叶う事はなく、見透かしたようにその動きを避けた。
「レイジベアーの動きはその図体の割にかなり俊敏だ。その程度の動きでレイジ熊をズバーンと斬ることは不可能だ」
「あん?!そんなのパーティー組んでりゃ他の仲間が!!」
「何より、君のステータスにレイジベアーの討伐記録がない。捕獲記録もない。あるのは遭遇記録だけだ」
『ステータス』と言われ男はピタリと止まった。
「お前、何で俺のステータスが…」
「答えは簡単ですよ。緑ラベルのフィローさん。それは彼女が魔法を使用できる人間だからです」
受付嬢の言葉に男は目を見開いた。
ガヤガヤと冒険者達がそれぞれ新たな依頼がないか探す者。今日、冒険者として初めて登録をしたのかガタガタと緊張の面持ちをしている者等様々な者がいる。そんな中、受け付けには口元がなんとも艶かしい美しい女性がにこやかに座って仕事をしている。
その女性の前には受付のカウンターを挟み、男が1人肘をつき、自慢げに自分の冒険譚を話している。
「それでさー、そこで俺がスバーンとレイジベアーを叩っ斬ったってわけさ!」
「そうですか。それはそれは…」
「だからさ今度食事…」
「悪いが、そこを退いてくれるか?」
「あん?」
男は話を遮られたのが気に食わなかったのか睨み付けるように後ろを振り返った。
「あ?おん、な…?」
そこにいたのは、外套をまとい褐色の肌に真っ白な髪をした、赤い目の女が立っていた。
目を引くのは外套の隙間から見える腹部の肌が大きく露出していること。
更にはその腹部には大きな大きな傷があった。
顔にも頬から顎までにかけての大きな傷が見える。
髪は女にしては珍しく短く、耳の下ですぐ切られている。顔立ちは傷はあるものの決して悪くなく、その身体付きは明らかに女と分かるものだった。
その女は早くどいてくれとこちらを急かす。
男は女の体と顔を舐めるように見るとニヤリとした。
「まぁ、待ってくれよ。俺が今この子を口説き落とすからよ!…それとも、あんたが俺に口説き落とされたいとか?」
「冗談はその法螺話だけにしてくれないか」
「っ?!てめぇ女だからって俺をバカにするとタダじゃ置かねぇぞ!!」
女の言葉に男は声を荒らげる。
ふざけるなという言葉と共に女の襟元を掴もうとする。
しかし、それが叶う事はなく、見透かしたようにその動きを避けた。
「レイジベアーの動きはその図体の割にかなり俊敏だ。その程度の動きでレイジ熊をズバーンと斬ることは不可能だ」
「あん?!そんなのパーティー組んでりゃ他の仲間が!!」
「何より、君のステータスにレイジベアーの討伐記録がない。捕獲記録もない。あるのは遭遇記録だけだ」
『ステータス』と言われ男はピタリと止まった。
「お前、何で俺のステータスが…」
「答えは簡単ですよ。緑ラベルのフィローさん。それは彼女が魔法を使用できる人間だからです」
受付嬢の言葉に男は目を見開いた。
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