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第四章 炎砂の国アシャ
ドルグワントの戦士ヴァルナ
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『……がる!!』
「お、ここか?」
ムサシに案内され到着したのは、獣道すらない木々をかき分けた先にあった小さな洞穴だ。
中を覗く……ムサシが大丈夫って言うから大丈夫なんだろう。風の流れも感じないし、本当に小さなただの洞穴っぽい。
俺はまだムサシに乗っているフリーナに手を出す。
「とりあえず、今日はここで休もう」
「……ええ」
「……俺と一緒で不満なのはわかるけど、何もしないし、安全が保障されるまで守るっての」
「ふん。お礼目当てでしょうけど、その働きに対価はきちんと払うから安心なさい」
生意気なやつだな……エルサと全然似てないぞ。
髪色は似ているけど、フリーナの目元はやや吊り眼。どちらかといえばたれ目のエルサとは違う。
フリーナはムサシから降り、俺をジッと睨む。
「なんだよ」
「こんな汚い地べたに座らせるつもり?」
「あーはいはい。ほれ、座布団」
俺は布を敷き、その上にアールマティ王国で買った座布団を敷く。
フリーナはぽすんと座ると、身体をくんくん嗅いだ。
「はあ、お風呂に入りたいわ……」
「川にダイブして、さらにこの蒸し暑いジャングルの中で大汗流したもんな……」
正直に言う。実は、川にダイブしたのかなり気持ち良かった。
俺はアイテムボックスを確認する。
「食料、水はまだあるな……なあお前、持ち物は?」
「……何もないわよ。杖くらい。必要な荷物は、護衛隊が持ってたから」
「だよなあ」
食料は節約しなきゃな。水……あ、そうだ。
俺は陸走形態で『お座り』しているムサシに言う。
「ムサシ、悪いけどしばらくそのままで、周囲を警戒してくれ」
『がるる』
「お前がいてくれて安心だよ……よしよし」
『くぅん』
ムサシの鼻先を撫でると、嬉しそうに尻尾を振る。
今気づいたが……ムサシ、大きくなっているな。前はライオンくらいの大きさだったのに、今じゃ小型のゾウよりも大きい。
属性と形態を得ると、身体も大きくなるのかな?
するとムサシ、火属性の陸走形態へ変わる。
『ごろろるるる……』
「おお、風属性がオオカミなら、火属性はライオンだな」
立派な赤いタテガミの獅子となったムサシは、洞穴の入口で寝転がった。
この形態の威圧感なら、魔獣は寄ってこないだろう。火属性……かなり戦闘寄りの形態が多い。
少し思った。陸走形態、羽翼形態、甲殻形態には変われるんだが、特異種……特異形態には一度も変身できないんだよな……何か条件があるのかな?
「ちょっと、水!! 喉乾いた!!」
「あーはいはい、わかったよ」
まあ、今はめんどくさいお嬢様のお世話でもしますかね。
◇◇◇◇◇◇
この日の夕食は、パンと水、焼いたチーズだけ。
フリーナはめっちゃ文句を言う。
「これだけ!? ねえ、何か甘いの持ってないの!?」
「あるけど非常食。糖分はエネルギーになるし、今は出せない」
「今が必要なエネルギーじゃない!!」
「そんだけデカい声出せるなら問題ないだろ。俺の服貸すから、食ったら着替えろよ。今着てるのは近くの川で洗濯して、ムサシの傍で干しておくから」
「あ、あんた……あんたの服を着ろって!? 嫌よ!!」
「じゃあそのままな。俺は着替えるけど。あー汗だくの服着替えられてよかった。少なくとも今は汗臭いって言われないしなー」
「ぬぐぐ」
フリーナは汗臭い……俺もだが。
俺は鍋に近くで組んだ川の水を入れ沸騰させ、追加で水を入れて少し覚ます。
そして、ハルワタート王国で買ったシャツと短パン、新品の手拭いを鍋の傍に置いた。
「汗だくのままじゃ寝れないだろ。明日もあるんだ、ちゃんと汗を流して着替えをして、疲れを取るためにたっぷり寝ておけよ。俺、川で水浴びしてくるから」
「…………」
俺はそれだけ言い、川に向かう。
拠点の傍に川があって助かった。俺は服を脱いで川に飛び込み、汗だくの身体を手ぬぐいで拭う。
頭もガシガシ洗うと、すごく気持ちいい。
「はあ……エルサ、シャクラ。心配しているかな」
月明かりに照らされた川はキラキラ輝いている。このままでも飲めそうな水だが、腹を壊すので飲まない。
川から上がり、新しい服に着替え、服を洗って洗濯用の物干し竿に差す。
旅道具、俺のアイテムボックスに入れておいてよかったと本気で思う。あとはフリーナの服を洗ってムサシの傍で干すだけでいい。
火属性のムサシ、熱気が出ているから洗濯ものを乾かすのにぴったり──……。
「きゃああああああああ!!」
「ッ!!」
突如、フリーナの叫びが聞こえてきた。
俺はダッシュで拠点に行く。すると、臨戦態勢のムサシがいた。
フリーナは。
「ほう、大地の民か……いい獣魔を使役しているな」
「……なんだお前」
洞窟の傍に、木彫りの仮面を被った『女』がいた。
なぜ女とわかったのか? 簡単だ、着ている服が葉っぱのビキニで胸がある。木の蔦、葉っぱを加工した装備に、背中に弓を背負い、手には石槍を持ち、片手にフリーナを抱いて……って。
「こ、こっち見ないでええええ!!」
フリーナは全裸だった。
着替え中に襲われたのか。というか……ムサシがいながら。
『がるる……』
「ムサシ、気にすんな。敵の数は?」
ムサシは、敵の接近を許したことを気にしていた。
だが、それどころじゃない。
俺でもわかる。ここは……包囲されている。
「お前ら、ドルグワント……」
「そうだ。ふむ、オマエ……なかなか強いな」
すると、少女が仮面を外す。
俺と同じ黄色人種だ。顔立ちはかなり可愛い部類だが、樹液みたいな何かで顔や身体にペイントをしており、シャクラたちが骨のアクセサリーをしているのに対し、こっちは石でアクセサリーを作って付けていた。
俺は双剣を抜く。
「フリーナを離せ」
「それはできない。この森に踏み込んだ者は、アシャワンなら問答無用で処刑、大地の民なら処刑、大地の民の女ならば森神ホルシード様の供物とする」
「く、供物?」
「そう。ホルシード様の供物である」
少女はニヤリと笑う。
「アシャワンのような『砂神』の信仰とは違う。森神ホルシード様は実在し、ドルグワントの森をお守りくださっている!! さて、話は終わりだ……やれ!!」
「!!」
すると、周囲からドルグワントの戦士たちが飛び掛かってきた。
同時に、少女は近くの藪に飛び込む。
「待て!! お前は」
「ワタシはドルグワントの戦士ヴァルナ!! 『ドルグワントのオアシス』ヴァルナだ!! ははははは!!」
「助けてええええ!!」
フリーナの叫び。
くそ、ドルグワントの戦士、しかもソレイマーンって……シャクラと同格のドルグワント最強の戦士の名前じゃねぇか。ああもう、マジで参ったな!!
だが、今は。
「ムサシ、切り抜けるぞ!!」
『グァオ!!』
ムサシは火属性の人型形態に変わり、鱗で燃える大剣を作って装備した。
今、大事なのは……エルサの妹、フリーナの救出だ!!
「お、ここか?」
ムサシに案内され到着したのは、獣道すらない木々をかき分けた先にあった小さな洞穴だ。
中を覗く……ムサシが大丈夫って言うから大丈夫なんだろう。風の流れも感じないし、本当に小さなただの洞穴っぽい。
俺はまだムサシに乗っているフリーナに手を出す。
「とりあえず、今日はここで休もう」
「……ええ」
「……俺と一緒で不満なのはわかるけど、何もしないし、安全が保障されるまで守るっての」
「ふん。お礼目当てでしょうけど、その働きに対価はきちんと払うから安心なさい」
生意気なやつだな……エルサと全然似てないぞ。
髪色は似ているけど、フリーナの目元はやや吊り眼。どちらかといえばたれ目のエルサとは違う。
フリーナはムサシから降り、俺をジッと睨む。
「なんだよ」
「こんな汚い地べたに座らせるつもり?」
「あーはいはい。ほれ、座布団」
俺は布を敷き、その上にアールマティ王国で買った座布団を敷く。
フリーナはぽすんと座ると、身体をくんくん嗅いだ。
「はあ、お風呂に入りたいわ……」
「川にダイブして、さらにこの蒸し暑いジャングルの中で大汗流したもんな……」
正直に言う。実は、川にダイブしたのかなり気持ち良かった。
俺はアイテムボックスを確認する。
「食料、水はまだあるな……なあお前、持ち物は?」
「……何もないわよ。杖くらい。必要な荷物は、護衛隊が持ってたから」
「だよなあ」
食料は節約しなきゃな。水……あ、そうだ。
俺は陸走形態で『お座り』しているムサシに言う。
「ムサシ、悪いけどしばらくそのままで、周囲を警戒してくれ」
『がるる』
「お前がいてくれて安心だよ……よしよし」
『くぅん』
ムサシの鼻先を撫でると、嬉しそうに尻尾を振る。
今気づいたが……ムサシ、大きくなっているな。前はライオンくらいの大きさだったのに、今じゃ小型のゾウよりも大きい。
属性と形態を得ると、身体も大きくなるのかな?
するとムサシ、火属性の陸走形態へ変わる。
『ごろろるるる……』
「おお、風属性がオオカミなら、火属性はライオンだな」
立派な赤いタテガミの獅子となったムサシは、洞穴の入口で寝転がった。
この形態の威圧感なら、魔獣は寄ってこないだろう。火属性……かなり戦闘寄りの形態が多い。
少し思った。陸走形態、羽翼形態、甲殻形態には変われるんだが、特異種……特異形態には一度も変身できないんだよな……何か条件があるのかな?
「ちょっと、水!! 喉乾いた!!」
「あーはいはい、わかったよ」
まあ、今はめんどくさいお嬢様のお世話でもしますかね。
◇◇◇◇◇◇
この日の夕食は、パンと水、焼いたチーズだけ。
フリーナはめっちゃ文句を言う。
「これだけ!? ねえ、何か甘いの持ってないの!?」
「あるけど非常食。糖分はエネルギーになるし、今は出せない」
「今が必要なエネルギーじゃない!!」
「そんだけデカい声出せるなら問題ないだろ。俺の服貸すから、食ったら着替えろよ。今着てるのは近くの川で洗濯して、ムサシの傍で干しておくから」
「あ、あんた……あんたの服を着ろって!? 嫌よ!!」
「じゃあそのままな。俺は着替えるけど。あー汗だくの服着替えられてよかった。少なくとも今は汗臭いって言われないしなー」
「ぬぐぐ」
フリーナは汗臭い……俺もだが。
俺は鍋に近くで組んだ川の水を入れ沸騰させ、追加で水を入れて少し覚ます。
そして、ハルワタート王国で買ったシャツと短パン、新品の手拭いを鍋の傍に置いた。
「汗だくのままじゃ寝れないだろ。明日もあるんだ、ちゃんと汗を流して着替えをして、疲れを取るためにたっぷり寝ておけよ。俺、川で水浴びしてくるから」
「…………」
俺はそれだけ言い、川に向かう。
拠点の傍に川があって助かった。俺は服を脱いで川に飛び込み、汗だくの身体を手ぬぐいで拭う。
頭もガシガシ洗うと、すごく気持ちいい。
「はあ……エルサ、シャクラ。心配しているかな」
月明かりに照らされた川はキラキラ輝いている。このままでも飲めそうな水だが、腹を壊すので飲まない。
川から上がり、新しい服に着替え、服を洗って洗濯用の物干し竿に差す。
旅道具、俺のアイテムボックスに入れておいてよかったと本気で思う。あとはフリーナの服を洗ってムサシの傍で干すだけでいい。
火属性のムサシ、熱気が出ているから洗濯ものを乾かすのにぴったり──……。
「きゃああああああああ!!」
「ッ!!」
突如、フリーナの叫びが聞こえてきた。
俺はダッシュで拠点に行く。すると、臨戦態勢のムサシがいた。
フリーナは。
「ほう、大地の民か……いい獣魔を使役しているな」
「……なんだお前」
洞窟の傍に、木彫りの仮面を被った『女』がいた。
なぜ女とわかったのか? 簡単だ、着ている服が葉っぱのビキニで胸がある。木の蔦、葉っぱを加工した装備に、背中に弓を背負い、手には石槍を持ち、片手にフリーナを抱いて……って。
「こ、こっち見ないでええええ!!」
フリーナは全裸だった。
着替え中に襲われたのか。というか……ムサシがいながら。
『がるる……』
「ムサシ、気にすんな。敵の数は?」
ムサシは、敵の接近を許したことを気にしていた。
だが、それどころじゃない。
俺でもわかる。ここは……包囲されている。
「お前ら、ドルグワント……」
「そうだ。ふむ、オマエ……なかなか強いな」
すると、少女が仮面を外す。
俺と同じ黄色人種だ。顔立ちはかなり可愛い部類だが、樹液みたいな何かで顔や身体にペイントをしており、シャクラたちが骨のアクセサリーをしているのに対し、こっちは石でアクセサリーを作って付けていた。
俺は双剣を抜く。
「フリーナを離せ」
「それはできない。この森に踏み込んだ者は、アシャワンなら問答無用で処刑、大地の民なら処刑、大地の民の女ならば森神ホルシード様の供物とする」
「く、供物?」
「そう。ホルシード様の供物である」
少女はニヤリと笑う。
「アシャワンのような『砂神』の信仰とは違う。森神ホルシード様は実在し、ドルグワントの森をお守りくださっている!! さて、話は終わりだ……やれ!!」
「!!」
すると、周囲からドルグワントの戦士たちが飛び掛かってきた。
同時に、少女は近くの藪に飛び込む。
「待て!! お前は」
「ワタシはドルグワントの戦士ヴァルナ!! 『ドルグワントのオアシス』ヴァルナだ!! ははははは!!」
「助けてええええ!!」
フリーナの叫び。
くそ、ドルグワントの戦士、しかもソレイマーンって……シャクラと同格のドルグワント最強の戦士の名前じゃねぇか。ああもう、マジで参ったな!!
だが、今は。
「ムサシ、切り抜けるぞ!!」
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