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第四章 炎砂の国アシャ
末期魔竜ドゥルジ①
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あまりにも歪な、そして凶悪で強大な魔竜。
二首、二頭。フシャエータとホルシードの頭がある歪なドラゴンは、身体のあちこちに外殻や体毛が生えている。翼は四枚あり全てメチャクチャな形をしている。よく見ると尻尾は七本あり、長さや形状もそれぞれ違った。
つまり、生物としてあり得ない姿。
俺は叫ぶ。
「シャクラ!! ヴァルナ!! そいつはもう命が終わりかけているはずだ!! その変貌も、残りの命を燃やして互いを貪り合った結果に過ぎない!! ……と、思う」
恐らく、残りの寿命は数時間……いや、一時間あるかないかもしれない。
でも、間違いなくこいつは死ぬ。魔竜の末期、そして互いを貪り融合するなんて、魔竜の残り命が燃え上がりでもしない限り、絶対にありえない。
『きゅい!!』
「え……?」
『きゅい、きゅるる!!』
ムサシが俺の頭に乗り、べしべしと尻尾で叩く。
すると……何か、見えた。
魔竜の身体を包む、真っ黒いモヤが。
「な、なんだ……あれ?」
「レクス? ど、どうしたんですか?」
「いや、あの黒いモヤ……」
「モヤ?」
エルサが首を傾げていた。
まさか、見えていない? あんなにはっきりと纏わりついているのに。
『『バオオオオオオオオオ!!』』
すると、魔竜は地団駄を踏み、首や尻尾をメチャクチャに動かして暴れる。
もうドラゴンの知性なんてない。メチャクチャに暴れるくらいの知能しかない。
でも、あの巨体で地団駄を踏むだけで、それは破壊の嵐となる。
「うおおお!!」「離れろ!!」「手を貸す、こっちだ!!」「す、すまない」
奇しくも、アシャワンとドルグワントの戦士たちが、互いに手を取り合っていた。
同じなんだ。アシャワンもドルグワントも、根幹にあるのは『アシャを守る』ということ。それが森か砂漠かだけの違いで、目の前の脅威に対していがみ合うほど愚かじゃない。
俺はムサシに言う。
「ムサシ、火属性の羽翼形態……地上は戦士たちに任せて、俺たちは上空から攻撃する!! エルサ、お前は距離を取って、負傷者の治療を頼む!!」
「わ、わかりました!! レクス、ムサシ……気を付けて」
「ん……」
と、エルサがきゅっと抱きついて、俺にキスしてきた。
ついでにムサシにも……いや、これ死ねないし、やる気出まくりだろ。
『きゅいいいいい!!』
「おま、メチャクチャ興奮しているな……気持ちわかるけど。じゃあ行くぞ!!」
『シャガアアア!!』
ムサシは不死鳥のような羽翼形態へ変わる。
俺は銃を抜き、ムサシの背に乗って飛び立った。
「さあ、アシャ王国で最後のバトル……気合入れるぞ!!」
『シャア!!』
敵は、融合した魔竜。
なんだかんだで、国を守るために戦う俺とムサシであった。
◇◇◇◇◇
さて、意気揚々と上空に飛び上がった瞬間。
「だらあああああああああ!!」
「へ?」
物凄い勢いで、砂煙を巻き上げながら誰かが走ってくるのが見えた。
「うげぇぇぇえええええ!!」
「ぐおおおおおおおぉぉ!!」
その誰か、人を掴んで走ってる……しかも二人。
近付くにつれ姿が見え、俺は開いた口が塞がらなかった。
「え、あ、アミュア……? げっ、ディアブレイズ様!? と、誰だ? うわ、見ない方がいいかも……」
見ない方がいいのは、アミュアともう一人の女の子だ。
腕を掴まれ、ブンブン振り回されながら引っ張られているせいか、女の子にあるまじき叫び声に、とんでもなく悪い顔色……あれ、死ぬんじゃないか?
そっか。六滅竜『炎』の付き人とかにアミュアとあの女の子が選ばれ……。
「んん?」
「う」
やべ、数百メートル離れているはずなのに、ディアブレイズ様と目が合った。
「まさか、レクスの坊主? おいおい、追放……まあいいや!! おうアミュア、行ってこい!!」
「うっぶ……え、れぐず? ──っでぇぇぇ!?」
「ちょ!?」
なんとディアブレイズ様、アミュアをブン投げた。
どういう腕力なのか、アミュアは上空をきりもみ回転しながら俺の方へ飛んでくる。
ムサシに位置を調整してもらい、俺はアミュアをキャッチした。
「あ、アミュア!? おい、しっかりしろ!!」
「はっはー!! なんかデカくなってやがるな!! さあ、テメエの相手はこの六滅竜『炎』のディアブレイズと、相棒の『炎獄神竜』スルトだ!! いくぜえええええええ!!」
『いくぜ相棒おおおおおおお!!』
地上では、ディアブレイズ様がバカでかい叫びを上げながら、魔竜に飛び掛かった。
いやいいんだが……俺のやる気、空回りしそう。
ま、まあいい。
「おいアミュア、おい!! しっかりしろ!!」
「しぬ、しぬ……」
「ひでえ顔色……う、くせえ」
こいつ、何回か吐いたな? 振り回されながらここまで来たのか、メチャクチャひどい乗り物酔いしたみたいになっている。
ええい、荒療治だ。
俺はアイテムボックスから水のボトルを出し、アミュアの頭にぶっかける。
「うう……きもちいい」
「ほら、飲め。ゆっくりでいいから」
「ううう……ん」
アミュアは水を少しずつ飲むと、ぷはーと息を吐いた。
そして、ゆっくり目を開けると、俺の顔をジッと見る。
「……レクス?」
「ああ、大丈夫か?」
「…………夢?」
「本物だ。ほれほれ」
「いたた、いたい」
アミュアの頬を引っ張り、俺はニカッと笑う……すると、アミュアはポロっと涙を流し、俺にしがみついた。
「うう、レクス……」
「大丈夫大丈夫。よしよし」
アミュアを落ち着かせ、俺はディアブレイズ様を見た。
「スルトを身体に纏って戦うスタイルだっけ……相変わらず豪快だ」
スルトは、かなり小さいドラゴンだ。甲殻種で、ムスペル侯爵家の人間は代々、スルトを纏って戦うために、強靭な肉体を作るって聞いたけど。
ディアブレイズ様は、ホルシードの方の顔面を豪快に殴って吹っ飛ばしていた。
「レクス……あんた、やっぱりアシャ王国にいたんだ」
「ああ。お前の方は?」
「えっとね……」
アミュアは、アシャ王国から要請を受け、魔竜討伐に来たことを説明……そして、地上にある岩陰に放置されている女の子を見て言った。
「あの子、新しい六滅竜『地』のヘルっていうの。へレイア様が亡くなって、ミドガルズオルムに選ばれた子でね……今回は、ディアブレイズ様に六滅竜の使い方を学ぶために一緒に来たんだけど……」
「……完全に放置されてるな。よしムサシ、あの子の傍へ」
『シャウ』
ムサシは地上へ。
岩陰に放置されている女の子……ヘルを介抱した。
眼を覚ますと、青い顔で俺を見る。
「……え、だれ」
「ども。レクスです」
「……どうも」
「ヘル。レクスは私の幼馴染。今はもう一般人だけどね」
「……はあ。うう、あたまいたい」
「まあそのへんのくだりは適当に。それより、あの魔竜を何とかするぞ。アミュア、いけるか?」
「いけるけど……ディアブレイズ様だけで十分じゃ?」
ディアブレイズ様を見ると、ホルシードとフシャエータの混合魔竜相手に渡り合っていた。
あまりの業火に、アシャワンもドルグワントも近づけない。シャクラ、ヴァルナは『手を出さないように!!』と命令を出していた。
俺は言う。
「なんとなくだけど……あの魔竜、普通じゃない。お前は見えるか? あの魔竜に纏わりつく黒いモヤ」
「……モヤ? 見えないけど」
「私も……」
アミュアもヘルも、目を凝らしているが見えていない。
俺は、手乗りドラゴンのムサシに聞く。
「ムサシ、お前には見えるよな?」
『きゅう』
「……俺とムサシにしか見えていないのか?」
『きゅい!!』
ムサシは俺の肩から飛ぶと、俺たち三人の周りをクルクル飛ぶ。
『きゅるる、きゅいい!! きゅい!!』
「……みんなで、戦うって?」
『きゅいいい!!』
「……ディアブレイズ様だけじゃ、勝てない?」
「レクス、ムサシの言葉、わかるの?」
「なんとなく。ムサシは、ディアブレイズ様だけじゃ、あの魔竜は倒せないって言ってる」
するとムサシ、火属性の人型形態になり、鱗を大剣に変えて肩に担ぐ。
『ガロロロ!!』
「……わかった。よし!! アミュア、やるぞ!!」
「理由はともかく、戦うのは竜滅士として当然!! アグニベルト!!」
アミュアはアグニベルトを召喚、今のムサシと同じくらい大きい甲殻種のドラゴンは、並ぶと壮観だ。
「わ、わたしも……きて、ミドガルズオルム」
そして、俺たちの背後に巨大な亀……ではなく、ミドガルズオルムが現れた。
「よし、ディアブレイズ様に加勢するぞ!!」
魔竜討伐……これは、竜滅士の仕事だ!!
二首、二頭。フシャエータとホルシードの頭がある歪なドラゴンは、身体のあちこちに外殻や体毛が生えている。翼は四枚あり全てメチャクチャな形をしている。よく見ると尻尾は七本あり、長さや形状もそれぞれ違った。
つまり、生物としてあり得ない姿。
俺は叫ぶ。
「シャクラ!! ヴァルナ!! そいつはもう命が終わりかけているはずだ!! その変貌も、残りの命を燃やして互いを貪り合った結果に過ぎない!! ……と、思う」
恐らく、残りの寿命は数時間……いや、一時間あるかないかもしれない。
でも、間違いなくこいつは死ぬ。魔竜の末期、そして互いを貪り融合するなんて、魔竜の残り命が燃え上がりでもしない限り、絶対にありえない。
『きゅい!!』
「え……?」
『きゅい、きゅるる!!』
ムサシが俺の頭に乗り、べしべしと尻尾で叩く。
すると……何か、見えた。
魔竜の身体を包む、真っ黒いモヤが。
「な、なんだ……あれ?」
「レクス? ど、どうしたんですか?」
「いや、あの黒いモヤ……」
「モヤ?」
エルサが首を傾げていた。
まさか、見えていない? あんなにはっきりと纏わりついているのに。
『『バオオオオオオオオオ!!』』
すると、魔竜は地団駄を踏み、首や尻尾をメチャクチャに動かして暴れる。
もうドラゴンの知性なんてない。メチャクチャに暴れるくらいの知能しかない。
でも、あの巨体で地団駄を踏むだけで、それは破壊の嵐となる。
「うおおお!!」「離れろ!!」「手を貸す、こっちだ!!」「す、すまない」
奇しくも、アシャワンとドルグワントの戦士たちが、互いに手を取り合っていた。
同じなんだ。アシャワンもドルグワントも、根幹にあるのは『アシャを守る』ということ。それが森か砂漠かだけの違いで、目の前の脅威に対していがみ合うほど愚かじゃない。
俺はムサシに言う。
「ムサシ、火属性の羽翼形態……地上は戦士たちに任せて、俺たちは上空から攻撃する!! エルサ、お前は距離を取って、負傷者の治療を頼む!!」
「わ、わかりました!! レクス、ムサシ……気を付けて」
「ん……」
と、エルサがきゅっと抱きついて、俺にキスしてきた。
ついでにムサシにも……いや、これ死ねないし、やる気出まくりだろ。
『きゅいいいいい!!』
「おま、メチャクチャ興奮しているな……気持ちわかるけど。じゃあ行くぞ!!」
『シャガアアア!!』
ムサシは不死鳥のような羽翼形態へ変わる。
俺は銃を抜き、ムサシの背に乗って飛び立った。
「さあ、アシャ王国で最後のバトル……気合入れるぞ!!」
『シャア!!』
敵は、融合した魔竜。
なんだかんだで、国を守るために戦う俺とムサシであった。
◇◇◇◇◇
さて、意気揚々と上空に飛び上がった瞬間。
「だらあああああああああ!!」
「へ?」
物凄い勢いで、砂煙を巻き上げながら誰かが走ってくるのが見えた。
「うげぇぇぇえええええ!!」
「ぐおおおおおおおぉぉ!!」
その誰か、人を掴んで走ってる……しかも二人。
近付くにつれ姿が見え、俺は開いた口が塞がらなかった。
「え、あ、アミュア……? げっ、ディアブレイズ様!? と、誰だ? うわ、見ない方がいいかも……」
見ない方がいいのは、アミュアともう一人の女の子だ。
腕を掴まれ、ブンブン振り回されながら引っ張られているせいか、女の子にあるまじき叫び声に、とんでもなく悪い顔色……あれ、死ぬんじゃないか?
そっか。六滅竜『炎』の付き人とかにアミュアとあの女の子が選ばれ……。
「んん?」
「う」
やべ、数百メートル離れているはずなのに、ディアブレイズ様と目が合った。
「まさか、レクスの坊主? おいおい、追放……まあいいや!! おうアミュア、行ってこい!!」
「うっぶ……え、れぐず? ──っでぇぇぇ!?」
「ちょ!?」
なんとディアブレイズ様、アミュアをブン投げた。
どういう腕力なのか、アミュアは上空をきりもみ回転しながら俺の方へ飛んでくる。
ムサシに位置を調整してもらい、俺はアミュアをキャッチした。
「あ、アミュア!? おい、しっかりしろ!!」
「はっはー!! なんかデカくなってやがるな!! さあ、テメエの相手はこの六滅竜『炎』のディアブレイズと、相棒の『炎獄神竜』スルトだ!! いくぜえええええええ!!」
『いくぜ相棒おおおおおおお!!』
地上では、ディアブレイズ様がバカでかい叫びを上げながら、魔竜に飛び掛かった。
いやいいんだが……俺のやる気、空回りしそう。
ま、まあいい。
「おいアミュア、おい!! しっかりしろ!!」
「しぬ、しぬ……」
「ひでえ顔色……う、くせえ」
こいつ、何回か吐いたな? 振り回されながらここまで来たのか、メチャクチャひどい乗り物酔いしたみたいになっている。
ええい、荒療治だ。
俺はアイテムボックスから水のボトルを出し、アミュアの頭にぶっかける。
「うう……きもちいい」
「ほら、飲め。ゆっくりでいいから」
「ううう……ん」
アミュアは水を少しずつ飲むと、ぷはーと息を吐いた。
そして、ゆっくり目を開けると、俺の顔をジッと見る。
「……レクス?」
「ああ、大丈夫か?」
「…………夢?」
「本物だ。ほれほれ」
「いたた、いたい」
アミュアの頬を引っ張り、俺はニカッと笑う……すると、アミュアはポロっと涙を流し、俺にしがみついた。
「うう、レクス……」
「大丈夫大丈夫。よしよし」
アミュアを落ち着かせ、俺はディアブレイズ様を見た。
「スルトを身体に纏って戦うスタイルだっけ……相変わらず豪快だ」
スルトは、かなり小さいドラゴンだ。甲殻種で、ムスペル侯爵家の人間は代々、スルトを纏って戦うために、強靭な肉体を作るって聞いたけど。
ディアブレイズ様は、ホルシードの方の顔面を豪快に殴って吹っ飛ばしていた。
「レクス……あんた、やっぱりアシャ王国にいたんだ」
「ああ。お前の方は?」
「えっとね……」
アミュアは、アシャ王国から要請を受け、魔竜討伐に来たことを説明……そして、地上にある岩陰に放置されている女の子を見て言った。
「あの子、新しい六滅竜『地』のヘルっていうの。へレイア様が亡くなって、ミドガルズオルムに選ばれた子でね……今回は、ディアブレイズ様に六滅竜の使い方を学ぶために一緒に来たんだけど……」
「……完全に放置されてるな。よしムサシ、あの子の傍へ」
『シャウ』
ムサシは地上へ。
岩陰に放置されている女の子……ヘルを介抱した。
眼を覚ますと、青い顔で俺を見る。
「……え、だれ」
「ども。レクスです」
「……どうも」
「ヘル。レクスは私の幼馴染。今はもう一般人だけどね」
「……はあ。うう、あたまいたい」
「まあそのへんのくだりは適当に。それより、あの魔竜を何とかするぞ。アミュア、いけるか?」
「いけるけど……ディアブレイズ様だけで十分じゃ?」
ディアブレイズ様を見ると、ホルシードとフシャエータの混合魔竜相手に渡り合っていた。
あまりの業火に、アシャワンもドルグワントも近づけない。シャクラ、ヴァルナは『手を出さないように!!』と命令を出していた。
俺は言う。
「なんとなくだけど……あの魔竜、普通じゃない。お前は見えるか? あの魔竜に纏わりつく黒いモヤ」
「……モヤ? 見えないけど」
「私も……」
アミュアもヘルも、目を凝らしているが見えていない。
俺は、手乗りドラゴンのムサシに聞く。
「ムサシ、お前には見えるよな?」
『きゅう』
「……俺とムサシにしか見えていないのか?」
『きゅい!!』
ムサシは俺の肩から飛ぶと、俺たち三人の周りをクルクル飛ぶ。
『きゅるる、きゅいい!! きゅい!!』
「……みんなで、戦うって?」
『きゅいいい!!』
「……ディアブレイズ様だけじゃ、勝てない?」
「レクス、ムサシの言葉、わかるの?」
「なんとなく。ムサシは、ディアブレイズ様だけじゃ、あの魔竜は倒せないって言ってる」
するとムサシ、火属性の人型形態になり、鱗を大剣に変えて肩に担ぐ。
『ガロロロ!!』
「……わかった。よし!! アミュア、やるぞ!!」
「理由はともかく、戦うのは竜滅士として当然!! アグニベルト!!」
アミュアはアグニベルトを召喚、今のムサシと同じくらい大きい甲殻種のドラゴンは、並ぶと壮観だ。
「わ、わたしも……きて、ミドガルズオルム」
そして、俺たちの背後に巨大な亀……ではなく、ミドガルズオルムが現れた。
「よし、ディアブレイズ様に加勢するぞ!!」
魔竜討伐……これは、竜滅士の仕事だ!!
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