召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~

さとう

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第一章

初授業

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 翌日から、召喚士になるための授業が始まった。
 配られた教科書を開き、壇上のオズワルドが厳しい顔で説明を始める。

「まず、召喚士とは?」

 オズワルドが教室全体に問う。
 態度はともかく、教える気はあるようだとアルフェンは安心する。
 すると、レイチェルが挙手。指される前に応えた。

「召喚士とは、召喚獣を生み出し使役する者。つまり、この世に生きる人間のことです」
「違う」
「え……」

 オズワルドは、レイチェルの答えをバッサリ切る。

「召喚士とは、『魔帝』とその召喚獣を滅ぼすための存在だ。この召喚学園で学ぶのは、魔帝とその眷属である魔人を滅ぼすための力である」

 魔帝。
 かつてこの世界を滅ぼしかけた最強最悪の召喚士。
 そして、魔帝が召喚したとされる最悪の召喚獣こそが『魔人』である。
 かつて、二十一人の召喚士たちによって封じられた魔帝だが、数十年前に封印を破り、失った力を取り戻すべく力を貯めている。
 今、この世界は魔帝の召喚獣である『魔人』との戦いが繰り広げられていた。

「いいか。貴様らに望むのは一つ。召喚士として学び、自らを鍛え上げ等級を上げろ。F級なんてクズ、魔人の前では盾にもならん」

 教室内は静まり返る。
 オズワルドの言う通り、魔人の強さは想像を絶する。

「現在、A級の召喚士は二百人。うち、この学園生徒でA級は八人しかいない。B級からA級に上がるための壁を超えられる者は、そう多くないのが現状だ。だからこそ、F級という最底辺の貴様らに割く時間も手間も惜しい……いいか、人並みの対応をされたければ、死ぬ気で等級を上げろ」

 オズワルドはそう言うと、息を吐く。
 生徒たちは、静まり返っていた。

「午後は貴様たちの召喚獣を確認させてもらう。では、授業を続ける……」

 午前中の授業は座学。
 魔帝と魔人の歴史。召喚士の等級から召喚獣の話を徹底的に学ぶ。
 そして、昼食の時間になった。

「配給だ。持って行け」

 教室に、作業員のような服を着た男が、大きなトレイを持ってきた。
 トレイには、山盛りのパンが載っていた。
 これを見てため息を吐いたのは、やはりラッツだ。

「見たか? これがF級の現実だぜ……食事は余りもののパンだとよ。C級とかD級でさえ、学食の利用が許可されてるってのに」

 アルフェンはパンをもらい、自分の席へ。
 飲み物は、水道から出る水だ。水は飲み放題である。

「お、このパン、クリーム入りだ。けっこう美味いぜ」
「お前な……」

 ハウルが呆れつつパンを齧る。
 マーロンはすでに完食。だが、物足りなそうにしていた。

「はぁ……足りないよぉ」
「マーロン、足りないときはな、何度も噛んでから飲み込むんだよ。そうすりゃ腹が膨れるって母ちゃんに聞いたことある」

 ラッツがそう言い、自分のパンを半分、マーロンに分けた。

「え、え……」
「食えって。オレんちけっこう貧乏だったから、飯が食えないなんてザラだったしな」
「ラッツ……」
「ほら、食えって」

 マーロンは、ラッツにぺこぺこしながらパンを受け取った。
 アルフェンはパンを完食し、視線に気づいた。

「ん……」
「あ……ど、どうも」

 桃髪の少女ラビィが、アルフェンを見ていた。
 パンをもそもそ食べながら、レイチェルと何か話している。
 アルフェンは軽く会釈し、窓の外を見た。

「はぁ……等級を上げろ、か」

 そう呟き、右手にモグを召喚する。
 真っ黒なモグラは、今日も元気いっぱいだった。

『もぐ!』
「モグ、お前の等級上がると思うか?」
『もぐ?』
「はは、何でもない……ま、焦らないで「かわいい~っ!」うおっ」

 なんと、ラビィがアルフェンのすぐ隣でモグを見ていた。
 そして、そっと手を伸ばしモグに触れる。

「わぁ……もふもふしてる」
「お、おい、なんだよ急に」
「えへへ。ごめんなさい……わたし、かわいい召喚獣が大好きで」
「か、かわいい?」
「うん。あ、紹介するね。わたしの召喚獣!」

 ラビィは両手を合わせ、小さな桃色のウサギを召喚した。

「『モモちゃん』っていうの。可愛いでしょ?」
「モモちゃん……」
『もぐ!』
『きゅい!』

 モグとモモちゃんは一瞬で意気投合し、互いに身体を擦り合っていた。
 その様子を見ていたラッツ、ハウル、マーロンも混ざってきた。

「おうおう、もふもふじゃねぇか。へへ、ここはオレのかっこいい召喚獣でバランスを」
「やめとけって。ただのトカゲじゃねぇか」
「う、うっせぇ!! おいマーロン、お前もミニブタ出せよ!!」
「う、うん」
「こらそこ! ラビィをいじめんな!」
「うっせーレイチェル、いじめてねぇし!」

 いつの間にか、アルフェンとラビィを中心に人が集まっていた。
 
「あはは。なんだか楽しいね!」
「だな……はは、モグもモモちゃんも仲良くなって」
「うん!」
『もぐ!』
『きゅい!』

 これが、アルフェンとラビィの真の出会いだった。
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