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第三章
後始末
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魔人ヒュブリスは討伐された。
アルフェンたちはアルノーの元へ向かい、そのまま楽園跡地へ。
豚……ではなく、ヒュブリスの『寵愛者』たちと奴隷が茫然としていた。それもそうだ。黄金カエルが全てを破壊し、ただの更地になってしまったのだから。
アルノーは怪我を押して『跳躍』を繰り返し近くの町へ向かい、アースガルズ王国軍に連絡。数時間後には派遣された軍人が寵愛者と奴隷を連れて行った。
アルフェンたちは、アルノーと一緒に町へ戻った。
宿を取り、医者に手当てをしてもらい……ようやく落ち着いたころには、すっかり夜になっていた。
さすがに何もする気になれず、軽い報告をする。
「えーと、魔人ヒュブリスは討伐した。俺たちの目の前で崩れたから間違いなく死んだよ」
「そうか……ふぅ」
アルフェンはアルノーに報告。
アルノーもだが、アルフェンもウィルもサフィーもフェニアも、全員がぐったりしていた。
そして、もう一人。
「あの……アタシ、ホントにみんなと一緒にいていいの?」
アネルだ。
アネルは王国軍と行かず、アルフェンたちと一緒に町の宿まで来たのだ。
休む前に、アルフェンは聞くことがあった。
「アネル。これからどうする?」
「……ん」
答えを出せないアネルに、アルノーが言う。
「魔人ヒュブリスの被害にあった人間ということで、アースガルズ王国は奴隷たちの保護をする。その場合、アースガルズ王国にある施設に入居することになるが……」
「……アタシは」
「は、復讐は終わったしな。自由にして構わないぜ?」
「…………」
「おいウィル、余計なこと言うな」
フェニアとサフィーは何も言わない。少し不安そうだが、アネルが話すのを待っているようだ。
アルフェンは、もう一つの提案……本題を話した。
「アネル。お前さえよければ……アースガルズ召喚学園に入らないか?」
「え?」
「俺たちはアースガルズ召喚学園のS級クラス。まだ四人しか生徒はいないけど、お前が五人目になってほしい」
「……それは、アタシがこんな脚だから?」
「そうじゃない。確かに、同じ寄生型としての親近感は感じるけど……お前も、俺やウィルと同じ『失った』人だから。一人でいるより、互いに支え合える」
「は、傷の舐め合いはごっふぇ!?」
ウィルが何か言おうとした瞬間、フェニアの肘が腹に、サフィーのショートアッパーが顎に入った。
「同じ、か……うん、それもいいかな。でもアタシ、学校なんて行ったことないし、字も上手く書けないよ? それに、アースガルズ召喚学園って、貴族の通う学校でしょ?」
「大丈夫。S級は特殊だし、ウィルもフェニアも貴族じゃない。あ、俺もか……」
「そうなんだ……うん、なんか楽しそう」
「ああ。じゃあ、入ってくれるか?」
「いいよ。ふふ、アタシが学園生活を送るなんてね……」
「やった!! 女の子二人目!!」
「アネルアネル、学生寮もありますよ!! 私とフェニアの部屋の隣が空いてますから!!」
「わわっ!? あ、あはは……うん、よろしくね」
こうして、アネルがS級クラスに入った。
アルフェンは、アルノーに言う。
「アルノーさん。そういうわけで……」
「ああ。ガーネット様には私から伝えておこう。それと、今日明日はゆっくり休んで、明後日には王国へ帰還だ。それから、帰りは別の騎士が護衛に付く」
「え、アルノーさんは一緒じゃ……」
「私はまだやることがある。ふ……例の奴隷オークションを摘発せねばな」
「そんな、怪我もしてるのに……」
「問題ない。仲間も大勢いるし、ガサ入れの準備は進んでいる。きみたちはきみたちのやるべきことを、しっかりやりなさい」
「アルノーさん……」
「よし。今日は解散だ。みな、しっかり休むように」
そう言って、今日の反省会は終わった。
その翌日。アルフェンたちは殆ど寝て過ごし、翌日には帰る馬車に乗り込む寸前だった。
アルノーは、アルフェンたちに言う。
「こんな言い方は不適切かもしれないが……楽しかった」
「俺もです。アルノーさん、ありがとうございました!!」
「あたしも、楽しかったです!」
「お世話になりました、アルノー様」
「その、ありがとうございます」
アルフェンは思いきり頭を下げ、フェニアも下げる。
サフィーはスカートを摘まんで一礼し、アネルはオロオロしながら頭を下げた。
そしてウィルは。
「おい、帰ったら酒奢れよ」
「ふ……いいだろう。私の行きつけを紹介してやる」
「フン……まぁ、いろいろありがとよ、アルノー」
ウィルはそっぽ向き、帽子で顔を隠しながらお礼を言った。
アルフェンはニヤニヤしながらウィルを肘で突くと、なぜか殴られた。
「いってぇ!? な、なにすんだ!?」
「ムカつくからだよ、ガキ」
「んだと!?」
「はいはい。素直じゃないウィルもアルフェンもやめなって」
「ふふ。みんな仲良しです」
「…………」
アネルは、ギャーギャー騒ぐアルフェンたちを見て微笑む。
家族は失った。住んでいるところも、召喚獣も失った。
でも、それで終わりじゃない。新しい場所を手に入れ、新しい脚も手に入れた。
失うだけじゃない。失って強くなることもある。
「……アタシ、頑張るね」
アネルはそう呟き、亡き家族を心で想った。
アルフェンたちはアルノーの元へ向かい、そのまま楽園跡地へ。
豚……ではなく、ヒュブリスの『寵愛者』たちと奴隷が茫然としていた。それもそうだ。黄金カエルが全てを破壊し、ただの更地になってしまったのだから。
アルノーは怪我を押して『跳躍』を繰り返し近くの町へ向かい、アースガルズ王国軍に連絡。数時間後には派遣された軍人が寵愛者と奴隷を連れて行った。
アルフェンたちは、アルノーと一緒に町へ戻った。
宿を取り、医者に手当てをしてもらい……ようやく落ち着いたころには、すっかり夜になっていた。
さすがに何もする気になれず、軽い報告をする。
「えーと、魔人ヒュブリスは討伐した。俺たちの目の前で崩れたから間違いなく死んだよ」
「そうか……ふぅ」
アルフェンはアルノーに報告。
アルノーもだが、アルフェンもウィルもサフィーもフェニアも、全員がぐったりしていた。
そして、もう一人。
「あの……アタシ、ホントにみんなと一緒にいていいの?」
アネルだ。
アネルは王国軍と行かず、アルフェンたちと一緒に町の宿まで来たのだ。
休む前に、アルフェンは聞くことがあった。
「アネル。これからどうする?」
「……ん」
答えを出せないアネルに、アルノーが言う。
「魔人ヒュブリスの被害にあった人間ということで、アースガルズ王国は奴隷たちの保護をする。その場合、アースガルズ王国にある施設に入居することになるが……」
「……アタシは」
「は、復讐は終わったしな。自由にして構わないぜ?」
「…………」
「おいウィル、余計なこと言うな」
フェニアとサフィーは何も言わない。少し不安そうだが、アネルが話すのを待っているようだ。
アルフェンは、もう一つの提案……本題を話した。
「アネル。お前さえよければ……アースガルズ召喚学園に入らないか?」
「え?」
「俺たちはアースガルズ召喚学園のS級クラス。まだ四人しか生徒はいないけど、お前が五人目になってほしい」
「……それは、アタシがこんな脚だから?」
「そうじゃない。確かに、同じ寄生型としての親近感は感じるけど……お前も、俺やウィルと同じ『失った』人だから。一人でいるより、互いに支え合える」
「は、傷の舐め合いはごっふぇ!?」
ウィルが何か言おうとした瞬間、フェニアの肘が腹に、サフィーのショートアッパーが顎に入った。
「同じ、か……うん、それもいいかな。でもアタシ、学校なんて行ったことないし、字も上手く書けないよ? それに、アースガルズ召喚学園って、貴族の通う学校でしょ?」
「大丈夫。S級は特殊だし、ウィルもフェニアも貴族じゃない。あ、俺もか……」
「そうなんだ……うん、なんか楽しそう」
「ああ。じゃあ、入ってくれるか?」
「いいよ。ふふ、アタシが学園生活を送るなんてね……」
「やった!! 女の子二人目!!」
「アネルアネル、学生寮もありますよ!! 私とフェニアの部屋の隣が空いてますから!!」
「わわっ!? あ、あはは……うん、よろしくね」
こうして、アネルがS級クラスに入った。
アルフェンは、アルノーに言う。
「アルノーさん。そういうわけで……」
「ああ。ガーネット様には私から伝えておこう。それと、今日明日はゆっくり休んで、明後日には王国へ帰還だ。それから、帰りは別の騎士が護衛に付く」
「え、アルノーさんは一緒じゃ……」
「私はまだやることがある。ふ……例の奴隷オークションを摘発せねばな」
「そんな、怪我もしてるのに……」
「問題ない。仲間も大勢いるし、ガサ入れの準備は進んでいる。きみたちはきみたちのやるべきことを、しっかりやりなさい」
「アルノーさん……」
「よし。今日は解散だ。みな、しっかり休むように」
そう言って、今日の反省会は終わった。
その翌日。アルフェンたちは殆ど寝て過ごし、翌日には帰る馬車に乗り込む寸前だった。
アルノーは、アルフェンたちに言う。
「こんな言い方は不適切かもしれないが……楽しかった」
「俺もです。アルノーさん、ありがとうございました!!」
「あたしも、楽しかったです!」
「お世話になりました、アルノー様」
「その、ありがとうございます」
アルフェンは思いきり頭を下げ、フェニアも下げる。
サフィーはスカートを摘まんで一礼し、アネルはオロオロしながら頭を下げた。
そしてウィルは。
「おい、帰ったら酒奢れよ」
「ふ……いいだろう。私の行きつけを紹介してやる」
「フン……まぁ、いろいろありがとよ、アルノー」
ウィルはそっぽ向き、帽子で顔を隠しながらお礼を言った。
アルフェンはニヤニヤしながらウィルを肘で突くと、なぜか殴られた。
「いってぇ!? な、なにすんだ!?」
「ムカつくからだよ、ガキ」
「んだと!?」
「はいはい。素直じゃないウィルもアルフェンもやめなって」
「ふふ。みんな仲良しです」
「…………」
アネルは、ギャーギャー騒ぐアルフェンたちを見て微笑む。
家族は失った。住んでいるところも、召喚獣も失った。
でも、それで終わりじゃない。新しい場所を手に入れ、新しい脚も手に入れた。
失うだけじゃない。失って強くなることもある。
「……アタシ、頑張るね」
アネルはそう呟き、亡き家族を心で想った。
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