74 / 178
第四章
魔人保護
しおりを挟む
アルフェンたちは、S級寮でレイヴィニアとニスロクを相手にしていた。
ガーネットたちは王城へ報告に。ガーネット曰く『S級は益々有名になる。覚悟しておくんだね』とのことだ……正直、アルフェンはどうでもよかった。
問題は、これから二人がどうするか。
フェニアは、レイヴィニアに言う。
「これからどうするの……?」
「……うちら、もう用済みだって。魔帝様、完全に力を取り戻したら、自分で魔獣操れるし……うちらの能力、もういらないみたい」
「うぅ~……」
ニスロクも悲し気だった。
アネルは、ウィルに言う。
「ウィル、どうする?」
「オレに聞くな。まぁ、魔帝の元に戻っても処分されるだろうな。『色欲』はオレが殺すからともかく、『強欲』の魔人がお前たちを生かしておくとは思えない」
「……うん」
レイヴィニアは、スッと立ち上がる。
「出てくよ。ベルゼブブはオウガみたいにここに乗り込んでくるほど馬鹿じゃないと思うけど……ここにいたら、人間たちに迷惑かける。最後くらい、綺麗な場所でのんびり過ごしたい。ニスロク……いい?」
「うん。ちび姉についてく。ぼくら、この世界でいろんな色を見れたし、もう満足~」
ニスロクはにっこり笑った。
レイヴィニアも笑ったが……とても、悲し気な笑みだった。
アルフェンは、そんな二人に言う。
「ここにいろよ」
「……え?」
「お前たち、S級に入れよ。召喚士じゃなくて召喚獣だけど……まぁ、特例だ」
「ちょ、アルフェン!?」
「お前たち、身体張ってみんなを守ろうとしたもんな。もう信用できる」
「アタシもそう思う。ウィルは?」
「……好きにしろよ」
アネルは頷き、振られたウィルも適当に頷く。
フェニアは驚きこそしたが笑った。
「そうだね……うん。レイヴィニア、ニスロク、ここにいなよ。魔人とか関係ない、一緒にいよう!」
「で、でも……うちらがいたら、フロレンティア姉ぇやベルゼブブが」
「大丈夫。俺らがいる」
「それに、『色欲』が来る。オレがぶっ殺せば『強欲』だけだ」
「……いいのか?」
「ああ。な、みんな」
アルフェンが言うと、フェニアもウィルもアネルも頷いた。
レイヴィニアは、輝くような笑みを浮かべる。
「ん、じゃあ……ここにいるぞ!! な、ニスロク!!」
「んん~……眠くなっちゃたぁ」
「寝るな馬鹿!!」
レイヴィニアは、ソファで丸くなるニスロクの頭をぶっ叩いた。
◇◇◇◇◇◇
その後。
寮に戻ってきたサフィーとメルは、レイヴィニアたちに正式な挨拶をした。
そして、レイヴィニアたちはかならず保護するとメルは約束する。
サフィーは、今度は絶対に戦うと意気込んでいた。
その後、アルフェンたちS級は正式に『魔人保護』をした。
様々な意見が出たが、魔人討伐者であるアルフェンたちがそれを望んでいること、二十一人の召喚士の内五人がそれを許可したことで認められた。
『嫉妬』の魔人レイヴィニアと『怠惰』の魔人ニスロクはS級寮に保護、そこで生活をすることに。
S級召喚士(ウィル除く)の意向により、ガーネットからこの世界の常識を学んだりすることに。購買までなら外出の許可も出た。
S級召喚士は、英雄となった。
二十一人の召喚士ですら討伐できなかった『憤怒』の魔人を討伐したことで、それぞれ勲章が授与され、莫大な報奨金も得た。
大量の金貨が詰まった樽が寮に届いたときに、アネルは卒倒しフェニアは錯乱しかけた。ウィルは『飲み代ができた』と喜び、サフィーは自室に保管した。
アルフェンは、可能な限りF級のクラスメイトたちの実家に金貨を送った。自分で持つには大金だし、実家に送るのは死んでもごめんだったからだ。
それから数日が経過……やはり、『色欲』は来なかった。
オウガを討伐したこと、そしてレイヴィニアたちが裏切ったことが伝わったのだろう。ウィルの怒りはすさまじく、アルフェンたちが四人がかりでなんとか止めたほどだ。
S級召喚士は、もはや国になくてはならない存在となった。
B級の生徒たちも半数ほどがS級召喚士を支持し、買い物中のフェニアたちに媚を売る者まで現れたり、アルフェンやウィルに取り入ろうと近づいてくる者も増えた。
ウィルの場合、下心丸出しで近づく相手には一切の遠慮がなかったが。
S級召喚士たちが日常を取り戻すまで、一か月の時間が必要だった。
ガーネットたちは王城へ報告に。ガーネット曰く『S級は益々有名になる。覚悟しておくんだね』とのことだ……正直、アルフェンはどうでもよかった。
問題は、これから二人がどうするか。
フェニアは、レイヴィニアに言う。
「これからどうするの……?」
「……うちら、もう用済みだって。魔帝様、完全に力を取り戻したら、自分で魔獣操れるし……うちらの能力、もういらないみたい」
「うぅ~……」
ニスロクも悲し気だった。
アネルは、ウィルに言う。
「ウィル、どうする?」
「オレに聞くな。まぁ、魔帝の元に戻っても処分されるだろうな。『色欲』はオレが殺すからともかく、『強欲』の魔人がお前たちを生かしておくとは思えない」
「……うん」
レイヴィニアは、スッと立ち上がる。
「出てくよ。ベルゼブブはオウガみたいにここに乗り込んでくるほど馬鹿じゃないと思うけど……ここにいたら、人間たちに迷惑かける。最後くらい、綺麗な場所でのんびり過ごしたい。ニスロク……いい?」
「うん。ちび姉についてく。ぼくら、この世界でいろんな色を見れたし、もう満足~」
ニスロクはにっこり笑った。
レイヴィニアも笑ったが……とても、悲し気な笑みだった。
アルフェンは、そんな二人に言う。
「ここにいろよ」
「……え?」
「お前たち、S級に入れよ。召喚士じゃなくて召喚獣だけど……まぁ、特例だ」
「ちょ、アルフェン!?」
「お前たち、身体張ってみんなを守ろうとしたもんな。もう信用できる」
「アタシもそう思う。ウィルは?」
「……好きにしろよ」
アネルは頷き、振られたウィルも適当に頷く。
フェニアは驚きこそしたが笑った。
「そうだね……うん。レイヴィニア、ニスロク、ここにいなよ。魔人とか関係ない、一緒にいよう!」
「で、でも……うちらがいたら、フロレンティア姉ぇやベルゼブブが」
「大丈夫。俺らがいる」
「それに、『色欲』が来る。オレがぶっ殺せば『強欲』だけだ」
「……いいのか?」
「ああ。な、みんな」
アルフェンが言うと、フェニアもウィルもアネルも頷いた。
レイヴィニアは、輝くような笑みを浮かべる。
「ん、じゃあ……ここにいるぞ!! な、ニスロク!!」
「んん~……眠くなっちゃたぁ」
「寝るな馬鹿!!」
レイヴィニアは、ソファで丸くなるニスロクの頭をぶっ叩いた。
◇◇◇◇◇◇
その後。
寮に戻ってきたサフィーとメルは、レイヴィニアたちに正式な挨拶をした。
そして、レイヴィニアたちはかならず保護するとメルは約束する。
サフィーは、今度は絶対に戦うと意気込んでいた。
その後、アルフェンたちS級は正式に『魔人保護』をした。
様々な意見が出たが、魔人討伐者であるアルフェンたちがそれを望んでいること、二十一人の召喚士の内五人がそれを許可したことで認められた。
『嫉妬』の魔人レイヴィニアと『怠惰』の魔人ニスロクはS級寮に保護、そこで生活をすることに。
S級召喚士(ウィル除く)の意向により、ガーネットからこの世界の常識を学んだりすることに。購買までなら外出の許可も出た。
S級召喚士は、英雄となった。
二十一人の召喚士ですら討伐できなかった『憤怒』の魔人を討伐したことで、それぞれ勲章が授与され、莫大な報奨金も得た。
大量の金貨が詰まった樽が寮に届いたときに、アネルは卒倒しフェニアは錯乱しかけた。ウィルは『飲み代ができた』と喜び、サフィーは自室に保管した。
アルフェンは、可能な限りF級のクラスメイトたちの実家に金貨を送った。自分で持つには大金だし、実家に送るのは死んでもごめんだったからだ。
それから数日が経過……やはり、『色欲』は来なかった。
オウガを討伐したこと、そしてレイヴィニアたちが裏切ったことが伝わったのだろう。ウィルの怒りはすさまじく、アルフェンたちが四人がかりでなんとか止めたほどだ。
S級召喚士は、もはや国になくてはならない存在となった。
B級の生徒たちも半数ほどがS級召喚士を支持し、買い物中のフェニアたちに媚を売る者まで現れたり、アルフェンやウィルに取り入ろうと近づいてくる者も増えた。
ウィルの場合、下心丸出しで近づく相手には一切の遠慮がなかったが。
S級召喚士たちが日常を取り戻すまで、一か月の時間が必要だった。
62
あなたにおすすめの小説
正しい聖女さまのつくりかた
みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。
同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。
一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」
そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた!
果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。
聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
ざまぁにはざまぁでお返し致します ~ラスボス王子はヒロインたちと悪役令嬢にざまぁしたいと思います~
陸奥 霧風
ファンタジー
仕事に疲れたサラリーマンがバスの事故で大人気乙女ゲーム『プリンセス ストーリー』の世界へ転生してしまった。しかも攻略不可能と噂されるラスボス的存在『アレク・ガルラ・フラスター王子』だった。
アレク王子はヒロインたちの前に立ちはだかることが出来るのか?
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
チートツール×フールライフ!~女神から貰った能力で勇者選抜されたので頑張ってラスダン前まで来たら勇者にパーティ追放されたので復讐します~
黒片大豆
ファンタジー
「お前、追放な。田舎に帰ってゆっくりしてろ」
女神の信託を受け、勇者のひとりとして迎えられた『アイサック=ベルキッド』。
この日、勇者リーダーにより追放が宣告され、そのゴシップニュースは箝口令解除を待って、世界中にバラまかれることとなった。
『勇者道化師ベルキッド、追放される』
『サック』は田舎への帰り道、野党に襲われる少女『二オーレ』を助け、お礼に施しを受ける。しかしその家族には大きな秘密があり、サックの今後の運命を左右することとなった。二オーレとの出会いにより、新たに『女神への復讐』の選択肢が生まれたサックは、女神へのコンタクト方法を探る旅に目的を変更し、その道中、ゴシップ記事を飛ばした記者や、暗殺者の少女、元勇者の同僚との出会いを重ね、魔王との決戦時に女神が現れることを知る。そして一度は追放された身でありながら、彼は元仲間たちの元へむかう。本気で女神を一発ぶん殴る──ただそれだけのために。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる