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第七章
いつも通りに
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寮に戻ったウィルは、アルフェンとアネルがお茶を飲んでいるところに遭遇した。
二人とも深刻な顔をしている。間違いなく自分のことだろうとウィルは思った。
だが、そんなことはどうでもいい。手に持った酒瓶をテーブルに置く。
そんなウィルを見たアルフェンは、恐る恐る聞いた。
「なぁ、ウィル……その」
「……ん」
「え?」
「グラスと氷くれ」
「……わかった」
ウィルは酒瓶を持ち上げ、何か言おうとするアルフェンに頼んだ。
アルフェンは大人しくグラスと氷を用意する。いつもならアネルは「自分でやりなさい!」と怒るが、今日は何も言わず黙り込んでいた。
ウィルは、アルフェンから受け取ったグラスに氷を入れ、ガーネットから土産にともらったウィスキーを注ぎ、軽く飲む。
「ぷっは……けっこうキツイな。でもいい酒だ」
「「…………」」
アルフェンとアネルは何も言わない。
ウィルは軽くため息を吐き、一人ごとのようにつぶやいた。
「……悪かったな」
「「え?」」
「今回の件。お前たちには話しておく……ところで、残りの連中は?」
フェニアとサフィーはレイヴィニアを連れて風呂。ニスロクは熟睡。メルは残務処理があるというので城に戻った。
いざ話そうとしたのに、こうも調子を狂わされるとは。ウィルは苦笑し、ウィスキーを注ぐ。
せっかくなので、アネルを誘う。
「おいアネル。お前も呑め」
「え、でもアタシ、お酒は……」
「たまにはいいだろ。そこにいる未成年のガキに飲ませてもいいけど、ガーネットがやかましそうだからな」
「おいコラ、誰が未成年のガキだよ」
「おめーだよ。まだ十五の坊ちゃん」
「も、もうすぐ十六だっつーの! 酒ぐらい飲めるし!」
「へいへい。そんときは付き合え」
とりあえず、フェニアたちが風呂から上がるまで、軽い晩酌となった。
少しずつ、いつもの調子が戻ってきたウィル。アルフェンはそう感じた。
ウィスキーをちびちび舐めるアネルも、少しだけモヤモヤが晴れてきた。
すると、パジャマ姿のフェニアたちがやってきた。
「ふぃー……あれ、ウィル? 帰ってきたんだ」
「おかえりなさい。おばあ様、飲み過ぎてませんでしたか?」
「酒かぁ。なんか変な味がする飲み物だよな! ウチも呑んでみたいぞ!」
「……お前ら、話があるから座れ」
ようやく、全員揃った(ニスロク以外)。
ウィルはウィスキーを飲み干し、フロレンティアと戦ったことを話した。
◇◇◇◇◇◇
「……まぁ、こんなところだ」
「マジかよ。男の攻撃が効かないって……」
ウィルは話した。
フロレンティアの能力。ウィルの敗北についてを。
自身の過去には触れなかった。話すつもりは今のところない。
すると、アネルが言う。
「……じゃあ、アタシが」
「駄目だ。あいつはオレの獲物……お前ならそう言うと思ったぜ」
「でも」
「でももクソもねぇよ。いいか、オレが話した理由はお前らには説明したほうがいいと判断したからだ。オレの獲物であることに変わりねぇ……何度でも言う。オレの復讐の邪魔はするな」
「でも、ウィルじゃ倒せないでしょ」
「だからどうした」
「復讐にこだわりすぎだよ……ウィル、魔人を」
「テメェがそれを言うんじゃねぇ!!」
ウィルはアネルに向かって叫ぶ。
失言と感じたのか、アネルは口を押さえた。
「ヒュブリスのクソ野郎に家族と村を滅ぼされたお前がそれを言うのか? テメェ、仇がヒュブリスだってわかった時の自分の行動を思い出してみろよ? お前の口から出てる綺麗ごと、虫唾が走る」
「……ごめん」
「これは、オレの戦いだ。弱点とか能力とか相性とか関係ない。オレが、オレ自身の手で『色欲』をブッ殺す戦いだ」
「…………」
全員、黙り込んでしまった。
ウィルは空っぽの酒瓶を持ち、立ち上がる。
「仕切り直しだ。『色欲』はまた現れる。その時は絶対に邪魔するなよ」
「「「「「…………」」」」」
「それと……明日からは普通通りにしてろ。息苦しくってたまんねぇぜ」
そう言い残し、ウィルは部屋に戻った。
二人とも深刻な顔をしている。間違いなく自分のことだろうとウィルは思った。
だが、そんなことはどうでもいい。手に持った酒瓶をテーブルに置く。
そんなウィルを見たアルフェンは、恐る恐る聞いた。
「なぁ、ウィル……その」
「……ん」
「え?」
「グラスと氷くれ」
「……わかった」
ウィルは酒瓶を持ち上げ、何か言おうとするアルフェンに頼んだ。
アルフェンは大人しくグラスと氷を用意する。いつもならアネルは「自分でやりなさい!」と怒るが、今日は何も言わず黙り込んでいた。
ウィルは、アルフェンから受け取ったグラスに氷を入れ、ガーネットから土産にともらったウィスキーを注ぎ、軽く飲む。
「ぷっは……けっこうキツイな。でもいい酒だ」
「「…………」」
アルフェンとアネルは何も言わない。
ウィルは軽くため息を吐き、一人ごとのようにつぶやいた。
「……悪かったな」
「「え?」」
「今回の件。お前たちには話しておく……ところで、残りの連中は?」
フェニアとサフィーはレイヴィニアを連れて風呂。ニスロクは熟睡。メルは残務処理があるというので城に戻った。
いざ話そうとしたのに、こうも調子を狂わされるとは。ウィルは苦笑し、ウィスキーを注ぐ。
せっかくなので、アネルを誘う。
「おいアネル。お前も呑め」
「え、でもアタシ、お酒は……」
「たまにはいいだろ。そこにいる未成年のガキに飲ませてもいいけど、ガーネットがやかましそうだからな」
「おいコラ、誰が未成年のガキだよ」
「おめーだよ。まだ十五の坊ちゃん」
「も、もうすぐ十六だっつーの! 酒ぐらい飲めるし!」
「へいへい。そんときは付き合え」
とりあえず、フェニアたちが風呂から上がるまで、軽い晩酌となった。
少しずつ、いつもの調子が戻ってきたウィル。アルフェンはそう感じた。
ウィスキーをちびちび舐めるアネルも、少しだけモヤモヤが晴れてきた。
すると、パジャマ姿のフェニアたちがやってきた。
「ふぃー……あれ、ウィル? 帰ってきたんだ」
「おかえりなさい。おばあ様、飲み過ぎてませんでしたか?」
「酒かぁ。なんか変な味がする飲み物だよな! ウチも呑んでみたいぞ!」
「……お前ら、話があるから座れ」
ようやく、全員揃った(ニスロク以外)。
ウィルはウィスキーを飲み干し、フロレンティアと戦ったことを話した。
◇◇◇◇◇◇
「……まぁ、こんなところだ」
「マジかよ。男の攻撃が効かないって……」
ウィルは話した。
フロレンティアの能力。ウィルの敗北についてを。
自身の過去には触れなかった。話すつもりは今のところない。
すると、アネルが言う。
「……じゃあ、アタシが」
「駄目だ。あいつはオレの獲物……お前ならそう言うと思ったぜ」
「でも」
「でももクソもねぇよ。いいか、オレが話した理由はお前らには説明したほうがいいと判断したからだ。オレの獲物であることに変わりねぇ……何度でも言う。オレの復讐の邪魔はするな」
「でも、ウィルじゃ倒せないでしょ」
「だからどうした」
「復讐にこだわりすぎだよ……ウィル、魔人を」
「テメェがそれを言うんじゃねぇ!!」
ウィルはアネルに向かって叫ぶ。
失言と感じたのか、アネルは口を押さえた。
「ヒュブリスのクソ野郎に家族と村を滅ぼされたお前がそれを言うのか? テメェ、仇がヒュブリスだってわかった時の自分の行動を思い出してみろよ? お前の口から出てる綺麗ごと、虫唾が走る」
「……ごめん」
「これは、オレの戦いだ。弱点とか能力とか相性とか関係ない。オレが、オレ自身の手で『色欲』をブッ殺す戦いだ」
「…………」
全員、黙り込んでしまった。
ウィルは空っぽの酒瓶を持ち、立ち上がる。
「仕切り直しだ。『色欲』はまた現れる。その時は絶対に邪魔するなよ」
「「「「「…………」」」」」
「それと……明日からは普通通りにしてろ。息苦しくってたまんねぇぜ」
そう言い残し、ウィルは部屋に戻った。
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