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第八章
ピースメーカー・ラプソディ
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ピースメーカー部隊。
特A級召喚師『女教皇』リリーシャを筆頭に、A級召喚士で組織されたアースガルズ王国最強部隊。その名は早くもアースガルズ王国中、それどころか周辺国まで轟き、この世界最強部隊として認知されつつあった。
アースガルズ王国からの支援はもちろん、周辺国からも支援や『ぜひ我が国の召喚師も』と入隊志願の召喚師まで来るようになり、ピースメーカー部隊の隊員数は五百を超えていた。
数が増えたので、それぞれの部門を設立させた。
戦闘部隊。支援部隊。斥候部隊。補給部隊。医療部隊……部隊数だけで十を超え、さらに細かな隊分け、部隊長の選抜、日々増える入隊志願の対応。
これらの仕事をするため、執務部隊という書類仕事専門の部隊まで立ち上げた。
数が増えたピースメーカー部隊だが、決して変わらないことが一つある。
それは、『完全実力主義』だ。
貴族だろうが平民だろうが王族だろうが、部隊を率いることができるのは強者のみ。
リリーシャは、アースガルズ王国の郊外に新設された、ピースメーカー部隊の本部・最上階執務室で紅茶を啜っていた。
「……くだらん」
机に散らばっているのは、縁談の書類。
当然ながら、受けるつもりなどない。
リリーシャは、一つの町ほどの敷地であるピースメーカー部隊の本部を窓から眺めていた。
「ふ、ふふふ……くくくくくっ」
笑いが出た。
リリーシャが欲しかったものが、ここにはある。
権力、強者。そして、その頂点に立つ自分。
リリーシャは、最近よく未来を想像していた。
「世界最強部隊の指導者。そしてリグヴェータ辺境伯の当主……領地にはなかなか戻れないだろう。ダオームを領主代行にして、キリアスに補佐を命じ……ああ、また爵位が上がるだろうな。辺境伯だけでは収まらないかもしれん」
リリーシャは、満たされつつあった。
最も欲しかったのは、権力。
女王気質とでもいえばいいのか。ヒトの上に立つのが気持ちよかった。
リリーシャは、執務用椅子に腰かける。すると、部屋のドアがノックされた。
「入れ」
「入るよ、リリーシャ」
サンバルトだった。
補給部隊に配属されたサンバルトは、こうしてリリーシャに会いに来る。
完全実力主義の部隊では、A級召喚師のサンバルトは下位に属していた。
「何か用か」
「えっと、ああ、その! 美味しいクッキーを買って来たんだ。よかったらお茶でも」
「必要ない。そんな暇があるのなら、与えられた仕事に戻れ」
「……リリーシャ。変わってしまったね。前のきみはそんな」
「私は変わっていない。この部隊の規律は『完全実力主義』だ。お前が王族だろうと、この部隊に所属している以上、私の部下だ。部下のお前に甘い顔をしていては、下のモノに示しがつかない」
「う……」
「わかったら行け。仕事の邪魔だ」
「うぅ……」
サンバルトはすごすご退散した。
それと入れ替わるように、ピースメーカー部隊の制服を着崩したウルブスが入ってきた。
「怖いねぇ、姫さん」
「……何のようだ?」
「サボりに来た。んで抗議、さらに配置換えの申請」
「どれも却下だ」
「……姫さんよぉ~」
ウルブスは泣きつくように言う。
立場が違っても、この男だけはリリーシャを『姫さん』と呼び続けた。
リリーシャは、不思議とそれが嫌ではなかった。
「あのさぁ? 王様や『審判』サマの命令だからこのピースメーカー部隊に参加はするよ? でもさ、オレが希望したの『本部警備部隊』のイッチばん下っ端だったよね? な~んで最前線の『戦闘部隊』なのさ……しかも、第一部隊長ってよぉ」
「完全実力主義の結果だ」
「嫌だっつの!! オレは蒼空見上げながらのんびりしたいんだっつの!!」
「却下だ」
「姫さんよぉ~……」
「やかましい」
「ふん。じゃあいい、部下が愛想尽かして全員いなくなるまでサボリまくってやらぁ」
「好きにしろ」
ウルブスは部屋のソファに横になると、本当に寝てしまった。
リリーシャは完璧に無視。執務をはじめる。
「さて、入団希望の確認を……」
履歴書を確認していると、一つ気になった。
何気ない青年の履歴書だ。だが、出身地が。
「イザヴェル領地……確か、アルフェンが与えられた領地」
もはや、殆ど接点のない弟だった。
王国最強部隊はピースメーカー部隊で間違いない。だが、最強の召喚師はS級召喚士『愚者』アルフェン・リグヴェータであるとの声が多かった。
そして、中には……最強部隊を率いるリリーシャと、最強の召喚師アルフェンが手を組めば、魔帝や魔人恐れるに足らず。との声もあった。
「……くだらん」
リリーシャは、つまらなそうに書類を投げ捨てた。
特A級召喚師『女教皇』リリーシャを筆頭に、A級召喚士で組織されたアースガルズ王国最強部隊。その名は早くもアースガルズ王国中、それどころか周辺国まで轟き、この世界最強部隊として認知されつつあった。
アースガルズ王国からの支援はもちろん、周辺国からも支援や『ぜひ我が国の召喚師も』と入隊志願の召喚師まで来るようになり、ピースメーカー部隊の隊員数は五百を超えていた。
数が増えたので、それぞれの部門を設立させた。
戦闘部隊。支援部隊。斥候部隊。補給部隊。医療部隊……部隊数だけで十を超え、さらに細かな隊分け、部隊長の選抜、日々増える入隊志願の対応。
これらの仕事をするため、執務部隊という書類仕事専門の部隊まで立ち上げた。
数が増えたピースメーカー部隊だが、決して変わらないことが一つある。
それは、『完全実力主義』だ。
貴族だろうが平民だろうが王族だろうが、部隊を率いることができるのは強者のみ。
リリーシャは、アースガルズ王国の郊外に新設された、ピースメーカー部隊の本部・最上階執務室で紅茶を啜っていた。
「……くだらん」
机に散らばっているのは、縁談の書類。
当然ながら、受けるつもりなどない。
リリーシャは、一つの町ほどの敷地であるピースメーカー部隊の本部を窓から眺めていた。
「ふ、ふふふ……くくくくくっ」
笑いが出た。
リリーシャが欲しかったものが、ここにはある。
権力、強者。そして、その頂点に立つ自分。
リリーシャは、最近よく未来を想像していた。
「世界最強部隊の指導者。そしてリグヴェータ辺境伯の当主……領地にはなかなか戻れないだろう。ダオームを領主代行にして、キリアスに補佐を命じ……ああ、また爵位が上がるだろうな。辺境伯だけでは収まらないかもしれん」
リリーシャは、満たされつつあった。
最も欲しかったのは、権力。
女王気質とでもいえばいいのか。ヒトの上に立つのが気持ちよかった。
リリーシャは、執務用椅子に腰かける。すると、部屋のドアがノックされた。
「入れ」
「入るよ、リリーシャ」
サンバルトだった。
補給部隊に配属されたサンバルトは、こうしてリリーシャに会いに来る。
完全実力主義の部隊では、A級召喚師のサンバルトは下位に属していた。
「何か用か」
「えっと、ああ、その! 美味しいクッキーを買って来たんだ。よかったらお茶でも」
「必要ない。そんな暇があるのなら、与えられた仕事に戻れ」
「……リリーシャ。変わってしまったね。前のきみはそんな」
「私は変わっていない。この部隊の規律は『完全実力主義』だ。お前が王族だろうと、この部隊に所属している以上、私の部下だ。部下のお前に甘い顔をしていては、下のモノに示しがつかない」
「う……」
「わかったら行け。仕事の邪魔だ」
「うぅ……」
サンバルトはすごすご退散した。
それと入れ替わるように、ピースメーカー部隊の制服を着崩したウルブスが入ってきた。
「怖いねぇ、姫さん」
「……何のようだ?」
「サボりに来た。んで抗議、さらに配置換えの申請」
「どれも却下だ」
「……姫さんよぉ~」
ウルブスは泣きつくように言う。
立場が違っても、この男だけはリリーシャを『姫さん』と呼び続けた。
リリーシャは、不思議とそれが嫌ではなかった。
「あのさぁ? 王様や『審判』サマの命令だからこのピースメーカー部隊に参加はするよ? でもさ、オレが希望したの『本部警備部隊』のイッチばん下っ端だったよね? な~んで最前線の『戦闘部隊』なのさ……しかも、第一部隊長ってよぉ」
「完全実力主義の結果だ」
「嫌だっつの!! オレは蒼空見上げながらのんびりしたいんだっつの!!」
「却下だ」
「姫さんよぉ~……」
「やかましい」
「ふん。じゃあいい、部下が愛想尽かして全員いなくなるまでサボリまくってやらぁ」
「好きにしろ」
ウルブスは部屋のソファに横になると、本当に寝てしまった。
リリーシャは完璧に無視。執務をはじめる。
「さて、入団希望の確認を……」
履歴書を確認していると、一つ気になった。
何気ない青年の履歴書だ。だが、出身地が。
「イザヴェル領地……確か、アルフェンが与えられた領地」
もはや、殆ど接点のない弟だった。
王国最強部隊はピースメーカー部隊で間違いない。だが、最強の召喚師はS級召喚士『愚者』アルフェン・リグヴェータであるとの声が多かった。
そして、中には……最強部隊を率いるリリーシャと、最強の召喚師アルフェンが手を組めば、魔帝や魔人恐れるに足らず。との声もあった。
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