12 / 109
第二章
スキル
しおりを挟む
コボルト討伐、オーガ討伐の依頼を受けた。
コボルトは、街道沿いに現れ馬車を襲うらしい。レイと二人で城下町を出て、コボルトが出現する街道に向かって歩く。
歩きながら、レイは教えてくれた。
「まさか、スキルを知らない冒険者がいるなんてね」
「す、すまん……」
「ま、いいわ。先輩が教えてあげる」
レイは、自信たっぷりに答えてくれた。
「スキルっていうのは、その名の通り『技』ね。スキルはある程度ならギルドで買えるわ」
「買える!? スキル、買えるのか!?」
「ええ。初級剣術、初級火魔法とかね。でも、スキルレベルは1だし、レベルを上げるのに数年かかるわ。最初からレベルの高いスキルを買えればいいんだけど、普通の冒険者じゃ手が出ないわね」
「買えるのか……」
「それと、生まれつき宿しているスキル……『ユニークスキル』っていうのもあるわ。あたしも一つ、ユニークスキルを宿している」
「おお、すごいな」
「まぁね。あ、そうそう……スキルを買ったり宿したりできるのは十六歳からよ。あたしはまだ十五歳だからユニークスキルしか使えないけど、十六になったら『魔法系』のスキルを買って、魔法を使うわ」
「魔法スキル……」
「あと、全てのスキルは魔力を消費して発動する。魔力値が低いと、消費魔力が多いスキルを買っても使えないわ。魔力値はギルドで測れるから、依頼を達成した後に確認したら?」
「ふむふむ」
僕はメモを取る。すると、レイが笑った。
「め、メモって……あなた、真面目ねぇ」
「そうかな。っと……この辺か」
「ええ、着いたわ」
話しながら歩いていると、コボルトが出るという街道付近に到着した。
レイはしゃがみ、地面を確認する。
「足跡……間違いないわね」
「さて、待つか」
「馬鹿ね。待ってたら日が暮れる」
そして、魔導バッグから小さな肉片のようなものを取り出し、投げる。
「それは?」
「撒き餌……ほら、もう来た」
「!!」
『ゴゥルルルルルル……!!』
現れたのは、身長150センチくらいの二足歩行の犬、コボルトだ。
手には棍棒を持っており、よだれをダラダラ垂らしている。
知性は低そうだ。
「じゃ、お手並み拝見」
「ああ」
僕は剣を抜いて逆手に構える。
「……変わった構え方ね」
「こっちのが持ちやすくて。指導してくれた先生の真似だけどね」
態勢を低くし、身体強化。
「……え!?」
「行くぞ!!」
地面が爆ぜた。
剣を振ると、衝撃波が発生。剣が触れる前にコボルト数体が両断された。
僕は急ブレーキをかけ跳躍。残ったコボルトのど真ん中に着地……したと思ったら、地面が爆発し、コボルトが十メートル以上吹き飛んだ。コボルトは動かない……死んだようだ。
「終わった……ふぅ」
「ふぅ、じゃない!! な、何よ今のアホみたいな魔力量は!?」
「だいぶ抑えたんだけどな……」
「あ、あなた……おかしい。今の魔力量、あたしの数倍、数十倍……」
エンシェントドラゴンの闘気、コントロールが難しいな。
今は振り回されているけど、ちゃんと使いこなさないと。
それには、スキルが必要かもしれない。
「こほん。ま、まぁいいわ……というか、剣は必要なかったかもね」
「……確かに」
衝撃波でコボルトは両断されたからな。
それに、着地の衝撃でコボルトは吹っ飛んだ。
これなら、殴るだけでよかったかもな。
「さ、討伐の証を取ったらギルドに報告ね」
「えーっと、牙だっけ」
「そう。コボルトの牙、いい値段になるわよ」
「やった」
僕はさっそく牙を集めた。
レイも手伝ってくれる。
「……ね、もしよかったらだけど。オーガ退治、来る?」
「行く!!」
さて、次はオーガ退治だ!!
コボルトは、街道沿いに現れ馬車を襲うらしい。レイと二人で城下町を出て、コボルトが出現する街道に向かって歩く。
歩きながら、レイは教えてくれた。
「まさか、スキルを知らない冒険者がいるなんてね」
「す、すまん……」
「ま、いいわ。先輩が教えてあげる」
レイは、自信たっぷりに答えてくれた。
「スキルっていうのは、その名の通り『技』ね。スキルはある程度ならギルドで買えるわ」
「買える!? スキル、買えるのか!?」
「ええ。初級剣術、初級火魔法とかね。でも、スキルレベルは1だし、レベルを上げるのに数年かかるわ。最初からレベルの高いスキルを買えればいいんだけど、普通の冒険者じゃ手が出ないわね」
「買えるのか……」
「それと、生まれつき宿しているスキル……『ユニークスキル』っていうのもあるわ。あたしも一つ、ユニークスキルを宿している」
「おお、すごいな」
「まぁね。あ、そうそう……スキルを買ったり宿したりできるのは十六歳からよ。あたしはまだ十五歳だからユニークスキルしか使えないけど、十六になったら『魔法系』のスキルを買って、魔法を使うわ」
「魔法スキル……」
「あと、全てのスキルは魔力を消費して発動する。魔力値が低いと、消費魔力が多いスキルを買っても使えないわ。魔力値はギルドで測れるから、依頼を達成した後に確認したら?」
「ふむふむ」
僕はメモを取る。すると、レイが笑った。
「め、メモって……あなた、真面目ねぇ」
「そうかな。っと……この辺か」
「ええ、着いたわ」
話しながら歩いていると、コボルトが出るという街道付近に到着した。
レイはしゃがみ、地面を確認する。
「足跡……間違いないわね」
「さて、待つか」
「馬鹿ね。待ってたら日が暮れる」
そして、魔導バッグから小さな肉片のようなものを取り出し、投げる。
「それは?」
「撒き餌……ほら、もう来た」
「!!」
『ゴゥルルルルルル……!!』
現れたのは、身長150センチくらいの二足歩行の犬、コボルトだ。
手には棍棒を持っており、よだれをダラダラ垂らしている。
知性は低そうだ。
「じゃ、お手並み拝見」
「ああ」
僕は剣を抜いて逆手に構える。
「……変わった構え方ね」
「こっちのが持ちやすくて。指導してくれた先生の真似だけどね」
態勢を低くし、身体強化。
「……え!?」
「行くぞ!!」
地面が爆ぜた。
剣を振ると、衝撃波が発生。剣が触れる前にコボルト数体が両断された。
僕は急ブレーキをかけ跳躍。残ったコボルトのど真ん中に着地……したと思ったら、地面が爆発し、コボルトが十メートル以上吹き飛んだ。コボルトは動かない……死んだようだ。
「終わった……ふぅ」
「ふぅ、じゃない!! な、何よ今のアホみたいな魔力量は!?」
「だいぶ抑えたんだけどな……」
「あ、あなた……おかしい。今の魔力量、あたしの数倍、数十倍……」
エンシェントドラゴンの闘気、コントロールが難しいな。
今は振り回されているけど、ちゃんと使いこなさないと。
それには、スキルが必要かもしれない。
「こほん。ま、まぁいいわ……というか、剣は必要なかったかもね」
「……確かに」
衝撃波でコボルトは両断されたからな。
それに、着地の衝撃でコボルトは吹っ飛んだ。
これなら、殴るだけでよかったかもな。
「さ、討伐の証を取ったらギルドに報告ね」
「えーっと、牙だっけ」
「そう。コボルトの牙、いい値段になるわよ」
「やった」
僕はさっそく牙を集めた。
レイも手伝ってくれる。
「……ね、もしよかったらだけど。オーガ退治、来る?」
「行く!!」
さて、次はオーガ退治だ!!
58
あなたにおすすめの小説
土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~
にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。
「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。
主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる