追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~

さとう

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第二章

スキル

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 コボルト討伐、オーガ討伐の依頼を受けた。
 コボルトは、街道沿いに現れ馬車を襲うらしい。レイと二人で城下町を出て、コボルトが出現する街道に向かって歩く。
 歩きながら、レイは教えてくれた。

「まさか、スキルを知らない冒険者がいるなんてね」
「す、すまん……」
「ま、いいわ。先輩が教えてあげる」

 レイは、自信たっぷりに答えてくれた。

「スキルっていうのは、その名の通り『技』ね。スキルはある程度ならギルドで買えるわ」
「買える!? スキル、買えるのか!?」
「ええ。初級剣術、初級火魔法とかね。でも、スキルレベルは1だし、レベルを上げるのに数年かかるわ。最初からレベルの高いスキルを買えればいいんだけど、普通の冒険者じゃ手が出ないわね」
「買えるのか……」
「それと、生まれつき宿しているスキル……『ユニークスキル』っていうのもあるわ。あたしも一つ、ユニークスキルを宿している」
「おお、すごいな」
「まぁね。あ、そうそう……スキルを買ったり宿したりできるのは十六歳からよ。あたしはまだ十五歳だからユニークスキルしか使えないけど、十六になったら『魔法系』のスキルを買って、魔法を使うわ」
「魔法スキル……」
「あと、全てのスキルは魔力を消費して発動する。魔力値が低いと、消費魔力が多いスキルを買っても使えないわ。魔力値はギルドで測れるから、依頼を達成した後に確認したら?」
「ふむふむ」

 僕はメモを取る。すると、レイが笑った。

「め、メモって……あなた、真面目ねぇ」
「そうかな。っと……この辺か」
「ええ、着いたわ」

 話しながら歩いていると、コボルトが出るという街道付近に到着した。
 レイはしゃがみ、地面を確認する。

「足跡……間違いないわね」
「さて、待つか」
「馬鹿ね。待ってたら日が暮れる」

 そして、魔導バッグから小さな肉片のようなものを取り出し、投げる。

「それは?」
「撒き餌……ほら、もう来た」
「!!」
『ゴゥルルルルルル……!!』

 現れたのは、身長150センチくらいの二足歩行の犬、コボルトだ。
 手には棍棒を持っており、よだれをダラダラ垂らしている。
 知性は低そうだ。

「じゃ、お手並み拝見」
「ああ」

 僕は剣を抜いて逆手に構える。

「……変わった構え方ね」
「こっちのが持ちやすくて。指導してくれた先生の真似だけどね」

 態勢を低くし、身体強化。

「……え!?」
「行くぞ!!」

 地面が爆ぜた。
 剣を振ると、衝撃波が発生。剣が触れる前にコボルト数体が両断された。
 僕は急ブレーキをかけ跳躍。残ったコボルトのど真ん中に着地……したと思ったら、地面が爆発し、コボルトが十メートル以上吹き飛んだ。コボルトは動かない……死んだようだ。

「終わった……ふぅ」
「ふぅ、じゃない!! な、何よ今のアホみたいな魔力量は!?」
「だいぶ抑えたんだけどな……」
「あ、あなた……おかしい。今の魔力量、あたしの数倍、数十倍……」

 エンシェントドラゴンの闘気、コントロールが難しいな。
 今は振り回されているけど、ちゃんと使いこなさないと。
 それには、スキルが必要かもしれない。

「こほん。ま、まぁいいわ……というか、剣は必要なかったかもね」
「……確かに」

 衝撃波でコボルトは両断されたからな。
 それに、着地の衝撃でコボルトは吹っ飛んだ。
 これなら、殴るだけでよかったかもな。

「さ、討伐の証を取ったらギルドに報告ね」
「えーっと、牙だっけ」
「そう。コボルトの牙、いい値段になるわよ」
「やった」

 僕はさっそく牙を集めた。
 レイも手伝ってくれる。

「……ね、もしよかったらだけど。オーガ退治、来る?」
「行く!!」

 さて、次はオーガ退治だ!!
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