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第二章
そのころのドラグレード公爵家
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「聖王国クロスガルド、ですか?」
「ああ」
キルトは、父に聖王国クロスガルドにある聖王国魔法学園への入学試験を受けるように言われた。
これには歓喜しかない。田舎の小国にあるちっぽけな学園より、世界最大の国にある一流の学園へ通えば、将来的にも安心だ。
それに、キルトには『大賢者』クラスの魔力がある。
母イザベラは、誇らしげに言う。
「ああ、キルトならきっと入学できるわ。その魔力があれば、ね」
「はい、母上」
「……あなた。ちょっと早いけど、この子に『スキル』を与えたらどうかしら」
「スキルをか? だが、スキルは十六歳からだ。まだ十五だし」
「大丈夫。ふふ、こんなこともあろうかと、いくつか『レアスキル』を手に入れておきました。この子の魔力にピッタリのレアスキルをね」
「ふむ……」
一体、いくらつかったのか。
父はそこまで気にしない。キルトが優秀な成績を納めれば、金づるはいくらでも寄ってくる。
だが、問題もある。
「ふむ。スキルの装備は十六歳で可能になるが、装備できるスキルは一つだけだ。さすがにこのルールは破れん。スキル装備の昇級試験を受けねばな」
「存じております。なので……まずは、こちらを」
イザベラが取り出したのは、一枚の羊皮紙。
そこに書かれているのは、『地水火風魔法』だ。
「地水火風魔法……ほう、四系統の魔法を使用できるレアスキルか」
「はい。この国から聖王国クロスガルドまで馬車で一か月。一か月あれば、四系統の初級魔法なら全て習得するのも可能でしょう。それに、この子の魔力なら、初級魔法でも高火力の威力になる……入学試験の実技で、面白いことになるでしょうね」
「それはいい……」
「それと、侯爵家のプリメラ令嬢。あの子をキルトの婚約者として迎えます。あの子にもレアスキルを与え、キルトのために働いてもらいましょうか」
「いいな。ふふ……イザベラ、お前は本当に頭がいい」
「ありがとうございます。ではキルト、さっそく」
「はい!!」
キルトは羊皮紙を手に取り、文字を読み上げる。
「スキル『地水火風魔法』……習得!!」
羊皮紙が一瞬で燃え上がり、キルトはスキル『地水火風魔法』を習得した。
外見に変化はない。だが、間違いなくキルトに魔法は宿っている。
「キルト。指先に魔力を集中」
「は、はい」
「火のイメージ」
「……っあ」
キルトの指先に、炎が灯る。
だが、すぐ消えた。
「筋はいい。魔法使いの冒険者を指導員に雇います。一か月、聖王国クロスガルドへ向かいながら魔法の習得に励むように……ふふ、キルト、主役はあなたよ?」
「はい、母上!!」
キルトは鼻息を荒くし、父の執務室を出ていった。
イザベラは、確認する。
「ところで……あなた、リュウキはどうしました?」
「リュウキ? ああ、冒険者になったと聞いた。それ以外は知らん」
「そうですか……」
イザベラは、これを最後にリュウキのことを気にしなくなった。
これがのちに、間違いだったと知るのはずっと後の事だ。
「ああ」
キルトは、父に聖王国クロスガルドにある聖王国魔法学園への入学試験を受けるように言われた。
これには歓喜しかない。田舎の小国にあるちっぽけな学園より、世界最大の国にある一流の学園へ通えば、将来的にも安心だ。
それに、キルトには『大賢者』クラスの魔力がある。
母イザベラは、誇らしげに言う。
「ああ、キルトならきっと入学できるわ。その魔力があれば、ね」
「はい、母上」
「……あなた。ちょっと早いけど、この子に『スキル』を与えたらどうかしら」
「スキルをか? だが、スキルは十六歳からだ。まだ十五だし」
「大丈夫。ふふ、こんなこともあろうかと、いくつか『レアスキル』を手に入れておきました。この子の魔力にピッタリのレアスキルをね」
「ふむ……」
一体、いくらつかったのか。
父はそこまで気にしない。キルトが優秀な成績を納めれば、金づるはいくらでも寄ってくる。
だが、問題もある。
「ふむ。スキルの装備は十六歳で可能になるが、装備できるスキルは一つだけだ。さすがにこのルールは破れん。スキル装備の昇級試験を受けねばな」
「存じております。なので……まずは、こちらを」
イザベラが取り出したのは、一枚の羊皮紙。
そこに書かれているのは、『地水火風魔法』だ。
「地水火風魔法……ほう、四系統の魔法を使用できるレアスキルか」
「はい。この国から聖王国クロスガルドまで馬車で一か月。一か月あれば、四系統の初級魔法なら全て習得するのも可能でしょう。それに、この子の魔力なら、初級魔法でも高火力の威力になる……入学試験の実技で、面白いことになるでしょうね」
「それはいい……」
「それと、侯爵家のプリメラ令嬢。あの子をキルトの婚約者として迎えます。あの子にもレアスキルを与え、キルトのために働いてもらいましょうか」
「いいな。ふふ……イザベラ、お前は本当に頭がいい」
「ありがとうございます。ではキルト、さっそく」
「はい!!」
キルトは羊皮紙を手に取り、文字を読み上げる。
「スキル『地水火風魔法』……習得!!」
羊皮紙が一瞬で燃え上がり、キルトはスキル『地水火風魔法』を習得した。
外見に変化はない。だが、間違いなくキルトに魔法は宿っている。
「キルト。指先に魔力を集中」
「は、はい」
「火のイメージ」
「……っあ」
キルトの指先に、炎が灯る。
だが、すぐ消えた。
「筋はいい。魔法使いの冒険者を指導員に雇います。一か月、聖王国クロスガルドへ向かいながら魔法の習得に励むように……ふふ、キルト、主役はあなたよ?」
「はい、母上!!」
キルトは鼻息を荒くし、父の執務室を出ていった。
イザベラは、確認する。
「ところで……あなた、リュウキはどうしました?」
「リュウキ? ああ、冒険者になったと聞いた。それ以外は知らん」
「そうですか……」
イザベラは、これを最後にリュウキのことを気にしなくなった。
これがのちに、間違いだったと知るのはずっと後の事だ。
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