23 / 109
第三章
闘気の拳
しおりを挟む
平均、1000~3000の魔力量。
平均、3000~4000の攻撃力。
「ふぅ~ん……」
ミランダは、それぞれの名前、魔力量、攻撃方法や武器、ユニークスキルなどを確認する。
豊作。この一言しかない。魔力量、攻撃力共に高水準だ。現在、学園に通っている上級生でも、これほどの実力を持つ生徒は全体の六割くらいしかいない。
中でも突出しているのは六人。
「キルト。この子は別格ね……アピア、レイ、プリメラは同格ってところかしら。あと二人もいい線いってる。キルトは膨大な魔力とスキルがいい相性みたい。ユニークスキルじゃないみたいだけど……まだ十五歳よねぇ? まぁいいわぁ。それと、アピアちゃんは才能の塊みたいな子ね。レイちゃんは才能と努力の子。プリメラはスキルに依存した強さ。まぁ、強いのに変わりないし……」
他の生徒も、なかなか悪くない。
今年の受験生は総勢千名。全員合格でも構わないとミランダは思っている。
経験を積めば、いい冒険者になれるだろう。
「クラスの振り分け、面倒くさいわぁ」
アマンダは、受験生の技を見ながら小さく呟く。
そして……最後の一人。
「……んん?」
リュウキが舞台に上がり、魔力量を測定する。
『魔力量・85』
今までの受験生たちが優秀過ぎたのか。
魔道具の故障、ミランダは本気でそう思った。
◇◇◇◇◇◇
「ぷ……ぎゃぁぁっはっはっは!! ま、魔力量……は、85ぉ? おいおい、雑魚が何しに来たんだっての!!」
キルトが叫ぶと、周りの受験生も笑いだす。
笑いは伝染し、受験生の大半が俺を嘲笑った。
そうか。これ……『魔力』を計る魔道具だ。『闘気』は計れない。きっと、俺の中にある搾りカスのような魔力に反応したんだ。
すると、レイが叫ぶ。
「あり得ない!! 魔道具の故障よ!! もう一回計りなさいよ!!」
「は、はい」
審査員がもう一度測っても、魔力量は85のままだ。
「おいおいおい、これ失格じゃねぇの!!」
「そうだそうだ!!」「キルトさんの言う通りよ!!」
ブーブーと、「帰れ!! 帰れ!!」とのコールが巻き起こる。
レイが何かを叫ぶが声が掻き消されて聞こえない。
アピアも心配そうに俺を見ていた。
俺は全てを無視し、ミランダさんに聞く。
「あの、攻撃力を計っていいですか?」
「いいけどぉ……大丈夫?」
「はい……あの、本気でいいんですか?」
「ええ。そうじゃないと、試験にならないから」
「……わかりました」
ド肝抜いてやる。
俺はゆっくり聖岩に近づき、そっと手を当てる。
ひんやりツルツルした綺麗な岩だ。
俺は拳を構え、静かに集中する。
「スゥ───……」
「ぎゃぁぁっはっはっは!! 何しても無駄だ無駄!!」
全身に闘気を纏う。
温かな闘気が全身を包み込む……その闘気を、右手に集中。
全ての闘気が右腕に集まった。服の下で、腕に鱗が生えている感覚がする……これ以上はまずい。
「……えっ」
ミランダさんは何かに気付いた。
圧力と言えばいいのか。目には見えない『力』が、集まっていく。
エンシェントドラゴンの力を、目の前にある聖岩に……叩き付ける!!
「『真龍拳』!!」
『龍拳』よりも強い、今の俺に出せる最強の拳。
力を溜めるのに時間がかかる弱点があるけどな。
すると───……聖岩に、亀裂が入った。
「うそ」
ミランダさんが言うと、聖岩が砕け散った。
「っつ……っはぁ、いてぇ」
拳から血が出ていた。
だけど、やった。壊してやったぞ。
『攻撃力・測定不能』
こうして、俺の入学試験は終わった。
◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇
聖王国クロスガルドにある豪華絢爛な教会。
ここは、真龍を祀り崇める『クロスガルド・エンシェント教』の総本山。『真龍聖教』という宗教を普及する、歴史ある教会である。
この『真龍聖教』の枢機卿、リンドブルムはベッドから飛び起きた。
「今のは───……」
間違いなく感じた『闘気』
懐かしい闘気だった。もう、感じることはできない闘気。
「───……パパ?」
リンドブルムは裸だった。
十四歳ほどの少女にしか見えないが、エンシェントドラゴンによって生み出された伝説の『八龍』の一体にして、人の世界で暮らし、エンシェントドラゴンがいかに素晴らしいかをヒトに教えている。
裸のまま窓を開け、クンクンと匂いを嗅いだ。
「……うそ、パパ? パパ? パパの匂いっ!?」
リンドブルムはポロポロと泣きだした。
こうしてはいられない───……すると、ドアがノックされ、侍女が入ってきた。
「リンドブルム枢機卿、今日の予定は「ごめん今日はお休み!!」……え?」
「わたし、行かなきゃ!!」
リンドブルムはローブを掴み、教会の最上階にある私室から飛び出した。
平均、3000~4000の攻撃力。
「ふぅ~ん……」
ミランダは、それぞれの名前、魔力量、攻撃方法や武器、ユニークスキルなどを確認する。
豊作。この一言しかない。魔力量、攻撃力共に高水準だ。現在、学園に通っている上級生でも、これほどの実力を持つ生徒は全体の六割くらいしかいない。
中でも突出しているのは六人。
「キルト。この子は別格ね……アピア、レイ、プリメラは同格ってところかしら。あと二人もいい線いってる。キルトは膨大な魔力とスキルがいい相性みたい。ユニークスキルじゃないみたいだけど……まだ十五歳よねぇ? まぁいいわぁ。それと、アピアちゃんは才能の塊みたいな子ね。レイちゃんは才能と努力の子。プリメラはスキルに依存した強さ。まぁ、強いのに変わりないし……」
他の生徒も、なかなか悪くない。
今年の受験生は総勢千名。全員合格でも構わないとミランダは思っている。
経験を積めば、いい冒険者になれるだろう。
「クラスの振り分け、面倒くさいわぁ」
アマンダは、受験生の技を見ながら小さく呟く。
そして……最後の一人。
「……んん?」
リュウキが舞台に上がり、魔力量を測定する。
『魔力量・85』
今までの受験生たちが優秀過ぎたのか。
魔道具の故障、ミランダは本気でそう思った。
◇◇◇◇◇◇
「ぷ……ぎゃぁぁっはっはっは!! ま、魔力量……は、85ぉ? おいおい、雑魚が何しに来たんだっての!!」
キルトが叫ぶと、周りの受験生も笑いだす。
笑いは伝染し、受験生の大半が俺を嘲笑った。
そうか。これ……『魔力』を計る魔道具だ。『闘気』は計れない。きっと、俺の中にある搾りカスのような魔力に反応したんだ。
すると、レイが叫ぶ。
「あり得ない!! 魔道具の故障よ!! もう一回計りなさいよ!!」
「は、はい」
審査員がもう一度測っても、魔力量は85のままだ。
「おいおいおい、これ失格じゃねぇの!!」
「そうだそうだ!!」「キルトさんの言う通りよ!!」
ブーブーと、「帰れ!! 帰れ!!」とのコールが巻き起こる。
レイが何かを叫ぶが声が掻き消されて聞こえない。
アピアも心配そうに俺を見ていた。
俺は全てを無視し、ミランダさんに聞く。
「あの、攻撃力を計っていいですか?」
「いいけどぉ……大丈夫?」
「はい……あの、本気でいいんですか?」
「ええ。そうじゃないと、試験にならないから」
「……わかりました」
ド肝抜いてやる。
俺はゆっくり聖岩に近づき、そっと手を当てる。
ひんやりツルツルした綺麗な岩だ。
俺は拳を構え、静かに集中する。
「スゥ───……」
「ぎゃぁぁっはっはっは!! 何しても無駄だ無駄!!」
全身に闘気を纏う。
温かな闘気が全身を包み込む……その闘気を、右手に集中。
全ての闘気が右腕に集まった。服の下で、腕に鱗が生えている感覚がする……これ以上はまずい。
「……えっ」
ミランダさんは何かに気付いた。
圧力と言えばいいのか。目には見えない『力』が、集まっていく。
エンシェントドラゴンの力を、目の前にある聖岩に……叩き付ける!!
「『真龍拳』!!」
『龍拳』よりも強い、今の俺に出せる最強の拳。
力を溜めるのに時間がかかる弱点があるけどな。
すると───……聖岩に、亀裂が入った。
「うそ」
ミランダさんが言うと、聖岩が砕け散った。
「っつ……っはぁ、いてぇ」
拳から血が出ていた。
だけど、やった。壊してやったぞ。
『攻撃力・測定不能』
こうして、俺の入学試験は終わった。
◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇
聖王国クロスガルドにある豪華絢爛な教会。
ここは、真龍を祀り崇める『クロスガルド・エンシェント教』の総本山。『真龍聖教』という宗教を普及する、歴史ある教会である。
この『真龍聖教』の枢機卿、リンドブルムはベッドから飛び起きた。
「今のは───……」
間違いなく感じた『闘気』
懐かしい闘気だった。もう、感じることはできない闘気。
「───……パパ?」
リンドブルムは裸だった。
十四歳ほどの少女にしか見えないが、エンシェントドラゴンによって生み出された伝説の『八龍』の一体にして、人の世界で暮らし、エンシェントドラゴンがいかに素晴らしいかをヒトに教えている。
裸のまま窓を開け、クンクンと匂いを嗅いだ。
「……うそ、パパ? パパ? パパの匂いっ!?」
リンドブルムはポロポロと泣きだした。
こうしてはいられない───……すると、ドアがノックされ、侍女が入ってきた。
「リンドブルム枢機卿、今日の予定は「ごめん今日はお休み!!」……え?」
「わたし、行かなきゃ!!」
リンドブルムはローブを掴み、教会の最上階にある私室から飛び出した。
59
あなたにおすすめの小説
土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~
にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。
「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。
主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。
微妙なバフなどもういらないと追放された補助魔法使い、バフ3000倍で敵の肉体を内部から破壊して無双する
こげ丸
ファンタジー
「微妙なバフなどもういらないんだよ!」
そう言われて冒険者パーティーを追放されたフォーレスト。
だが、仲間だと思っていたパーティーメンバーからの仕打ちは、それだけに留まらなかった。
「もうちょっと抵抗頑張んないと……妹を酷い目にあわせちゃうわよ?」
窮地に追い込まれたフォーレスト。
だが、バフの新たな可能性に気付いたその時、復讐はなされた。
こいつら……壊しちゃえば良いだけじゃないか。
これは、絶望の淵からバフの新たな可能性を見いだし、高みを目指すに至った補助魔法使いフォーレストが最強に至るまでの物語。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜
一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。
しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた!
今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。
そうしていると……?
※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる