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第三章
八龍リンドブルム
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場所をリュウキとレイの宿屋に変えた。
アピアとセバスチャンも一緒に付いてきた。俺は、少女をベッドに座らせる。
アピアは、少女の正体を知っているようだ。
「あの……もしかして、『真龍聖教』の枢機卿、リンドブルム様でいらっしゃいますか?」
「そうだけど」
「まぁまぁ! 初めてお会いしましたわ!」
アピアが興奮する。
枢機卿……こんな子供が、枢機卿?
リンドブルム。それがこの子の名前か。
「あなた、パパの何? なんでパパの匂いするの?」
「「……パパ?」」
「…………」
リンドブルムはともかく、レイとアピアには話していいのかな。
すると、リンドブルムは言う。
「この子たち邪魔なら記憶消して放り出そっか?」
「ま、待て待て。あー……レイ、アピア。その、誰にも言わないって約束してほしい。守れるか?」
「……よくわかんないけど、人の秘密を喋るような趣味はないわ」
「わ、私も、誰にも言いません」
「……ありがとう」
俺は、これまでのことを話した。
魔力を奪われたこと、冒険者になったこと、騙され死にかけたこと、そして龍の森で死にかけのドラゴン……エンシェントドラゴンに出会ったこと。エンシェントドラゴンが死の間際に、自身の肉と力を俺に譲ってくれたこと。
それを聞いて、リンドブルムは俯いた。
「パパ……死んじゃったんだ」
「ああ。俺の眼の前で死んだ……これを」
「……」
俺は、ドラゴンの牙の一つをリンドブルムへ。
リンドブルムは、大事そうに胸に抱いた。
しばしの沈黙。そして、リンドブルムは牙を大事そうにポケットへ。
俺は、聞いてみた。
「あのさ、お前はエンシェントドラゴンの子供……なんだよな?」
「うん。八人いるドラゴンの末っ子。リンドブルムだよ」
エメラルドグリーンの瞳がキラキラしている。
今度はレイが聞いた。
「真龍聖教、だっけ? あんた、枢機卿なの?」
「よくわかんない。千年くらいパパの自慢話してたら、いつの間にかいろんな人が集まってた」
「そ、そうなんだ……」
「わたし、パパのことずっと探してた。いつの間にかいなくなって……お兄ちゃんやお姉ちゃんは喜んでたけど、わたしはパパに会いたいって思ってた」
「兄弟がいるのか?」
「うん。わたし以外のみんなは、パパがいなくなってからどこかに行っちゃった。パパのこと嫌いなお兄ちゃん、お姉ちゃんもいる」
「そ、そうなのか」
「うん。あの……あなた、名前は?」
「俺はリュウキ。こっちはレイ、こっちはアピアだ。あ、あそこにいるのはセバスチャンさん」
「……リュウキ」
リンドブルムは俺をジーっと見て立ち上がる。
「ね、また遊びに来ていい?」
「もちろん。あ、さっきみたいに暴れるのなしな」
「うん」
リンドブルムは、俺に抱きついて胸に顔を埋める。
猫のように甘えてくる姿は、とてもドラゴンには見えない。
どうしていいかわからず、されるがままでいると、リンドブルムは静かに離れた。
「リュウキ、パパの力を使うのはいいけど……あんまり大きな力を使うと、リュウキの身体じゃもたないよ。リュウキが死ぬとパパも死んじゃう……気を付けてね」
「あ、ああ……ありがとう」
「また来るね。困ったことがあったら力になるから!」
リンドブルムは部屋を出て行った。
なんというか……不思議な子だった。
枢機卿という立場で、本来は敬語を使わなくちゃいけない。でも……なぜか俺は、あの子に対し敬語を使う気にはなれなかった。
アピアは言う。
「真龍聖教の枢機卿……初めて見ましたけど、可愛らしい方でしたねぇ」
「そう? なんか生意気そうに見えたけどねー」
「まぁいいや。とりあえず、合格祝いにメシでも食いに行こうぜ」
エンシェントドラゴンが生み出した八体のドラゴン、その末っ子リンドブルム……不思議な子だ。
◇◇◇◇◇◇
三人で食事をすると、アピアは自分の屋敷に帰った。
俺とレイで宿に戻ると、ホクホク顔のルイさんがいた。
「やぁ!! はっはっは、いい天気だねぇ。合格おめでとう!!」
「もう夜よ。兄さん、テンション高いわよ」
「まぁね。フフフ……いやぁ、いい店舗を見つけて仮契約してきた。場所は町の中央一等地だ!! くぅぅ、嬉しくて吐きそうだ!!」
「吐いたらブチ殺すからね。で、オークションは?」
「オークションは明日だ。ああ、護衛としてレイには付いて来て欲しいんだけど」
「もちろん、任せて。依頼料はちゃんともらうけどね」
「はいはい。シビアな妹だ」
相変わらず、仲のいい兄妹だ。
ルイさんが祝杯を挙げるというので少し付き合い、俺は部屋に戻った。
「やっほー、リュウキ」
「…………」
なぜか、ベッドにリンドブルムがいた。
「リンドブルム、お前帰ったんじゃ」
「そういえば今日の予定何もなかったの。ね、お話したい!」
「まぁ、いいけど……」
とりあえず、今夜はこの子に付き合うかな。
アピアとセバスチャンも一緒に付いてきた。俺は、少女をベッドに座らせる。
アピアは、少女の正体を知っているようだ。
「あの……もしかして、『真龍聖教』の枢機卿、リンドブルム様でいらっしゃいますか?」
「そうだけど」
「まぁまぁ! 初めてお会いしましたわ!」
アピアが興奮する。
枢機卿……こんな子供が、枢機卿?
リンドブルム。それがこの子の名前か。
「あなた、パパの何? なんでパパの匂いするの?」
「「……パパ?」」
「…………」
リンドブルムはともかく、レイとアピアには話していいのかな。
すると、リンドブルムは言う。
「この子たち邪魔なら記憶消して放り出そっか?」
「ま、待て待て。あー……レイ、アピア。その、誰にも言わないって約束してほしい。守れるか?」
「……よくわかんないけど、人の秘密を喋るような趣味はないわ」
「わ、私も、誰にも言いません」
「……ありがとう」
俺は、これまでのことを話した。
魔力を奪われたこと、冒険者になったこと、騙され死にかけたこと、そして龍の森で死にかけのドラゴン……エンシェントドラゴンに出会ったこと。エンシェントドラゴンが死の間際に、自身の肉と力を俺に譲ってくれたこと。
それを聞いて、リンドブルムは俯いた。
「パパ……死んじゃったんだ」
「ああ。俺の眼の前で死んだ……これを」
「……」
俺は、ドラゴンの牙の一つをリンドブルムへ。
リンドブルムは、大事そうに胸に抱いた。
しばしの沈黙。そして、リンドブルムは牙を大事そうにポケットへ。
俺は、聞いてみた。
「あのさ、お前はエンシェントドラゴンの子供……なんだよな?」
「うん。八人いるドラゴンの末っ子。リンドブルムだよ」
エメラルドグリーンの瞳がキラキラしている。
今度はレイが聞いた。
「真龍聖教、だっけ? あんた、枢機卿なの?」
「よくわかんない。千年くらいパパの自慢話してたら、いつの間にかいろんな人が集まってた」
「そ、そうなんだ……」
「わたし、パパのことずっと探してた。いつの間にかいなくなって……お兄ちゃんやお姉ちゃんは喜んでたけど、わたしはパパに会いたいって思ってた」
「兄弟がいるのか?」
「うん。わたし以外のみんなは、パパがいなくなってからどこかに行っちゃった。パパのこと嫌いなお兄ちゃん、お姉ちゃんもいる」
「そ、そうなのか」
「うん。あの……あなた、名前は?」
「俺はリュウキ。こっちはレイ、こっちはアピアだ。あ、あそこにいるのはセバスチャンさん」
「……リュウキ」
リンドブルムは俺をジーっと見て立ち上がる。
「ね、また遊びに来ていい?」
「もちろん。あ、さっきみたいに暴れるのなしな」
「うん」
リンドブルムは、俺に抱きついて胸に顔を埋める。
猫のように甘えてくる姿は、とてもドラゴンには見えない。
どうしていいかわからず、されるがままでいると、リンドブルムは静かに離れた。
「リュウキ、パパの力を使うのはいいけど……あんまり大きな力を使うと、リュウキの身体じゃもたないよ。リュウキが死ぬとパパも死んじゃう……気を付けてね」
「あ、ああ……ありがとう」
「また来るね。困ったことがあったら力になるから!」
リンドブルムは部屋を出て行った。
なんというか……不思議な子だった。
枢機卿という立場で、本来は敬語を使わなくちゃいけない。でも……なぜか俺は、あの子に対し敬語を使う気にはなれなかった。
アピアは言う。
「真龍聖教の枢機卿……初めて見ましたけど、可愛らしい方でしたねぇ」
「そう? なんか生意気そうに見えたけどねー」
「まぁいいや。とりあえず、合格祝いにメシでも食いに行こうぜ」
エンシェントドラゴンが生み出した八体のドラゴン、その末っ子リンドブルム……不思議な子だ。
◇◇◇◇◇◇
三人で食事をすると、アピアは自分の屋敷に帰った。
俺とレイで宿に戻ると、ホクホク顔のルイさんがいた。
「やぁ!! はっはっは、いい天気だねぇ。合格おめでとう!!」
「もう夜よ。兄さん、テンション高いわよ」
「まぁね。フフフ……いやぁ、いい店舗を見つけて仮契約してきた。場所は町の中央一等地だ!! くぅぅ、嬉しくて吐きそうだ!!」
「吐いたらブチ殺すからね。で、オークションは?」
「オークションは明日だ。ああ、護衛としてレイには付いて来て欲しいんだけど」
「もちろん、任せて。依頼料はちゃんともらうけどね」
「はいはい。シビアな妹だ」
相変わらず、仲のいい兄妹だ。
ルイさんが祝杯を挙げるというので少し付き合い、俺は部屋に戻った。
「やっほー、リュウキ」
「…………」
なぜか、ベッドにリンドブルムがいた。
「リンドブルム、お前帰ったんじゃ」
「そういえば今日の予定何もなかったの。ね、お話したい!」
「まぁ、いいけど……」
とりあえず、今夜はこの子に付き合うかな。
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