追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~

さとう

文字の大きさ
30 / 109
第三章

学園地下ショッピングモール

 学園地下ショッピングモール。
 俺、レノ、サリオの三人でやってきたのは、スキルが売られている『スキル屋』だ。
 店内に入ると、丸めた羊皮紙が説明書きと共にケースに納められている。
 
「これが、スキルか?」
「ああ。レベル1のスキルが展示されてる。ほら、説明見ろよ」

 『火魔法・レベル1』や『水魔法・レベル1』、『回復魔法・レベル1』と書かれている。ここにあるのは魔法系スキルだけか。

「スキルは、16歳になれば付けられる。でも一個だけって縛りもある。複数所持するには試験を受けるか、冒険者等級を上げれば許可がもらえる。許可なしに複数付けたりするのは重罪だからな」
「ジュ、重罪なのか……?」
「ああ。なんだっけかな……昔、未成年でいくつもスキル付けた馬鹿が、ダンジョンを制覇しまくったんだよ。それでいろいろ問題が起きたようで、こんな決まりができたらしいぜ」
「ふーん。ダンジョン、制覇しまくったらヤバいのか?」
「ああ。ダンジョン産業ってのもあるくらいだからな。攻略され、ダンジョンの秘宝を奪われたダンジョンは消滅する。ダンジョン産業が成り立たなくなるんだろうぜ」
「へぇ~……」
「ちなみに、スキルのインストール上限数は、5つだ。覚えとけ」
「…………」
「んだよ、ジロジロ見て」
「いや、お前ってすごい詳しいな」
「は、はぁ!?」

 レノは顔を赤くして離れた……なんとなくわかった。レノ、褒められ慣れていない。
 すると、補助魔法スキルを見ていたサリオが戻ってきた。

「サリオ、なんかいいのあったか?」
「ん~……ぼくの貯金じゃ、『攻撃補助・レベル10』が限度かな。『総合補助魔法・レベル1』があれば全部賄えるんだけど……白金貨五枚なんて手が出ないよ。王都で何年も暮らせちゃう」
「仕方ねぇな。でも、攻撃支援でいいのか?」
「それも悩み中……支援っていってもいろいろあるし。レベル1だと育成に時間かかるし」

 な、なんか……すごい『できる』会話してるな。
 スキル。俺には『闘気』があるし、リンドブルムのおかげで新しい使い方も知ったから、そんなに重要じゃないと思ってたけど。

「レノ、きみはどうするの?」
「オレは『速度強化』か『腕力強化』だな」
「だね。レノの喧嘩殺法にピッタリだ」
「うるせ。ちゃんと指導受けてるっての」
「あはは。そういえば、D級冒険者になったんだっけ」
「まぁな。お前もそろそろ昇給だろ?」
「うん……って、リュウキ、どうしたの?」
「あ、いや」

 え……レノにサリオって冒険者だったのか?

「……ぼくとレノが冒険者だったことに驚いてるね」
「!?」
「あはは。リュウキ、わかりやすいから。それと、新入生だけじゃなくて、学園生徒の七割くらいが冒険者だよ。B級以上の冒険者は一割くらいだけどね」
「ま、マジか」
「ちなみに、リュウキの等級は?」
「……E」
「ぼくと同じだね。あ、そうだ。今度、三人でパーティ組んで依頼を受けない? もうすぐ16歳だし、スキルの育成もかねてさ」
「いいぜ。な、リュウキ」
「ああ。みんなでやろうぜ」

 ああ、なんか楽しい。これが学園生活なのか。
 すると、レノが言う。

「ところでリュウキ、お前はどんなスキルを宿すんだ?」
「……あ」

 やべ、何も考えてなかった。

 ◇◇◇◇◇◇

 スキル屋でいろいろ話していると、レイとアピアがやってきた。

「あ、リュウキ……げっ」
「あぁ? んだよ、テメーか……」

 レノ、レイが顔を合わせ嫌そうにする。
 名前は一字違いなのに、こうも合わないのか。
 俺はレノを、アピアはレイの背中をポンと叩く。
 すると、レノは。

「あー……悪かったよ。もう馬鹿にしねぇ」
「……まぁ、いいけど」
「はい喧嘩おしまい! リュウキくん、ここにはスキルを選びに?」
「ああ! というか、何も決まってないけどな。ところで、二人も?」
「ええ。私とレイちゃんは『ユニークスキル』持ちですから、それに合わせたスキルを選ぼうと思いまして」
「何!? おま、ユニークスキル持ち!?」
「ふふん、まぁね~」

 レイは誇らしげだ。レノが驚きで見てる。
 そういえば、アピアのユニークスキルを知らない。

「アピアのユニークスキルって何だ?」
「そういえば言いませんでしたね。私は『弾丸精製クリエイト・ブレッド』という、銃の弾丸を精製するユニークスキルです。手で握りしめられるほどの小石などを握りしめると、望んだ弾丸を作れます」
「へぇ、銃使いのアピアにはピッタリだな」
「はい。というか、このユニークスキルがあったから、銃を選んだんですけどね」
「それで、どんなスキルにするんだ?」
「そうですね……『集中』か、『命中』のスキルにしようかと」

 アピアにピッタリだな。
 レイを見ると、ニヤッとする。

「あたしはB級冒険者だから、二つまでスキルを宿せるのよ。何にしよっかなぁ~」
「二つか。いいな……羨ましい」
「ふふん。で、リュウキは?」
「……悩み中」

 ぶっちゃけ、いらない気もする。
 今は闘気を使いこなしたいし、スキルはなぁ。
 すると、サリオが言う。

「あの、レイさん……B級冒険者なんですか?」
「まぁね」
「すごい!! じゃ、じゃあ……レイさんがいれば、『学園ダンジョン』に入れる?」
「学園ダンジョン?」

 俺が首を傾げると、サリオは言う。

「入学式で学園長が言ったでしょ? 学園ダンジョン……この学園の地下にあるダンジョンのことだよ」
「そういえば、そんなこと言ってたな」
「学園ダンジョンには、C級以上の冒険者がいれば五名まで挑戦できるんだ」
「五名……」

 俺は全員を見る。
 俺、レイ、アピア、レノ、サリオ。
 レイはニヤリと笑う……今更だが、レイはこういう笑顔が似合う。

「決まりね。ところでみんな、十六歳になった? 行くならスキルを宿してからの方がいいわ」
「俺、もうすぐ」
「オレも」
「ぼくはもう十六歳だよ」
「私、明日です」
「あたしももうすぐ。じゃあ決まり、スキルを手に入れたらダンジョンへ行くわ。あたしが引率してあげる。アピア、あんたはさっそく冒険者登録しにいくわよ」
「は、はい!」

 こうして、俺たち五人で学園ダンジョンへ行くことになった。

 ◇◇◇◇◇◇

 ◇◇◇◇◇◇

 ◇◇◇◇◇◇

「……学園ダンジョンか。面白れぇな」

 キルトは、リュウキたちの会話を聞いて不敵な笑みを浮かべた。
 その隣に、プリメラがいる。

「キルト様、悪い顔してますわよ?」
「別に……まぁ、調子に乗ったクソ兄貴に、痛い目にあってもらおうとは思ってるけどな」
感想 33

あなたにおすすめの小説

土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~

にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。 「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。 主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~

リーフレット
ファンタジー
​「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」 ​帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。 アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。 ​帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。 死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。 ​「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強

こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」  騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。  この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。  ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。  これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。  だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。  僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。 「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」 「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」  そうして追放された僕であったが――  自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。  その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。    一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。 「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」  これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。