追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~

さとう

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第四章

ダンジョンから帰還後

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 ダンジョンから帰還後。
 レイ、管理者さんは学園に『危険階層の鎖を取り換えた者がいる』ことを報告しに行った。リーダーとしての仕事だとか何とかで、俺たちはダンジョン入口で解散となった。
 ダンジョンは崩壊しなかった。つまり、あのスキルは秘宝ではなかったのだろう。レイは『ダンジョンの隠し通路かもね』なんて言っていたけどな。
 レノ、サリオは「いろいろあって疲れた」といい部屋へ戻り、アピアもいつの間にか来ていたセバスチャンさんと一緒に「ではまた」と言って帰った。
 俺も、部屋に戻る。
 マルセイはいないので、リンドブルムからもらった宝石に闘気を込める。
 すると、一分ほどでリンドブルムが窓からやってきた。

「リュウキ、呼ん───え?」
「リンドブルム、話があるんだ」
「……パパの匂い、すごく強くなってる」
「え?」
「何かあったの?」
「……ああ、ちょっとな」

 リンドブルムは俺のベッドに飛び込むと、うつ伏せになり足をパタパタさせる。
 俺は、ダンジョンで起きたことを話した。

「そっかー……」
「な、闘気を使い過ぎるとどうなるんだ?」
「わたしの場合は、ドラゴンに戻っちゃう。このヒトの姿は擬態なの。本来はすっごく大きなドラゴンで、闘気を解放すればするほど、ヒトの姿を保つのが難しい。それに、本気で戦うなら、ヒトじゃなくてドラゴンの姿」
「ドラゴン……」
「リュウキは、よくわかんない。ヒトがドラゴンの力を得たなんて初めてだもん。しかも、パパの力」
「みんなが言うには、腕が伸びたりデカくなったりしたらしい」
「たぶん、完全にパパの闘気を解放したわけじゃない。もしパパが本来の力を発揮したら、聖王国クロスガルドの周囲一帯は更地になっちゃうよ」

 サラっと言うリンドブルム。
 いや、怖すぎるだろ。

「今はできる?」
「……たぶん。みんなには言わなかったけど、腕に違和感があるんだ。闘気を一定量解放すれば、両腕が変わるかもしれない」
「やってみて」
「え」
「結界張った。音も漏れない、闘気も魔力も通さない結界。やって」
「…………わかった」

 俺は立ち上がり、闘気を解放する。
 ダンジョンではほんの少しの闘気解放でオーガを圧倒した。
 でも、今は違う。できる限り、目いっぱいの闘気を解放する……すると、俺の腕に鱗が生えた。
 いつもはここで止める。だが。

「もっと」

 リンドブルムがそう言った。
 さらに闘気を解放すると……右腕、左腕に変化が現れる。
 鱗が巨大化し、鎧のようになり左右の腕を包み込む。さらに、目の色が変わり、髪の色も変わった。そして、二本のツノが頭から生えてきた。
 闘気が爆発的に増えた。だが、完全に制御できる。
 まるで、エンシェントドラゴンの闘気を完璧に扱うためだけに、肉体が変化したようだ。

「まるで、パパの力を扱うためだけに、身体が変身したみたい」

 まったく同じことをリンドブルムも考えていた。
 
「リュウキ、制御できる?」
「……ああ。すごく頭が冴えてる」
「何ができそう?」
「『闘気解放』はもちろん、『闘気精製』もできる……」

 俺は、黄金の闘気を右の指先に集中する。
 すると、掌に乗るサイズのエンシェントドラゴンができた。
 金色の置物を見て、リンドブルムは嬉しそうに抱きしめる……何も言ってないけど、もうリンドブルムの物になったようだ。

「右腕は武器。左腕は闘気を大量に吐き出せる……すごいな、完全なバケモノだ」

 闘気を押さえると、身体の変化も元に戻る

「リュウキ、これからはあの姿で戦った方がいい」
「……あのバケモノでか?」
「違う。あれはパパがくれたリュウキの力。自分を否定しちゃダメ。そうだね……『龍人変身ドラゴンライズ』って名付けよっか」
「……わかった。ありがとよ」
「うん。それに、『獣化』っていう動物に変身するスキルもある。リュウキも、そのスキルを手に入れたってことにすればいい」
「あー……それは難しいな。実は……」

 俺はスキルイーターの話をする。 
 リンドブルムは「おおー」と言った。

「スキルイーター、珍しい。レジェンドスキルだよ」
「……レジェンド?」
「知らない? スキルの等級」

 スキルの等級は以下のように分かれている。
 ノーマル。
 レア。
 エピック。
 ユニーク。
 そして、レジェンド。最上級のスキルであり、現在持っているのが世界に数人しかいないとか。
 そんなスキルを俺は手に入れてしまった。

「ど、どんなスキルなんだ?」
「ドラゴンにぴったり。スキルを持ってる人の一部を摂取すると、そのスキルを覚えるの」
「…………無理」

 そんなグロイ方法かい……これ、使えないわ。
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