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第五章
紅蓮獄龍スヴァローグ
目の前にいる男は、真っ赤な闘気を纏っていた。
全身に刺青が刻まれており、赤い髪は逆立っている。口を開けるとギザギザの歯が見えた。
俺は右の拳に黄金の闘気を込め、男に向かって全力で殴る。
「『龍人掌』!!」
巨大化し、伸びる拳。
さらに左手では『闘気精製』で黄金の槍を何本か精製している。
殴り、刺す。それが俺の第一手。だが───。
「───……なんだこりゃぁ?」
「な」
直撃した。
間違いなく、拳が直撃した。
だが───赤い男は避けもしなかった。
身体で拳の直撃を受けた。ポケットに手を突っ込んだまま、つまらなそうに。
そして、巨大化した俺の親指を摘まむ。
「ウゼェ」
「グ、あぁっ!?」
摘まんだ状態で、軽く投げられた。
大地に叩き付けられ、巨大な亀裂が入る。
俺は意識がブッ飛びそうになる。頭から直接叩きつけられ、眩暈がした。
男は、しゃがむ。
「カス。カスすぎる。おいアンフィスバエナ、こいつマジで親父の力持ってんのか? リンドブルム以下のカス、カス以下のゴミじゃねぇか」
「……間違いなく、お父様の力を持ってるわ。でも、絶望的に力を引き出せていない。1パーセント以下で今のパンチね」
「マジかー……それって、器のせいか?」
「……くんくん。そうね、人間の器が貧弱すぎる。匂いからの推測だけど……その人間、お父様の力を受け入れる前に、お父様の肉を食ってる。その肉と、人間の肉が混ざり合って器になっている。お父様の力を普通の人間が受け入れたら、一瞬で消滅しちゃうでしょうし……力を引き出せるだけでも、奇跡みたい」
「話長げぇ……つまり?」
「ゴミ。《核》は心臓にあるみたいだし、さっさと抜いたら?」
「だな」
男の手が俺の胸に伸びる───俺は男の手を右手で摑んだ。
「させ、ない……!! この力は、エンシェントドラゴンが、俺のために残してくれた、力……だ!!」
「噓つけ。あの親父が、人間なんかに力残すわけねぇだろうが」
男の手が赤い闘気に包まれる。
「それと───誰が触れていいって、許可した?」
「!!」
バジン!! と、俺の手が弾かれた。
赤い闘気が男の両腕を包み込む。すると、真っ赤な籠手となった。
「教えてやるよ。闘気ってのはなぁ……オレら兄弟によって、属性が異なる」
「属性……?」
「そうだ。テメェの黄金は、ただ垂れ流してるだけの、カスに過ぎねぇんだよ!!」
「ッ!!」
真っ赤な籠手が燃える。
赤い闘気が炎となり、両拳───だけじゃない。全身を燃やす。
「これがオレの闘気、《炎》の闘気だ!! ッシャァァァァ!!」
「ぐ、あ、あァァァァっ!!」
俺は両腕を交差させて男のラッシュを防御する。だが、一撃喰らうたびに俺の両腕が砕ける。黄金の闘気で修復するが、それでも相手のラッシュのが早い。
俺は吹き飛ばされ、地面を転がった。
「う、っが、っはぁ!!」
大量に吐血する。
腹に何発か喰らった。腹は生身。拳が貫通しないのが奇跡だった。
だが、酷い火傷で腹の肉が炭化している。
内臓も焼け、地獄の苦しみを味わっていた。
「おいアンフィスバエナ。こいつの心臓を抜くところ見てろ。オレが、親父の力をその手にする瞬間をな」
「はいはい。いいから好きになさい……私は興味ないから」
「ようやく、ようやくだ。ケケケ、見てろよ兄貴───ああん?」
すると、俺の前に立つ少女……リンドブルム。
「だ、ダメ……お願い、やめて」
「……はぁぁ~~~マジで萎える。おいリンドブルム、そんなの守って何になる?」
「……パパの、最後のお願いを……守れる」
「よ、よせ、リンドブルム……下が、れ」
動けない。
ちくしょう、闘気が出ない。
両手、両足が骨折してる。動けない……なのに、意識だけがはっきりしている。
「リュウキ、ごめんね……わたし、守れない、かも」
「リンドブルム……!! 逃げろ!!」
「リュウキと一緒に過ごした時間、とても楽しか───」
男の手が、リンドブルムの胸を貫いた。
「あ……」
「邪魔だ。クソ雑魚」
そして───リンドブルムの身体を、投げ捨てる。
◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇
───殺す。
───殺していいか?
───殺したい。
───殺させてくれ。
◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇
「さぁ~て、お前もそろそろ……」
スヴァローグがリュウキに向かって手を伸ばすと、その手をガシッと掴まれた。
「んだよ、まだ───……あ、ああ?」
ギシギシ、メキメキ……と、スヴァローグの腕が軋む。
振り払えない。
手が、離れない。
『貴様、貴様……ッ!!』
「!?」
リュウキの声ではない、別の声。
そして、スヴァローグの右腕が握り潰され、千切れ飛んだ。
「っづ!? テメっ……」
『ガァァァァァァーーーーーーッ!!』
「がぼぁ!?」
スヴァローグは殴られ、吹き飛んだ。
ゴロゴロ地面を転がり、背中から真っ赤な翼を生やしてようやく止まる。
翼だけではなく、四肢をドラゴンに変え、頭にはツノが生えていた。
「この、クソ人間……ブチ殺す!!」
スヴァローグが吠える。
だが、リュウキ? は別の物を見ていた。
それは……握り潰し千切れ飛んだ、スヴァローグの右腕。
『使えるな。リュウキ……お前の「可能性」の力、見せてやる』
バキバキバキと、リュウキの両腕の鱗が伸び、上半身を覆う。そして、背中から大小さまざまな合計十二枚の翼が飛び出し、ふわりと浮かんだ。
「うそ……力を、引き出した?」
アンフィスバエナが驚愕する。
身体を覆っていた四分の一の鱗が、半分になった。
リュウキではない、別の声が右腕を伸ばし、スヴァローグの腕を手に取って弄ぶ。
「オレの、右腕……?」
リュウキはニヤリと笑い、巨大化させた右腕を変形させ『咢』にさせる。
そして、スヴァローグの腕を右手で咀嚼し始めた。
『スキルイーター……『咀嚼』』
グチャグチャと右腕が咀嚼する。
『『反芻』』
右腕が、スヴァローグの腕を飲み込んだ。
次の瞬間、赤い闘気がリュウキの身体を覆い尽くす。
「な……お、オレの闘気だとぉ!?」
「今の……スキルね? でも、闘気を吸収するスキルなんて、聞いたこと……」
疑問に思っても、答えは帰って来ない。
『スキルイーター・『炎龍闘気』……使い方はわかったな? これからはドラゴンを喰らうといい。さぁ……後は、任せるぞ……」
がくんと、リュウキの頭が落ち……顔を上げた。
「ありがとう、エンシェントドラゴン。世話になりっぱなしだ……今度、しっかり墓を作って酒でも供えるよ」
リュウキは、黄金と赤の闘気をブレンドさせ、爆発させる。
そして、リュウキの両手に『真っ赤な籠手』が装備された。
「て、テメェ……お、オレの」
「ああ、使わせてもらう。お前の腕を食ったときに流れてきたイメージだ。それに……これだけじゃない!!」
リュウキの身体が黄金に輝き、赤い闘気が一気に燃え上がった。
闘気の性質すらスキルイーターはモノにした。
「覚悟しろ、スヴァローグ……お前に、この力は渡さない!!」
全身に刺青が刻まれており、赤い髪は逆立っている。口を開けるとギザギザの歯が見えた。
俺は右の拳に黄金の闘気を込め、男に向かって全力で殴る。
「『龍人掌』!!」
巨大化し、伸びる拳。
さらに左手では『闘気精製』で黄金の槍を何本か精製している。
殴り、刺す。それが俺の第一手。だが───。
「───……なんだこりゃぁ?」
「な」
直撃した。
間違いなく、拳が直撃した。
だが───赤い男は避けもしなかった。
身体で拳の直撃を受けた。ポケットに手を突っ込んだまま、つまらなそうに。
そして、巨大化した俺の親指を摘まむ。
「ウゼェ」
「グ、あぁっ!?」
摘まんだ状態で、軽く投げられた。
大地に叩き付けられ、巨大な亀裂が入る。
俺は意識がブッ飛びそうになる。頭から直接叩きつけられ、眩暈がした。
男は、しゃがむ。
「カス。カスすぎる。おいアンフィスバエナ、こいつマジで親父の力持ってんのか? リンドブルム以下のカス、カス以下のゴミじゃねぇか」
「……間違いなく、お父様の力を持ってるわ。でも、絶望的に力を引き出せていない。1パーセント以下で今のパンチね」
「マジかー……それって、器のせいか?」
「……くんくん。そうね、人間の器が貧弱すぎる。匂いからの推測だけど……その人間、お父様の力を受け入れる前に、お父様の肉を食ってる。その肉と、人間の肉が混ざり合って器になっている。お父様の力を普通の人間が受け入れたら、一瞬で消滅しちゃうでしょうし……力を引き出せるだけでも、奇跡みたい」
「話長げぇ……つまり?」
「ゴミ。《核》は心臓にあるみたいだし、さっさと抜いたら?」
「だな」
男の手が俺の胸に伸びる───俺は男の手を右手で摑んだ。
「させ、ない……!! この力は、エンシェントドラゴンが、俺のために残してくれた、力……だ!!」
「噓つけ。あの親父が、人間なんかに力残すわけねぇだろうが」
男の手が赤い闘気に包まれる。
「それと───誰が触れていいって、許可した?」
「!!」
バジン!! と、俺の手が弾かれた。
赤い闘気が男の両腕を包み込む。すると、真っ赤な籠手となった。
「教えてやるよ。闘気ってのはなぁ……オレら兄弟によって、属性が異なる」
「属性……?」
「そうだ。テメェの黄金は、ただ垂れ流してるだけの、カスに過ぎねぇんだよ!!」
「ッ!!」
真っ赤な籠手が燃える。
赤い闘気が炎となり、両拳───だけじゃない。全身を燃やす。
「これがオレの闘気、《炎》の闘気だ!! ッシャァァァァ!!」
「ぐ、あ、あァァァァっ!!」
俺は両腕を交差させて男のラッシュを防御する。だが、一撃喰らうたびに俺の両腕が砕ける。黄金の闘気で修復するが、それでも相手のラッシュのが早い。
俺は吹き飛ばされ、地面を転がった。
「う、っが、っはぁ!!」
大量に吐血する。
腹に何発か喰らった。腹は生身。拳が貫通しないのが奇跡だった。
だが、酷い火傷で腹の肉が炭化している。
内臓も焼け、地獄の苦しみを味わっていた。
「おいアンフィスバエナ。こいつの心臓を抜くところ見てろ。オレが、親父の力をその手にする瞬間をな」
「はいはい。いいから好きになさい……私は興味ないから」
「ようやく、ようやくだ。ケケケ、見てろよ兄貴───ああん?」
すると、俺の前に立つ少女……リンドブルム。
「だ、ダメ……お願い、やめて」
「……はぁぁ~~~マジで萎える。おいリンドブルム、そんなの守って何になる?」
「……パパの、最後のお願いを……守れる」
「よ、よせ、リンドブルム……下が、れ」
動けない。
ちくしょう、闘気が出ない。
両手、両足が骨折してる。動けない……なのに、意識だけがはっきりしている。
「リュウキ、ごめんね……わたし、守れない、かも」
「リンドブルム……!! 逃げろ!!」
「リュウキと一緒に過ごした時間、とても楽しか───」
男の手が、リンドブルムの胸を貫いた。
「あ……」
「邪魔だ。クソ雑魚」
そして───リンドブルムの身体を、投げ捨てる。
◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇
───殺す。
───殺していいか?
───殺したい。
───殺させてくれ。
◇◇◇◇◇◇
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「さぁ~て、お前もそろそろ……」
スヴァローグがリュウキに向かって手を伸ばすと、その手をガシッと掴まれた。
「んだよ、まだ───……あ、ああ?」
ギシギシ、メキメキ……と、スヴァローグの腕が軋む。
振り払えない。
手が、離れない。
『貴様、貴様……ッ!!』
「!?」
リュウキの声ではない、別の声。
そして、スヴァローグの右腕が握り潰され、千切れ飛んだ。
「っづ!? テメっ……」
『ガァァァァァァーーーーーーッ!!』
「がぼぁ!?」
スヴァローグは殴られ、吹き飛んだ。
ゴロゴロ地面を転がり、背中から真っ赤な翼を生やしてようやく止まる。
翼だけではなく、四肢をドラゴンに変え、頭にはツノが生えていた。
「この、クソ人間……ブチ殺す!!」
スヴァローグが吠える。
だが、リュウキ? は別の物を見ていた。
それは……握り潰し千切れ飛んだ、スヴァローグの右腕。
『使えるな。リュウキ……お前の「可能性」の力、見せてやる』
バキバキバキと、リュウキの両腕の鱗が伸び、上半身を覆う。そして、背中から大小さまざまな合計十二枚の翼が飛び出し、ふわりと浮かんだ。
「うそ……力を、引き出した?」
アンフィスバエナが驚愕する。
身体を覆っていた四分の一の鱗が、半分になった。
リュウキではない、別の声が右腕を伸ばし、スヴァローグの腕を手に取って弄ぶ。
「オレの、右腕……?」
リュウキはニヤリと笑い、巨大化させた右腕を変形させ『咢』にさせる。
そして、スヴァローグの腕を右手で咀嚼し始めた。
『スキルイーター……『咀嚼』』
グチャグチャと右腕が咀嚼する。
『『反芻』』
右腕が、スヴァローグの腕を飲み込んだ。
次の瞬間、赤い闘気がリュウキの身体を覆い尽くす。
「な……お、オレの闘気だとぉ!?」
「今の……スキルね? でも、闘気を吸収するスキルなんて、聞いたこと……」
疑問に思っても、答えは帰って来ない。
『スキルイーター・『炎龍闘気』……使い方はわかったな? これからはドラゴンを喰らうといい。さぁ……後は、任せるぞ……」
がくんと、リュウキの頭が落ち……顔を上げた。
「ありがとう、エンシェントドラゴン。世話になりっぱなしだ……今度、しっかり墓を作って酒でも供えるよ」
リュウキは、黄金と赤の闘気をブレンドさせ、爆発させる。
そして、リュウキの両手に『真っ赤な籠手』が装備された。
「て、テメェ……お、オレの」
「ああ、使わせてもらう。お前の腕を食ったときに流れてきたイメージだ。それに……これだけじゃない!!」
リュウキの身体が黄金に輝き、赤い闘気が一気に燃え上がった。
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