追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~

さとう

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第五章

スキルイーター

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 俺は、自らの身体を覆う『鱗の鎧』と『ドラゴンの翼』を見た。
 鱗の鎧は、腕から伸びた鱗が胸を覆っている。服の上から覆っているようなので、まさに鎧を着ているような感じだ。そして翼。大小さまざまな十二枚の翼が、俺の飛行をサポートしてくれる。
 そう、俺は『半分ハーフ』まで変身した。新たに獲得したのは頑丈な上半身を覆う鎧と、飛行能力。そして……俺のスキル、『スキルイーター』だ。
 
「エンシェントドラゴン……」

 右腕が、自分の意志で変えられる。
 巨大な『顎』に、手がドラゴンの口となる。
 この右手で食った獲物の『スキル』を、俺のモノにできる。
 今、俺の中にはスヴァローグの『赤い闘気』がスキルとして格納されている。スヴァローグの闘気を喰らったことでスキルレベルが1つ上がった。
 これにより、俺は格納できるスキルが一つ増えた。つまり……二つまでしか格納できない。
 まぁいい。今、大事なのは。

「殺す、殺す!! テメェは殺す!!」
「ほざくな。殺す殺す殺す? 口だけじゃなくて行動で示してみろ」
「黙れガキがァァァァァァァァァァ!!」

 スヴァローグは全身を真っ赤に燃やしながら飛んで来る。
 四肢が赤い鱗、爪に覆われ、背中には炎の翼。
 俺も赤い闘気を燃やし、全身を炎で包む……だが、本家であるスヴァローグには及ばない。
 なので、ここに黄金の闘気を混ぜた。

「『闘気精製ドラゴンスフィア』───『火炎槍』!!」
「!!」

 黄金の槍が燃える。
 俺は火炎槍を何本も生み出し、向かって来るスヴァローグに向かって投げる。だが、全ての槍が叩き落された。
 接近するスヴァローグの拳を回避。すごい、飛び方がなんとなくわかる。

「猿真似で勝てると思ってんじゃねぇぞ!!」
「そうだな。じゃあ───これならどうだ?」

 俺は右腕を伸ばし、地面に落ちていたリンドブルムの『翼』を掴む。

「『咀嚼インストール』!!」

 右腕で咀嚼し、そのまま飲みこむ。

「『反芻ダウンロード』!! 行くぞリンドブルム……『樹龍闘気』!!」

 黄緑色の闘気が俺からあふれ出す。
 俺は地面に着地し、右手を地面に突っ込んだ。

「『闘気精製ドラゴンスフィア』───『樹海アマゾン』」

 小島に大量の植物が成長し、俺の姿を覆い尽くす。
 一瞬で小島が森に変わった。すごい、これがリンドブルムの闘気か。
 俺は変身を解除し、森の中を全力で走る。

「隠れてるつもりか? こんな森───」
「!!」

 やばい。スヴァローグが息を吸った。
 俺はもう一度変身し、地面に手を突っ込んだ。

「ブワァァァァァァァッ!!」
「チッ」

 スヴァローグの吐いた炎が、森を一気に焼き尽くす。
 だが───間に合った。

「『闘気精製ドラゴンスフィア』───『大樹《ユグドラシル》』!!」
「何ッ!? ッブガァァァッ!?」

 スヴァローグの真下から一気に成長した樹木が、ピンポイントでスヴァローグの顎に入った。
 俺は一気に上昇。闘気を赤に切り替え、右手に闘気の籠手を生成する。
 そして、もう一度顎を狙い、思いきりアッパーを叩きこんだ。

「『龍人掌ドラッケン』!!」
「おぶぼっ!?」
「だぁぁぁぁぁぁっ!!」

 連打、連打、連打、連打、連打、連打、連打!!
 とにかく殴る。闘気を全開にして殴る。
 500発ほど殴り、最後に寮の拳を合わせてハンマーのように振り下ろした。
 スヴァローグの頭に拳を叩きつけると、小島に激突。そのまま動かなくなった。

「はぁ、はぁ、はぁ……か、勝った、か?」
『……ただの人間が、舐め腐りやがって』

 いや、まだ終わっていない。
 むくりと起き上がったスヴァローグ……様子がおかしい。
 ベキベキと音を立て、身体が膨張していく。
 真っ赤な炎、マグマが冷えて固まったような表皮。巨大な尻尾に小さな翼……まるで、巨大なオオトカゲ。
 紅蓮の炎に包まれたオオトカゲが、大口を開けて叫んだ。

『グォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!』
「っ───!!」

 なんて威圧感。
 全長50メートルを超える、巨大なオオトカゲのようなドラゴン。
 完全にキレていた。俺をギョロギョロした目で睨んでいた。
 
「これが、ドラゴン……エンシェントドラゴンとは大きさも形も違うな」

 敵だが───素直に『かっこいい』と思った。
 でも、こいつは敵だ。
 俺は、こいつを倒さなきゃいけない。
 そのための技は───ある。
 エンシェントドラゴンは、そのための『技』を残してくれた。
 力だけになっても、わずかに残された、俺の中で消えつつある『意志』が、教えてくれた。

『喰い殺す!! 喰って、腹の中で丸焼きにしてやる!!』
「それは無理だな……お前は、ここで終わる。俺が終わらせる」

 俺の背中から生える十二枚の翼が広がり、黄金に輝く。
 右腕が伸び、形状が変わる。鱗がさらに生え、巨大な『砲身』となる。
 そして、スヴァローグも大きな口を開けた。
 闘気が口の周りに集まり、巨大な火球となる。ばかばかしい大きさだ。闘技場を丸ごと飲み込めそうなくらい、バカでかい火球だ。
 俺の背中の羽が輝きを増す。

「勝負だ、スヴァローグ……!!」

 そう、俺の必殺技は───闘気の放出。

『がァァァァァァァァァァ!!』

 スヴァローグの火球が発射された。
 俺は右腕を火球へ、スヴァローグへ向け……溜めた全ての闘気を放出した。

「『真龍神光砲エンシェント・ノウヴァ』!!」

 右手の砲身から発射された極太の《黄金の闘気》が、火球と衝突。火球が爆散し、大口を開けたままのスヴァローグの口から入り、体内を貫通……スヴァローグは光に包まれ、爆散した。

『グボッギャァァァァ───……』

 スヴァローグの断末魔が鳴り響き───光が消えると、そこにはもう何もいなかった。
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