追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~

さとう

文字の大きさ
52 / 109
第五章

スキルイーター

 俺は、自らの身体を覆う『鱗の鎧』と『ドラゴンの翼』を見た。
 鱗の鎧は、腕から伸びた鱗が胸を覆っている。服の上から覆っているようなので、まさに鎧を着ているような感じだ。そして翼。大小さまざまな十二枚の翼が、俺の飛行をサポートしてくれる。
 そう、俺は『半分ハーフ』まで変身した。新たに獲得したのは頑丈な上半身を覆う鎧と、飛行能力。そして……俺のスキル、『スキルイーター』だ。
 
「エンシェントドラゴン……」

 右腕が、自分の意志で変えられる。
 巨大な『顎』に、手がドラゴンの口となる。
 この右手で食った獲物の『スキル』を、俺のモノにできる。
 今、俺の中にはスヴァローグの『赤い闘気』がスキルとして格納されている。スヴァローグの闘気を喰らったことでスキルレベルが1つ上がった。
 これにより、俺は格納できるスキルが一つ増えた。つまり……二つまでしか格納できない。
 まぁいい。今、大事なのは。

「殺す、殺す!! テメェは殺す!!」
「ほざくな。殺す殺す殺す? 口だけじゃなくて行動で示してみろ」
「黙れガキがァァァァァァァァァァ!!」

 スヴァローグは全身を真っ赤に燃やしながら飛んで来る。
 四肢が赤い鱗、爪に覆われ、背中には炎の翼。
 俺も赤い闘気を燃やし、全身を炎で包む……だが、本家であるスヴァローグには及ばない。
 なので、ここに黄金の闘気を混ぜた。

「『闘気精製ドラゴンスフィア』───『火炎槍』!!」
「!!」

 黄金の槍が燃える。
 俺は火炎槍を何本も生み出し、向かって来るスヴァローグに向かって投げる。だが、全ての槍が叩き落された。
 接近するスヴァローグの拳を回避。すごい、飛び方がなんとなくわかる。

「猿真似で勝てると思ってんじゃねぇぞ!!」
「そうだな。じゃあ───これならどうだ?」

 俺は右腕を伸ばし、地面に落ちていたリンドブルムの『翼』を掴む。

「『咀嚼インストール』!!」

 右腕で咀嚼し、そのまま飲みこむ。

「『反芻ダウンロード』!! 行くぞリンドブルム……『樹龍闘気』!!」

 黄緑色の闘気が俺からあふれ出す。
 俺は地面に着地し、右手を地面に突っ込んだ。

「『闘気精製ドラゴンスフィア』───『樹海アマゾン』」

 小島に大量の植物が成長し、俺の姿を覆い尽くす。
 一瞬で小島が森に変わった。すごい、これがリンドブルムの闘気か。
 俺は変身を解除し、森の中を全力で走る。

「隠れてるつもりか? こんな森───」
「!!」

 やばい。スヴァローグが息を吸った。
 俺はもう一度変身し、地面に手を突っ込んだ。

「ブワァァァァァァァッ!!」
「チッ」

 スヴァローグの吐いた炎が、森を一気に焼き尽くす。
 だが───間に合った。

「『闘気精製ドラゴンスフィア』───『大樹《ユグドラシル》』!!」
「何ッ!? ッブガァァァッ!?」

 スヴァローグの真下から一気に成長した樹木が、ピンポイントでスヴァローグの顎に入った。
 俺は一気に上昇。闘気を赤に切り替え、右手に闘気の籠手を生成する。
 そして、もう一度顎を狙い、思いきりアッパーを叩きこんだ。

「『龍人掌ドラッケン』!!」
「おぶぼっ!?」
「だぁぁぁぁぁぁっ!!」

 連打、連打、連打、連打、連打、連打、連打!!
 とにかく殴る。闘気を全開にして殴る。
 500発ほど殴り、最後に寮の拳を合わせてハンマーのように振り下ろした。
 スヴァローグの頭に拳を叩きつけると、小島に激突。そのまま動かなくなった。

「はぁ、はぁ、はぁ……か、勝った、か?」
『……ただの人間が、舐め腐りやがって』

 いや、まだ終わっていない。
 むくりと起き上がったスヴァローグ……様子がおかしい。
 ベキベキと音を立て、身体が膨張していく。
 真っ赤な炎、マグマが冷えて固まったような表皮。巨大な尻尾に小さな翼……まるで、巨大なオオトカゲ。
 紅蓮の炎に包まれたオオトカゲが、大口を開けて叫んだ。

『グォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!』
「っ───!!」

 なんて威圧感。
 全長50メートルを超える、巨大なオオトカゲのようなドラゴン。
 完全にキレていた。俺をギョロギョロした目で睨んでいた。
 
「これが、ドラゴン……エンシェントドラゴンとは大きさも形も違うな」

 敵だが───素直に『かっこいい』と思った。
 でも、こいつは敵だ。
 俺は、こいつを倒さなきゃいけない。
 そのための技は───ある。
 エンシェントドラゴンは、そのための『技』を残してくれた。
 力だけになっても、わずかに残された、俺の中で消えつつある『意志』が、教えてくれた。

『喰い殺す!! 喰って、腹の中で丸焼きにしてやる!!』
「それは無理だな……お前は、ここで終わる。俺が終わらせる」

 俺の背中から生える十二枚の翼が広がり、黄金に輝く。
 右腕が伸び、形状が変わる。鱗がさらに生え、巨大な『砲身』となる。
 そして、スヴァローグも大きな口を開けた。
 闘気が口の周りに集まり、巨大な火球となる。ばかばかしい大きさだ。闘技場を丸ごと飲み込めそうなくらい、バカでかい火球だ。
 俺の背中の羽が輝きを増す。

「勝負だ、スヴァローグ……!!」

 そう、俺の必殺技は───闘気の放出。

『がァァァァァァァァァァ!!』

 スヴァローグの火球が発射された。
 俺は右腕を火球へ、スヴァローグへ向け……溜めた全ての闘気を放出した。

「『真龍神光砲エンシェント・ノウヴァ』!!」

 右手の砲身から発射された極太の《黄金の闘気》が、火球と衝突。火球が爆散し、大口を開けたままのスヴァローグの口から入り、体内を貫通……スヴァローグは光に包まれ、爆散した。

『グボッギャァァァァ───……』

 スヴァローグの断末魔が鳴り響き───光が消えると、そこにはもう何もいなかった。
感想 33

あなたにおすすめの小説

土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~

にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。 「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。 主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~

リーフレット
ファンタジー
​「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」 ​帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。 アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。 ​帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。 死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。 ​「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強

こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」  騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。  この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。  ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。  これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。  だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。  僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。 「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」 「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」  そうして追放された僕であったが――  自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。  その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。    一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。 「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」  これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。