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第七章
スキルオークション
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「レア以上、エピックスキルが欲しいなら、オークションに参加するといいよ」
ある日の放課後。
レノ、レイ、サリオの新しいスキルを買うことをルイさんに報告すると、笑顔で教えてくれた。
オークションって、ルイさんが素材を売ってる場所だよな。ちらほら名前は聞いていたが、どんな場所なのかよくわからない。
ちなみに、今日は俺とレイとアピアだけで店に来た。レノとサリオは部門授業が長引き、アキューレはルルカさんと一緒にセバスチャンさんと買い物に出てる。
レイは、ルイさんに言う。
「オークション……この辺は兄さんが詳しいわね。で、どういうの?」
「オークションは『素材オークション』と『スキルオークション』がメイン。他にもあるけど、とりあえずこの二つを覚えておけばいい。レイたちの場合はスキルオークションだね。どんな高級店でも買えるスキルはレアが限界。資金があるなら、オークションに出品されるエピックスキルを狙うのも手だ。でも……」
「必ずしも、欲しいスキルが手に入るわけじゃない、ってことね」
「そういうことだ。オークションに参加するなら手配するよ」
「……一応、お願い。それと」
「わかってる。クロスガルドで最も質のいいスキル屋の紹介もするよ」
この兄妹、息ピッタリだな。
「ふふ。レイさんとルイさん、息ピッタリですね」
「んなわけないでしょ」
「あっはっは。それは嬉しいねぇ」
アピアは、俺と同じことを考えていたようだ。
◇◇◇◇◇◇
俺たちは、ルイさんが紹介してくれた高級スキル店へ向かった。
立派な外観で、博物館のような建物なんだが……ある意味、最悪だった。
「よぉ、兄貴」
「キルト。またお前か」
「……ここに何の用だ? 兄貴みたいな貧乏人が来るような店じゃないぜ」
「ふふっ」
レイがバカにしたように笑う。
すると、紫色の扇で口元を隠したプリメラがレイを睨んだ。
「あなた、何がおかしいのかしら?」
「いえ、貧乏人ねぇ……あーら、手が滑ったわ」
レイは、数枚の白金貨を両手で弄ぶ。貯金カードからわざわざ金貨を出してたけど、こういう使い方をするとはな。
白金貨を見たキルト、プリメラがギョッとする……そりゃそうだ。白金貨なんて、そう見ない。
レイは続ける。
「大罪魔獣の一体を討伐して、クロスガルド二大公爵のムーン公爵様からの報酬が重たくてたまらないわぁ~……ふふふ、近々、クロスガルド国王陛下からも表彰されるし、忙しいったらありゃしない。ねぇ、リュウキ」
「だな。悪いけどキルト、お前の相手してる暇ないんだ。じゃあな」
キルト、プリメラを無視し、俺たちは店に入った。
◇◇◇◇◇◇
残されたキルト、プリメラは、無言でブルブル震えていた。
実はこの二人、高級スキル店に来たのはいいが、紹介状も何もないので追い返されたばかりなのである。それなのに、見下していた兄リュウキは、懐から紹介状を出して店のオーナーに見せると、オーナーはペコペコ頭を下げて丁寧な対応をされていた。
「クソが……クソが!!」
キルトは、近くのベンチをけ飛ばす。
キルトの部下がビクッと震える。プリメラもそれを咎めず、爪を噛んでいた。
「キルト様、どうするのですか?」
「……あの臆病者め。ギガントマキア? 大罪魔獣? そんなでっち上げ、信じる方がバカじゃねぇか……おい!!」
「は、はい!!」
「ギルドに行け。ギガントマキアか、大罪魔獣の情報を集めてこい」
「え……」
「臆病者とオレの違い、見せてやる」
キルトはニヤリと笑い、走り出した部下たちとは逆の方向へ歩き出した。
◇◇◇◇◇◇
俺たちは、高級スキル店を出てブラブラ歩いていた。
アピアはニコニコしている。
「ふふ、いいスキルが買えました」
レイは何も買わず、アピアはレアスキルの『鷹の眼』レベル20を買った。視力が良くなるスキルで、狙撃式の魔導銃と合わせれば無敵らしい。
Cランクに上がったら付けるそうだ。
「あたしはピンと来ないわー……オークション、期待しよっかな」
「そういや、俺もCランクになったらスキル付けられるのか。スキルイーターで十分だけどなぁ」
「甘い。いい、スキルってのは戦局を左右する重要な」
「わ、わかった。わかってるって」
レイの小言を回避。次は回避スキルを手に入れようか真剣に悩む。
アジトへ戻ろうと歩いていると、アキューレ、ルルカさん、セバスチャンさんと遭遇した。
「あ、リュウキ」
「アキューレ。買い物は終わったのか?」
「うん。リュウキたちも用事おわったの?」
「ああ」
「じゃあ、一緒に帰ろ」
アキューレは、俺の腕を取って歩き出す。
「ちょ、リュウキ!!」
「リュウキくん!!」
「な、なんだよ」
「ふふん、早い者勝ち」
騒がしくも、楽しい日常。
でも……やはり、戦いというものはやってくる。
ある日の放課後。
レノ、レイ、サリオの新しいスキルを買うことをルイさんに報告すると、笑顔で教えてくれた。
オークションって、ルイさんが素材を売ってる場所だよな。ちらほら名前は聞いていたが、どんな場所なのかよくわからない。
ちなみに、今日は俺とレイとアピアだけで店に来た。レノとサリオは部門授業が長引き、アキューレはルルカさんと一緒にセバスチャンさんと買い物に出てる。
レイは、ルイさんに言う。
「オークション……この辺は兄さんが詳しいわね。で、どういうの?」
「オークションは『素材オークション』と『スキルオークション』がメイン。他にもあるけど、とりあえずこの二つを覚えておけばいい。レイたちの場合はスキルオークションだね。どんな高級店でも買えるスキルはレアが限界。資金があるなら、オークションに出品されるエピックスキルを狙うのも手だ。でも……」
「必ずしも、欲しいスキルが手に入るわけじゃない、ってことね」
「そういうことだ。オークションに参加するなら手配するよ」
「……一応、お願い。それと」
「わかってる。クロスガルドで最も質のいいスキル屋の紹介もするよ」
この兄妹、息ピッタリだな。
「ふふ。レイさんとルイさん、息ピッタリですね」
「んなわけないでしょ」
「あっはっは。それは嬉しいねぇ」
アピアは、俺と同じことを考えていたようだ。
◇◇◇◇◇◇
俺たちは、ルイさんが紹介してくれた高級スキル店へ向かった。
立派な外観で、博物館のような建物なんだが……ある意味、最悪だった。
「よぉ、兄貴」
「キルト。またお前か」
「……ここに何の用だ? 兄貴みたいな貧乏人が来るような店じゃないぜ」
「ふふっ」
レイがバカにしたように笑う。
すると、紫色の扇で口元を隠したプリメラがレイを睨んだ。
「あなた、何がおかしいのかしら?」
「いえ、貧乏人ねぇ……あーら、手が滑ったわ」
レイは、数枚の白金貨を両手で弄ぶ。貯金カードからわざわざ金貨を出してたけど、こういう使い方をするとはな。
白金貨を見たキルト、プリメラがギョッとする……そりゃそうだ。白金貨なんて、そう見ない。
レイは続ける。
「大罪魔獣の一体を討伐して、クロスガルド二大公爵のムーン公爵様からの報酬が重たくてたまらないわぁ~……ふふふ、近々、クロスガルド国王陛下からも表彰されるし、忙しいったらありゃしない。ねぇ、リュウキ」
「だな。悪いけどキルト、お前の相手してる暇ないんだ。じゃあな」
キルト、プリメラを無視し、俺たちは店に入った。
◇◇◇◇◇◇
残されたキルト、プリメラは、無言でブルブル震えていた。
実はこの二人、高級スキル店に来たのはいいが、紹介状も何もないので追い返されたばかりなのである。それなのに、見下していた兄リュウキは、懐から紹介状を出して店のオーナーに見せると、オーナーはペコペコ頭を下げて丁寧な対応をされていた。
「クソが……クソが!!」
キルトは、近くのベンチをけ飛ばす。
キルトの部下がビクッと震える。プリメラもそれを咎めず、爪を噛んでいた。
「キルト様、どうするのですか?」
「……あの臆病者め。ギガントマキア? 大罪魔獣? そんなでっち上げ、信じる方がバカじゃねぇか……おい!!」
「は、はい!!」
「ギルドに行け。ギガントマキアか、大罪魔獣の情報を集めてこい」
「え……」
「臆病者とオレの違い、見せてやる」
キルトはニヤリと笑い、走り出した部下たちとは逆の方向へ歩き出した。
◇◇◇◇◇◇
俺たちは、高級スキル店を出てブラブラ歩いていた。
アピアはニコニコしている。
「ふふ、いいスキルが買えました」
レイは何も買わず、アピアはレアスキルの『鷹の眼』レベル20を買った。視力が良くなるスキルで、狙撃式の魔導銃と合わせれば無敵らしい。
Cランクに上がったら付けるそうだ。
「あたしはピンと来ないわー……オークション、期待しよっかな」
「そういや、俺もCランクになったらスキル付けられるのか。スキルイーターで十分だけどなぁ」
「甘い。いい、スキルってのは戦局を左右する重要な」
「わ、わかった。わかってるって」
レイの小言を回避。次は回避スキルを手に入れようか真剣に悩む。
アジトへ戻ろうと歩いていると、アキューレ、ルルカさん、セバスチャンさんと遭遇した。
「あ、リュウキ」
「アキューレ。買い物は終わったのか?」
「うん。リュウキたちも用事おわったの?」
「ああ」
「じゃあ、一緒に帰ろ」
アキューレは、俺の腕を取って歩き出す。
「ちょ、リュウキ!!」
「リュウキくん!!」
「な、なんだよ」
「ふふん、早い者勝ち」
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でも……やはり、戦いというものはやってくる。
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