追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~

さとう

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第七章

なぜ、あいつが

 オークションに参加を決定した数日後。
 授業を終え、俺たちチーム『エンシェント』はアジトへ集まっていた。
 リビングの机には、二枚のチケットが置いてある。
 レイはチケットを手に、俺たちに言った。

「さて……ここに、スキルオークション参加チケットが二枚あるわ。誰が参加する?」
「はいはいはい!! オレ出たい!!」
「あんたはダメ。余計な買い物しそうだし」
「なんでだよ!!」
「そうね……リュウキ、サリオあたりがいいかも。リュウキは冷静だし、サリオは分析が得意だし。どう?」
「俺はいいぞ。というか、かなり興味ある」
「ぼくも。任せてよ」
「アピア、アキューレはいい?」
「はい。お任せします」
「わたし、人多いのニガテ……まかせる」

 というわけで、俺とサリオがオークション参加することになった。
 レノはブツブツ言っていたが、俺が耳打ちする。

「レノ、俺とサリオがいないから、女の子チームに男がお前ひとりだぞ」
「おま、マジで言ってんのか?」
「?……そうだけど」
「……まぁいいや。なんか萎えたわ、オークション楽しんでこいよ」
「え? あ、ああ」

 よくわからないけど、レノは納得してくれたようだ。
 アピアは、セバスチャンさんに言う。

「セバスチャン。リュウキくんとサリオくんがオークションで着る正装を準備しておいて」
「かしこまりました。お嬢様」

 俺はサリオに言う。

「とりあえず、レノとサリオとレイのスキルを競り落とせばいいんだな」
「うん。第一希望、第二希望のスキルを競り落とす。リュウキくんは欲しいスキルないの?」
「んー……今のところ、特にない」
「そう? わかった」

 オークションについて話をしていると、レイが俺を見て言う。

「ね、リュウキ。今日聞いた噂なんだけど……」
「ん?」
「その、一年生最大チームの『アークライト』……キルトのチームが、大罪魔獣とギガントマキアの情報を集めてるみたい。どう考えても、あんたに対抗するつもりよ」
「……馬鹿じゃないか?」
「同感。キルトは、大罪魔獣もギガントマキアも舐めている。痛い目に合うわよ」
「……いやな予感がするな」
「ええ。まぁ、いちおう覚えておいて」
「ああ」

 オークションまで二日。キルト、余計なことするんじゃないぞ。
 
 ◇◇◇◇◇

 それから二日。特に問題なく、オークションの日になった。
 放課後、アジトで着替え、セバスチャンさんが御者を務める馬車に乗り、オークション会場へ。
 馬車の中で、サリオが言う。

「オークション会場は、サン公爵家所有の建物で、オークションの主催もサン公爵家なんだって」
「二大公爵家がオークションねぇ」
「サン公爵、いろんな事業に手を出してるって話だよ」

 サリオ、詳しい。
 オークション会場に到着し、馬車から降りると。

「やぁ、奇遇だね」
「「…………え」」

 俺たちを待っていたかのように、ムーン公爵様がいた。
 白を基調とした服にシルクハットを被り、マスクで目元を隠している。だが、俺たちの前でマスクを少しずらして挨拶したことで、ムーン公爵だとわかった。

「きみたちがエピックスキルを求めてオークションに参加すると聞いてね。面白そうだからボクも参加することにしたよ……ああ、きみたちの邪魔をするつもりはないから安心してくれ」
「「は、はい」」
「それと……リュウキくん、きみは気を付けた方がいい」
「……え?」
「B席24番。オークションが始まったら確認するといい。では」

 ムーン公爵はステッキをクルクル回しながら行ってしまった。
 とりあえず、俺とサリオはチケットを入口で渡し、オークション会場へ。
 チケットに書かれている席番号に座り、オークションの開始を待った。

「……B席24番」
「さっき公爵様が言った席? えーっと……あそこだね」
「…………」

 その席には、まだ誰も座っていない。
 それから十分後。会場内が薄暗くなり、ステージに司会者が上がった。
 そして、魔道具を口元に当てる。

『それではこれより、スキルオークションを開催します!!』

 会場内が拍手に包まれる。
 今さらだが、オークションってどうやればいいんだ?

「サリオ、オークションってどうやって入札するんだ?」
「指サインだよ。そのへんはぼくがやるから、リュウキくんは見てて」
「お前……すごく頼りになるな」

 俺は司会者の声を聞き逃さないように集中……そして、チラリとB席24番を見た。
 そこには、誰かが座っていた。
 女性だった。

「───……え」

 その女は───……ハイゼン王国にいるはずの、ドラグレード公爵家の夫人、イザベラだった。
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