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第七章
アキューレ救出部隊
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いい加減、イライラしてきた。
ステュムパリデスは、俺を殺すつもりがない。適度な距離を保ちつつ、火や雷や氷のブレスを吐き、あくまで時間稼ぎをしている。
間違いなく、こいつは何かの影響を受けて俺の前にいる。まぁ……イザベラだろうな。
イザベラ、奴が『ギガントマキア』でどんな位置にいるか不明だ。だが、この大罪魔獣を操れるくらい、強力なスキルを持っていることは間違いない。
『『『ギャゥゥゥゥゥ……』』』
「……いい加減、うっとおしいな」
ステュムパリデスは、俺が近づくと逃げ、逃げると追ってくる。
適度な距離を保ち、適度な攻撃。恐らく、ある程度時間を稼げば。
『『『───ククク』』』
「あ?」
こいつ……笑いやがった。
そして、そのまま反転し、逃げ出した。
用事は済んだと言わんばかりに、逃げ出したのだ。
「…………」
逃げるならそれでいい。
今は、アキューレたちが心配だ。アジトに戻らなくてはならない。
俺は翼を広げ、全力で闘気を込め……飛んだ。
『『『ガッ!?』』』
「逃げるなよ」
そして、ステュムパリデスの身体に着地。
俺が追ってくることを想定していないのか、驚いていた。
頭が三つあっても、単細胞らしい。俺は左手で巨大な杭を何本か作り、ステュムパリデスの身体に突き刺した。
『『『ガガガガッ!?』』』
「確かにアキューレたちのいるアジトに急がなきゃいけない。でも……俺さ、お前みたいに大事な時にちょっかいかけて、ニヤニヤしながら逃げ出すような奴、嫌いなんだ」
『『『ガ、ガガ』』』
「だから───ここで始末する。『闘気精製』───〝螺旋杭〟」
黄金の、螺旋が刻まれた杭を二十本作り出し、ステュムパリデスの身体に突き刺し回転させた。
『『『ギャァァァァァァァァァァァァァ───ッ!?』』』
「うるっせぇ!!」
『『『ガッ……!?』』』
そして、大剣を作り横に薙ぎ払う。すると、ステュムパリデスの首が三本、綺麗に切断された。
俺は左手で三匹の首を掴み、残った身体は右手で食いつくす。
ステュムパリデスのスキルは『気配遮断』か。俺に気付かれずに接近したスキル、なかなか使える。
俺は『潜航』を外し、『気配遮断』をセットする。レベルは上がらなかったが、いいスキルを手に入れた。
「よし、待ってろみんな───すぐに行く!!」
俺は闘気を翼に込め、全力で王都のアジトへ向かった。
◇◇◇◇◇◇
アジトに戻ると……もう、遅かった。
レノ、レイ、アピアがサリオの治療を受けていた。
俺は、ステュムパリデスの首を三つ持ってアジトに戻ってきた。
レイは、俺を睨んだ。
「みんな!!」
「リュウキ……どこ行ってたのよ。アキューレが……」
「くそ!! イザベラの野郎……」
首を投げ捨て、レノとアピアの元へ。
アジト内はボロボロだった。壁に大きな穴が空き、怪我をしているレノ、アピアががっくり項垂れている。サリオは魔力全開で治療をしているが、レベル3の回復魔法では治療効果が低いのか、まだ回復していないようだ。
俺が投げ捨てた首を見て、レイが驚く。
「な、何それ……」
「大罪魔獣の一体だ。間違いない……ギガントマキアのイザベラが、俺にけしかけやがった」
「い、イザベラ?」
「……キルトの母親。ギガントマキアの一員だ」
「うそ……」
すると、アジトに一人の男性……ムーン公爵が入ってきた。
オークションに参加した時の服装のままだ。ああ、サリオを送ってきたのか。
ムーン公爵は、ステッキで床をコツンと叩く。
「死体の処理は任せてくれたまえ。それで……リュウキくん、これからどうするんだい?」
「決まっています。アキューレを助けに行く」
「ふむ、行先は?」
「……」
すると、奥のドアからルルカさんが出てきた。セバスチャンさんも一緒にいる。
ルルカさんは、歯を食いしばりながら言う。
「行先はわかります。クルシュ王国にある霊山、ウロボロス山脈にあるギガントマキアの総本部です。そこに、アキューレ様は連れていかれました」
「総本部か……ギガントマキアの連中がたくさんいるんだな?」
「間違いなく。ですが……リュウキ様、お願いいたします。どうか、アキューレ様を」
「言われるまでもない」
猛烈に、俺はムカムカしていた。
闘気があふれだし、ツノが生えて髪の色が変わる。牙も生え、何かに喰らいつきたい感情があふれている……闘気を制御できないくらい、頭に来ている。
「アキューレは助ける。ギガントマキアは潰す」
「一人で、かい?」
「…………」
ムーン公爵は続ける。
「ムーン公爵家でも、ギガントマキアについての情報は集めていた。ギガントマキアは、双子龍のエキドナ、テュポーンによって生み出された組織だ。ギガントマキアを潰すということは、ドラゴン二体を敵に回すということだ。リュウキくん……勝てるのかい?」
「勝ちます。絶対に」
「ふむ、そう言っているが、どうなのかね?」
ムーン公爵はレイを見る。
レイはゆっくり立ち上がり、首をコキっと鳴らした。
「当然、チームメイトを助けないわけない。サリオ!!」
「は、はい!!」
「新しいスキル、寄越しなさい」
「え、あ、はい」
サリオは、一枚の羊皮紙をレイへ渡す。
レイは羊皮紙を広げ、ブツブツ呟いた。
「よし、『金属精製』を覚えたわ。これで……」
レイは自分の折れた双剣を手に取る。すると、折れた刀身がくっついた。
レベルが1だから、つなぎ合わせたように不格好だ。でも、レイは双剣を鞘に入れ背負う。
そして、レノが立ち上がる。
「サリオ、スキル」
「……レノ」
「寄越せ」
レノは『全身強化』のスキルを読み、習得。
拳を合わせ、軽く振った。
「リベンジ、かましてやる。あのクソ野郎……」
「……私も」
アピアは、懐から『鷹の眼』スキルを取り出し、覚えた。
まだD級冒険者のアピアは、二つめのスキルを覚えてはいけない。だが、アピアはそれを無視した。
魔導カバンから予備の魔導銃を取り出し、ホルスターへ収める。
「もう、負けません」
「よし……チーム『エンシェント』、全員いけるわね?」
「みんな……よし、ボクも」
サリオも、『全体支援魔法』を覚えた。
これで全員、スキルによる強化を習得した。
レイは、俺たち全員に言う。
「リュウキ、レノ、アピア、サリオ。これよりチーム『エンシェント』は、アキューレの救出に向かう。目的地はクルシュ王国、ウロボロス山脈にあるギガントマキア本部。相当厳しい戦いになる、覚悟はいい?」
「「「「了解」」」」
全員、力強く頷いた。
アピアはセバスチャンさんに言う。
「セバスチャン、あなたはルルカさんと一緒に、アジトで待機」
「かしこまりました。お嬢様」
「そんな、私は!!」
「ルルカ、あなたはここで待ってなさい。足手まといよ」
「っ」
レイは突き放す。
すると、ムーン公爵がパンパンと手を叩いた。
「素晴らしい決意だね。ではこうしよう……チーム『エンシェント』、きみたちに依頼をする。依頼内容はフリーデン王国の姫君アキューレ嬢の救出。ギルドの方には私から依頼を出し、きみたちが請け負ったことにしよう。それと、出発するなら公爵家に寄りたまえ。ワイバーン運搬で運んであげよう」
「……ワイバーン運搬?」
「ワイバーンは空を飛ぶ高速の魔獣だよ。人懐っこくて、モノを運ぶのによく使われるんだ。訓練した大型のワイバーンは、人を運ぶこともできるんだよ」
俺の疑問にサリオが答えてくれた。
ムーン公爵は、ステュムパリデスの生首を見る。
「リュウキくん。これは私に任せてくれないか? 悪いようにはしない」
「どうぞ、お好きに」
「はっはっは。大罪魔獣の一体だ、大事に扱うよ」
正直、大罪魔獣なんてどうでもいい。
俺たちは互いに頷き合い、公爵家に向かって歩き出した。
ステュムパリデスは、俺を殺すつもりがない。適度な距離を保ちつつ、火や雷や氷のブレスを吐き、あくまで時間稼ぎをしている。
間違いなく、こいつは何かの影響を受けて俺の前にいる。まぁ……イザベラだろうな。
イザベラ、奴が『ギガントマキア』でどんな位置にいるか不明だ。だが、この大罪魔獣を操れるくらい、強力なスキルを持っていることは間違いない。
『『『ギャゥゥゥゥゥ……』』』
「……いい加減、うっとおしいな」
ステュムパリデスは、俺が近づくと逃げ、逃げると追ってくる。
適度な距離を保ち、適度な攻撃。恐らく、ある程度時間を稼げば。
『『『───ククク』』』
「あ?」
こいつ……笑いやがった。
そして、そのまま反転し、逃げ出した。
用事は済んだと言わんばかりに、逃げ出したのだ。
「…………」
逃げるならそれでいい。
今は、アキューレたちが心配だ。アジトに戻らなくてはならない。
俺は翼を広げ、全力で闘気を込め……飛んだ。
『『『ガッ!?』』』
「逃げるなよ」
そして、ステュムパリデスの身体に着地。
俺が追ってくることを想定していないのか、驚いていた。
頭が三つあっても、単細胞らしい。俺は左手で巨大な杭を何本か作り、ステュムパリデスの身体に突き刺した。
『『『ガガガガッ!?』』』
「確かにアキューレたちのいるアジトに急がなきゃいけない。でも……俺さ、お前みたいに大事な時にちょっかいかけて、ニヤニヤしながら逃げ出すような奴、嫌いなんだ」
『『『ガ、ガガ』』』
「だから───ここで始末する。『闘気精製』───〝螺旋杭〟」
黄金の、螺旋が刻まれた杭を二十本作り出し、ステュムパリデスの身体に突き刺し回転させた。
『『『ギャァァァァァァァァァァァァァ───ッ!?』』』
「うるっせぇ!!」
『『『ガッ……!?』』』
そして、大剣を作り横に薙ぎ払う。すると、ステュムパリデスの首が三本、綺麗に切断された。
俺は左手で三匹の首を掴み、残った身体は右手で食いつくす。
ステュムパリデスのスキルは『気配遮断』か。俺に気付かれずに接近したスキル、なかなか使える。
俺は『潜航』を外し、『気配遮断』をセットする。レベルは上がらなかったが、いいスキルを手に入れた。
「よし、待ってろみんな───すぐに行く!!」
俺は闘気を翼に込め、全力で王都のアジトへ向かった。
◇◇◇◇◇◇
アジトに戻ると……もう、遅かった。
レノ、レイ、アピアがサリオの治療を受けていた。
俺は、ステュムパリデスの首を三つ持ってアジトに戻ってきた。
レイは、俺を睨んだ。
「みんな!!」
「リュウキ……どこ行ってたのよ。アキューレが……」
「くそ!! イザベラの野郎……」
首を投げ捨て、レノとアピアの元へ。
アジト内はボロボロだった。壁に大きな穴が空き、怪我をしているレノ、アピアががっくり項垂れている。サリオは魔力全開で治療をしているが、レベル3の回復魔法では治療効果が低いのか、まだ回復していないようだ。
俺が投げ捨てた首を見て、レイが驚く。
「な、何それ……」
「大罪魔獣の一体だ。間違いない……ギガントマキアのイザベラが、俺にけしかけやがった」
「い、イザベラ?」
「……キルトの母親。ギガントマキアの一員だ」
「うそ……」
すると、アジトに一人の男性……ムーン公爵が入ってきた。
オークションに参加した時の服装のままだ。ああ、サリオを送ってきたのか。
ムーン公爵は、ステッキで床をコツンと叩く。
「死体の処理は任せてくれたまえ。それで……リュウキくん、これからどうするんだい?」
「決まっています。アキューレを助けに行く」
「ふむ、行先は?」
「……」
すると、奥のドアからルルカさんが出てきた。セバスチャンさんも一緒にいる。
ルルカさんは、歯を食いしばりながら言う。
「行先はわかります。クルシュ王国にある霊山、ウロボロス山脈にあるギガントマキアの総本部です。そこに、アキューレ様は連れていかれました」
「総本部か……ギガントマキアの連中がたくさんいるんだな?」
「間違いなく。ですが……リュウキ様、お願いいたします。どうか、アキューレ様を」
「言われるまでもない」
猛烈に、俺はムカムカしていた。
闘気があふれだし、ツノが生えて髪の色が変わる。牙も生え、何かに喰らいつきたい感情があふれている……闘気を制御できないくらい、頭に来ている。
「アキューレは助ける。ギガントマキアは潰す」
「一人で、かい?」
「…………」
ムーン公爵は続ける。
「ムーン公爵家でも、ギガントマキアについての情報は集めていた。ギガントマキアは、双子龍のエキドナ、テュポーンによって生み出された組織だ。ギガントマキアを潰すということは、ドラゴン二体を敵に回すということだ。リュウキくん……勝てるのかい?」
「勝ちます。絶対に」
「ふむ、そう言っているが、どうなのかね?」
ムーン公爵はレイを見る。
レイはゆっくり立ち上がり、首をコキっと鳴らした。
「当然、チームメイトを助けないわけない。サリオ!!」
「は、はい!!」
「新しいスキル、寄越しなさい」
「え、あ、はい」
サリオは、一枚の羊皮紙をレイへ渡す。
レイは羊皮紙を広げ、ブツブツ呟いた。
「よし、『金属精製』を覚えたわ。これで……」
レイは自分の折れた双剣を手に取る。すると、折れた刀身がくっついた。
レベルが1だから、つなぎ合わせたように不格好だ。でも、レイは双剣を鞘に入れ背負う。
そして、レノが立ち上がる。
「サリオ、スキル」
「……レノ」
「寄越せ」
レノは『全身強化』のスキルを読み、習得。
拳を合わせ、軽く振った。
「リベンジ、かましてやる。あのクソ野郎……」
「……私も」
アピアは、懐から『鷹の眼』スキルを取り出し、覚えた。
まだD級冒険者のアピアは、二つめのスキルを覚えてはいけない。だが、アピアはそれを無視した。
魔導カバンから予備の魔導銃を取り出し、ホルスターへ収める。
「もう、負けません」
「よし……チーム『エンシェント』、全員いけるわね?」
「みんな……よし、ボクも」
サリオも、『全体支援魔法』を覚えた。
これで全員、スキルによる強化を習得した。
レイは、俺たち全員に言う。
「リュウキ、レノ、アピア、サリオ。これよりチーム『エンシェント』は、アキューレの救出に向かう。目的地はクルシュ王国、ウロボロス山脈にあるギガントマキア本部。相当厳しい戦いになる、覚悟はいい?」
「「「「了解」」」」
全員、力強く頷いた。
アピアはセバスチャンさんに言う。
「セバスチャン、あなたはルルカさんと一緒に、アジトで待機」
「かしこまりました。お嬢様」
「そんな、私は!!」
「ルルカ、あなたはここで待ってなさい。足手まといよ」
「っ」
レイは突き放す。
すると、ムーン公爵がパンパンと手を叩いた。
「素晴らしい決意だね。ではこうしよう……チーム『エンシェント』、きみたちに依頼をする。依頼内容はフリーデン王国の姫君アキューレ嬢の救出。ギルドの方には私から依頼を出し、きみたちが請け負ったことにしよう。それと、出発するなら公爵家に寄りたまえ。ワイバーン運搬で運んであげよう」
「……ワイバーン運搬?」
「ワイバーンは空を飛ぶ高速の魔獣だよ。人懐っこくて、モノを運ぶのによく使われるんだ。訓練した大型のワイバーンは、人を運ぶこともできるんだよ」
俺の疑問にサリオが答えてくれた。
ムーン公爵は、ステュムパリデスの生首を見る。
「リュウキくん。これは私に任せてくれないか? 悪いようにはしない」
「どうぞ、お好きに」
「はっはっは。大罪魔獣の一体だ、大事に扱うよ」
正直、大罪魔獣なんてどうでもいい。
俺たちは互いに頷き合い、公爵家に向かって歩き出した。
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