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授業とクラスメイト
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翌日、私は寮の食堂で朝ご飯を食べて、一人で学園へ向かった。
学園まで徒歩三分……いやぁ、たった三分なのは嬉しいけどさ。
「あぁら? おはようございます。メイヤード子爵令嬢」
「げっ……じゃなくて、おはようございます。ロザンドリオ公爵令嬢」
「ふふ、お堅いですわね。レイラとお呼びくださいな」
「は、はい。じゃあ私もアリアと」
レイラが待ち構えていた……寮の入口で。
何が目的なのかすぐにわかった。
「アリアさん。あなた……『二番目の聖女』らしいですわね」
「え、ああ、はい」
「あなたのこと、調べさせて頂きましたわ。元平民で、靴磨きをしていたそうですねぇ?」
「───」
なんで知ってる……公爵令嬢ってこんなすごい情報収集力あるの? 私専用のwikiでも見たのか?
レイラを見ると、なぜか勝ち誇っていた。
「ふふ、二番目の聖女というか、『靴磨きの聖女』とはねぇ……あなたは希少な『白』属性の使い手と警戒しておりましたけど、どうやら杞憂のようですわね。私のライバルはやはり、ユグノー公爵令嬢……メイリアスだけ」
「…………」
「ま、伝えたいことは以上です。希少な白属性使いだからと言って、目立つような真似はしない方がいいかと……では」
レイラは、いつの間にか傍にいたお供の令嬢と一緒に校舎内へ。
私は、学園に入る前なのに、どっと疲れていた。
「『靴磨きの聖女』ね……あはは、悪くない名前じゃん」
◇◇◇◇◇
授業は、そんなに大変じゃなかった。
予習のおかげで、なんとか付いていける。でも、座学は問題じゃない。
問題は……魔法実技。
午前中は座学、午後は魔法実技となる。
お昼を食べ、私はケイムスとロクサスの二人と一緒に、魔法実技を行う演習場へ。
「魔法実技かぁ……」
「ケイムス、魔法苦手だもんね」
「まーな。オレ、剣術のがいいぜ……」
「オレも」
「ね、ロクサスの魔法適正は?」
「オレは『地』だ。地面とか土」
お喋りしながら向かい、演習場へ到着……なんか、弓道場みたいな場所だ。
運動着とか着るわけじゃなくて普通に制服だし、なんか新鮮かも。
「あ~ら、アリアさん」
「あ、レイラさん、どうも」
「ふふん。あなた、『白』属性なのに演習場で何をするのかしら? 私の華麗な『火』魔法を見に来たのかしら?」
「いや、授業は演習場って聞いたんでここに」
「そう。まぁ、私の魔法を見て腰を抜かさないように。ふふ、頼れるナイトが二人もいるなんて、実に羨ましいわぁ」
「はあ」
それだけ言い、レイラは行ってしまった……なんだったのかな。
すると、ケイムスは。
「お前、馬鹿にされてるのに何も言わないのかよ」
「え、今のそうなの?」
「そうに決まってんだろうが。なぁ、ロクサス」
「鈍いオレでもわかったぞ……アリア、お前気付けよ」
「えぇ?」
あー……そっか。私、日本人だったころ、毎日毎日クソ上司にネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチ言われて、頭にきて爆発しそうになったこと何度もあるから、あの程度の嫌味、何とも感じなくなってるんだ……あはは、精神耐性高いってことね。
「ま、別に気にしてないし。ってかレイラさん、ケイムスのこと気になってたんじゃないのかな?」
「あー、男子寮で聞いたけどよ、エルシャドール侯爵家の長男が、ロザンドリオ公爵令嬢の騎士になったらしいぜ。エルシャドール侯爵家……剣術の名門だ。あそこの兄弟は男女全員、エルシャドール流の剣技を収めるんだとさ。くぅ羨ましいぜ」
ケイムスはレイラの背中をジッと見て言う。
ケイムス、魔法より剣だもんね。子爵家の騎士相手に毎日訓練してたし。
すると、魔法授業担当の教師が来た。
「それでは、さっそく授業を始めます。ああ、その前に……メイヤード子爵家令嬢アリアさん、あなたは別室での授業となりますので」
「え……あ、はい」
なんと、個別授業でした。
ケイムスたちと別れ、迎えに来た教師と一緒に演習場にある部屋へ。
向かった先はなんと……医務室。
まさかと思うと、そこには怪我人がいた。怪我人と言っても重症患者とかじゃない。手足に包帯を巻いた騎士……上級生たちだ。
そして、メイリアスも。
「あら……」
(ゲッ)
私を見てニッコリ笑うメイリアス。
教師は、私とメイリアスに言う。
「それでは、『白』属性のお二人にやってもらう授業内容を説明します。まぁ、説明するまでもありませんが……ここは医務室です。剣術授業で怪我をした上級生たちがいますので、白魔法での治療をお願い致します」
「わかりました」
「は、はーい」
こうして、私の『白』属性の授業が始まったのだった。
学園まで徒歩三分……いやぁ、たった三分なのは嬉しいけどさ。
「あぁら? おはようございます。メイヤード子爵令嬢」
「げっ……じゃなくて、おはようございます。ロザンドリオ公爵令嬢」
「ふふ、お堅いですわね。レイラとお呼びくださいな」
「は、はい。じゃあ私もアリアと」
レイラが待ち構えていた……寮の入口で。
何が目的なのかすぐにわかった。
「アリアさん。あなた……『二番目の聖女』らしいですわね」
「え、ああ、はい」
「あなたのこと、調べさせて頂きましたわ。元平民で、靴磨きをしていたそうですねぇ?」
「───」
なんで知ってる……公爵令嬢ってこんなすごい情報収集力あるの? 私専用のwikiでも見たのか?
レイラを見ると、なぜか勝ち誇っていた。
「ふふ、二番目の聖女というか、『靴磨きの聖女』とはねぇ……あなたは希少な『白』属性の使い手と警戒しておりましたけど、どうやら杞憂のようですわね。私のライバルはやはり、ユグノー公爵令嬢……メイリアスだけ」
「…………」
「ま、伝えたいことは以上です。希少な白属性使いだからと言って、目立つような真似はしない方がいいかと……では」
レイラは、いつの間にか傍にいたお供の令嬢と一緒に校舎内へ。
私は、学園に入る前なのに、どっと疲れていた。
「『靴磨きの聖女』ね……あはは、悪くない名前じゃん」
◇◇◇◇◇
授業は、そんなに大変じゃなかった。
予習のおかげで、なんとか付いていける。でも、座学は問題じゃない。
問題は……魔法実技。
午前中は座学、午後は魔法実技となる。
お昼を食べ、私はケイムスとロクサスの二人と一緒に、魔法実技を行う演習場へ。
「魔法実技かぁ……」
「ケイムス、魔法苦手だもんね」
「まーな。オレ、剣術のがいいぜ……」
「オレも」
「ね、ロクサスの魔法適正は?」
「オレは『地』だ。地面とか土」
お喋りしながら向かい、演習場へ到着……なんか、弓道場みたいな場所だ。
運動着とか着るわけじゃなくて普通に制服だし、なんか新鮮かも。
「あ~ら、アリアさん」
「あ、レイラさん、どうも」
「ふふん。あなた、『白』属性なのに演習場で何をするのかしら? 私の華麗な『火』魔法を見に来たのかしら?」
「いや、授業は演習場って聞いたんでここに」
「そう。まぁ、私の魔法を見て腰を抜かさないように。ふふ、頼れるナイトが二人もいるなんて、実に羨ましいわぁ」
「はあ」
それだけ言い、レイラは行ってしまった……なんだったのかな。
すると、ケイムスは。
「お前、馬鹿にされてるのに何も言わないのかよ」
「え、今のそうなの?」
「そうに決まってんだろうが。なぁ、ロクサス」
「鈍いオレでもわかったぞ……アリア、お前気付けよ」
「えぇ?」
あー……そっか。私、日本人だったころ、毎日毎日クソ上司にネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチ言われて、頭にきて爆発しそうになったこと何度もあるから、あの程度の嫌味、何とも感じなくなってるんだ……あはは、精神耐性高いってことね。
「ま、別に気にしてないし。ってかレイラさん、ケイムスのこと気になってたんじゃないのかな?」
「あー、男子寮で聞いたけどよ、エルシャドール侯爵家の長男が、ロザンドリオ公爵令嬢の騎士になったらしいぜ。エルシャドール侯爵家……剣術の名門だ。あそこの兄弟は男女全員、エルシャドール流の剣技を収めるんだとさ。くぅ羨ましいぜ」
ケイムスはレイラの背中をジッと見て言う。
ケイムス、魔法より剣だもんね。子爵家の騎士相手に毎日訓練してたし。
すると、魔法授業担当の教師が来た。
「それでは、さっそく授業を始めます。ああ、その前に……メイヤード子爵家令嬢アリアさん、あなたは別室での授業となりますので」
「え……あ、はい」
なんと、個別授業でした。
ケイムスたちと別れ、迎えに来た教師と一緒に演習場にある部屋へ。
向かった先はなんと……医務室。
まさかと思うと、そこには怪我人がいた。怪我人と言っても重症患者とかじゃない。手足に包帯を巻いた騎士……上級生たちだ。
そして、メイリアスも。
「あら……」
(ゲッ)
私を見てニッコリ笑うメイリアス。
教師は、私とメイリアスに言う。
「それでは、『白』属性のお二人にやってもらう授業内容を説明します。まぁ、説明するまでもありませんが……ここは医務室です。剣術授業で怪我をした上級生たちがいますので、白魔法での治療をお願い致します」
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「は、はーい」
こうして、私の『白』属性の授業が始まったのだった。
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