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ある公爵令嬢の話
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「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふ! 楽しいねっ! あははははははははははははははははは!」
「待って、怖いんだけど!」
ひたすらひとりでに笑うカイル。早くも帰りたいです。
「ほら、この腰を振っているバッタ……まるで僕たちみたいだね……」
「何でよっ! 私そんなことしてないわよ!?」
「またまたぁ……♡ そんなこと言ってても身体は正直だったじゃないかぁ……♡」
「そんな経験ありませんけど!?」
「ヤダ、僕、愛されすぎっ……?」
「気のせいよ」
なんだこの話すだけでどっと疲れるこの感じ……。噛み合ってない気もするし……。
「そう、あれはまるで熟年の夫婦のような絡みだったね」
「駄目じゃないのそれ」
熟年夫婦のアレが悪いとは思ってないけど、齢14でそう言われるのは傷つくわ。やったことないけど。
「またそう言って現実逃避しようとするー! もう、ダメだよ! 現実から目を背けちゃ!」
「ブーメラン刺さってるわよ。時には妄想に浸るのもいいと思うけどあなたの場合やりすぎだから」
「そんなことは置いといて、白樺並木までついたよ!」
自分のことも棚に置いたぞコイツ……。
「……ていうかさ」
「どうしたの?」
「ここ木以外なんもなくね?」
「否定はできないね」
低い気温がダイレクトに感じられ、周りには田園風景のみが広がっているこの場所。途中まで馬車でかっとばしてきたけど……。
「ねえ、よくよく考えたらここなんもすることないよね」
「できることなら先に気が付いてほしかったわ」
後先考えずに行動するのはいつものことだけど……。もうちょっと行き先を問い詰めてから来てもよかったわね。
「ほら、星が見えるよ……。名前なんのこっちゃ分からんけど」
「同感ね」
有名な星以外知りません。北極星とか。どれか知らんけど。
「ああ、こんな日には僕に纏わりつくものを全て捨て去って産まれたままの姿でこの風景を祝福したい欲にかられるね……」
「つまり全裸になりたいってことね? そうなのね? 取り繕っても無駄だからね?」
「分かった。取り繕わずにさらけ出すよ……!」
あかん、カイルが脱ぎだした! 男子寮の飲み会でもこんなことにはならないぞ! 行ったことないけど!
「ああ、なんてすがすがしいんだ……。ああっ! ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ♡♡」
「ちょっと! いくら人通りが少ないとはいえこんなところで全裸にならないでちょうだい!」
「駄目ぇ……♡ めちゃくちゃになりゅのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ♡♡ おっほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお♡♡♡」
頬に手を当て、恍惚の表情を浮かべるカイル。ダメだ聞いちゃいない。
「あ、さてはラミちゅわん。僕のパンツが欲しいっていう魂胆だね? んもぉ♡ しょうがないなぁ! 僕の下半身の匂いを存分に堪能して家宝にしてね? あ、僕の家宝でもあるのかなッ!」
そう言い、ぐいぐいと己の使用済み下着を公爵令嬢に押し付けるカイル(第一王子)。
コイツマジでヤベエな。
「おっ! 漂ってくる馬糞の匂い! たまらん! ハァハァ……! クンカクンカ、スーハ―スーハ―……! しゃいこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「いや、匂いフェチにしてもストライクゾーン広すぎでしょう!?」
肺を馬糞の匂いで埋めるかの如く勢いよく息を吸って吐くカイル。しかも、匂いを堪能している様子。
「待ってろ馬糞! 今から僕が生クンカクンカスーハ―スーハ―するために駆け付けてやるからな!」
「馬糞もあなたなんかお呼びじゃないと思うのだけれど。あと生クンカクンカスーハ―スーハ―ってなによ」
わかるけど。言わんとしていることはわかるけど分かりたくなかった。
「それはこういうことさ! おっほおおおおおおおおおおおおおおおおおお! 馬糞しゃいこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
ちょっとまって、この人酔ってない?
そういえばこころなしかいつもより顔が赤い気が……。
「UEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEI!」
パリピのような声を上げるとともに馬糞の中に勢いよくジャンピングダイブ!
『ベちゃっ』
「おほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! ダイレクト馬糞なのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお♡♡」
なら早いところ止めたほうが良いわよね。
いや、でもヤツなら素面でもやりかねん。というか本当に酒を飲んだのか……?
「うへええええええええええええおええええええええええええええええええええええええええおええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」
馬糞の上にゲロ吐いてるよこの人。
やっぱりお酒飲んでるのかしら?
馬糞ダイブしたいならどうでもいい服着てきたほうが良かったと思うのだけれど。
「あの、カイルさん……?」
「どうしたのラミちゅわん、まさか愛の告はオロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ」
……ごめんカイル。一つ言わせてもらいたいことがあるの。
今のあなた絶望的な悪臭を放っているわ。
「待って、怖いんだけど!」
ひたすらひとりでに笑うカイル。早くも帰りたいです。
「ほら、この腰を振っているバッタ……まるで僕たちみたいだね……」
「何でよっ! 私そんなことしてないわよ!?」
「またまたぁ……♡ そんなこと言ってても身体は正直だったじゃないかぁ……♡」
「そんな経験ありませんけど!?」
「ヤダ、僕、愛されすぎっ……?」
「気のせいよ」
なんだこの話すだけでどっと疲れるこの感じ……。噛み合ってない気もするし……。
「そう、あれはまるで熟年の夫婦のような絡みだったね」
「駄目じゃないのそれ」
熟年夫婦のアレが悪いとは思ってないけど、齢14でそう言われるのは傷つくわ。やったことないけど。
「またそう言って現実逃避しようとするー! もう、ダメだよ! 現実から目を背けちゃ!」
「ブーメラン刺さってるわよ。時には妄想に浸るのもいいと思うけどあなたの場合やりすぎだから」
「そんなことは置いといて、白樺並木までついたよ!」
自分のことも棚に置いたぞコイツ……。
「……ていうかさ」
「どうしたの?」
「ここ木以外なんもなくね?」
「否定はできないね」
低い気温がダイレクトに感じられ、周りには田園風景のみが広がっているこの場所。途中まで馬車でかっとばしてきたけど……。
「ねえ、よくよく考えたらここなんもすることないよね」
「できることなら先に気が付いてほしかったわ」
後先考えずに行動するのはいつものことだけど……。もうちょっと行き先を問い詰めてから来てもよかったわね。
「ほら、星が見えるよ……。名前なんのこっちゃ分からんけど」
「同感ね」
有名な星以外知りません。北極星とか。どれか知らんけど。
「ああ、こんな日には僕に纏わりつくものを全て捨て去って産まれたままの姿でこの風景を祝福したい欲にかられるね……」
「つまり全裸になりたいってことね? そうなのね? 取り繕っても無駄だからね?」
「分かった。取り繕わずにさらけ出すよ……!」
あかん、カイルが脱ぎだした! 男子寮の飲み会でもこんなことにはならないぞ! 行ったことないけど!
「ああ、なんてすがすがしいんだ……。ああっ! ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ♡♡」
「ちょっと! いくら人通りが少ないとはいえこんなところで全裸にならないでちょうだい!」
「駄目ぇ……♡ めちゃくちゃになりゅのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ♡♡ おっほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお♡♡♡」
頬に手を当て、恍惚の表情を浮かべるカイル。ダメだ聞いちゃいない。
「あ、さてはラミちゅわん。僕のパンツが欲しいっていう魂胆だね? んもぉ♡ しょうがないなぁ! 僕の下半身の匂いを存分に堪能して家宝にしてね? あ、僕の家宝でもあるのかなッ!」
そう言い、ぐいぐいと己の使用済み下着を公爵令嬢に押し付けるカイル(第一王子)。
コイツマジでヤベエな。
「おっ! 漂ってくる馬糞の匂い! たまらん! ハァハァ……! クンカクンカ、スーハ―スーハ―……! しゃいこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「いや、匂いフェチにしてもストライクゾーン広すぎでしょう!?」
肺を馬糞の匂いで埋めるかの如く勢いよく息を吸って吐くカイル。しかも、匂いを堪能している様子。
「待ってろ馬糞! 今から僕が生クンカクンカスーハ―スーハ―するために駆け付けてやるからな!」
「馬糞もあなたなんかお呼びじゃないと思うのだけれど。あと生クンカクンカスーハ―スーハ―ってなによ」
わかるけど。言わんとしていることはわかるけど分かりたくなかった。
「それはこういうことさ! おっほおおおおおおおおおおおおおおおおおお! 馬糞しゃいこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
ちょっとまって、この人酔ってない?
そういえばこころなしかいつもより顔が赤い気が……。
「UEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEI!」
パリピのような声を上げるとともに馬糞の中に勢いよくジャンピングダイブ!
『ベちゃっ』
「おほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! ダイレクト馬糞なのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお♡♡」
なら早いところ止めたほうが良いわよね。
いや、でもヤツなら素面でもやりかねん。というか本当に酒を飲んだのか……?
「うへええええええええええええおええええええええええええええええええええええええええおええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」
馬糞の上にゲロ吐いてるよこの人。
やっぱりお酒飲んでるのかしら?
馬糞ダイブしたいならどうでもいい服着てきたほうが良かったと思うのだけれど。
「あの、カイルさん……?」
「どうしたのラミちゅわん、まさか愛の告はオロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ」
……ごめんカイル。一つ言わせてもらいたいことがあるの。
今のあなた絶望的な悪臭を放っているわ。
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