上 下
74 / 100
あるヒロインの話

しおりを挟む
   初めに、この物語をお読みになられなくとも本編を進める上で全く困らないのをご了承ください。


「……あれっ」

 なんで私の髪の毛千手観音みたいな感じになってるの?
 数秒のラグを置いて私はやっとこの状況を理解する。
   もしかしてこれは私が前世プレイしたゲーム?
 いやいや、なんで私留学してんの?
 悪役令嬢のはずのレースフェルトとやらが王子とやたら親密だし……。
 私は手櫛で髪をある程度整え始める。
 あの様子だと王子はラミにご執心。だけど私の推しキャラはカイル様。
 悪役令嬢から王子様の心を奪還してやる! そしてあなたは別な方を探してください!
しおりを挟む

処理中です...