悪役令嬢のはずがなぜ王子様に溺愛されているのでしょう

夏葉ひなた

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第二章

第43話 ヒロイン覚醒

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 私は先ほどのリノちゃんの姿をおもいだす。
 アレって完全に覚醒したときのヒロインの姿なのよね……。

「今日のリノちゃん可愛かったねー」
「へぇ?」(ズモモモモモモモモモモモ……)
「あ、嫉妬しちゃった?   可愛いとこあるじゃん?」
「あ?」(ズモモモモモモモモモモモ……)

   私は溢れる殺気を抑えながらカイルと対峙する。
   私というものがありながら他の女に『可愛い』と言うとは……。悪いことじゃないけどやっぱり嫉妬……。

「大丈夫だよ。俺のなかではラミちゃんが一番可愛いから」
「そこまで言うなら……許す」

   訳は『浮気したらぶちのめす』でよろしくお願いします。

「かわいいかわいい」
「天国まで追ってぶちのめすけど?」
「なんで!?   ていうか地獄じゃないんだね、ヤダ優しい!」

   やだなぁ、地獄はやりすぎよ。私そこまで非情じゃないわ。ぶちのめすけど。

「お二人さん、今授業中なの知ってた?」
「「アッハイ」」

   そこから私達は真顔で授業を受けることとなった。反省はしています。
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