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第三章
第63話 カイルの貞操は無事です
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「はぁ……。大変な目にあったぁぁ♡♡」
「だいぶ嬉しそうな声出してるけど大丈夫?」
「らいほうふ……♡」
大丈夫じゃなさそうなのだが……。
なんか恍惚の表情してるし……。
ローションでヌルヌルになったカイルがこんな状態になっていたら私とて心配せざるを得ない。
「あそこでローションヌルヌルにされてヌルってなってアッーー♂なことになったり……うふふっ!」
「ちょっと待って、怪しい単語あったんだけど」
「大丈夫だよ。俺の〇〇〇の貞操は無事だから。ちゃんと処女保ってるから。もちろんラミちゃん用に」
「生々しい!」
まあそこは若干気になってた事ではあるけれども。あと私用っていう言葉の響きは凄くいいのだけれど、ナニをしろと?
「カイル、お前意外とシやすいな」
「そ、そう?」
「何喜んでるのよ」
「え? 喜んでないよ? えへへー♡」
なんだろう。ライバルが増えた気分だ。
ワンチャンお兄ちゃん側室あたりに行くんじゃないかと私が不安に思っていると。
「これでラミちゃんをローションで悦ばせることができるねっ!」
まさかコイツ攻撃の中で技を盗んでやがったとは……。職人?
「あ? ローションのプロフェッショナルとして免許も取得している俺の技をそんな短期間で盗めるってのか?」
ローションのプロフェッショナルの免許って何ですか、お兄ちゃん。
「天・才・デスカラッ☆」
ヤベェ雪山で放置プレイしたい。超ムカつくなコイツ。
「そんな天才な俺レベルになると――とうっ!」
カイルは私をエアドン(エア壁ドンの略称。コイツ以外にする人がいるのかは不明)して、もう片方の腕(左手)でローション(大容量)を凄い勢いで絞っていく。ハッキリ言って無駄遣い甚だしい。
だが、光速で絞られた大容量ローションは――。
「か、壁だとォ!?」
「これが俺の秘儀……『ロードン』ッッッ!」
「グハァッ!」
コイツら何競ってんの?
ていうかもう床ローションまみれだし髪にちょっとローションかかったし(量の割にかかったのがこの量ならけっこう凄いのかもしれないが)またメイドさん泣くぞ。私もちょっとは手伝うけどさ。
「ははっ……意外とやるじゃねぇか……」
ちょっと床のローションで滑りそうになったお兄ちゃんがカイルを睨みつけながら言った。おいプロフェッショナル。
「だがその程度で天才を名乗らないでくれないか?」
くわっと目を見開かせ、新参者のカイルを嘲笑うかのように技を解き放つ。大人気ねぇ……。
「レースフェルト流……『ローションプランシェ』ッッッッッ!」
「こ、これは――!」
光の屈折か乙女ゲーム補正か原理はよくわかってないがお兄ちゃんの姿が消えた!
「ローションを使いこなしたらこんなこともできるんだよォ……」
声だけ聞こえてくる! なるほど、いつも気が付いたらお兄ちゃんが床になってるのってこういうことか! とりあえずレースフェルト流っていう看板は変えてくれないかな?
「お、奥が深いッ!」
いや、たぶん用途違うからコレ。姿隠せたりとかできないから。
「カイルよ……王子として甘やかされて育てられてきたお前にレースフェルト流が背負えるか……?」
「いや、私レースフェルト流知らないんだけど。今日初めて知ったんだけど」
「考案者お兄ちゃんだぞ☆」
レースフェルト流名乗んな。ノート流とかにしとけ。
「お兄様、あなたちょっとおかしいこと言ってません?」
まあ確かにお兄ちゃんのセリフにはおかしい点があったわね。
だって『王子として甘やかされて育てられる』っていうことは王家の人間に囲まれて育てられてるっていうことじゃないの?
「俺は人生の半分以上ここで育ってきました」
もはやカイルにとっての自宅である。ここは。
帰国してからも王城に行かずここに来たし。執事さん何のために迎えに来たの……。
「確かに」
その間床に擬態してたお兄ちゃんも納得である。暇人なの?
「お兄様、レースフェルト流を王家でも広めて、いつか国一番の流派にします。ですから……妹さんを俺にください」
カイルは『娘さんをください』のノリと共にこんな犯罪的な流派を国一番の流派にすると宣言した。
あと結婚するのに兄の許可とかいるの?
「そ、そこまでラミのこと……だけど……」
何でアンタはアンタで揺れてるんだよ。そもそもお兄ちゃんに決定権という決定権はないんだけど。
「お願いしますッ!」
カイルは水位五センチほどになったローションの水たまりも厭わず土下座を炸裂させる。掃除が大変どころの騒ぎじゃない。
「わ、分かった……」
ついにお兄ちゃんが折れた。凄いなカイル。
『コンコン』
「お飲み物とお菓子のご要望とお嬢様の貞操を確認しに参りましたァァァァァ――――――――――ッ!」
メイドさん大パニックである。
そりゃそうだ。公爵令嬢の部屋のドアを開けたら大量のローションが溢れ出すのである。なにこれどんなホラー?
「……ラミちゃん、俺も掃除手伝うよ」
「お兄ちゃんも手伝うよ」
「何当たり前のことを言っているの?」
その後、メイドさんや執事の手を借りながら大量のローションを掃除する羽目になった。ごめんなさい。
「だいぶ嬉しそうな声出してるけど大丈夫?」
「らいほうふ……♡」
大丈夫じゃなさそうなのだが……。
なんか恍惚の表情してるし……。
ローションでヌルヌルになったカイルがこんな状態になっていたら私とて心配せざるを得ない。
「あそこでローションヌルヌルにされてヌルってなってアッーー♂なことになったり……うふふっ!」
「ちょっと待って、怪しい単語あったんだけど」
「大丈夫だよ。俺の〇〇〇の貞操は無事だから。ちゃんと処女保ってるから。もちろんラミちゃん用に」
「生々しい!」
まあそこは若干気になってた事ではあるけれども。あと私用っていう言葉の響きは凄くいいのだけれど、ナニをしろと?
「カイル、お前意外とシやすいな」
「そ、そう?」
「何喜んでるのよ」
「え? 喜んでないよ? えへへー♡」
なんだろう。ライバルが増えた気分だ。
ワンチャンお兄ちゃん側室あたりに行くんじゃないかと私が不安に思っていると。
「これでラミちゃんをローションで悦ばせることができるねっ!」
まさかコイツ攻撃の中で技を盗んでやがったとは……。職人?
「あ? ローションのプロフェッショナルとして免許も取得している俺の技をそんな短期間で盗めるってのか?」
ローションのプロフェッショナルの免許って何ですか、お兄ちゃん。
「天・才・デスカラッ☆」
ヤベェ雪山で放置プレイしたい。超ムカつくなコイツ。
「そんな天才な俺レベルになると――とうっ!」
カイルは私をエアドン(エア壁ドンの略称。コイツ以外にする人がいるのかは不明)して、もう片方の腕(左手)でローション(大容量)を凄い勢いで絞っていく。ハッキリ言って無駄遣い甚だしい。
だが、光速で絞られた大容量ローションは――。
「か、壁だとォ!?」
「これが俺の秘儀……『ロードン』ッッッ!」
「グハァッ!」
コイツら何競ってんの?
ていうかもう床ローションまみれだし髪にちょっとローションかかったし(量の割にかかったのがこの量ならけっこう凄いのかもしれないが)またメイドさん泣くぞ。私もちょっとは手伝うけどさ。
「ははっ……意外とやるじゃねぇか……」
ちょっと床のローションで滑りそうになったお兄ちゃんがカイルを睨みつけながら言った。おいプロフェッショナル。
「だがその程度で天才を名乗らないでくれないか?」
くわっと目を見開かせ、新参者のカイルを嘲笑うかのように技を解き放つ。大人気ねぇ……。
「レースフェルト流……『ローションプランシェ』ッッッッッ!」
「こ、これは――!」
光の屈折か乙女ゲーム補正か原理はよくわかってないがお兄ちゃんの姿が消えた!
「ローションを使いこなしたらこんなこともできるんだよォ……」
声だけ聞こえてくる! なるほど、いつも気が付いたらお兄ちゃんが床になってるのってこういうことか! とりあえずレースフェルト流っていう看板は変えてくれないかな?
「お、奥が深いッ!」
いや、たぶん用途違うからコレ。姿隠せたりとかできないから。
「カイルよ……王子として甘やかされて育てられてきたお前にレースフェルト流が背負えるか……?」
「いや、私レースフェルト流知らないんだけど。今日初めて知ったんだけど」
「考案者お兄ちゃんだぞ☆」
レースフェルト流名乗んな。ノート流とかにしとけ。
「お兄様、あなたちょっとおかしいこと言ってません?」
まあ確かにお兄ちゃんのセリフにはおかしい点があったわね。
だって『王子として甘やかされて育てられる』っていうことは王家の人間に囲まれて育てられてるっていうことじゃないの?
「俺は人生の半分以上ここで育ってきました」
もはやカイルにとっての自宅である。ここは。
帰国してからも王城に行かずここに来たし。執事さん何のために迎えに来たの……。
「確かに」
その間床に擬態してたお兄ちゃんも納得である。暇人なの?
「お兄様、レースフェルト流を王家でも広めて、いつか国一番の流派にします。ですから……妹さんを俺にください」
カイルは『娘さんをください』のノリと共にこんな犯罪的な流派を国一番の流派にすると宣言した。
あと結婚するのに兄の許可とかいるの?
「そ、そこまでラミのこと……だけど……」
何でアンタはアンタで揺れてるんだよ。そもそもお兄ちゃんに決定権という決定権はないんだけど。
「お願いしますッ!」
カイルは水位五センチほどになったローションの水たまりも厭わず土下座を炸裂させる。掃除が大変どころの騒ぎじゃない。
「わ、分かった……」
ついにお兄ちゃんが折れた。凄いなカイル。
『コンコン』
「お飲み物とお菓子のご要望とお嬢様の貞操を確認しに参りましたァァァァァ――――――――――ッ!」
メイドさん大パニックである。
そりゃそうだ。公爵令嬢の部屋のドアを開けたら大量のローションが溢れ出すのである。なにこれどんなホラー?
「……ラミちゃん、俺も掃除手伝うよ」
「お兄ちゃんも手伝うよ」
「何当たり前のことを言っているの?」
その後、メイドさんや執事の手を借りながら大量のローションを掃除する羽目になった。ごめんなさい。
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