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第一章
第11話 ツ ン デ レ
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「さあ始まりました『ナイルくんツンデレヤンデレ選手権』! 審査員はわたくしグラスと!」
「ぼくです」
やけにウキウキしているグラスと穏やかだが鼻血を垂れ流している弟。ぶっちゃけ逃げたい。てか勉強しろや。勉強会どこ行った。
「いやぁ、まさかこんな光景が見れるとは思ってませんでしたよ。どうですか弟君」
しみじみと感嘆してほろり、と涙を流すグラスと徐々に出血量が増していく弟。大丈夫かコレ。
「最高にシコですね」
全然穏やかじゃなかった。荒れ狂ってた。
まあそもそもそんなに鼻血が出てる時点である程度察してたけどさぁ……。出血しすぎて倒れたりしない? 止血しなくて大丈夫なのか弟よ。
そして欲を言うならば(?)お兄ちゃんをオカズにしてシコらないでください。
「シコシコォ!」
弟の言葉に追随してグラスが声を張り上げる。いい加減にしろ。お前も俺をオカズにしてシコらないで頂きたい。
「さあさあ! どんな言葉を繰り出して来るのか!」
「萌え死ぬレベルのモノを期待したいですね」
ええー……。萌えポイントとか知らんがな。
そもそも『コレジャナイ感』を感じ取っただけで俺が模範解答を知っているって事じゃないんだよなぁ。
とりあえずやってみるか。
「グラス、お前またテスト勉強してねぇだろ」
どうか不敬罪に問わないでください、と願いながら話しかける。普段は敬語で話しますから許してえええ!
「えっ……どうしてナイルくんがそれを知っているんだい!? まさかエスパー!? す、ストーキング……?」
「キモい事言ってんじゃねぇよ」
「おほお♡」
これは根っからの本音である。あと何でこの言葉で嬌声あげてんだグラス。どれだけ上級者なんだ!
「ほら、今回はノート貸してやるから、これで悪あがきでも何でもしろよ」
「OH……fantastic……」
何で英語の発音なんだ。まあノートくらいなら貸すけどさ。
いや、やっぱ返せ。俺のノートを股間に持って行ってナニするつもりだ! アッーー!
俺は必死にノートの座標がこれ以上下がるのを阻止し、王道の一言を言う。この状況だと行動と言動が矛盾してるがな!
「べ、別にお前の為じゃ無いからな!」
とりあえず言ったはいいものの、全然ノートを引っ張る力が緩んでくれない。勉強以外の用途で活用するなら返せよ。
「僕のためにノート貸してくれるんじゃなかったの?」
正論だ!
だが誰がシコっていいと言った!?
「シコってたら勉強に集中できませんからね……あなたのためじゃないんですからね……」
こちらも何とか応戦する。
弟は画用紙に自分の血で『無理ぽ』と書いて倒れている。大変だ!
「ちょっと弟運ぶの手伝ってもらえませんか?」
「意外と非力なんだね? 萌える……」
ダメだコイツ身体の芯まで腐ってやがる! 主に性癖が。
「僕なんだったらナイルくんも一緒に運ぶことできるよ? 運ぼうか僕のお姫様?」
「キモっ」
「!!??」
しまったつい――!
流石に『キモい』はないよな。人間どこかしら一箇所くらいはキモいところあるもんな。まあ……
「う、嘘だからな!」
ツンデレ選手権にかこつけてごまかした。大丈夫であってくれ。
「流石ツンデレに選ばれしツンデレのツンデレナイルくんだね!」
ちょっと何言ってるか分からないがごまかせたのは確かだ。
「素直じゃないきゃわいいナイルくんには帰りにお姫様抱っこしてあげるよ!」
ひょい、と軽々しく弟を持ち上げた。コイツのパワーどうなってんだ。準主人公補正か? 物語での位置も王子で国内での位置も王子って最高最強だもんな。ハイハイ俺ただのクラスメイトだよ。
「ナイルくん、止血お願いできる?」
「大丈夫です」
黙々と止血していた俺だったがある疑問が拭えないままでいた。
どうしてグラスに『僕のお姫様』って言われた時に本心から『キモい』と思えなかったんだろう。
どちらかというとあの言葉の発言理由は『照れ隠し』の方が強かった気がする。
物語上でも脚光を浴びるグラスと、ただのクラスメイトだった俺とを比べて、なぜ嫉妬ではない、何とも言えない悲しい気持ちになったのだろう。
軽々しく弟を持ち上げる姿に、歩くたびに揺れる毛先に、自分の感情をそのまま伝えれるその姿勢に俺は――
何かちょっと変な気分になってるな、俺。
こんなのグラスに知られたら笑われちまうよ……
パイプからメイドさんを呼べば止血も完璧にしてくれて看護師の人も呼んでくれるのに、どうして今の今まで気づかずに、そのまま医務室へ運んでいるのだろうか。
弟が貧血で倒れたせいで気が動転してるんだよな。
あまり気にしないことにして止血作業に集中するように気持ちを切り替えた。
「ぼくです」
やけにウキウキしているグラスと穏やかだが鼻血を垂れ流している弟。ぶっちゃけ逃げたい。てか勉強しろや。勉強会どこ行った。
「いやぁ、まさかこんな光景が見れるとは思ってませんでしたよ。どうですか弟君」
しみじみと感嘆してほろり、と涙を流すグラスと徐々に出血量が増していく弟。大丈夫かコレ。
「最高にシコですね」
全然穏やかじゃなかった。荒れ狂ってた。
まあそもそもそんなに鼻血が出てる時点である程度察してたけどさぁ……。出血しすぎて倒れたりしない? 止血しなくて大丈夫なのか弟よ。
そして欲を言うならば(?)お兄ちゃんをオカズにしてシコらないでください。
「シコシコォ!」
弟の言葉に追随してグラスが声を張り上げる。いい加減にしろ。お前も俺をオカズにしてシコらないで頂きたい。
「さあさあ! どんな言葉を繰り出して来るのか!」
「萌え死ぬレベルのモノを期待したいですね」
ええー……。萌えポイントとか知らんがな。
そもそも『コレジャナイ感』を感じ取っただけで俺が模範解答を知っているって事じゃないんだよなぁ。
とりあえずやってみるか。
「グラス、お前またテスト勉強してねぇだろ」
どうか不敬罪に問わないでください、と願いながら話しかける。普段は敬語で話しますから許してえええ!
「えっ……どうしてナイルくんがそれを知っているんだい!? まさかエスパー!? す、ストーキング……?」
「キモい事言ってんじゃねぇよ」
「おほお♡」
これは根っからの本音である。あと何でこの言葉で嬌声あげてんだグラス。どれだけ上級者なんだ!
「ほら、今回はノート貸してやるから、これで悪あがきでも何でもしろよ」
「OH……fantastic……」
何で英語の発音なんだ。まあノートくらいなら貸すけどさ。
いや、やっぱ返せ。俺のノートを股間に持って行ってナニするつもりだ! アッーー!
俺は必死にノートの座標がこれ以上下がるのを阻止し、王道の一言を言う。この状況だと行動と言動が矛盾してるがな!
「べ、別にお前の為じゃ無いからな!」
とりあえず言ったはいいものの、全然ノートを引っ張る力が緩んでくれない。勉強以外の用途で活用するなら返せよ。
「僕のためにノート貸してくれるんじゃなかったの?」
正論だ!
だが誰がシコっていいと言った!?
「シコってたら勉強に集中できませんからね……あなたのためじゃないんですからね……」
こちらも何とか応戦する。
弟は画用紙に自分の血で『無理ぽ』と書いて倒れている。大変だ!
「ちょっと弟運ぶの手伝ってもらえませんか?」
「意外と非力なんだね? 萌える……」
ダメだコイツ身体の芯まで腐ってやがる! 主に性癖が。
「僕なんだったらナイルくんも一緒に運ぶことできるよ? 運ぼうか僕のお姫様?」
「キモっ」
「!!??」
しまったつい――!
流石に『キモい』はないよな。人間どこかしら一箇所くらいはキモいところあるもんな。まあ……
「う、嘘だからな!」
ツンデレ選手権にかこつけてごまかした。大丈夫であってくれ。
「流石ツンデレに選ばれしツンデレのツンデレナイルくんだね!」
ちょっと何言ってるか分からないがごまかせたのは確かだ。
「素直じゃないきゃわいいナイルくんには帰りにお姫様抱っこしてあげるよ!」
ひょい、と軽々しく弟を持ち上げた。コイツのパワーどうなってんだ。準主人公補正か? 物語での位置も王子で国内での位置も王子って最高最強だもんな。ハイハイ俺ただのクラスメイトだよ。
「ナイルくん、止血お願いできる?」
「大丈夫です」
黙々と止血していた俺だったがある疑問が拭えないままでいた。
どうしてグラスに『僕のお姫様』って言われた時に本心から『キモい』と思えなかったんだろう。
どちらかというとあの言葉の発言理由は『照れ隠し』の方が強かった気がする。
物語上でも脚光を浴びるグラスと、ただのクラスメイトだった俺とを比べて、なぜ嫉妬ではない、何とも言えない悲しい気持ちになったのだろう。
軽々しく弟を持ち上げる姿に、歩くたびに揺れる毛先に、自分の感情をそのまま伝えれるその姿勢に俺は――
何かちょっと変な気分になってるな、俺。
こんなのグラスに知られたら笑われちまうよ……
パイプからメイドさんを呼べば止血も完璧にしてくれて看護師の人も呼んでくれるのに、どうして今の今まで気づかずに、そのまま医務室へ運んでいるのだろうか。
弟が貧血で倒れたせいで気が動転してるんだよな。
あまり気にしないことにして止血作業に集中するように気持ちを切り替えた。
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