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第一章
第21話 不穏やな(ニッコリ)
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「おいテメエ!」
「はいィィィ!」
客間に通されるなり、クロスにいきなり怒鳴られた。なんでや俺なんもしてへんぞ。
「ぐ、グラス様の隣にいるのは、グラス様の踏み台になるのはこの俺だったはずなのにッ……」
「隣はともかく踏み台は全然構わないのですが」
「ふ、踏まれたひひひひひひ」
頭おかしいよこの人……
白目を剥いて痙攣しながら『ひひひひ』言う姿はキ〇ガイそのものである。お引き取り願いたい。
「失礼したな」
ホント失礼だよアンタ。帰れよ。ここはイっちゃってる人集めてないんだよ。子爵家だよ。
「まあ単刀直入に言う。グラスとこれ以上関わらないでくれないか」
単刀直入過ぎて、ギャグか何かの類かと思ったが、どうやらマジらしい。
いくら公爵家の頼みとは言え、これはさすがに聞けないだろ……。
「拒否します」
「だが断る」
俺がお断りだよ。もう俺が手を引く事は確定事項なのか? 嫌だよそれ?
「そんな事言わずにさぁ、いいじゃんいいじゃん。YOU、手引いちゃいなYO!」
「軽いトーンで言ってもごまかされませんが」
「マジかよ」
この方もバカなのだろうか。一回貴族見直した方がいいんじゃないだろうか。
「……引くつもりはないんだな?」
「はい」
これで追放とかになっても俺はこの選択を後悔しないだろう。それだけの自信ならある。
「分かった。一週間以内なら聞いてやるからな?」
そう言い、スタスタとその場から去って行ってしまった。公爵だかなんだか知らないけど腹立つな。
「ナイル様、こちらバイブです。どうぞストレス及び性欲の発散を」
「やらねえよ?」
「間違えました。おしゃぶりですね?」
「だから俺の事何だと思ってんだ!」
「変態」
つ、疲れるなこいつ……。
「たまにはメイドにバブみを感じてオギャりに行ってもいいんですよ?」
「いいわけねえだろ!」
俺だってやっていい事と悪い事の区別くらいつくわ!
「あっ、間違えました。執事ですね?」
「だからねえよ!」
「う、嘘……だろ……?」
「信じられないものを見る目で俺を見ないでくれませんかね!?」
一度屋敷の使用人を全員集めて『主君とは何ぞや』という講演を開いた方がいいのだろうか。それかこいつの給料減額したいのだが。8割ほど。
「だって、あんな性欲の塊だったナイルお嬢様が自制心を身に着けて……! お母さん嬉しいわ!」
「ツッコミどころが多すぎて何言って良いか分からん」
目に涙を浮かべる執事を見て俺はただひたすら困惑する。性欲の塊でもないし、お嬢様でも無いし、お前の母親でもないだろ。母親代わりの所もあるんだろうが、執事は執事だろ。
「う、うれぴいいいいいいいいいいい!」
「母親が息子の成長の喜びをアへ顔ダブルピースで祝ってたらドン引きするわ!」
「あへええええええ! ……何言ってんですかナイル様。お母様は何か嬉しい事があるとアへ顔ダブルピースになる癖がおありなんですよ」
「嘘だろ!?」
「嘘ですん」
「どっちだよ!」
マジかよお母様……せめて改善はしろよ……。
「あーもう、何カッカしてるんですか。性欲溜まってるんですか?」
「何で俺ムッツリみたいになってんの!?」
「性器溜まってるんですか?」
「そういう状況だよそれ!」
「私の金玉の数は53億です」
「バケモンじゃねえか!」
何だよコイツ。セクハラで解雇すんぞ。
「バカ……んなくだらねえ事で惚れんじゃねえよ♡」
「どこの世界に金玉の数で惚れる輩がいるんだよ!」
「え? ……え?」
「俺!?」
普通に違うんですけど。
「いやいやナイル様、しらばっくれても無駄ですよ。だって、この前寝言で『オラ金玉大好きだっちゃwww んぽおwww 多ければ多いほどいいでやんすフォカヌポウwww』って言ってたじゃないですか」
「俺そんなキモイ事言ってたんですか!?」
嘘だろ寝言キモすぎんだろ。俺の事だけどね?
「まあ嘘なんですけどね」
「でしょうね」
嘘じゃ無かったら俺立ち直れなかったよ。グラスの家(サラッと言ってるけど王城)に泊まるどころか修学旅行にすら行けないよ。
「さて、そろそろ寝たいので帰ります。いい夢見てください。アディオス」
もうちょっといい言い方あったろナイトよ。正直に言ってくれるのはいいんだけどね?
ナイトが俺の視界から消えると、急にクロスの事が頭に浮かんだ。
関わらないでくれないか、という言葉の重みを正確に量る事は出来ないが――あれは恐らく主が従者に出す命令みたいなもんだろう。つまり絶対に従わなければいけないレベルの。
それに俺は背いた。
明日からの学校生活も不安ではあったが、何よりも不安なのは――グラス。
もちろん、相手がグラスに危害を加える事はないと断定できるので、グラスの身体ではない。俺とグラスの関係性である。
絶対に壊れてはいけないものだけど、グラスが俺の事をどう思おうとグラスの自由だ。
縋るように、指輪をはめた指ごと左手で掴みながら眠りに就いた。
「はいィィィ!」
客間に通されるなり、クロスにいきなり怒鳴られた。なんでや俺なんもしてへんぞ。
「ぐ、グラス様の隣にいるのは、グラス様の踏み台になるのはこの俺だったはずなのにッ……」
「隣はともかく踏み台は全然構わないのですが」
「ふ、踏まれたひひひひひひ」
頭おかしいよこの人……
白目を剥いて痙攣しながら『ひひひひ』言う姿はキ〇ガイそのものである。お引き取り願いたい。
「失礼したな」
ホント失礼だよアンタ。帰れよ。ここはイっちゃってる人集めてないんだよ。子爵家だよ。
「まあ単刀直入に言う。グラスとこれ以上関わらないでくれないか」
単刀直入過ぎて、ギャグか何かの類かと思ったが、どうやらマジらしい。
いくら公爵家の頼みとは言え、これはさすがに聞けないだろ……。
「拒否します」
「だが断る」
俺がお断りだよ。もう俺が手を引く事は確定事項なのか? 嫌だよそれ?
「そんな事言わずにさぁ、いいじゃんいいじゃん。YOU、手引いちゃいなYO!」
「軽いトーンで言ってもごまかされませんが」
「マジかよ」
この方もバカなのだろうか。一回貴族見直した方がいいんじゃないだろうか。
「……引くつもりはないんだな?」
「はい」
これで追放とかになっても俺はこの選択を後悔しないだろう。それだけの自信ならある。
「分かった。一週間以内なら聞いてやるからな?」
そう言い、スタスタとその場から去って行ってしまった。公爵だかなんだか知らないけど腹立つな。
「ナイル様、こちらバイブです。どうぞストレス及び性欲の発散を」
「やらねえよ?」
「間違えました。おしゃぶりですね?」
「だから俺の事何だと思ってんだ!」
「変態」
つ、疲れるなこいつ……。
「たまにはメイドにバブみを感じてオギャりに行ってもいいんですよ?」
「いいわけねえだろ!」
俺だってやっていい事と悪い事の区別くらいつくわ!
「あっ、間違えました。執事ですね?」
「だからねえよ!」
「う、嘘……だろ……?」
「信じられないものを見る目で俺を見ないでくれませんかね!?」
一度屋敷の使用人を全員集めて『主君とは何ぞや』という講演を開いた方がいいのだろうか。それかこいつの給料減額したいのだが。8割ほど。
「だって、あんな性欲の塊だったナイルお嬢様が自制心を身に着けて……! お母さん嬉しいわ!」
「ツッコミどころが多すぎて何言って良いか分からん」
目に涙を浮かべる執事を見て俺はただひたすら困惑する。性欲の塊でもないし、お嬢様でも無いし、お前の母親でもないだろ。母親代わりの所もあるんだろうが、執事は執事だろ。
「う、うれぴいいいいいいいいいいい!」
「母親が息子の成長の喜びをアへ顔ダブルピースで祝ってたらドン引きするわ!」
「あへええええええ! ……何言ってんですかナイル様。お母様は何か嬉しい事があるとアへ顔ダブルピースになる癖がおありなんですよ」
「嘘だろ!?」
「嘘ですん」
「どっちだよ!」
マジかよお母様……せめて改善はしろよ……。
「あーもう、何カッカしてるんですか。性欲溜まってるんですか?」
「何で俺ムッツリみたいになってんの!?」
「性器溜まってるんですか?」
「そういう状況だよそれ!」
「私の金玉の数は53億です」
「バケモンじゃねえか!」
何だよコイツ。セクハラで解雇すんぞ。
「バカ……んなくだらねえ事で惚れんじゃねえよ♡」
「どこの世界に金玉の数で惚れる輩がいるんだよ!」
「え? ……え?」
「俺!?」
普通に違うんですけど。
「いやいやナイル様、しらばっくれても無駄ですよ。だって、この前寝言で『オラ金玉大好きだっちゃwww んぽおwww 多ければ多いほどいいでやんすフォカヌポウwww』って言ってたじゃないですか」
「俺そんなキモイ事言ってたんですか!?」
嘘だろ寝言キモすぎんだろ。俺の事だけどね?
「まあ嘘なんですけどね」
「でしょうね」
嘘じゃ無かったら俺立ち直れなかったよ。グラスの家(サラッと言ってるけど王城)に泊まるどころか修学旅行にすら行けないよ。
「さて、そろそろ寝たいので帰ります。いい夢見てください。アディオス」
もうちょっといい言い方あったろナイトよ。正直に言ってくれるのはいいんだけどね?
ナイトが俺の視界から消えると、急にクロスの事が頭に浮かんだ。
関わらないでくれないか、という言葉の重みを正確に量る事は出来ないが――あれは恐らく主が従者に出す命令みたいなもんだろう。つまり絶対に従わなければいけないレベルの。
それに俺は背いた。
明日からの学校生活も不安ではあったが、何よりも不安なのは――グラス。
もちろん、相手がグラスに危害を加える事はないと断定できるので、グラスの身体ではない。俺とグラスの関係性である。
絶対に壊れてはいけないものだけど、グラスが俺の事をどう思おうとグラスの自由だ。
縋るように、指輪をはめた指ごと左手で掴みながら眠りに就いた。
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