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三章 ミュラー最後の事件簿
ロゼの行方
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エルドラが文書を入手したことにより、ロゼの暗躍は白昼の明るみに晒されてた。
軍部や官僚、裏の社会でロゼの計画に加担していた者、国内でクーデターを計画していた者は失脚した。
しかし、ロゼが引き起こした件で多くの人が失われた。
特に王城は燃え、国王が崩御したことは国を混乱させた。
この国の政治的機能はマヒしてしまったのだ。
エルドラは文書がロゼの手に渡っていたら、この国は容易くひっくり返ると痛感した。
今すぐにでも姫を即位させ、この国が機能するようにしなければならなかった。
しかし今は何より優先すべきことがあった。
ロゼの行方を追うこと。
ロゼがいる限り、またこの国は混迷することになるだろう。
文書から記された。情報にロゼの手掛かりとなるものがあった。
ロゼが育った、いや育成されていた場所だ。
グジャラート要塞。
現在は廃棄され、廃墟となっている場所だがそこでロゼという人物は人為的に作られた。
未来の指導者として、幼い時から軍の暗部から英才指導を施された。
孤児であった少年の名を奪い、ほぼ洗脳に近い形でロゼは作られた。
文書の記録ではグジャラート要塞が廃棄されたのも、ロゼの手によってだった。
まだ幼かったロゼが軍の指導者を操り、兵士同士が互いに争い、その要塞にいた者は一人残らず殺されてしまったのだ。
ロゼはそこで名前を手に入れた。
そして自身を知る者を一人残らず始末したのだ。
自身の手は汚さず、人を疑心暗鬼に陥らせ、争わせた。
誰もいなくなるまで。
そして闇に紛れ、決して表舞台に出ることなく。
軍や政治を裏から操り、暗躍した。
エルドラは全ての始まりであるグジャラート要塞の廃墟にロゼの手掛かりがあると踏んだ。
当時の関係者は皆生きていないが、この地こそがロゼの故郷なのだ。
ロゼの隠れる場所はもうそこしか無い。
文書で記された国内のアジトには影も形もなかった。
そこしかなかったのだ。
それにここはロゼが帰る場所なのだ。
廃墟となったグジャラート要塞は、要塞としての機能はしてなかった。
朽ちた廃棄に瓦礫の山が積まれていただけの状態となっていた。
ミュラー達はなんとかロゼの手掛かりを掴もうと総出で廃墟をくまなく捜索していた。
ロゼは必ず何かを始める。
皆が確信していた。
しかしロゼはあれから姿を現さない。
ルカも攫われたままであった。
ここに何かあるはずなのだ。
日が暮れてもミュラーは瓦礫の山から手掛かりを掴もうとする。
そしてミュラーは思う。
この瓦礫の山の上で見下ろすように人が争い殺しあう様を、あの不気味な笑顔でロゼは眺めていたのか、と。
夜も更け、リューの提案で今夜は近くの村で泊まり、明日また捜索を再開するこになった。
それほどグジャラート要塞の跡地は広大だったのだ。
村の外れのテントの中でオルマが呟く。
「アイツは結局何したいんだろ?」
ミュラーは不貞腐れるように答えた。
「さぁな」
代わりにエルドラが推測した。
「ルカさんを攫っているということは、狙いはミュラーさんね。貴方を利用して何か企んでいるはずよ」
そこでジラールが疑問を口にした。
「けど、最初はミュラーがあの野朗の顔を知ってるから狙われてたんだろ。今はちげぇ、ここにいる奴全員がアイツの顔知ってる。ミュラーにこだわる必要なんかあるのか」
するとリューがハッとした顔をする。
「まさかあの男はここにいる全員を始末する気では?」
しかしエルドラは左右に首を振る。
「ならルカさんを攫う理由がありません。私達に顔見られるのを承知で、あの時あの場に現れたのです」
ミュラーは確信したことを口にした。
「一つだけで、アイツのことがわかった。アイツは派手なことを好む」
すると偵察に出ていた。少年兵がテントに駆け込んできた。
様子がおかしい、ひどく慌てていた。
そしてリューに大きな声で報告した。
「大変だ! 村人が争ってる! 村人同士で争ってるんだ!」
その言葉を聞いて、すぐに全員がテントから飛び出すと、眼を疑う光景が映った。
村が燃え、そこの住民が武器を持って殺し合いをしていた。
女も子供も老人も武器を持って互いに争っていた。
異様な光景だった。
その中でミュラーの眼光が光る。
ミュラーの瞳には間違いなく映っていた。
大勢の村人が殺し合いをしている、その奥にせせら笑うロゼの顔が。
ミュラーは人の群れの中に迷わず駆け出した。
軍部や官僚、裏の社会でロゼの計画に加担していた者、国内でクーデターを計画していた者は失脚した。
しかし、ロゼが引き起こした件で多くの人が失われた。
特に王城は燃え、国王が崩御したことは国を混乱させた。
この国の政治的機能はマヒしてしまったのだ。
エルドラは文書がロゼの手に渡っていたら、この国は容易くひっくり返ると痛感した。
今すぐにでも姫を即位させ、この国が機能するようにしなければならなかった。
しかし今は何より優先すべきことがあった。
ロゼの行方を追うこと。
ロゼがいる限り、またこの国は混迷することになるだろう。
文書から記された。情報にロゼの手掛かりとなるものがあった。
ロゼが育った、いや育成されていた場所だ。
グジャラート要塞。
現在は廃棄され、廃墟となっている場所だがそこでロゼという人物は人為的に作られた。
未来の指導者として、幼い時から軍の暗部から英才指導を施された。
孤児であった少年の名を奪い、ほぼ洗脳に近い形でロゼは作られた。
文書の記録ではグジャラート要塞が廃棄されたのも、ロゼの手によってだった。
まだ幼かったロゼが軍の指導者を操り、兵士同士が互いに争い、その要塞にいた者は一人残らず殺されてしまったのだ。
ロゼはそこで名前を手に入れた。
そして自身を知る者を一人残らず始末したのだ。
自身の手は汚さず、人を疑心暗鬼に陥らせ、争わせた。
誰もいなくなるまで。
そして闇に紛れ、決して表舞台に出ることなく。
軍や政治を裏から操り、暗躍した。
エルドラは全ての始まりであるグジャラート要塞の廃墟にロゼの手掛かりがあると踏んだ。
当時の関係者は皆生きていないが、この地こそがロゼの故郷なのだ。
ロゼの隠れる場所はもうそこしか無い。
文書で記された国内のアジトには影も形もなかった。
そこしかなかったのだ。
それにここはロゼが帰る場所なのだ。
廃墟となったグジャラート要塞は、要塞としての機能はしてなかった。
朽ちた廃棄に瓦礫の山が積まれていただけの状態となっていた。
ミュラー達はなんとかロゼの手掛かりを掴もうと総出で廃墟をくまなく捜索していた。
ロゼは必ず何かを始める。
皆が確信していた。
しかしロゼはあれから姿を現さない。
ルカも攫われたままであった。
ここに何かあるはずなのだ。
日が暮れてもミュラーは瓦礫の山から手掛かりを掴もうとする。
そしてミュラーは思う。
この瓦礫の山の上で見下ろすように人が争い殺しあう様を、あの不気味な笑顔でロゼは眺めていたのか、と。
夜も更け、リューの提案で今夜は近くの村で泊まり、明日また捜索を再開するこになった。
それほどグジャラート要塞の跡地は広大だったのだ。
村の外れのテントの中でオルマが呟く。
「アイツは結局何したいんだろ?」
ミュラーは不貞腐れるように答えた。
「さぁな」
代わりにエルドラが推測した。
「ルカさんを攫っているということは、狙いはミュラーさんね。貴方を利用して何か企んでいるはずよ」
そこでジラールが疑問を口にした。
「けど、最初はミュラーがあの野朗の顔を知ってるから狙われてたんだろ。今はちげぇ、ここにいる奴全員がアイツの顔知ってる。ミュラーにこだわる必要なんかあるのか」
するとリューがハッとした顔をする。
「まさかあの男はここにいる全員を始末する気では?」
しかしエルドラは左右に首を振る。
「ならルカさんを攫う理由がありません。私達に顔見られるのを承知で、あの時あの場に現れたのです」
ミュラーは確信したことを口にした。
「一つだけで、アイツのことがわかった。アイツは派手なことを好む」
すると偵察に出ていた。少年兵がテントに駆け込んできた。
様子がおかしい、ひどく慌てていた。
そしてリューに大きな声で報告した。
「大変だ! 村人が争ってる! 村人同士で争ってるんだ!」
その言葉を聞いて、すぐに全員がテントから飛び出すと、眼を疑う光景が映った。
村が燃え、そこの住民が武器を持って殺し合いをしていた。
女も子供も老人も武器を持って互いに争っていた。
異様な光景だった。
その中でミュラーの眼光が光る。
ミュラーの瞳には間違いなく映っていた。
大勢の村人が殺し合いをしている、その奥にせせら笑うロゼの顔が。
ミュラーは人の群れの中に迷わず駆け出した。
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