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キャロルside
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"もし空を飛べたら"
昔から辛いことがあって耐えられないときは、特に母が亡くなって独りになってからは空想の世界へ逃げるようになった。
そして空想するときは決まって空を飛んで誰もいない森で農業をして、狩りをして、たまに森の中を冒険したり。
そんな日々を妄想しているといつのまにか辛いことなんて忘れていて、ワクワクした幸せな気持ちで眠れた。
「レオン、ありがとう」
空想の中だけで終わるものだと思っていた。だけど実現した。
「っと」
実際に空を飛ぶと鳥に気をつけて飛ばないといけないし、意外にも寒かった。だけどそのどれもが新鮮で楽しく、ワクワクした。
だから私はレオンに感謝した。とても「ありがとう」なんて一言で表せないけど、それでも伝わってほしくて全身で表現した。
「ふふ、よかった」
激しく動きすぎて息が上がってしまったけど、私をみてレオンが笑ってくれた。小さくだけどそれが嬉しくて
「ねぇ、レオン。私がね今、なんでこんなに嬉しいかっていうとね!」
何かあると空想していたこと、
そのときは必ず空を飛んでいたこと、
今の2人での生活を空想で思い描いていたこと
全てを話した。
「そっか」
急にレオンは涙を浮かべて目を押さえたからびっくりしたけど、顔を上げたレオンの表情がうっすらと笑ってたから安心した。けど、
「……っここどこ?」
話に夢中になりすぎてる間に森の見知らぬところまで来てしまったようで、雲の高さにいるのに見渡しても魔王城すら見えない。
「……わからない」
ハプニングはさらに続き。
「キャロルごめん。魔力が切れた」
今度は魔法を発動していたレオンの魔力が切れた。
「えっ!」
どうやら開発したばかりの魔法で使用する魔力の効率化ができておらず、運用するには大量の魔力を使うためレオンの魔力量でも半日で限界だったらしい。
「ええええ!!」
魔法の解けた私とレオンは地上へと落下した。
「あああ!」
その速度は空を飛んでいたときとは比較にならず
「キャロル!」
「いーやぁぁぁ!」
地上があっという間に目の前に迫る。
(どうしよどうしよどうしよ!)
このまま何もしなければ2人とも死んでしまう。しかも絶対にめちゃくちゃ痛いやつ!
「しょ」
もうパニックでどうしたら良いかわからないけど、とにかく
「障壁!」
巨木にぶつかる寸前に私とレオンの前方に幾重にも障壁を展開した。
「ひぃぃ!」
が、やはり凄まじい落下速度を一枚やそこらで軽減できるわけがなく
「障壁障壁障壁ぃ!」
はじめに展開した障壁が全て割れかけてしまい、瞬時にこれでもかと50枚の障壁を展開。
「いーやぁぁ!……」
結果、
「た、助かった」
お尻を軽く打つ程度で済んだ。
「はぁはぁ」
バクバクと鼓動が早い。命の危機という重圧からの開放感と助かったという実感が徐々に込み上げてきた。
「やった!助かった!助かったよ!レオン!」
なんというか、命が助かったという安堵感が強く湧いて普段なら考えられない高いテンションになってしまった。
「あは、あはは!キャロル!」
見知らぬ人が今の私たちを見たら「狂ってる」と言われてもおかしくない。でも、助かった。
「レオン!」
「キャロル!」
イエエイ、と2人で助かったことをたたえあった。
「ゔゔ」
しかし助かったことが嬉しくて忘れてた。私たちが落ちた場所がどういうところかを。
「ガウ!」
ハプニングはハプニングを呼び
「ふぇ」
「フェンリル!」
私とレオンは運悪くフェンリルの近くに落ちてしまっていた。
「ガウ!」
フェンリルと命をかけた鬼ごっこが始まった。
「なんでこうなるのぉ!」
昔から辛いことがあって耐えられないときは、特に母が亡くなって独りになってからは空想の世界へ逃げるようになった。
そして空想するときは決まって空を飛んで誰もいない森で農業をして、狩りをして、たまに森の中を冒険したり。
そんな日々を妄想しているといつのまにか辛いことなんて忘れていて、ワクワクした幸せな気持ちで眠れた。
「レオン、ありがとう」
空想の中だけで終わるものだと思っていた。だけど実現した。
「っと」
実際に空を飛ぶと鳥に気をつけて飛ばないといけないし、意外にも寒かった。だけどそのどれもが新鮮で楽しく、ワクワクした。
だから私はレオンに感謝した。とても「ありがとう」なんて一言で表せないけど、それでも伝わってほしくて全身で表現した。
「ふふ、よかった」
激しく動きすぎて息が上がってしまったけど、私をみてレオンが笑ってくれた。小さくだけどそれが嬉しくて
「ねぇ、レオン。私がね今、なんでこんなに嬉しいかっていうとね!」
何かあると空想していたこと、
そのときは必ず空を飛んでいたこと、
今の2人での生活を空想で思い描いていたこと
全てを話した。
「そっか」
急にレオンは涙を浮かべて目を押さえたからびっくりしたけど、顔を上げたレオンの表情がうっすらと笑ってたから安心した。けど、
「……っここどこ?」
話に夢中になりすぎてる間に森の見知らぬところまで来てしまったようで、雲の高さにいるのに見渡しても魔王城すら見えない。
「……わからない」
ハプニングはさらに続き。
「キャロルごめん。魔力が切れた」
今度は魔法を発動していたレオンの魔力が切れた。
「えっ!」
どうやら開発したばかりの魔法で使用する魔力の効率化ができておらず、運用するには大量の魔力を使うためレオンの魔力量でも半日で限界だったらしい。
「ええええ!!」
魔法の解けた私とレオンは地上へと落下した。
「あああ!」
その速度は空を飛んでいたときとは比較にならず
「キャロル!」
「いーやぁぁぁ!」
地上があっという間に目の前に迫る。
(どうしよどうしよどうしよ!)
このまま何もしなければ2人とも死んでしまう。しかも絶対にめちゃくちゃ痛いやつ!
「しょ」
もうパニックでどうしたら良いかわからないけど、とにかく
「障壁!」
巨木にぶつかる寸前に私とレオンの前方に幾重にも障壁を展開した。
「ひぃぃ!」
が、やはり凄まじい落下速度を一枚やそこらで軽減できるわけがなく
「障壁障壁障壁ぃ!」
はじめに展開した障壁が全て割れかけてしまい、瞬時にこれでもかと50枚の障壁を展開。
「いーやぁぁ!……」
結果、
「た、助かった」
お尻を軽く打つ程度で済んだ。
「はぁはぁ」
バクバクと鼓動が早い。命の危機という重圧からの開放感と助かったという実感が徐々に込み上げてきた。
「やった!助かった!助かったよ!レオン!」
なんというか、命が助かったという安堵感が強く湧いて普段なら考えられない高いテンションになってしまった。
「あは、あはは!キャロル!」
見知らぬ人が今の私たちを見たら「狂ってる」と言われてもおかしくない。でも、助かった。
「レオン!」
「キャロル!」
イエエイ、と2人で助かったことをたたえあった。
「ゔゔ」
しかし助かったことが嬉しくて忘れてた。私たちが落ちた場所がどういうところかを。
「ガウ!」
ハプニングはハプニングを呼び
「ふぇ」
「フェンリル!」
私とレオンは運悪くフェンリルの近くに落ちてしまっていた。
「ガウ!」
フェンリルと命をかけた鬼ごっこが始まった。
「なんでこうなるのぉ!」
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