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レオside
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「失礼する!」
調査報告を受けてから2週間後、俺はジーニスト侯爵邸大広間へ突入した。
「レオ!」
大広間に入ると、大勢の貴族達の視線が一斉に俺へと向けられた。
(ミリア)
しかしその視界に映っていたのは壇上にいるミリアだけだった。
「……」
俺が視線を向けると何か話そうと口を動かしていたけど、言葉がうまく出てこなかったのか。あのドアが閉まり切る前に見た時と同じ笑顔を浮かべた。
(……)
「私は幸せ」という想いが伝わってくる……表面上からは。だけど、俺にはわかる。本当に嬉しい時に見せる笑顔とは全然違う作り笑いだって。
俺は無言で壇上へと進む。そんな俺から貴族や商人たちは距離を取った。そのため自然と壇上まで一本道ができた。
「お前は呼んでいないのだが、まあいい。僕たちの幸せを存分に祝っ……て、何勝手に壇上に上がってきてる」
壇上へ上がる俺に声音を低くしていくメルエム。若干の怒気に壇上袖にいるメルエムの執事が顔色を悪くしていた。でも、俺が用があるのはお前じゃない。
「レオ……?」
俺の行動の意図がわからず怪訝そうな顔をするミリア。
「もう……大丈夫だ」
俺はミリアを抱きしめた。
「え……え?急に何?」
俺の腕の中でミリアは戸惑いを見せた。
「大丈夫」
しかし俺がミリアにいうことはそれだけ。なんの説明もしない。だけど、
「だから……なんなのよ」
それだけで充分なんだ。前世と変わらぬミリアにはこれだけでいい。
「もう大丈夫だ」
「うぅぅ……意味わかんない。意味わかんないわよ」
メルエムから手を離したミリアは俺の背中へと両手を回して、
「えぐっ……ありがとぉ」
俺の胸の中でずっと押し殺してきた感情を解き放った。その感情は涙となって流れ、傷ついた心を癒していく。
「今の僕は機嫌が良いから見逃してやる……今すぐ僕の女から離れろ」
真横からメルエムの怒りに満ちた声が聞こえた。
「……」
しかし相手にする気のない俺は無視。
「……おい。後で一回殴るだけで許してやる。今すぐその男から離れろ」
俺が聞こえていないとでも思ったのか、今度はミリアに命令する、メルエム。
「……」
メルエムの低く聞き取りづらい迫力のある声に一瞬、ビクッとしたミリアだったけど、俺が「大丈夫」というと上目遣いに俺の顔を見てから安心したように頷いた。
「……そうか。なら、教育が必要だな」
執事に手渡された杖を構え詠唱を始めた。
「動くなよ。まずはお前だけ殺すーー『火炎球』!」
3歩後ろに下がり距離をとったメルエムはバスケットボール台のファイアボールを出現させると、俺へと放った。
(さすがは同年代ではもっとも優秀と言われるだけのことはあって、込められた魔力量、発射速度はまあまあだな……)
"ずっと怖くて言えなかったけど、俺はお前のことが"
(あの時ーー前世では刺されて死んで「さやか」を泣かせてしまった……だけど、今は違う)
俺は慌てることなく真横へと手をかざし、
「障壁」
無属性初級魔法ーー「障壁」を出現させた。透明な壁が俺とミリアに飛来するファイアボールを受け止めた。
「反射」
そして俺オリジナル無属性魔法「反射」によってファイアボールを術者本人にお返しする。
「な!ば、バカな!この僕の魔法を弾いた!」
驚愕するメルエムは、
「く、くそ!」
すんでのところでファイアボールを交わした。が、身につけていたマントに着火し、慌てて脱ぎ捨てた。
「お前!僕はレイブン侯爵家次期当主だぞ!子爵家の三男の分際でこんなことをしてただで済むと思っているのか?今すぐ父上に頼んで処刑してやる!」
立ち上がったメルエムはそう叫ぶと父親の方へ視線を向けた。
「殿下。会場にいる者どもの捕縛が完了しました」
メルエムが視線を向けた先ーーそこには捕縛魔法によって手足の自由を奪われたメルエムの両親が転がっていて、その側には、全身鎧を着た兵士たちがいた。
「できる限り隠密でことにあたれ、とは言ったが、気配を断ちすぎじゃないか?声をかけられるまで気が付かなかったぞ」
「レオザ王子殿下の驚いた顔が見られるかと思い実行しました……全く見られませんでした!」
「そうか……後で話がある。今日は!逃げるなよ?」
と会話する俺と兵士。その会話を聞いたメルエムは、
「王子殿下……?」
俺と兵士の顔を交互に見てから首を傾げて指をさしてきたので、
「ずっと隠してきたが、な。第一王子派閥が瓦解したことで王族に戻った」
と答えてやった。すると、俺の言葉の意味を理解したメルエムの顔色がみるみるうちに青く変色していき、目が点となった。
「そして今日おれがここにきたのはお前達が行った!第一王子派閥への武器提供、資金援助、国庫の私的流用の罪で捕縛しにやってきた!この場にいる者達の屋敷にも今頃は捜索の手が入っている頃だ!」
正体を明かすついでにこの後聞かれるであろうこの屋敷に来た理由を面倒くさいから聞かれる前に答えた。
「え……それじゃ僕の家は……」
「終わりだ。それとメルエム。お前は王子である俺に対して『火炎球』を放った。しかも殺す気で……覚悟はできているな?」
「え、それ、は……しりませ」
「今更知りませんと言ってもこの場に証人はたくさんいる……連れてけ」
兵士たちによって手錠をはめられたメルエムが大広間から出ていく。
「ぼ、僕は悪いことなんて何もしてない。前世でも今世でもただ僕の願いを叶えようとしただけ……なのに周りの奴らは「殺人鬼」とか「悪魔」とか言いやがる。僕は何も悪くないのに。邪魔するやつを消しただけなのに……」
連行されていくメルエムは何やらぶつぶつと呟いていた。
「そうだ。僕は悪くない。悪いのは僕の邪魔をするやつーーあいつが悪いんだ!!クソが!僕の邪魔ばかりしやがって!」
何やらぶつぶつと呟いていたと思ったら突然豹変して叫び出した。
「殺す!」
身体強化魔法を使って力一杯に腕を振り回して兵士達を振り解こうとする、メルエム。
「お前のことだからそうくるだろうとは思ってたよ」
メルエムが錯乱して俺を殺そうとすることは事前に予想がついていたので、本当は使いたくなかったけど、手に持つ隷属の首輪をメルエムの首につけた。
「ふざけんな!僕は何も悪くない!僕の人生を2度もめちゃくちゃにしやがって!この犯罪者!ゴミ!カス!」
メルエムは本性を現し口汚い言葉を連呼する。
「黙れ」
頭にキタのかと問われればそこまで怒っていたわけではないけど、単純にうるさかったのでそう命じたら、
「このあ……」
俺の命令に反応して隷属の首輪が輝くと、突然メルエムが口を閉じ、動きを止めた。
「メルエムに命じる。兵士たちを煩わせるな。自分の足で歩いて王城にある檻まで歩いていけ。今すぐ」
「はい。ご主人様」
メルエムは一礼すると、屋敷の玄関へと一人で歩いていった。
「……はぁぁぁ。終わった」
メルエムの背中が見えなくなったら、張り詰めていた神経が限界を迎え、強制的に体から力が抜けていった。
「大丈夫?」
ミリアが駆け寄ってきて、床へ倒れかけた俺の背中へ手を回して支えてくれた。
「悪い「さやか」、助か……っ!」
気が緩んでつい言わないでいようと思っていた名前でミリアを呼んでしまった。
「……今、私のこと「さやか」って言った?」
「えーっと……爽やかな笑顔だね!って言おうと」
「それちょっと無理ありすぎない」
「……で、ですよねー!」
苦し紛れに思いついた言い訳を口にしてみたけど、ミリアに冷静にツッコまれてぐうのねも出なかった。
「やっぱり……あんた「大雅」でしょ!」
「あははは……はい」
………
……
…
それから3年、、、
「ああー……って違う!そこはもっと強く揉んで!」
「は、はい!」
あの後、前世で伝えられなかった「好き」だという気持ちを伝えてミリアと結婚した俺だったけど、
「ちがぁぁう!私がお手本見せる横になりなさい!」
「は、はい!」
今は完全に尻に敷かれてます。
ちなみにあの後、メルエムは王都の広場で斬首された。家族と一緒に。それ以外の関係者は死ぬまで鉱山労働となった。
そしてジーニスト家から没収された金は全てレイブン侯爵領の復興に使われた。
「ここはこうやって押すの!」
「いってぇぇぇ!!」
調査報告を受けてから2週間後、俺はジーニスト侯爵邸大広間へ突入した。
「レオ!」
大広間に入ると、大勢の貴族達の視線が一斉に俺へと向けられた。
(ミリア)
しかしその視界に映っていたのは壇上にいるミリアだけだった。
「……」
俺が視線を向けると何か話そうと口を動かしていたけど、言葉がうまく出てこなかったのか。あのドアが閉まり切る前に見た時と同じ笑顔を浮かべた。
(……)
「私は幸せ」という想いが伝わってくる……表面上からは。だけど、俺にはわかる。本当に嬉しい時に見せる笑顔とは全然違う作り笑いだって。
俺は無言で壇上へと進む。そんな俺から貴族や商人たちは距離を取った。そのため自然と壇上まで一本道ができた。
「お前は呼んでいないのだが、まあいい。僕たちの幸せを存分に祝っ……て、何勝手に壇上に上がってきてる」
壇上へ上がる俺に声音を低くしていくメルエム。若干の怒気に壇上袖にいるメルエムの執事が顔色を悪くしていた。でも、俺が用があるのはお前じゃない。
「レオ……?」
俺の行動の意図がわからず怪訝そうな顔をするミリア。
「もう……大丈夫だ」
俺はミリアを抱きしめた。
「え……え?急に何?」
俺の腕の中でミリアは戸惑いを見せた。
「大丈夫」
しかし俺がミリアにいうことはそれだけ。なんの説明もしない。だけど、
「だから……なんなのよ」
それだけで充分なんだ。前世と変わらぬミリアにはこれだけでいい。
「もう大丈夫だ」
「うぅぅ……意味わかんない。意味わかんないわよ」
メルエムから手を離したミリアは俺の背中へと両手を回して、
「えぐっ……ありがとぉ」
俺の胸の中でずっと押し殺してきた感情を解き放った。その感情は涙となって流れ、傷ついた心を癒していく。
「今の僕は機嫌が良いから見逃してやる……今すぐ僕の女から離れろ」
真横からメルエムの怒りに満ちた声が聞こえた。
「……」
しかし相手にする気のない俺は無視。
「……おい。後で一回殴るだけで許してやる。今すぐその男から離れろ」
俺が聞こえていないとでも思ったのか、今度はミリアに命令する、メルエム。
「……」
メルエムの低く聞き取りづらい迫力のある声に一瞬、ビクッとしたミリアだったけど、俺が「大丈夫」というと上目遣いに俺の顔を見てから安心したように頷いた。
「……そうか。なら、教育が必要だな」
執事に手渡された杖を構え詠唱を始めた。
「動くなよ。まずはお前だけ殺すーー『火炎球』!」
3歩後ろに下がり距離をとったメルエムはバスケットボール台のファイアボールを出現させると、俺へと放った。
(さすがは同年代ではもっとも優秀と言われるだけのことはあって、込められた魔力量、発射速度はまあまあだな……)
"ずっと怖くて言えなかったけど、俺はお前のことが"
(あの時ーー前世では刺されて死んで「さやか」を泣かせてしまった……だけど、今は違う)
俺は慌てることなく真横へと手をかざし、
「障壁」
無属性初級魔法ーー「障壁」を出現させた。透明な壁が俺とミリアに飛来するファイアボールを受け止めた。
「反射」
そして俺オリジナル無属性魔法「反射」によってファイアボールを術者本人にお返しする。
「な!ば、バカな!この僕の魔法を弾いた!」
驚愕するメルエムは、
「く、くそ!」
すんでのところでファイアボールを交わした。が、身につけていたマントに着火し、慌てて脱ぎ捨てた。
「お前!僕はレイブン侯爵家次期当主だぞ!子爵家の三男の分際でこんなことをしてただで済むと思っているのか?今すぐ父上に頼んで処刑してやる!」
立ち上がったメルエムはそう叫ぶと父親の方へ視線を向けた。
「殿下。会場にいる者どもの捕縛が完了しました」
メルエムが視線を向けた先ーーそこには捕縛魔法によって手足の自由を奪われたメルエムの両親が転がっていて、その側には、全身鎧を着た兵士たちがいた。
「できる限り隠密でことにあたれ、とは言ったが、気配を断ちすぎじゃないか?声をかけられるまで気が付かなかったぞ」
「レオザ王子殿下の驚いた顔が見られるかと思い実行しました……全く見られませんでした!」
「そうか……後で話がある。今日は!逃げるなよ?」
と会話する俺と兵士。その会話を聞いたメルエムは、
「王子殿下……?」
俺と兵士の顔を交互に見てから首を傾げて指をさしてきたので、
「ずっと隠してきたが、な。第一王子派閥が瓦解したことで王族に戻った」
と答えてやった。すると、俺の言葉の意味を理解したメルエムの顔色がみるみるうちに青く変色していき、目が点となった。
「そして今日おれがここにきたのはお前達が行った!第一王子派閥への武器提供、資金援助、国庫の私的流用の罪で捕縛しにやってきた!この場にいる者達の屋敷にも今頃は捜索の手が入っている頃だ!」
正体を明かすついでにこの後聞かれるであろうこの屋敷に来た理由を面倒くさいから聞かれる前に答えた。
「え……それじゃ僕の家は……」
「終わりだ。それとメルエム。お前は王子である俺に対して『火炎球』を放った。しかも殺す気で……覚悟はできているな?」
「え、それ、は……しりませ」
「今更知りませんと言ってもこの場に証人はたくさんいる……連れてけ」
兵士たちによって手錠をはめられたメルエムが大広間から出ていく。
「ぼ、僕は悪いことなんて何もしてない。前世でも今世でもただ僕の願いを叶えようとしただけ……なのに周りの奴らは「殺人鬼」とか「悪魔」とか言いやがる。僕は何も悪くないのに。邪魔するやつを消しただけなのに……」
連行されていくメルエムは何やらぶつぶつと呟いていた。
「そうだ。僕は悪くない。悪いのは僕の邪魔をするやつーーあいつが悪いんだ!!クソが!僕の邪魔ばかりしやがって!」
何やらぶつぶつと呟いていたと思ったら突然豹変して叫び出した。
「殺す!」
身体強化魔法を使って力一杯に腕を振り回して兵士達を振り解こうとする、メルエム。
「お前のことだからそうくるだろうとは思ってたよ」
メルエムが錯乱して俺を殺そうとすることは事前に予想がついていたので、本当は使いたくなかったけど、手に持つ隷属の首輪をメルエムの首につけた。
「ふざけんな!僕は何も悪くない!僕の人生を2度もめちゃくちゃにしやがって!この犯罪者!ゴミ!カス!」
メルエムは本性を現し口汚い言葉を連呼する。
「黙れ」
頭にキタのかと問われればそこまで怒っていたわけではないけど、単純にうるさかったのでそう命じたら、
「このあ……」
俺の命令に反応して隷属の首輪が輝くと、突然メルエムが口を閉じ、動きを止めた。
「メルエムに命じる。兵士たちを煩わせるな。自分の足で歩いて王城にある檻まで歩いていけ。今すぐ」
「はい。ご主人様」
メルエムは一礼すると、屋敷の玄関へと一人で歩いていった。
「……はぁぁぁ。終わった」
メルエムの背中が見えなくなったら、張り詰めていた神経が限界を迎え、強制的に体から力が抜けていった。
「大丈夫?」
ミリアが駆け寄ってきて、床へ倒れかけた俺の背中へ手を回して支えてくれた。
「悪い「さやか」、助か……っ!」
気が緩んでつい言わないでいようと思っていた名前でミリアを呼んでしまった。
「……今、私のこと「さやか」って言った?」
「えーっと……爽やかな笑顔だね!って言おうと」
「それちょっと無理ありすぎない」
「……で、ですよねー!」
苦し紛れに思いついた言い訳を口にしてみたけど、ミリアに冷静にツッコまれてぐうのねも出なかった。
「やっぱり……あんた「大雅」でしょ!」
「あははは……はい」
………
……
…
それから3年、、、
「ああー……って違う!そこはもっと強く揉んで!」
「は、はい!」
あの後、前世で伝えられなかった「好き」だという気持ちを伝えてミリアと結婚した俺だったけど、
「ちがぁぁう!私がお手本見せる横になりなさい!」
「は、はい!」
今は完全に尻に敷かれてます。
ちなみにあの後、メルエムは王都の広場で斬首された。家族と一緒に。それ以外の関係者は死ぬまで鉱山労働となった。
そしてジーニスト家から没収された金は全てレイブン侯爵領の復興に使われた。
「ここはこうやって押すの!」
「いってぇぇぇ!!」
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