無感情な聖女はデリカシーなし男に変えられる。デリカシーなし男も変わる。

さくしゃ

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突然の乱入者

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「お前……それは本当か?」

 振り返った先に立っていたのは見覚えのないやつで、男とも女とも見て取れる中性的な顔立ちと華奢な体躯の、声からしてかろうじて男だと認識できる人物が腕を組んでいた。

「こんな僕の良い所……教えて下さい!」

 しかし今の俺たちにはそいつが何者かなんてどうでも良かった。

 優秀すぎるサンと比較した時に自分には何もないと落ち込む心に、今は気休めでもいいから自分の長所を知りたかった。甘い言葉が、アメが欲しかった。

「まずは……勇者!お前はずっと見ていたが格闘センスが素晴らしい!それに戦い……いや『喧嘩慣れ』と言った方が正しいか。それが豊富でとっさの起点が光る時がある。度胸もある。単純すぎる所があるが……まあ、合格だな」

 正直、期待していなかった。

「イケメンだな!女にモテるだろう!」

 というくらいの褒め言葉しか来ないと思っていたら、めちゃくちゃ細かく俺の良いところを言ってくれた。

 男は続けて、

「次は勇者パーティーのタンク。お前の攻撃は盾で相手を殴るしかない。が、その攻撃力の高さは目を見張るものがある。それに盾による防御ーー特に「パリィ」は魔法すら受け流してしまうほどの技術力。それはもはや"達人"と評しても差し支えない。お前は文句なしの合格だ!」

 ハンスの良い所も細かく丁寧に褒めてくれた。それに男から嫌味は感じられず嘘偽りのない分析結果に俺とハンスは飛び起き、男へと抱きついた。

「男に抱きつくのは趣味じゃねえけど……ありがとう!知らない人!」

「ありがとうございます!知らない人!」

 俺たちが嬉しさを爆発させると、

「ガハハハ!!なんかよくわからないが……おう!」

 男は戸惑いながらも豪快に笑った。

「土槍(ディススピア)!」

 その時、背後でサンの声がした。そしたら魔力が弾けて大口を開けた男の口に土の槍が刺さった。

「距離を取って!そいつは人間じゃない!魔族よ!」

 森の中から杖を構えたサンが走ってきた。

「いやいや。魔族ってもっと化け物って感じの姿してんじゃん。ゴブリンっぽいのとかさ。それに仮に魔族だったとして人かどうかも確かめてないのにいきなり攻撃するとかやりす」

「いや、その聖女の判断は正しい。人間どもは知らんだろうが魔族は進化を何度もした者ほど姿が人に近くそして強い。まあ、聖女は女神に愛されている。人族とツイになる存在の魔族には人一倍敏感だろうな」

 サンの「土槍」をペッと吐き出すと男は、

「そのためらいのなさ。魔力量は少ないが魔力操作技術は素晴らしく、身のこなしも前衛を張れるほど。おまけに頭の回転も早く状況判断も素晴らしい……合格だ!俺はお前のような強者と戦いたい!」

 飛び起き、杖を構えるサンへと拳を構えた。

「我が名は魔王軍四天王『暴乱』のブギ!いざ尋常に勝負!」

 サン、ハンス、最後に俺を見てニヤリと笑った。
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