父に虐げられてきた私。知らない人と婚約は嫌なので父を「ざまぁ」します

さくしゃ

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私は悟りを開きました。

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ラルクside

(私は「悟り」を開きました)

 オリビアに抱きつかれてから数分が経った。それは常人にしてみればたかだか数分かもしれない。しかし私の中では

「ど、どういう状況だったんだぁぁ!!」

 と心の中で数万回叫ぶには充分すぎる時間でございました。叫ぶごとに緊張が一周してそれを繰り返すこと数万回、

(ああ……これが「悟る」ということなんですね。これまでの悪魔のような自身の行いが恥ずかしい。しかしこれまでの行いがあったから私は悟る=全てのことに感謝することの大切さを知ることができました。だから今までの私の行いに感謝をーーありがとう)

 合掌ーー手を合わせて過去へ感謝。

(ロッドさん。囮になってくれてありがとう。騎士長、副騎士長。偉そうな性格でいてくれてありがとう。おかげで容赦することなく拘束できました。それから他の部下、普段から俺によくしてくれる住民に感謝を)

 そして俺を育んでくれた全てに感謝した。

(最後にオリビアさん。こんな私に大s……)

"ラルク大好き"

 最後にオリビアに対して感謝しようとした。だけど、

"離れたくない"

 悟りを開きたはずなのに。だから、もう大丈夫なはずなのに。

(オリビアさんに感s……ってできるかァァ!!)

 一気に仏から人へ戻ってしまった。

(何が悟りだ!俺はバカか!あのオリビアが俺のことを「大好き」って「離れたくない」って言ったんだぞ!正気でいられるくぁぁ!)

 再び心の中で絶叫した。

(かわいすぎんだろぉぉ!!)

 そして

(俺は言うぞ!「オリビアのことが大好きだ」って俺も言うぞ!言うぞ!言うぞぉぉ!!)

 と気合を入れた。が、

「もし俺の勘違いだったら」

 勢いに任せてオリビアへ想いを伝えようと口を開きかけた時、一抹の不安が滴り落ち、俺の心に波紋が広がった。それに合わせて体が硬直して固まった瞬間、

「リーンゴーン!リーンゴーン!」

 と鐘が鳴った。11時。オリビアの決闘の時間だ。
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