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襲来③
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ーマーク王国王都東門ー
「どうした!ほれほれ!かかっこんかぁ!魔王のふん共が!」
東門守護隊「骨砕き(ボーン・クラッシャー)」隊長のチェン・ロン(80)は、岩の巨人の背に乗り、ゴブリン達を煽る。
「わしがいる限りここを通れると思うなよ!ほれほれ!受け取れ受け取れ!新しくできた爆発する魔石だそうだ!存分に味わって逝け!」
フレバンス戦でも使われた爆発する魔石「火炎石」を身体中に埋め込まれた人間サイズの岩人形達が、次々にゴブリンの群れめがけて突撃していく。その数は、50体。「火炎石」一つで5mの範囲を吹き飛ばすので相当な数のゴブリン達が吹き飛んでいく。
「「「ギャアアア!」」」
中には、火炎石の爆発後の火が飛び散る2次災害で体が燃え上がるものまでいた。
「ガハハハ!さて!行くぞ!若造ども!」
チェンは、自身の後ろに控える隊士達にハッパをかける。
「「「おう!」」」
10mの岩の巨人を筆頭に、5mの岩の巨人100体が、その後に続く。
******************
ーマーク王国王都西門ー
「「「ギャア!」」」
オーガのような巨体を誇る人間にゴブリン10数体が襲い掛かる。
男は、ゴブリン達に向かって、丸太の太さの両足を広げ、腰を落とし、左手を開き前に構え、引いた右手に水を纏い、つっぱりを放つ。
「水魔法……「破岩」!だや!」
右手のひらから手の形をした水弾が飛んでいく。
その水弾は、突撃するサイのように触れた者を次々と吹き飛ばして彼方まで消えていく。
「次々にいくだや!みんなもゴブリン共に目にもの見せてやるだや!」
「「「はい!先生!」」」
女性達が、一斉に返事をする。女性達は、集団魔法による津波を発生させゴブリン達を飲み込んでいく。
*********************
ー勇者sideー
〈限界突破〉使用限界時間まで残り5分……
普段何気なく吸っている空気が重い壁となって前に立ちはだかる。前方に展開している風を解いた瞬間に、空気の壁にぶつかりおそらく体はビル30階から地面に落ちるよりもぐちゃぐちゃになってしまう速度で日向は飛行する。
(王都の城壁が見えた!あと少し!……間に合ってくれ!)
王都到着まで残り10km……
*******************
ーマーク王国王都南門ー
「副隊長!」
目の前で隊士の1人がオーガに胴体をちぎられ、その血が私の頬につき、地面に滴り落ちる。
「この!「水刃(ウォータースラッシュ)」!」
私は、隊士を殺したオーガに向けて、水の刃を放つ。
「グア……」
オーガは真っ二つに両断され、絶命。
「ぐああ!」
「ぎゃあ!」
それでもオーガは次々に押し寄せてきて、疲弊した隊士達を容赦なく殺していく。
「この!」
私は必死に隊士達を襲う敵を屠る。それでもオーガ達の勢いは止まらない。
「退却!門まで下がれぇぇ!」
隊士達に退却命令を出す。1人、また1人と退却していく。私は退却する兵士達のしんがりを務める。
「水刃(ウォータースラッシュ)!」
迫るオーガに向けて、水の刃を飛ばし続ける。
「副隊長!俺も加勢します!」
退却していたはずの隊士が10人私の横にきて並び、魔法を打ち始める。
「ここはいいから!早く退却しなさい!」
大切な仲間達。絶対に死んでほしくない私は、彼らに必死に訴える。
「この数を1人でなんて無理しすぎです!私達も手伝います」
「そうですよ!それに副隊長の地獄のしごきに比べればこんなのへっちゃらです!」
隊士達は笑う。その顔からは、私が説得しても無駄だという意思がありありと感じられた。
「なら、絶対に死なないで!」
魔法を放ちながら彼らに命令する。
「副隊長とまた一緒に訓練したいので死にません」
「当然ですよ」
隊士達は笑顔で答える。
(絶対に死なせない!)
私はオーガ達を彼らに近づけないようにさらに魔法を多く放った。いつもならMP残量の把握をしながら合間にポーションで回復していたが、この時は守ることで頭がいっぱいでポーションで回復するのを忘れていた。
「水刃(ウォータースラッシュ)……」
結果、魔力欠乏症により、体から力が抜けていき、その場に座り込んでしまう。
「「「副隊長!」」」
慌てた隊士達が座り込む私の前に立ち、オーガ達に向かって魔法を放つ。しかし、オーガ達は止まることなく。1人また1人と私の前に立つ隊士達を殺していく。
(やめて……やめて!)
必死に体を動かそうとする意思に反して、私の体は後へゆっくりと倒れていく。
ーー理不尽に命を奪う者たちから人々を救う。私の手で
魔王の侵攻で大切な人を亡くし涙を流す民を見てあの日誓った。
私はいつも笑顔の絶えないマーク王国が大好きだった。それに私には人よりも大きな才能があった。この力を民の笑顔のために使いたいと思った。頑張って鍛えた。気がつけば人類でも指折りの実力者となっていた。
そんな時、魔王が侵攻してきた。私は民を守るために戦場に行こうとした。だが、止められた。その戦いでフレバンスが落ちた。悔しかった。フレバンスに私が行けば、リナとのコンビネーションでオーガの軍勢だろうと倒せる自信はあった。けど、結果は私は何もせず、多くの民が死に、涙を流した。
失われていく命、悲しむ民達……その姿を見て、私は誓った。
「理不尽に命を奪う者達からこの世界を救う!私の手で!」
それから、今日までの半年間、これまでの倍鍛えた。レベルも上がり、オーガなら1人で50体をあっという間に倒せるようになった。この力ならどんな敵も倒せる!どんな軍勢でも相手にできる!……本気でそう思っていた。
でも、現実は違い、私は力尽き、理不尽から救うと誓った民の命が目の前で次々に奪われていく。
「グア!」
地面にゆっくりと倒れ込もうとしている私の前に一体のオーガが現れる。
「グアアア」
オーガは私を見るや醜悪な笑みを浮かべて、棍棒を振り上げる。
ーー私はここで死ぬのか……
私は自身の死を悟った。その時、「死にたくない!」と口にしていた。「助けて!」と。
私は初めて誰かに助けを求めた。心の底から求めた。
「遅くなり申し訳ありません。もう大丈夫です」
誰かが、倒れる私の体を抱き止めた。優しい声だった。その声を聞いた瞬間、闇に飲み込まれそうになっていた心に眩い光が差し込み、闇が消え去った。
安心した私の意識はそこで途切れる。
「どうした!ほれほれ!かかっこんかぁ!魔王のふん共が!」
東門守護隊「骨砕き(ボーン・クラッシャー)」隊長のチェン・ロン(80)は、岩の巨人の背に乗り、ゴブリン達を煽る。
「わしがいる限りここを通れると思うなよ!ほれほれ!受け取れ受け取れ!新しくできた爆発する魔石だそうだ!存分に味わって逝け!」
フレバンス戦でも使われた爆発する魔石「火炎石」を身体中に埋め込まれた人間サイズの岩人形達が、次々にゴブリンの群れめがけて突撃していく。その数は、50体。「火炎石」一つで5mの範囲を吹き飛ばすので相当な数のゴブリン達が吹き飛んでいく。
「「「ギャアアア!」」」
中には、火炎石の爆発後の火が飛び散る2次災害で体が燃え上がるものまでいた。
「ガハハハ!さて!行くぞ!若造ども!」
チェンは、自身の後ろに控える隊士達にハッパをかける。
「「「おう!」」」
10mの岩の巨人を筆頭に、5mの岩の巨人100体が、その後に続く。
******************
ーマーク王国王都西門ー
「「「ギャア!」」」
オーガのような巨体を誇る人間にゴブリン10数体が襲い掛かる。
男は、ゴブリン達に向かって、丸太の太さの両足を広げ、腰を落とし、左手を開き前に構え、引いた右手に水を纏い、つっぱりを放つ。
「水魔法……「破岩」!だや!」
右手のひらから手の形をした水弾が飛んでいく。
その水弾は、突撃するサイのように触れた者を次々と吹き飛ばして彼方まで消えていく。
「次々にいくだや!みんなもゴブリン共に目にもの見せてやるだや!」
「「「はい!先生!」」」
女性達が、一斉に返事をする。女性達は、集団魔法による津波を発生させゴブリン達を飲み込んでいく。
*********************
ー勇者sideー
〈限界突破〉使用限界時間まで残り5分……
普段何気なく吸っている空気が重い壁となって前に立ちはだかる。前方に展開している風を解いた瞬間に、空気の壁にぶつかりおそらく体はビル30階から地面に落ちるよりもぐちゃぐちゃになってしまう速度で日向は飛行する。
(王都の城壁が見えた!あと少し!……間に合ってくれ!)
王都到着まで残り10km……
*******************
ーマーク王国王都南門ー
「副隊長!」
目の前で隊士の1人がオーガに胴体をちぎられ、その血が私の頬につき、地面に滴り落ちる。
「この!「水刃(ウォータースラッシュ)」!」
私は、隊士を殺したオーガに向けて、水の刃を放つ。
「グア……」
オーガは真っ二つに両断され、絶命。
「ぐああ!」
「ぎゃあ!」
それでもオーガは次々に押し寄せてきて、疲弊した隊士達を容赦なく殺していく。
「この!」
私は必死に隊士達を襲う敵を屠る。それでもオーガ達の勢いは止まらない。
「退却!門まで下がれぇぇ!」
隊士達に退却命令を出す。1人、また1人と退却していく。私は退却する兵士達のしんがりを務める。
「水刃(ウォータースラッシュ)!」
迫るオーガに向けて、水の刃を飛ばし続ける。
「副隊長!俺も加勢します!」
退却していたはずの隊士が10人私の横にきて並び、魔法を打ち始める。
「ここはいいから!早く退却しなさい!」
大切な仲間達。絶対に死んでほしくない私は、彼らに必死に訴える。
「この数を1人でなんて無理しすぎです!私達も手伝います」
「そうですよ!それに副隊長の地獄のしごきに比べればこんなのへっちゃらです!」
隊士達は笑う。その顔からは、私が説得しても無駄だという意思がありありと感じられた。
「なら、絶対に死なないで!」
魔法を放ちながら彼らに命令する。
「副隊長とまた一緒に訓練したいので死にません」
「当然ですよ」
隊士達は笑顔で答える。
(絶対に死なせない!)
私はオーガ達を彼らに近づけないようにさらに魔法を多く放った。いつもならMP残量の把握をしながら合間にポーションで回復していたが、この時は守ることで頭がいっぱいでポーションで回復するのを忘れていた。
「水刃(ウォータースラッシュ)……」
結果、魔力欠乏症により、体から力が抜けていき、その場に座り込んでしまう。
「「「副隊長!」」」
慌てた隊士達が座り込む私の前に立ち、オーガ達に向かって魔法を放つ。しかし、オーガ達は止まることなく。1人また1人と私の前に立つ隊士達を殺していく。
(やめて……やめて!)
必死に体を動かそうとする意思に反して、私の体は後へゆっくりと倒れていく。
ーー理不尽に命を奪う者たちから人々を救う。私の手で
魔王の侵攻で大切な人を亡くし涙を流す民を見てあの日誓った。
私はいつも笑顔の絶えないマーク王国が大好きだった。それに私には人よりも大きな才能があった。この力を民の笑顔のために使いたいと思った。頑張って鍛えた。気がつけば人類でも指折りの実力者となっていた。
そんな時、魔王が侵攻してきた。私は民を守るために戦場に行こうとした。だが、止められた。その戦いでフレバンスが落ちた。悔しかった。フレバンスに私が行けば、リナとのコンビネーションでオーガの軍勢だろうと倒せる自信はあった。けど、結果は私は何もせず、多くの民が死に、涙を流した。
失われていく命、悲しむ民達……その姿を見て、私は誓った。
「理不尽に命を奪う者達からこの世界を救う!私の手で!」
それから、今日までの半年間、これまでの倍鍛えた。レベルも上がり、オーガなら1人で50体をあっという間に倒せるようになった。この力ならどんな敵も倒せる!どんな軍勢でも相手にできる!……本気でそう思っていた。
でも、現実は違い、私は力尽き、理不尽から救うと誓った民の命が目の前で次々に奪われていく。
「グア!」
地面にゆっくりと倒れ込もうとしている私の前に一体のオーガが現れる。
「グアアア」
オーガは私を見るや醜悪な笑みを浮かべて、棍棒を振り上げる。
ーー私はここで死ぬのか……
私は自身の死を悟った。その時、「死にたくない!」と口にしていた。「助けて!」と。
私は初めて誰かに助けを求めた。心の底から求めた。
「遅くなり申し訳ありません。もう大丈夫です」
誰かが、倒れる私の体を抱き止めた。優しい声だった。その声を聞いた瞬間、闇に飲み込まれそうになっていた心に眩い光が差し込み、闇が消え去った。
安心した私の意識はそこで途切れる。
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