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初めての3人での野営
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「ちょっと!なんで普通に来てんのよ!」
王都を出発して1日が経過した日向達は、北へと伸びる街道を外れ、川が流れる森の中で野営準備を済ませ、日向は夕食を作り、女性2人は水浴びをしていた。
「わっ!わ!」
日向は慌てて両目をつぶる。
(考え事してて忘れてた!2人は水浴び中だった!)
日向は、夕食制作中に魔人達の動きなどについて考え込んでいてすっかり2人が水浴び中だと言うことを忘れていて、普通に呼びに来てしまった。
「ごめん!……縮地!」
日向は高速移動で逃げる。
「あ……待ちなさいよ!」
タオルを羽織ったエミが追いかけようとする。
「エミ。そう慌てるな」
リナはエミを止める。
「なんで……」
エミは振り返り、一歩あとずさる。
「ふふふ。心配するな……待っていてくださいね。勇者殿(・・・)」
そこには、本気で怒った時に見せるリナの顔があった。国王やニシノ、チェン達年上達ですら、この顔になったリナに誰も逆らう者はいない。
(ああ……今夜は早めに食べて、耳栓をして眠ろう)
エミは日向のいなくなった方角へ両手を合わせてお辞儀する。
その頃、日向は……
(やばい。どうしよ!どうやってあやま……リナさん。綺麗くびれだったなぁ……じゃなくて!素直に……エミさん意外と着痩せするタイp…そうじゃなくて!)
謝る理由を考えようとしていたが、さっき目にした2人の「うふん♡」な姿が忘れられず、ちゃんと年頃の男の子をしていた。
その後、水浴びから戻ってきた笑顔のリナによって、人間の叫び声が響き、森の動物達の鳴き声と共鳴し、森には、音の外れた音痴な声と芯のある綺麗な動物達の合唱がこだまする。
*******************
時は進み、1日後……
ーヨハネス帝国ー
帝都ヨハネスの中心に作られた日本の首都にあるドームと変わらない大きさの西洋風の城にその周りを囲む10mの壁。そんな城の中心には、帝都を一望できる高い塔が3本ある。そのうちの真ん中の1番高い塔には、最上階に皇帝の位の高さを示すように玉座の間が作られている。
「かしこまりました。魔王様」
その玉座の間では、小学1年生の身長、あどけない顔立ち、黒のワンピースを着た、裸足、妹系のアニメ声が似合いそうな少女が自身の背丈の4倍はありそうな大きな玉座に腰掛け、片目をつむっていた。
「これが風の勇者……なるほど」
少女は、魔王の生み出した3体の魔人の1体。3の魔人「ナイトメア」
「はい。魔王様の意見に同意です」
魔人は、魔王の力の1部を核として生み出されているので、ゴブリンやオーガ達と違い、魔王と魂が繋がっている。なので、互いに頭の中で会話したり、記憶の一部を共有することができる。ただし、あくまで繋がっているのは魔王とだけで魔人同士は繋がっていない。
「そうですね。人族共は、あの王都にしか存在していないので、追い込まれた今の状況を打破するために、どこかで勇者達を我らの元に送り込んでくるはずです。その中でも、積極的に魔物達を使って王都を攻めている私の事を近々叩きに来るとは考えています」
ナイトメアの元に、一体のオーガがワゴンを押して現れる。
「……」
そのオーガは慣れた手つきでカップに紅茶を注ぎ、玉座の脇にあるテーブルへと置く。
「それでも警戒はしていますが、特別何かしていることはありません。いつも通りです。来るなら、この帝都で返り討ちにするだけです」
ナイトメアは、紅茶のカップを手に取る。
「はい。それでは……」
幼い顔を醜悪な笑みで染め、紅茶をすする。
*****************
ー勇者sideー
野営2日目……日向達はフレバンスへと到達していた。
「普段なら、平野をばっこする魔物に遭遇してもいいはずだが、ここまで1度も遭遇しなかった……魔法陣を破壊するだけでこんなにも違うとはな」
「そうね。最優先は魔法陣を壊すこと。そうすれば、太陽の光で魔物は滅びるから、大量に押し寄せる魔物を相手にしなくて済むからね」
「一瞬だったぞ。太陽の光が差し込んだ瞬間に魔物達がチリとなって消えていった」
リナとエミは火を囲んで、話し合う。
「はの……ひょろひょろ、はふひへ、ふれふぁへんふぁ(あの……そろそろ外してくれませんか)」
その脇には、全身をロープで縛られ、身動きの取れない日向が寝転んでいた。
「あの……リナさん。そろそろ外してあげてもいいんじゃない?」
エミは恐る恐るリナに日向の話題を振る。
「ふふふ」
リナは、穏やかな笑顔を浮かべる。が、その顔は、なぜか火で照らされているはずなのに、顔の半分が暗く影っていて怖い。
「ご、ごめんなさい」
普段はリナをライバル視していて、なんでも競おうとするエミだが、リナが本気で怒った時は、何があろうと素直に謝る。謝ってしまう。
「謝ることはない。そうだな。そろそろいいか」
リナの顔半分を覆っていた闇が消える。それを見たエミは胸を撫で下ろす。
リナは立ち上がり、剣を振い、日向を縛っていた縄を斬る。
「すみませんでした!」
自由になった日向は、縮地による土下座を披露。目にも映らぬ速さの土下座にリナは、「婚礼前の女の裸を見たんです。責任は取ってもらいますよ」と再び顔半分に闇を出現させて喋る。
「わ!わかりました!」
日向は、アークに来て、1番大きな声で叫んだ。しっかりとリナの耳に聞こえるように。責任を取ると言う意味については見当もついていないが、とにかく叫ぶ。
「ふふ!言質は取りましたよ。では、明日からの行動についてご飯を食べながら話し合いましょう」
リナは昨日の残りのシチューをマジックバックから取り出し、器に盛って、日向とエミに渡す。
「いただきます」
リナに続いて日向とエミもシチューを頂く。
「さて、明日から、帝国領に入りますが、予定通り国境近くのメースから攻めますか?」
リナは、前置きはせずに早速本題へと入る。
「私は予定通りでいいと思う」
「私もエミの意見に賛成です。まずは、いきなり魔人と戦うよりも周りの街からせめて行ったほうが多少は魔人も動揺するはずです」
リナとエミの意見は一致。2人は、日向を見る。
「僕は、端から攻めようと思います」
日向は話し出す。
王都を出発して1日が経過した日向達は、北へと伸びる街道を外れ、川が流れる森の中で野営準備を済ませ、日向は夕食を作り、女性2人は水浴びをしていた。
「わっ!わ!」
日向は慌てて両目をつぶる。
(考え事してて忘れてた!2人は水浴び中だった!)
日向は、夕食制作中に魔人達の動きなどについて考え込んでいてすっかり2人が水浴び中だと言うことを忘れていて、普通に呼びに来てしまった。
「ごめん!……縮地!」
日向は高速移動で逃げる。
「あ……待ちなさいよ!」
タオルを羽織ったエミが追いかけようとする。
「エミ。そう慌てるな」
リナはエミを止める。
「なんで……」
エミは振り返り、一歩あとずさる。
「ふふふ。心配するな……待っていてくださいね。勇者殿(・・・)」
そこには、本気で怒った時に見せるリナの顔があった。国王やニシノ、チェン達年上達ですら、この顔になったリナに誰も逆らう者はいない。
(ああ……今夜は早めに食べて、耳栓をして眠ろう)
エミは日向のいなくなった方角へ両手を合わせてお辞儀する。
その頃、日向は……
(やばい。どうしよ!どうやってあやま……リナさん。綺麗くびれだったなぁ……じゃなくて!素直に……エミさん意外と着痩せするタイp…そうじゃなくて!)
謝る理由を考えようとしていたが、さっき目にした2人の「うふん♡」な姿が忘れられず、ちゃんと年頃の男の子をしていた。
その後、水浴びから戻ってきた笑顔のリナによって、人間の叫び声が響き、森の動物達の鳴き声と共鳴し、森には、音の外れた音痴な声と芯のある綺麗な動物達の合唱がこだまする。
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時は進み、1日後……
ーヨハネス帝国ー
帝都ヨハネスの中心に作られた日本の首都にあるドームと変わらない大きさの西洋風の城にその周りを囲む10mの壁。そんな城の中心には、帝都を一望できる高い塔が3本ある。そのうちの真ん中の1番高い塔には、最上階に皇帝の位の高さを示すように玉座の間が作られている。
「かしこまりました。魔王様」
その玉座の間では、小学1年生の身長、あどけない顔立ち、黒のワンピースを着た、裸足、妹系のアニメ声が似合いそうな少女が自身の背丈の4倍はありそうな大きな玉座に腰掛け、片目をつむっていた。
「これが風の勇者……なるほど」
少女は、魔王の生み出した3体の魔人の1体。3の魔人「ナイトメア」
「はい。魔王様の意見に同意です」
魔人は、魔王の力の1部を核として生み出されているので、ゴブリンやオーガ達と違い、魔王と魂が繋がっている。なので、互いに頭の中で会話したり、記憶の一部を共有することができる。ただし、あくまで繋がっているのは魔王とだけで魔人同士は繋がっていない。
「そうですね。人族共は、あの王都にしか存在していないので、追い込まれた今の状況を打破するために、どこかで勇者達を我らの元に送り込んでくるはずです。その中でも、積極的に魔物達を使って王都を攻めている私の事を近々叩きに来るとは考えています」
ナイトメアの元に、一体のオーガがワゴンを押して現れる。
「……」
そのオーガは慣れた手つきでカップに紅茶を注ぎ、玉座の脇にあるテーブルへと置く。
「それでも警戒はしていますが、特別何かしていることはありません。いつも通りです。来るなら、この帝都で返り討ちにするだけです」
ナイトメアは、紅茶のカップを手に取る。
「はい。それでは……」
幼い顔を醜悪な笑みで染め、紅茶をすする。
*****************
ー勇者sideー
野営2日目……日向達はフレバンスへと到達していた。
「普段なら、平野をばっこする魔物に遭遇してもいいはずだが、ここまで1度も遭遇しなかった……魔法陣を破壊するだけでこんなにも違うとはな」
「そうね。最優先は魔法陣を壊すこと。そうすれば、太陽の光で魔物は滅びるから、大量に押し寄せる魔物を相手にしなくて済むからね」
「一瞬だったぞ。太陽の光が差し込んだ瞬間に魔物達がチリとなって消えていった」
リナとエミは火を囲んで、話し合う。
「はの……ひょろひょろ、はふひへ、ふれふぁへんふぁ(あの……そろそろ外してくれませんか)」
その脇には、全身をロープで縛られ、身動きの取れない日向が寝転んでいた。
「あの……リナさん。そろそろ外してあげてもいいんじゃない?」
エミは恐る恐るリナに日向の話題を振る。
「ふふふ」
リナは、穏やかな笑顔を浮かべる。が、その顔は、なぜか火で照らされているはずなのに、顔の半分が暗く影っていて怖い。
「ご、ごめんなさい」
普段はリナをライバル視していて、なんでも競おうとするエミだが、リナが本気で怒った時は、何があろうと素直に謝る。謝ってしまう。
「謝ることはない。そうだな。そろそろいいか」
リナの顔半分を覆っていた闇が消える。それを見たエミは胸を撫で下ろす。
リナは立ち上がり、剣を振い、日向を縛っていた縄を斬る。
「すみませんでした!」
自由になった日向は、縮地による土下座を披露。目にも映らぬ速さの土下座にリナは、「婚礼前の女の裸を見たんです。責任は取ってもらいますよ」と再び顔半分に闇を出現させて喋る。
「わ!わかりました!」
日向は、アークに来て、1番大きな声で叫んだ。しっかりとリナの耳に聞こえるように。責任を取ると言う意味については見当もついていないが、とにかく叫ぶ。
「ふふ!言質は取りましたよ。では、明日からの行動についてご飯を食べながら話し合いましょう」
リナは昨日の残りのシチューをマジックバックから取り出し、器に盛って、日向とエミに渡す。
「いただきます」
リナに続いて日向とエミもシチューを頂く。
「さて、明日から、帝国領に入りますが、予定通り国境近くのメースから攻めますか?」
リナは、前置きはせずに早速本題へと入る。
「私は予定通りでいいと思う」
「私もエミの意見に賛成です。まずは、いきなり魔人と戦うよりも周りの街からせめて行ったほうが多少は魔人も動揺するはずです」
リナとエミの意見は一致。2人は、日向を見る。
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