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悪夢 ①
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「あ!」
私は、布団を蹴飛ばして飛び起きる。
「はぁはぁ……」
どんな夢を見ていたのか覚えていないが、酷い悪夢を見ていたような……シャツが汗で濡れてしまっている。
ギシッ……ギシギシ……
部屋を出て、裏口から外に出て、井戸から水を汲み上げて、タオルを濡らして、体を拭き、部屋に戻り服を着替える。
それからリビングへ行く。
「おはよう」
太陽の光がリビングの小窓から差し込む。
赤い短髪、目尻にしわのできた優しくほっとする笑顔に声、ナイフで剃ってから3日たったじょりじょりのひげ、私より頭1つ分高い身長……
「お父さん……」
ーー変だ。涙が止まらない……いつも見慣れているはずの顔なのに……酷く懐かしい
気がついたら、父を抱きしめていた。
「いきなりどうした?」
父は驚いていたが、「全く。いくつになっても甘えん坊さんだ……」と笑って優しく抱きしめてくれた。
ーーああ。お父さんだ……
私は父の腕に包まれ、安心から目を閉じる。何か大事なことを忘れているような気がしたが今はそんなことどうでも良かった。
しかし、暖かかった父の腕の中は急に冷たく硬く、血の匂いがした。
目を開けると、火のてが上がり燃える街の中で、鎧に身を纏い血を流した父の腕の中にいた。
「お前達は立派になった。だから安心して俺はこの街のために戦える。お前達は俺の誇りだ。アルスにもそう伝えてくれ」
父はいつもの優しい笑顔を浮かべ、「さあ!行け!」と私を離し、背を向けて迫る魔物の軍勢へと1人で立ち向かっていった。
「お父さ……つ!」
体に激痛が走る。動けない。魔物と1人で戦う父の姿……
ーー父さん!
加勢に行きたいのに体が言うことを聞かない。目の前では、父さんがオーガの攻撃を受けて、血を流すが、それでも必死で戦っている。
ーーああ。そうだ。
父さんの腕が飛ぶ。そのタイミングで父の部下がやってきて、私を抱えて走り出した。遠ざかる父の姿。父さんは片腕がなくなっても片腕で剣を振り、魔物の軍勢を押し留めていた。私が見た最後の記憶……
ーー父さんは死んだんだ。
それから気がつくと再びベッドで目を覚まし、父と抱き合い、気がつくと燃える街の中で父からの最後の言葉を聞き、父の腕が飛ぶシーンを何度も見せられた。その度に加勢に向かおうとするが、どうやっても体が動かない。父を助けることができなかった。
ーーやめてくれ……もう見せないでくれ……
心が壊れかける……と、そんな時、不意に……
「何やってんのよ!バカ!目を覚ましなさいよ!それでも私のライバルなの!」
エミの声が聞こえた。
ーーエミ……そうだ!私達は魔人と戦っている最中だ!
水の底に沈んでぼやけていた私の意識は、地引網にかかり海上へと引き上げられ、クリアに認識できるようになった。
「エミ……」
気がつくと、ナイトメアと戦っていた城の中にいて、右には倒れてうなされている日向殿、左には両膝をついて下を向くエミがいた。そして、上機嫌な笑みを浮かべて近づいてくるナイトメア。
「気が付いた?」
エミはこちらに向かってくるナイトメアに聞こえない小声で私に話しかけてくる。
「ああ。不覚にも術中にはまっていた様だ。助かった。お前は大丈夫なのか?」
「問題ないわ!胸糞悪いものを見せてくれて腹が立っているくらいよ!それより魔人の使ったこの魔法、どう言う原理か分からないけど、魔力を循環させる心臓から魔人の魔力を感じたから、自分の魔力を強く循環させたら魔法が解けたの」
「なるほど。それでその後に私にエミの魔力を流し込んで魔人の魔力を打ち消したから私にかかった魔法も解けたのか」
「そうだと思う。それに私達って精神苦痛耐性Ⅴでしょ。もしかしたら、耐性レベルが「Ⅴ」あれば魔力を打ち消すだけでレジストできるのかも……」
「なるほど」
(確か。日向殿の精神苦痛耐性はレベル「Ⅳ」だったな……2人でやれば可能性はあるか……あとはどうやって隙を作るか……)
私が頭をフル回転させる。
「エミ……日向殿を起こすぞ」
「何か考えがあるの?」
「ああ……」
私は、エミに穴だらけの思いつきの作戦を伝える。
「賭けに近いわね。でも今は、それしかなさそうね。わかったわ」
エミは了承してくれた。
「く!やめろ!」
隣では苦悶の表情で叫ぶ日向の姿
(日向殿。あなたはいつも身を挺して私たちを守ってくれた。今度は私たちの番です!待っていてください!)
そんな私たちの前にナイトメアが立つ。
「大切な物を失う光景を何度も見せられる時の人間の苦しそうな顔を見ていると背筋がゾクゾクしていい……ああ!もっと俺を楽しませろ!」
ナイトメアは背中を震わせる。
(くそめ!)
私は思わず悪態をついてしまう。
「もっと苦しめ!あははは!」
ナイトメアは天井を見上げて笑い出した。
(ここだ!身体強化!)
私は、身体強化を発動し、マジックバックから予備の剣を取り出す。
「瞬動」
日向殿の縮地には敵わないが、目にも止まらぬ速さでナイトメアの懐へ入り、剣を振るう。
「は?」
油断していたナイトメアは反応できず、固まったまま間の抜けた声を上げる。
「ふん!」
私は容赦なくナイトメアを縦に両断……ナイトメアの体が左右に割れる。
しかし、私の攻撃で死ぬ相手ではないことはわかっているので、あくまで時間稼ぎ。さらに細かく切り刻む。
「百錬(ひゃくれん)」
ナイトメアは100個のブロック状に姿を変えた。
「水筒(ウォータードーム)!」
細切れになったナイトメアを水の三角形の密封された檻に閉じ込める。さらに、百錬は100個に斬るだけではなく、切り口が発火し燃え続けるので、本体がスライムのナイトメアの体はしばらくは再生が遅れる。
「エミ!」
「うん!」
私とエミは横たわる日向殿には駆け寄り、心臓部分に手を置いて、マジックポーションを飲んで、持てる魔力の全てを日向殿に流し込む。
私は、布団を蹴飛ばして飛び起きる。
「はぁはぁ……」
どんな夢を見ていたのか覚えていないが、酷い悪夢を見ていたような……シャツが汗で濡れてしまっている。
ギシッ……ギシギシ……
部屋を出て、裏口から外に出て、井戸から水を汲み上げて、タオルを濡らして、体を拭き、部屋に戻り服を着替える。
それからリビングへ行く。
「おはよう」
太陽の光がリビングの小窓から差し込む。
赤い短髪、目尻にしわのできた優しくほっとする笑顔に声、ナイフで剃ってから3日たったじょりじょりのひげ、私より頭1つ分高い身長……
「お父さん……」
ーー変だ。涙が止まらない……いつも見慣れているはずの顔なのに……酷く懐かしい
気がついたら、父を抱きしめていた。
「いきなりどうした?」
父は驚いていたが、「全く。いくつになっても甘えん坊さんだ……」と笑って優しく抱きしめてくれた。
ーーああ。お父さんだ……
私は父の腕に包まれ、安心から目を閉じる。何か大事なことを忘れているような気がしたが今はそんなことどうでも良かった。
しかし、暖かかった父の腕の中は急に冷たく硬く、血の匂いがした。
目を開けると、火のてが上がり燃える街の中で、鎧に身を纏い血を流した父の腕の中にいた。
「お前達は立派になった。だから安心して俺はこの街のために戦える。お前達は俺の誇りだ。アルスにもそう伝えてくれ」
父はいつもの優しい笑顔を浮かべ、「さあ!行け!」と私を離し、背を向けて迫る魔物の軍勢へと1人で立ち向かっていった。
「お父さ……つ!」
体に激痛が走る。動けない。魔物と1人で戦う父の姿……
ーー父さん!
加勢に行きたいのに体が言うことを聞かない。目の前では、父さんがオーガの攻撃を受けて、血を流すが、それでも必死で戦っている。
ーーああ。そうだ。
父さんの腕が飛ぶ。そのタイミングで父の部下がやってきて、私を抱えて走り出した。遠ざかる父の姿。父さんは片腕がなくなっても片腕で剣を振り、魔物の軍勢を押し留めていた。私が見た最後の記憶……
ーー父さんは死んだんだ。
それから気がつくと再びベッドで目を覚まし、父と抱き合い、気がつくと燃える街の中で父からの最後の言葉を聞き、父の腕が飛ぶシーンを何度も見せられた。その度に加勢に向かおうとするが、どうやっても体が動かない。父を助けることができなかった。
ーーやめてくれ……もう見せないでくれ……
心が壊れかける……と、そんな時、不意に……
「何やってんのよ!バカ!目を覚ましなさいよ!それでも私のライバルなの!」
エミの声が聞こえた。
ーーエミ……そうだ!私達は魔人と戦っている最中だ!
水の底に沈んでぼやけていた私の意識は、地引網にかかり海上へと引き上げられ、クリアに認識できるようになった。
「エミ……」
気がつくと、ナイトメアと戦っていた城の中にいて、右には倒れてうなされている日向殿、左には両膝をついて下を向くエミがいた。そして、上機嫌な笑みを浮かべて近づいてくるナイトメア。
「気が付いた?」
エミはこちらに向かってくるナイトメアに聞こえない小声で私に話しかけてくる。
「ああ。不覚にも術中にはまっていた様だ。助かった。お前は大丈夫なのか?」
「問題ないわ!胸糞悪いものを見せてくれて腹が立っているくらいよ!それより魔人の使ったこの魔法、どう言う原理か分からないけど、魔力を循環させる心臓から魔人の魔力を感じたから、自分の魔力を強く循環させたら魔法が解けたの」
「なるほど。それでその後に私にエミの魔力を流し込んで魔人の魔力を打ち消したから私にかかった魔法も解けたのか」
「そうだと思う。それに私達って精神苦痛耐性Ⅴでしょ。もしかしたら、耐性レベルが「Ⅴ」あれば魔力を打ち消すだけでレジストできるのかも……」
「なるほど」
(確か。日向殿の精神苦痛耐性はレベル「Ⅳ」だったな……2人でやれば可能性はあるか……あとはどうやって隙を作るか……)
私が頭をフル回転させる。
「エミ……日向殿を起こすぞ」
「何か考えがあるの?」
「ああ……」
私は、エミに穴だらけの思いつきの作戦を伝える。
「賭けに近いわね。でも今は、それしかなさそうね。わかったわ」
エミは了承してくれた。
「く!やめろ!」
隣では苦悶の表情で叫ぶ日向の姿
(日向殿。あなたはいつも身を挺して私たちを守ってくれた。今度は私たちの番です!待っていてください!)
そんな私たちの前にナイトメアが立つ。
「大切な物を失う光景を何度も見せられる時の人間の苦しそうな顔を見ていると背筋がゾクゾクしていい……ああ!もっと俺を楽しませろ!」
ナイトメアは背中を震わせる。
(くそめ!)
私は思わず悪態をついてしまう。
「もっと苦しめ!あははは!」
ナイトメアは天井を見上げて笑い出した。
(ここだ!身体強化!)
私は、身体強化を発動し、マジックバックから予備の剣を取り出す。
「瞬動」
日向殿の縮地には敵わないが、目にも止まらぬ速さでナイトメアの懐へ入り、剣を振るう。
「は?」
油断していたナイトメアは反応できず、固まったまま間の抜けた声を上げる。
「ふん!」
私は容赦なくナイトメアを縦に両断……ナイトメアの体が左右に割れる。
しかし、私の攻撃で死ぬ相手ではないことはわかっているので、あくまで時間稼ぎ。さらに細かく切り刻む。
「百錬(ひゃくれん)」
ナイトメアは100個のブロック状に姿を変えた。
「水筒(ウォータードーム)!」
細切れになったナイトメアを水の三角形の密封された檻に閉じ込める。さらに、百錬は100個に斬るだけではなく、切り口が発火し燃え続けるので、本体がスライムのナイトメアの体はしばらくは再生が遅れる。
「エミ!」
「うん!」
私とエミは横たわる日向殿には駆け寄り、心臓部分に手を置いて、マジックポーションを飲んで、持てる魔力の全てを日向殿に流し込む。
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