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対リーパー①
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「豊かな(アバンダンス)」から北に20キロメートル行ったところにある山脈近くの「開けた草原(オープンネドー)」を目指して森の中を進む
「殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!」
自身の作品を台無しにした日向に対する殺意の現れから1秒間に6回も「殺す!」と呪いをかけるように連呼しながら日向の後ろを大人しくついてくる。
(なんかどんどん体の周りのオーラ?が黒くなって行ってて、たださえ冬の夕方のように暗いから顔が見えない……でも、殺意は感じるから気配が探りやすくていいか……)
気配探知を使わなくても背中を貫こうとする視線でなんとなく距離がわかるので魔力消費を考えて、気配探知を切る。
「どこまで……殺す!殺す!殺す!……逃げんだ!」
リーパーが距離を縮めてきてライダーキックを放ってくる。
「と!」
大きな木の枝に飛びのり回避する。
「ちょこまか……殺す!殺す!殺すぞ!……逃げやがって!」
リーパーは木の上に逃げた日向を見上げて叫ぶ。
「縮地……」
日向はリーパーを無視して目的の場所を目指して移動する。
「くそ……殺す!殺ふ!殺し!……やろう!」
リーパーは目が見えなくなるほど眉間に皺を寄せてくしゃくしゃになった顔をさらにくしゃくしゃにして追いかける。
******************
「……見えた」
森の中を駆けていた日向の100m先から木が無くなって風に揺れる緑深い草原が見えた。
(森の近くはリーパーが空間移動を巧みに使ってきて不利になるかもしれないから真ん中に陣取ろう……)
日向は背後の気配を探る。
「ころふ!殺す!殺ふ!○*\$+€##×*!」
怒りが頂点を超え、ついには何を話しているのかわからなくなったリーパーが50m後ろと追ってきていた。
(よし……〈限界突破〉!)
ザッ……
山脈を背にして聖都の方を向き、体に緑のオーラを纏う。
ドガン!……
後を追ってきていたリーパーは日向と向かい合うように立つ。
「俺の大切な作品をよくも…てめぇを殺した後は、あの女達もバラバラにしてやる…死ね!」
空間移動ではなく高速移動で日向に迫り、左足を踏み込み、振りかぶった右のヤンキーストレートを放つ。
その際に、ドガン!と大きな岩が地面にめり込んだような派手な音をたてて、踏み込みだけで地面を30cm程陥没させる。
「ふぅ……」
予想外の速さに内心では驚きつつも対応できない速さではないので、強張った体をリラックスさせ、腰を落として、迫り来る右拳の手首部分に左手の甲を添えて横から力を加えて逸らす。
(ぐ!おも!)
逸らそうとしたが、全然びくともせず体を右斜め前にダッキングして避ける。
(一撃でも受けたらまずい……)
右ストレートの勢いで体勢を前に崩したリーパーは地面にめり込んだ左足に力を込めて耐える。
(今度はこっちの番だ!)
ダッキングした姿勢から、右足に力を込めて、体が左に回転するように動かして、リーパーの左の脇腹、肋骨を高速で打ち抜き、最後に右フックで顎を撃ち抜……
「ぐ!」
右ストレートを逸そうとした時同様に顎が重くてびくともせず、右フックが止められた。逆に撃ち抜こうとした日向の中指の付け根の骨が砕けた。
「縮地!」
頭突きをしてこようとしたリーパーの攻撃を高速移動で交わして、背後に回りこむ。
「殺す!殺す!殺す!」
顔を上げたリーパーは背後の日向に向き直り、殺意を遺憾なくぶつける。
「……っ!」
リーパーに対し。構えを取ろうとして右手から全身へと電流が駆け巡る。
右手の甲は骨だけではなく血管が破裂した内出血で青黒くなり、砕けた骨が皮膚を貫き露出していた。
「……」
日向はポケットから3枚のハンカチを取り出す。日常用、無くした時用のスペア、無くした時のスペアを無くした時用のスペアとして常に3枚ハンカチを忍ばせている。さらにお腹のポケットにも2枚のハンカチが入っている。
日向は一枚のハンカチを4つにたたみ、2枚のハンカチを切り裂き、バンテージのようにぐるぐる巻きにして縛る。
「……よし!」
日本時代に念の為にボクシングのバンテージの巻き方を勉強していた知識が役に立った。と日向は笑顔を浮かべる。そして、笑顔により痛みも少しだけ和らぐ。
「殺すし!殺すさ!殺すれ!」
その間にリーパーが迫ってきて、今度は左足によるヤ〇ザキックをみぞおちを狙って放ってくる。
(動きは早いけど攻撃の前に予備動作と溜める時間があるからわかりやすいな……)
左横に避けてお返しとリーパーの足が伸び切った膝を狙って横からヤクザキックを全力で打ち込む。
(これもダメか……)
力の入りなんて関係のない関節を狙った全力の蹴りでもびくともしない。
日向はキック後に後ろに飛び、相手から10歩分の距離を取る。
「死ねるらりら*#%$\€×○!!!!!」
日向の着地直後を狙ってリーパーは飛び出し、日向の近くで前方へ宙を一回転して、勢いをつけた踵で攻撃する。
「く!」
トリッキーなリーパーの技に動きが読めずに後ろへ半歩だけ下がりなんとか頬を掠めるだけで避ける。
(攻撃後はタイムラグが長い!)
瞬時に体勢を整え、リーパーの左横に移動して、全身の力+全体重+回転+速度を乗せた掌底を左テンプル(こめかみ)を狙って放つ。
巨大な岩を子供が平手で叩くときのように、パン!と乾いた音が鳴る。
「……殺す!」
体勢を整えたリーパーは何事もなさそうに攻撃してくる。
「縮地!」
瞬時に高速移動で距離を取る。
(これでも脳は揺れないか……)
想定以上の硬さと予想以上の重さに日向はため息をつく。
「なかなか思い通りにいかないな……」
パァン!と両頬を叩き、折れそうになった心に喝を入れる。
「あの様子だと武器での攻撃も効かないな……まだ手が尽きたわけじゃない」
再び構え、両手に魔力による風を纏わせる。
「こい!」
日向にしては珍しく相手に吠える。
「殺す!殺せ!殺す?ころろろろ!」
リーパーは拳を構え日向の元へと向かっていく。
「殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!」
自身の作品を台無しにした日向に対する殺意の現れから1秒間に6回も「殺す!」と呪いをかけるように連呼しながら日向の後ろを大人しくついてくる。
(なんかどんどん体の周りのオーラ?が黒くなって行ってて、たださえ冬の夕方のように暗いから顔が見えない……でも、殺意は感じるから気配が探りやすくていいか……)
気配探知を使わなくても背中を貫こうとする視線でなんとなく距離がわかるので魔力消費を考えて、気配探知を切る。
「どこまで……殺す!殺す!殺す!……逃げんだ!」
リーパーが距離を縮めてきてライダーキックを放ってくる。
「と!」
大きな木の枝に飛びのり回避する。
「ちょこまか……殺す!殺す!殺すぞ!……逃げやがって!」
リーパーは木の上に逃げた日向を見上げて叫ぶ。
「縮地……」
日向はリーパーを無視して目的の場所を目指して移動する。
「くそ……殺す!殺ふ!殺し!……やろう!」
リーパーは目が見えなくなるほど眉間に皺を寄せてくしゃくしゃになった顔をさらにくしゃくしゃにして追いかける。
******************
「……見えた」
森の中を駆けていた日向の100m先から木が無くなって風に揺れる緑深い草原が見えた。
(森の近くはリーパーが空間移動を巧みに使ってきて不利になるかもしれないから真ん中に陣取ろう……)
日向は背後の気配を探る。
「ころふ!殺す!殺ふ!○*\$+€##×*!」
怒りが頂点を超え、ついには何を話しているのかわからなくなったリーパーが50m後ろと追ってきていた。
(よし……〈限界突破〉!)
ザッ……
山脈を背にして聖都の方を向き、体に緑のオーラを纏う。
ドガン!……
後を追ってきていたリーパーは日向と向かい合うように立つ。
「俺の大切な作品をよくも…てめぇを殺した後は、あの女達もバラバラにしてやる…死ね!」
空間移動ではなく高速移動で日向に迫り、左足を踏み込み、振りかぶった右のヤンキーストレートを放つ。
その際に、ドガン!と大きな岩が地面にめり込んだような派手な音をたてて、踏み込みだけで地面を30cm程陥没させる。
「ふぅ……」
予想外の速さに内心では驚きつつも対応できない速さではないので、強張った体をリラックスさせ、腰を落として、迫り来る右拳の手首部分に左手の甲を添えて横から力を加えて逸らす。
(ぐ!おも!)
逸らそうとしたが、全然びくともせず体を右斜め前にダッキングして避ける。
(一撃でも受けたらまずい……)
右ストレートの勢いで体勢を前に崩したリーパーは地面にめり込んだ左足に力を込めて耐える。
(今度はこっちの番だ!)
ダッキングした姿勢から、右足に力を込めて、体が左に回転するように動かして、リーパーの左の脇腹、肋骨を高速で打ち抜き、最後に右フックで顎を撃ち抜……
「ぐ!」
右ストレートを逸そうとした時同様に顎が重くてびくともせず、右フックが止められた。逆に撃ち抜こうとした日向の中指の付け根の骨が砕けた。
「縮地!」
頭突きをしてこようとしたリーパーの攻撃を高速移動で交わして、背後に回りこむ。
「殺す!殺す!殺す!」
顔を上げたリーパーは背後の日向に向き直り、殺意を遺憾なくぶつける。
「……っ!」
リーパーに対し。構えを取ろうとして右手から全身へと電流が駆け巡る。
右手の甲は骨だけではなく血管が破裂した内出血で青黒くなり、砕けた骨が皮膚を貫き露出していた。
「……」
日向はポケットから3枚のハンカチを取り出す。日常用、無くした時用のスペア、無くした時のスペアを無くした時用のスペアとして常に3枚ハンカチを忍ばせている。さらにお腹のポケットにも2枚のハンカチが入っている。
日向は一枚のハンカチを4つにたたみ、2枚のハンカチを切り裂き、バンテージのようにぐるぐる巻きにして縛る。
「……よし!」
日本時代に念の為にボクシングのバンテージの巻き方を勉強していた知識が役に立った。と日向は笑顔を浮かべる。そして、笑顔により痛みも少しだけ和らぐ。
「殺すし!殺すさ!殺すれ!」
その間にリーパーが迫ってきて、今度は左足によるヤ〇ザキックをみぞおちを狙って放ってくる。
(動きは早いけど攻撃の前に予備動作と溜める時間があるからわかりやすいな……)
左横に避けてお返しとリーパーの足が伸び切った膝を狙って横からヤクザキックを全力で打ち込む。
(これもダメか……)
力の入りなんて関係のない関節を狙った全力の蹴りでもびくともしない。
日向はキック後に後ろに飛び、相手から10歩分の距離を取る。
「死ねるらりら*#%$\€×○!!!!!」
日向の着地直後を狙ってリーパーは飛び出し、日向の近くで前方へ宙を一回転して、勢いをつけた踵で攻撃する。
「く!」
トリッキーなリーパーの技に動きが読めずに後ろへ半歩だけ下がりなんとか頬を掠めるだけで避ける。
(攻撃後はタイムラグが長い!)
瞬時に体勢を整え、リーパーの左横に移動して、全身の力+全体重+回転+速度を乗せた掌底を左テンプル(こめかみ)を狙って放つ。
巨大な岩を子供が平手で叩くときのように、パン!と乾いた音が鳴る。
「……殺す!」
体勢を整えたリーパーは何事もなさそうに攻撃してくる。
「縮地!」
瞬時に高速移動で距離を取る。
(これでも脳は揺れないか……)
想定以上の硬さと予想以上の重さに日向はため息をつく。
「なかなか思い通りにいかないな……」
パァン!と両頬を叩き、折れそうになった心に喝を入れる。
「あの様子だと武器での攻撃も効かないな……まだ手が尽きたわけじゃない」
再び構え、両手に魔力による風を纏わせる。
「こい!」
日向にしては珍しく相手に吠える。
「殺す!殺せ!殺す?ころろろろ!」
リーパーは拳を構え日向の元へと向かっていく。
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