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村へ帰還。その頃の勇者パーティー③
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「すごいだろ!こんな大きなバジリスクがいたんだぜ!」
バジリスク討伐後、夜通し解体をしたあたしとエーさんは村へと帰還。
あたし達が戻ると村人達はみんな心配で眠れなかったらしく大人達は一斉にみんな村の広場へと集まって来た。
本当に優しい人たちだ。
討伐したバジリスクの皮を見せるとみんなあたしとエーさんの体に異常がないかペタペタ触って来た。
「こら!男ども!どさくさに紛れて触ろうとするな!」
鼻息荒くエーさんに近寄っていたおっさん達は主婦連合によって首根っこを掴まれお尻を……ぐふん。彼らにもプライバシーがあるからここまでにしておこう。
「姉ちゃん達すげえ!」
「かっちょいい!」
「ねえねえ!どうやってやっつけたの!」
子供達から人気のエーさん。
「ふふふ、それはですね。スパン!と剣を振ってズバ!っと斬りしました」
「すげぇ!スパン!で、ズバ!だってよ!」
「かっちょええ!一撃で倒したんだぁ!」
「飛ぶ斬撃!私もやってみたーい!」
「私でよければお教えしますよ」
おっさん連中がお尻をぺんぺんされている頃、その隣でエーさんと子供達による剣術の授業が始まった。
「そうですそうです。剣を振る時に意識するのは腰をふん!として、剣をスパン!と振ることで敵をズバッ!と斬ります」
「腰がぶれないように構えて」
「えーっと、力みすぎないように」
「真っ直ぐと引くように振るう……できたー!お姉ちゃんのいう通りにやったら綺麗に振れたぁ!」
「お姉ちゃんの教え方わかりやすい!」
「ふふふ、ありがとうございます」
すっかり仲良しのエーさんと子供達。
腰をふん!として剣をスパン!と振るう……なるほど。エーさんは師匠もなく強化魔法とかを感覚で覚えるしかなかったから言語化が難しいのか。
「なにそれ可愛い」
その後は解放されたおっさん達を交えて朝から宴となった。
ギルマスの弁当と私たちの戦闘話を肴に酒を飲む。
「今日はわしらの村を救ってくれたアイリスさんとエクスカリバーさんに」
バジリスクを目撃してから村にはたくさんの魔物がやってくるようになり毎日が闘いだった。
村を守るために必死で戦い抜いた半月。
ようやく解放された村人達。
「かんぱーい!」
「ありがとう!あなた達がヘルハウンドやバジリスクを倒してくれたおかげで私たちは明日からもみんなと笑って過ごせるわ」
「本当にありがとう!」
笑顔の村人達。
「だーははは!よーし!飲むぞー!」
少しだけ出来上がったあたしは気分が良くてコップを掲げると
「「「おおお!」」」
大人子供含めた村人全員がノリノリで答えてくれた。
一方、その頃勇者パーティーは……
レッドドラゴンを討伐した勇者達はしばし休息し、真竜の領域へと足を踏み入れ、今まさに真竜と対峙していた。
「これが真竜……なんだ。大したことないじゃないか」
「ええ、これならさっきのレッドドラゴンの方が強かったわね」
「よし、一撃だ。一撃で決める!2人とも引きつけてくれ」
クロードはデュランダルを掲げる。
「まかせろ!」
「任せて!」
バズは大剣を構え真竜へ切り込む。
マリアは援護として真竜の弱点属性である水魔法で遠距離攻撃。
「武具覚醒!限界突破!攻撃力超向上!」
2人が真竜の気を引きつけている間にクロードはスキルを発動。
天に掲げるデュランダルから迸る聖なるオーラ。
「受け取れ!これが世界最強の一撃だあ!」
バズが離脱したのを確認したクロードは最強の一撃を振るう。
聖なるオーラに飲み込まれる真竜。
「ぐあああ……」
眩い光が明ける。
「……や、やった!やったぞ!」
「た、倒した!俺達が倒した!」
「やった!やった!」
動かなくなった真竜を見て喜ぶ3人。
歴史に名を刻む。
世界中の人々から羨望の眼差しを向けられ、生涯贅沢に暮らす日々が3人の頭の中に浮かぶ。
しかしーー
「ぐああ……」
歓喜に打ち震える3人の前に絶望が降り立つ。
倒れている真竜よりも倍大きく、岩のようにゴツゴツした見た目、倒れている真竜を見つめ悲しみに目が震えた後、勇者達をキ!と睨み大きな翼を広げ、大地を揺らす咆哮。
「グアアア!!!」
その咆哮一つで勇者達は悟る。
これがSSS級、咆哮一つで大地が縦に揺れ、立っているのもおぼつかない。
そして精神耐性を破り体を恐怖が支配、今すぐにも逃げたいのに体が動かない。
「あ、あ……」
しかしその中で1人、クロードだけは違った。
辛うじて耐えていた。
そして、真竜がバズに向かって歩き出した瞬間……
「縮地!」
高速移動スキルでその場を離脱。
「あ、ああ!」
「く、くろー、ド」
真竜の重圧に耐えられず呂律が回らなくなった2人はその言葉だけを発して気絶。
「グアアア!!」
自身の子供に止めを刺した人物がクロードである事を目にしていた真竜は敵(かたき)を追うべく翼を広げ飛び立つ。
バジリスク討伐後、夜通し解体をしたあたしとエーさんは村へと帰還。
あたし達が戻ると村人達はみんな心配で眠れなかったらしく大人達は一斉にみんな村の広場へと集まって来た。
本当に優しい人たちだ。
討伐したバジリスクの皮を見せるとみんなあたしとエーさんの体に異常がないかペタペタ触って来た。
「こら!男ども!どさくさに紛れて触ろうとするな!」
鼻息荒くエーさんに近寄っていたおっさん達は主婦連合によって首根っこを掴まれお尻を……ぐふん。彼らにもプライバシーがあるからここまでにしておこう。
「姉ちゃん達すげえ!」
「かっちょいい!」
「ねえねえ!どうやってやっつけたの!」
子供達から人気のエーさん。
「ふふふ、それはですね。スパン!と剣を振ってズバ!っと斬りしました」
「すげぇ!スパン!で、ズバ!だってよ!」
「かっちょええ!一撃で倒したんだぁ!」
「飛ぶ斬撃!私もやってみたーい!」
「私でよければお教えしますよ」
おっさん連中がお尻をぺんぺんされている頃、その隣でエーさんと子供達による剣術の授業が始まった。
「そうですそうです。剣を振る時に意識するのは腰をふん!として、剣をスパン!と振ることで敵をズバッ!と斬ります」
「腰がぶれないように構えて」
「えーっと、力みすぎないように」
「真っ直ぐと引くように振るう……できたー!お姉ちゃんのいう通りにやったら綺麗に振れたぁ!」
「お姉ちゃんの教え方わかりやすい!」
「ふふふ、ありがとうございます」
すっかり仲良しのエーさんと子供達。
腰をふん!として剣をスパン!と振るう……なるほど。エーさんは師匠もなく強化魔法とかを感覚で覚えるしかなかったから言語化が難しいのか。
「なにそれ可愛い」
その後は解放されたおっさん達を交えて朝から宴となった。
ギルマスの弁当と私たちの戦闘話を肴に酒を飲む。
「今日はわしらの村を救ってくれたアイリスさんとエクスカリバーさんに」
バジリスクを目撃してから村にはたくさんの魔物がやってくるようになり毎日が闘いだった。
村を守るために必死で戦い抜いた半月。
ようやく解放された村人達。
「かんぱーい!」
「ありがとう!あなた達がヘルハウンドやバジリスクを倒してくれたおかげで私たちは明日からもみんなと笑って過ごせるわ」
「本当にありがとう!」
笑顔の村人達。
「だーははは!よーし!飲むぞー!」
少しだけ出来上がったあたしは気分が良くてコップを掲げると
「「「おおお!」」」
大人子供含めた村人全員がノリノリで答えてくれた。
一方、その頃勇者パーティーは……
レッドドラゴンを討伐した勇者達はしばし休息し、真竜の領域へと足を踏み入れ、今まさに真竜と対峙していた。
「これが真竜……なんだ。大したことないじゃないか」
「ええ、これならさっきのレッドドラゴンの方が強かったわね」
「よし、一撃だ。一撃で決める!2人とも引きつけてくれ」
クロードはデュランダルを掲げる。
「まかせろ!」
「任せて!」
バズは大剣を構え真竜へ切り込む。
マリアは援護として真竜の弱点属性である水魔法で遠距離攻撃。
「武具覚醒!限界突破!攻撃力超向上!」
2人が真竜の気を引きつけている間にクロードはスキルを発動。
天に掲げるデュランダルから迸る聖なるオーラ。
「受け取れ!これが世界最強の一撃だあ!」
バズが離脱したのを確認したクロードは最強の一撃を振るう。
聖なるオーラに飲み込まれる真竜。
「ぐあああ……」
眩い光が明ける。
「……や、やった!やったぞ!」
「た、倒した!俺達が倒した!」
「やった!やった!」
動かなくなった真竜を見て喜ぶ3人。
歴史に名を刻む。
世界中の人々から羨望の眼差しを向けられ、生涯贅沢に暮らす日々が3人の頭の中に浮かぶ。
しかしーー
「ぐああ……」
歓喜に打ち震える3人の前に絶望が降り立つ。
倒れている真竜よりも倍大きく、岩のようにゴツゴツした見た目、倒れている真竜を見つめ悲しみに目が震えた後、勇者達をキ!と睨み大きな翼を広げ、大地を揺らす咆哮。
「グアアア!!!」
その咆哮一つで勇者達は悟る。
これがSSS級、咆哮一つで大地が縦に揺れ、立っているのもおぼつかない。
そして精神耐性を破り体を恐怖が支配、今すぐにも逃げたいのに体が動かない。
「あ、あ……」
しかしその中で1人、クロードだけは違った。
辛うじて耐えていた。
そして、真竜がバズに向かって歩き出した瞬間……
「縮地!」
高速移動スキルでその場を離脱。
「あ、ああ!」
「く、くろー、ド」
真竜の重圧に耐えられず呂律が回らなくなった2人はその言葉だけを発して気絶。
「グアアア!!」
自身の子供に止めを刺した人物がクロードである事を目にしていた真竜は敵(かたき)を追うべく翼を広げ飛び立つ。
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