婚約破棄されたばかりの私の手が第三王子のお尻にめり込んでしまった。

さくしゃ

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なぜ?②

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マリアベルside

「ここがロベルト殿下のアトリエ」

 キャロルに現実を教えてあげた私は、夕日に照らされて赤く染まった煉瓦の建物を近くの木陰から覗いていた。

「思ったよりボロ……こんな所に王子が住んでるなんて信じられない」

 ゴーストが出そうな雰囲気の建物に本当に王子が住んでいるのか目を疑った。けど、私の視線の先には、

「ロベルト殿下」

 醜い顔をさらに醜くさせ、涙を流すキャロルがいた。だからまず間違いなくロベルト殿下が、

(いた!出てきた!)

 開いた玄関のドアの影からロベルト殿下が出てきた。

(私って天才!出来損ないを追いかければロベルト殿下の居所がわかるかもしれないって後をつけて正解だったわ!)

 ロベルト殿下🟰将来の私の財布に投げキッスをした。

「出来損ないもたまには役に立つわね」

 私にしては珍しく嬉しくてキャロルを褒めてやった。あとは邪魔だからさっさと消えろ。

「この可愛い私がキャロルのいなくなった後にロベルト殿下の前に颯爽と現れて、優しい言葉と共に押し倒してから一晩かけて私に忠実な犬にしてやる」

 マイクを落とした時の夜を思い出し勝利を確信した私は、思いのままに高価なドレスを買い、ムカつく貴族の家を潰すーーそんな将来に思いを馳せた。

「ごめんなさい」

 そうしているうちにキャロルがどこかへと走り去って行った。

(チャーンス!)

 チャンスの到来。素早く手鏡を出してメイクを直して最後に香水をまぶしたら私ーーマリアベルという最高の料理の出来上がり。

(あとは押し倒して無理やり喰わせるだけ)

 ぐふふふ、と笑いながら木陰から出てロベルト殿下へ歩いた。

「キャロル!」

 しかし私があと三メートルという所まで近づいた時ロベルト殿下は出来損ないの名前を呼ぶと走り出してしまった。私という

「……この」

 学園、いや王国でも並ぶ者がいないほどの美少女の私には目もくれず、

「私を無視すんじゃねえ!!」

 視界にすら映さず走り去った。

(決めた。私の横に一生置いてやろうと思ったけどやめた)

 この出来事は私のプライドを大きく傷つけた。絶対に許せないほどに。

「絶対に破滅させてやる!絞れるだけ搾り取ってやる!」

 絶対に許さない!逃すか!
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