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女神
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何もない、白い空間。
気が付いたら私はそこにあるベットの上に横たわっていた。
――誘拐か?
一瞬そう考えたがすぐにその考えは破棄した。誘拐ならば見張りも立てず、拘束もせずに一人にするはずがない。
「ん…」
声は出せる。
「よいしょ」
体も動く。
では、何故ここにいるのかが分からない。
(とりあえず降りよう)
そう思いベットから降りようとした時――
「やめなさい。消滅してしまうわ」
誰もいないはずの空間に突然響いた、私以外の声。
「誰!?やましいことが無いなら姿を見せなさい!」
「落ち着きなさい、それにしても随分威勢がいいわね」
そう言って目の前に現れた女は息を吞むほど美しかった。
白くきめ細やかな肌。私が握ったら壊れそうな気がする程に細い腕。水をためられそうな程くっきりと出ている鎖骨に、白いふんわりお椀型のきれいな胸。薄い桜色の綺麗な…
「…何故裸なの?」
出てきた女は、裸だった。
「私を警戒していたようだから…」
それを聞いた瞬間、警戒していたのが馬鹿らしくなった。なので
「服を着てくれない? 目を離すのがもったいないぐらいの美しい姿だから話しにくいわ」
「あら、随分と褒めてくれるのね。嬉しいわ♪でも、あなたも裸なのよ?」
そう言われて、自分の体に視線を下ろすと何も身に着けていない体が目に入った。
「…これはあなたが?」
「服の再生が面倒だったからよ。それにしても随分冷静ね?今までここに来た人達は皆慌ててたけど」
…それは
「今まで生きてきた環境のせいよ。何が起きても慌てず、冷静に。相手や周りを観察して情報は一字一句見逃すな。決してパニックにならず、相手から情報を聞き出す。…これが出来ないと私はもっと早くに死んでいたわ」
少し昔を思い出しながら話していたせいで余計な事まで話してしまった。彼女を見ると悲しそうな顔で優しく抱きしめた。
「今まで辛い思いをしたのね、泣いていいのよ」
彼女の穏やかな、心が癒されるような優しい声でそう言われた私は、泣くつもりが無かったのに勝手に涙があふれ止まらなくなってしまい、彼女にしがみついて泣いた。彼女は私の頭を優しく撫でながら泣き止むまで優しく抱きしめ続けてくれた。
・
・
・
「…ありがとう。もう大丈夫よ」
離れながら私がそう言うと
「そう?あなたは今まで辛くても泣かずに我慢し続けたでしょう?だからここでは、いっぱい泣いていいのよ」
それを聞いてまた泣きそうになったけど何とか泣かずに話を進めることに成功した。
「それよりも何故死んだはずの私がここにいるの?女神様」
「フローライト。フローラって呼んで」
「でも…分かったわ、フローラ」
彼女…フローラの顔を見ると絶対にそう呼ばせるという謎の気迫を感じたためさっさと名前で呼ぶ。
「私、曜と友達になりたいの」
そう言って笑うフローラは麗しくて、
「なら今からは友達ね、よろしくフローラ」
とつい言ってしまった。
ゆっくりですが更新していきます。温かい目でお待ちください。
気が付いたら私はそこにあるベットの上に横たわっていた。
――誘拐か?
一瞬そう考えたがすぐにその考えは破棄した。誘拐ならば見張りも立てず、拘束もせずに一人にするはずがない。
「ん…」
声は出せる。
「よいしょ」
体も動く。
では、何故ここにいるのかが分からない。
(とりあえず降りよう)
そう思いベットから降りようとした時――
「やめなさい。消滅してしまうわ」
誰もいないはずの空間に突然響いた、私以外の声。
「誰!?やましいことが無いなら姿を見せなさい!」
「落ち着きなさい、それにしても随分威勢がいいわね」
そう言って目の前に現れた女は息を吞むほど美しかった。
白くきめ細やかな肌。私が握ったら壊れそうな気がする程に細い腕。水をためられそうな程くっきりと出ている鎖骨に、白いふんわりお椀型のきれいな胸。薄い桜色の綺麗な…
「…何故裸なの?」
出てきた女は、裸だった。
「私を警戒していたようだから…」
それを聞いた瞬間、警戒していたのが馬鹿らしくなった。なので
「服を着てくれない? 目を離すのがもったいないぐらいの美しい姿だから話しにくいわ」
「あら、随分と褒めてくれるのね。嬉しいわ♪でも、あなたも裸なのよ?」
そう言われて、自分の体に視線を下ろすと何も身に着けていない体が目に入った。
「…これはあなたが?」
「服の再生が面倒だったからよ。それにしても随分冷静ね?今までここに来た人達は皆慌ててたけど」
…それは
「今まで生きてきた環境のせいよ。何が起きても慌てず、冷静に。相手や周りを観察して情報は一字一句見逃すな。決してパニックにならず、相手から情報を聞き出す。…これが出来ないと私はもっと早くに死んでいたわ」
少し昔を思い出しながら話していたせいで余計な事まで話してしまった。彼女を見ると悲しそうな顔で優しく抱きしめた。
「今まで辛い思いをしたのね、泣いていいのよ」
彼女の穏やかな、心が癒されるような優しい声でそう言われた私は、泣くつもりが無かったのに勝手に涙があふれ止まらなくなってしまい、彼女にしがみついて泣いた。彼女は私の頭を優しく撫でながら泣き止むまで優しく抱きしめ続けてくれた。
・
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「…ありがとう。もう大丈夫よ」
離れながら私がそう言うと
「そう?あなたは今まで辛くても泣かずに我慢し続けたでしょう?だからここでは、いっぱい泣いていいのよ」
それを聞いてまた泣きそうになったけど何とか泣かずに話を進めることに成功した。
「それよりも何故死んだはずの私がここにいるの?女神様」
「フローライト。フローラって呼んで」
「でも…分かったわ、フローラ」
彼女…フローラの顔を見ると絶対にそう呼ばせるという謎の気迫を感じたためさっさと名前で呼ぶ。
「私、曜と友達になりたいの」
そう言って笑うフローラは麗しくて、
「なら今からは友達ね、よろしくフローラ」
とつい言ってしまった。
ゆっくりですが更新していきます。温かい目でお待ちください。
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