tuberose

山代裕春

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二年前

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二年前…

とある精神病棟

高瀬「…父さん」
父「…」
埃ひとつない清潔な部屋、優しい風と日差しが父を包む。
看護師「高瀬さーん」
高瀬「あ、はい」
看護師「槇田先生がお呼びです」
高瀬「父さんちょっと行ってくるな」
父「…」

…医務室

高瀬「PTSD?」
槇田「はい」
高瀬「それは…治るんですよね?」
槇田「…大変申し上げにくいのですがここまで重度だと…」
高瀬「…」

……父の病室

高瀬「父さん…父さんの病気、PTSDって言うんだって…過去のトラウマがフラッシュバックしたりする病気らしいんだ…でもね、先生は大丈夫だって言ってくれたから安心してね」
父「……」
高瀬は痩せこけた父の手を握る、だが父は反応せず、ただ虚に窓を見つめていた。
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