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「奈恵……!」
「あ、……はぁっ!」
肌を打ち付ける音がする。
同時に淫靡に粘ついた音が耳を打つ。とろとろととろけた奈恵のそこを圭介が何度も貫いた。
奈恵が自らの重みをかけて、貫かれている。圭介が脱落しそうなところまで身体を浮かせ、一息に身体を落とす。そんな仕草を奈恵が繰り返している。
スカートの中で露な臀部を圭介の手が掴んだ。華奢な肢体のそこだけが少し手ごたえのある厚みを持っている。滑らかで柔らかい。掴んで、強く引き寄せた。腹も胸も密着するように身体を重ねる。快感が迸る。
「奈恵っ……」
「んぁっ……圭ちゃ……ん!」
圭ちゃん、と繰り返す奈恵の身体が、何度か戦慄を走らせた。
腹の上に奈恵を乗せたまま、圭介はコンドームを剥がした。
「奈恵、ティッシュとか……」
未だに肌を震わせたままの奈恵が緩慢な動作で首をめぐらせた。二人が折り重なっているベッドの反対側の端に、置いてあった。
姿勢をずらして、ぴくん、と奈恵は肌を震わせる。腿に、伝う。交わっていたときに体内で醸された物が奈恵の腿を汚した。同じように圭介のそこが濡れている。
力を失って圭介のそれがうなだれた。見れば、白濁にまみれて、気の毒なように力がない。
「なんだよ」
羞恥したように言った。
そうだ、と圭介は奈恵の腕を掴んだ。
「舐めてみろよ」
「え……?」
大きな目の睫毛が翻ってわなないている。細く通った鼻筋の下に、瑞々しい李のような唇が居る。
その唇で。
圭介はにわかに昂ぶりを覚えた。手を伸ばして、夏よりも伸びた髪の毛ごと細い項をつかむ。
「や、やだ……、そんなの」
「そんなのってなんだよ奈恵」
圭介の声に苛立ちが籠もる。
でも、と奈恵は抗う。抗いながら、鼓動の高まりに困惑を感じた。
怪しいような嗜虐に脳裏を焙らせて、圭介は奈恵の顔を彼の下腹に押し付ける。空いた手で介添えをして、奈恵の唇に、それを突きつけた。
「や、」
いや、と開いた唇に、押し込んだ。唇の裏側をねっとりと感じた。淡く、歯が当たる。
「ん、う……」
奈恵の顔が泣きそうに歪んだ。可愛らしく整った清楚な面立ちの奈恵の、その唇が男を咥えた。(う……?)不思議なほど、圭介は興奮した。勃然と蘇る。
不意に口の中で容積と硬度を増したそれに、奈恵は目が眩む。苦いような身体の味がする。呼吸が苦しくなって、項を押さえる手に抵抗した。そのつもりも無いのに、口腔で圭介を刺激したらしい。
「う、あ……」
びく、と圭介が震えた。奈恵が唇を離すときに、ちゅ、と音がした。
「やめんな」
「は……」
困惑なのか拒絶なのか、少し悲しげに目を潤ませた奈恵を見下ろして、もっと、と圭介は求める。
(変……)
奈恵は高らかな鼓動と、身体の内側から溶け出すものを不思議に感じる。触れられても居ないのに、何故、と思うほどだ。硬度を増して、奈恵の目の前に突きつけられている圭介の物に、昂ぶっている。
さっきまで、と思う。
奈恵の中を激しく往来していたのは、これだ、と思う。ぞく、と背筋が寒くなる。彼を受け入れていた所が、疼く。熱いものが滲んだ。
「いい、って言うまで」
やれ、と圭介は奈恵に命令した。奈恵はもう逆らえない。顔に掛かる髪を指先で避けて耳に掛けながら、起ち上がった圭介のそれに唇を被せた。
生真面目な奈恵は、そんな事さえ求められたことにきちんと応えようとしているらしく、どこか真摯な眼差しで圭介の分身を捉えている。ときどき唇をはずして、もの問いたげに上目に圭介を見た。そして舌で彼を舐め上げてまた口に含んだ。
圭介のそれを口にして、そんないやらしい真似をしているのに、奈恵の懸命な表情が可憐であどけない。見下ろして、倒錯した光景に圭介は昂ぶる。
かさの開く前の松茸に似ている。口の中に居る形について、奈恵はそんな風に思った。そのかさの際のあたりを舌でなぞった。圭介の腹筋が息を詰めて波立った。じわりと奈恵の舌にほろ苦い味が広がる。
茂みの在る根元のあたりに手を添えて、強く吸った。
「奈恵っ……ヤバイそれ」
陶然としたようにそんな声を上げて胸を反らせた圭介を見て、奈恵は唇の中のものがどこか愛しくなってきた。
「もういい……。イっちゃったらもったいない」
圭介が奈恵に、今度は向こうを向けと言った。圭介に背を向けて、奈恵は彼を跨ぐ。
「ああ……!」
いつの間に潤んでいたのか、下から宛てがわれた圭介を奈恵は容易に含んだ。待ち望んだように迎え入れた事が少し恥ずかしい。
圭介の手が背後から奈恵の胸を触れている。ささやかな膨らみを歪め、尖った蕾を指先で弾き、時に摘む。
呼吸の速さに耐えられなくなって奈恵が喘ぐ。胸元の圭介の手を掴んだ。圭介の右手だけが下降した。
「いやあっ!」
奈恵の身体が圭介の上で跳ねた。
「そんなに、いい?」
「や!」
「きゅ、ってした」
互いが結ばれているその奈恵の秘所を、圭介が指先で触れる。雌蕊の突起に圭介が触れるたびに、奈恵は跳ねるように身体を波打たせ、そのたびに、中に沈んでいる圭介を強く締め付けた。
「は、……あ」
圭介が腕を奈恵の腹に絡める。揺動のあまり、奈恵から脱落しそうになった。奈恵の唇から漏れる声が、嗚咽になりつつある。奈恵の手が圭介の手を掴んでいる。びくん、びくん、と奈恵の肢体が痙攣する。
だめ、と繰り返している。いや、と言っている。
そんな拒絶を口に上せながら、奈恵はその襞で圭介を擦る事を止めない。動いているのは圭介ではない。膝の屈伸を使い、時に腰を前後に回すようにして、濃密な触感を求めているのは圭介の上に居る奈恵だ。そして奈恵のそんな動作がまた、圭介にたまらない快楽をもたらしている。
「奈恵、……奈恵すげえ、いい」
賞賛しながら、桜色に染まった臀部を引き寄せた。奈恵が顎を跳ね上げた。背筋を反らしてがくがくと震える。奈恵の奥深くを圭介が占拠した。
「奈……恵!」
「んあぁっ!」
圭介を絞るように襞の内側を蠢動させて、奈恵の細い身体が激しくうねった。
短い時間しかないのは、二人ともよく知っている。
それでも離れることが出来ない。身体を離すことができないでいる。
「あ、……はぁっ!」
肌を打ち付ける音がする。
同時に淫靡に粘ついた音が耳を打つ。とろとろととろけた奈恵のそこを圭介が何度も貫いた。
奈恵が自らの重みをかけて、貫かれている。圭介が脱落しそうなところまで身体を浮かせ、一息に身体を落とす。そんな仕草を奈恵が繰り返している。
スカートの中で露な臀部を圭介の手が掴んだ。華奢な肢体のそこだけが少し手ごたえのある厚みを持っている。滑らかで柔らかい。掴んで、強く引き寄せた。腹も胸も密着するように身体を重ねる。快感が迸る。
「奈恵っ……」
「んぁっ……圭ちゃ……ん!」
圭ちゃん、と繰り返す奈恵の身体が、何度か戦慄を走らせた。
腹の上に奈恵を乗せたまま、圭介はコンドームを剥がした。
「奈恵、ティッシュとか……」
未だに肌を震わせたままの奈恵が緩慢な動作で首をめぐらせた。二人が折り重なっているベッドの反対側の端に、置いてあった。
姿勢をずらして、ぴくん、と奈恵は肌を震わせる。腿に、伝う。交わっていたときに体内で醸された物が奈恵の腿を汚した。同じように圭介のそこが濡れている。
力を失って圭介のそれがうなだれた。見れば、白濁にまみれて、気の毒なように力がない。
「なんだよ」
羞恥したように言った。
そうだ、と圭介は奈恵の腕を掴んだ。
「舐めてみろよ」
「え……?」
大きな目の睫毛が翻ってわなないている。細く通った鼻筋の下に、瑞々しい李のような唇が居る。
その唇で。
圭介はにわかに昂ぶりを覚えた。手を伸ばして、夏よりも伸びた髪の毛ごと細い項をつかむ。
「や、やだ……、そんなの」
「そんなのってなんだよ奈恵」
圭介の声に苛立ちが籠もる。
でも、と奈恵は抗う。抗いながら、鼓動の高まりに困惑を感じた。
怪しいような嗜虐に脳裏を焙らせて、圭介は奈恵の顔を彼の下腹に押し付ける。空いた手で介添えをして、奈恵の唇に、それを突きつけた。
「や、」
いや、と開いた唇に、押し込んだ。唇の裏側をねっとりと感じた。淡く、歯が当たる。
「ん、う……」
奈恵の顔が泣きそうに歪んだ。可愛らしく整った清楚な面立ちの奈恵の、その唇が男を咥えた。(う……?)不思議なほど、圭介は興奮した。勃然と蘇る。
不意に口の中で容積と硬度を増したそれに、奈恵は目が眩む。苦いような身体の味がする。呼吸が苦しくなって、項を押さえる手に抵抗した。そのつもりも無いのに、口腔で圭介を刺激したらしい。
「う、あ……」
びく、と圭介が震えた。奈恵が唇を離すときに、ちゅ、と音がした。
「やめんな」
「は……」
困惑なのか拒絶なのか、少し悲しげに目を潤ませた奈恵を見下ろして、もっと、と圭介は求める。
(変……)
奈恵は高らかな鼓動と、身体の内側から溶け出すものを不思議に感じる。触れられても居ないのに、何故、と思うほどだ。硬度を増して、奈恵の目の前に突きつけられている圭介の物に、昂ぶっている。
さっきまで、と思う。
奈恵の中を激しく往来していたのは、これだ、と思う。ぞく、と背筋が寒くなる。彼を受け入れていた所が、疼く。熱いものが滲んだ。
「いい、って言うまで」
やれ、と圭介は奈恵に命令した。奈恵はもう逆らえない。顔に掛かる髪を指先で避けて耳に掛けながら、起ち上がった圭介のそれに唇を被せた。
生真面目な奈恵は、そんな事さえ求められたことにきちんと応えようとしているらしく、どこか真摯な眼差しで圭介の分身を捉えている。ときどき唇をはずして、もの問いたげに上目に圭介を見た。そして舌で彼を舐め上げてまた口に含んだ。
圭介のそれを口にして、そんないやらしい真似をしているのに、奈恵の懸命な表情が可憐であどけない。見下ろして、倒錯した光景に圭介は昂ぶる。
かさの開く前の松茸に似ている。口の中に居る形について、奈恵はそんな風に思った。そのかさの際のあたりを舌でなぞった。圭介の腹筋が息を詰めて波立った。じわりと奈恵の舌にほろ苦い味が広がる。
茂みの在る根元のあたりに手を添えて、強く吸った。
「奈恵っ……ヤバイそれ」
陶然としたようにそんな声を上げて胸を反らせた圭介を見て、奈恵は唇の中のものがどこか愛しくなってきた。
「もういい……。イっちゃったらもったいない」
圭介が奈恵に、今度は向こうを向けと言った。圭介に背を向けて、奈恵は彼を跨ぐ。
「ああ……!」
いつの間に潤んでいたのか、下から宛てがわれた圭介を奈恵は容易に含んだ。待ち望んだように迎え入れた事が少し恥ずかしい。
圭介の手が背後から奈恵の胸を触れている。ささやかな膨らみを歪め、尖った蕾を指先で弾き、時に摘む。
呼吸の速さに耐えられなくなって奈恵が喘ぐ。胸元の圭介の手を掴んだ。圭介の右手だけが下降した。
「いやあっ!」
奈恵の身体が圭介の上で跳ねた。
「そんなに、いい?」
「や!」
「きゅ、ってした」
互いが結ばれているその奈恵の秘所を、圭介が指先で触れる。雌蕊の突起に圭介が触れるたびに、奈恵は跳ねるように身体を波打たせ、そのたびに、中に沈んでいる圭介を強く締め付けた。
「は、……あ」
圭介が腕を奈恵の腹に絡める。揺動のあまり、奈恵から脱落しそうになった。奈恵の唇から漏れる声が、嗚咽になりつつある。奈恵の手が圭介の手を掴んでいる。びくん、びくん、と奈恵の肢体が痙攣する。
だめ、と繰り返している。いや、と言っている。
そんな拒絶を口に上せながら、奈恵はその襞で圭介を擦る事を止めない。動いているのは圭介ではない。膝の屈伸を使い、時に腰を前後に回すようにして、濃密な触感を求めているのは圭介の上に居る奈恵だ。そして奈恵のそんな動作がまた、圭介にたまらない快楽をもたらしている。
「奈恵、……奈恵すげえ、いい」
賞賛しながら、桜色に染まった臀部を引き寄せた。奈恵が顎を跳ね上げた。背筋を反らしてがくがくと震える。奈恵の奥深くを圭介が占拠した。
「奈……恵!」
「んあぁっ!」
圭介を絞るように襞の内側を蠢動させて、奈恵の細い身体が激しくうねった。
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