いじめの代償

凰雅柚月

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いじめの代償 6

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────


犯人が出頭した。

いや、正確に言えば共犯者である。
罪の意識に耐えかねての出頭



真犯人はいじめグループにいた1人だ。
女生徒を呼び出して謝罪かと思われたが警察への訴えを取り下げて欲しいとの懇願をした。
しかし、この場合女生徒は未成年で女生徒が警察へ話した所で保護者たる父親と学校側に連絡がいく。

事態を重く見ている学校側に取り下げる意思はない。
勿論女生徒の父親も同じである。

女生徒が頼めば何とか為ると思い呼び出した。

一生懸命謝罪したのだから取り下げて欲しい─

頼んでみたものの女生徒は困惑する…

私からは何も言えない。
学校側にも父親にも言った所で取り下げるとは思わない。
二人の気持ちには応えられない。


はっきりと意思表示した。


二人は親兄弟、親戚から今回の件で散々責められていた。

悪戯に人を陥れて罪まで犯した。
それについて悪かったと口にはしているがリーダーに言われたから仕方ない、逆らえなかったと自分も巻き込まれた被害者だと言わんばかりの言い訳を連々と並べ立てている。

それでも女生徒は学校側や父親の決めたことを覆す術を持ってはいない事を話した。
一緒にいた生徒は項垂れて下を向いたがもう1人は女生徒を掴まえて懇願繰り返した。

私も被害者なのに……
何故に助けようとしてくれないのか…
貴女が一言学校側や父親に言ってくれたら良いのに何故に……

形振り構わずに縋り付いてきた生徒から逃れようとするが力強く握りしめている手を振り解けない。
そうこうしてる内に手摺に追い詰められた女生徒が一気に振りほどこうとした時に生徒の手が滑り握っていた制服が離れそして勢いがついた身体は手摺を乗り越えた……

それはあっという間の出来事でスローモーションのようだった。


ドスンと音がした…

慌てて覗き混むと女生徒が落ちていた。



一緒にいた生徒に口止めをして屋上から逃げ出した。

しかし、一緒にいた生徒の様子が可笑しい事に気付いた親が問いただすと屋上での出来事を話した。
保護者は話を聞いて更に頭を痛めたが黙っているわけにはいかない。

生徒を説得し警察へと付き添い出頭させた。
手を下した生徒を警察は任意出頭を促したのち自白により緊急逮捕をした。

事故ではあるが未成年故に慎重さが求められる
家裁に送致されて判断される
家裁から検察に逆送致される事になれば成人と同じように裁判で裁かれる。
 
事件に至る経緯、殺意の有無等が量刑を左右する。

そして…それはまた違う事件を引き起こした。
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