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第18話
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「お姉ちゃん、早く早く」
「はいはい。ちょっと待っててね」
小さな女の子のリクエストに答えるべく、地面に触れた手のひらに意識を集中させる。
地面からムクムクと緑の芽が伸びてきて葉を開かせ、そして小さな花が次々と咲き始めた。
星形の小さな花びらが集まって可愛らしく花を咲かせ、真っ白な花からピンク、紫まで色違いの可愛らしい小さい花が咲き乱れた。
「わあ~可愛いお花さん」
「ルシアお姉ちゃん、このお花なんて名前なの?」
「これはね。ペンタスってお花よ。花びらが星のような形をしているでしょう?お空に浮かぶお星さま、流れ星に見立てて花言葉は『願い事』『博愛』よ。可愛くてロマンチックなお花でしょ」
「お星さま! 小さなお星さまがいっぱい。お星さまに願い事したらお父さんの怪我早く治るかな」
「そうね。きっと良くなるわ」
「ありがとうお姉ちゃん」
「どういたしまして」
可愛らしい子どもたちに囲まれて、同じように可愛い花を見ていると心が和むわ~。
無邪気にはしゃぐ子どもたち、私も楽しくなってきちゃう。花言葉の通りに願い事がかなうといいね。
怪我や病気の人たちが早くよくなりますように。
皆が幸せになれますように。
ニール様と結ばれますように。
ってちょっと欲張りすぎたかな? でもいいよね。
だって・・・・・
「ルシアお姉ちゃんどうしたの? お顔真っ赤だよ」
「へっ?」
子どもたちの前で何を想像していたのかしら。慌てて何でもないと説明したけど・・・恥ずかしい。
ううう、ニール様は私が何を考えていたか分かってる様子で笑ってる。ホントに恥ずかしい。
その後も子どもたちと遊びながら楽しい時間を過ごした。
私とニール様は今夜の舞踏会の準備のために帰宅しようと思っていたのだけれど、何やら教会の入り口辺りが騒がしい。
どうしたのだろう?
誰か大声で怒鳴り散らしているのが聞こえてくる。
教会で怒鳴るなんて余程なことがない限り普通の人はしない、それでも怒鳴るなんて何があったのかしら。
ニール様と顔を合わせると私たちは、騒ぎが起こっている入り口に向かって行った。
決して興味本位じゃないわよ。
これでも私は貴族の令嬢、そしてニール様は騎士見習い。騒ぎを見逃すことはできない。
教会の入り口では、貴族とおぼしき男性が怒り心頭に怒鳴り散らし、シスターとひとりの女性がひたすら頭を下げていた。
あの男性、多分貴族だと思うけど誰だろう? 少なくとも高位貴族の当主ではないと思う。
下位貴族や高位貴族でも全員の名前と顔を知っている訳ではないので誰だか分からない。
護衛の騎士や従者もいなさそうだし下位貴族かな?
「何を騒いでいる。私はランスロット伯爵家のニール・グラハム・ランスロットである。状況を説明してほしい」
きゃああぁぁ。凛々しく名乗り出たニール様、なんてカッコいいのかしら。
「伯爵家・・・これは失礼しました。私はハゲーノ・テキト・ザコウ準男爵でございます」
「準男爵殿でしたか。それで神聖な教会で何を騒いでいるのだ」
「そ・・それは・・・・」
ザコウ準男爵と名乗った恰幅の良い男性貴族の話では、腰の痛みの治療にきたのに逆に痛みが増したうえに、治療を担当した女性が準男爵に無礼を働いたとかそんな話だった。
この準男爵は治療を何だと思っているのだろうか。怪我と違い老化からくる体の変化には回復魔法は効果は薄い。まったく効果がない訳ではないが気休め程度だと思う。
それに女性が準男爵に無礼を働いたとか言ってたけど、私の勝手な予想では準男爵が女性にセクハラでもして抵抗されたのを逆恨みでもしたのだろう。
嘆かわしいことだけど貴族というだけで平民、特に女性を軽視する輩は多く存在している。
この準男爵もろくでもないタイプの貴族みたいね。
あら? シスターと一緒に頭を下げている女性、もしかして聖女候補のテレーゼさん? 頭を下げていたので今まで気が付かなかったわ。
「テレーゼさん、この準男爵様に無礼を働いたって本当? 本当は準男爵様に何かされて仕方なく黙っているのではないかしら?」
「あっ、ルシア様」
「いいのよ。本当のことを教えてちょうだい」
「何だこの娘は? 関係ない者は引っ込んでおれ」
「無礼者! このお方はナイトレイ伯爵家のご令嬢だぞ」
「ナイトレイ伯爵家だと、それにルシアという名の娘・・・ま、まさか・・・噂の・・・ナイトレイ家の奇跡の姫か・・・・わっ、わしは何も悪くないぞ」
あらあら強気だった準男爵が急にオドオドしだしたわ。これは間違いないわね。
「準男爵様、私ナイトレイ伯爵家の次女、ルシア・フランシス・ナイトレイと申します。以後お見知りおきを」
「これはルシア嬢失礼しました。噂の聖女様であられましたか。無知なもので先ほどの無礼な発言お許しください」
「気にしてませんので大丈夫ですわ。それよりもこちらのテレーゼさんは私のご学友ですの。何をして何をされたのか、詳しくお話をお聞きしたいのだけれどよろしいかしら」
「わっ、わしは何もしていないぞ。そうだな娘よ。 わしはこれでも忙しいのだ。これにて失礼する」
「お待ちください。ザコウ準男爵殿、まだお話は終っておりません」
私の言葉で逃げようとする準男爵をニール様が阻み、その周りを民衆の方々が囲むように集まっている。
さあ、これでもう逃げられないわよ。
「はいはい。ちょっと待っててね」
小さな女の子のリクエストに答えるべく、地面に触れた手のひらに意識を集中させる。
地面からムクムクと緑の芽が伸びてきて葉を開かせ、そして小さな花が次々と咲き始めた。
星形の小さな花びらが集まって可愛らしく花を咲かせ、真っ白な花からピンク、紫まで色違いの可愛らしい小さい花が咲き乱れた。
「わあ~可愛いお花さん」
「ルシアお姉ちゃん、このお花なんて名前なの?」
「これはね。ペンタスってお花よ。花びらが星のような形をしているでしょう?お空に浮かぶお星さま、流れ星に見立てて花言葉は『願い事』『博愛』よ。可愛くてロマンチックなお花でしょ」
「お星さま! 小さなお星さまがいっぱい。お星さまに願い事したらお父さんの怪我早く治るかな」
「そうね。きっと良くなるわ」
「ありがとうお姉ちゃん」
「どういたしまして」
可愛らしい子どもたちに囲まれて、同じように可愛い花を見ていると心が和むわ~。
無邪気にはしゃぐ子どもたち、私も楽しくなってきちゃう。花言葉の通りに願い事がかなうといいね。
怪我や病気の人たちが早くよくなりますように。
皆が幸せになれますように。
ニール様と結ばれますように。
ってちょっと欲張りすぎたかな? でもいいよね。
だって・・・・・
「ルシアお姉ちゃんどうしたの? お顔真っ赤だよ」
「へっ?」
子どもたちの前で何を想像していたのかしら。慌てて何でもないと説明したけど・・・恥ずかしい。
ううう、ニール様は私が何を考えていたか分かってる様子で笑ってる。ホントに恥ずかしい。
その後も子どもたちと遊びながら楽しい時間を過ごした。
私とニール様は今夜の舞踏会の準備のために帰宅しようと思っていたのだけれど、何やら教会の入り口辺りが騒がしい。
どうしたのだろう?
誰か大声で怒鳴り散らしているのが聞こえてくる。
教会で怒鳴るなんて余程なことがない限り普通の人はしない、それでも怒鳴るなんて何があったのかしら。
ニール様と顔を合わせると私たちは、騒ぎが起こっている入り口に向かって行った。
決して興味本位じゃないわよ。
これでも私は貴族の令嬢、そしてニール様は騎士見習い。騒ぎを見逃すことはできない。
教会の入り口では、貴族とおぼしき男性が怒り心頭に怒鳴り散らし、シスターとひとりの女性がひたすら頭を下げていた。
あの男性、多分貴族だと思うけど誰だろう? 少なくとも高位貴族の当主ではないと思う。
下位貴族や高位貴族でも全員の名前と顔を知っている訳ではないので誰だか分からない。
護衛の騎士や従者もいなさそうだし下位貴族かな?
「何を騒いでいる。私はランスロット伯爵家のニール・グラハム・ランスロットである。状況を説明してほしい」
きゃああぁぁ。凛々しく名乗り出たニール様、なんてカッコいいのかしら。
「伯爵家・・・これは失礼しました。私はハゲーノ・テキト・ザコウ準男爵でございます」
「準男爵殿でしたか。それで神聖な教会で何を騒いでいるのだ」
「そ・・それは・・・・」
ザコウ準男爵と名乗った恰幅の良い男性貴族の話では、腰の痛みの治療にきたのに逆に痛みが増したうえに、治療を担当した女性が準男爵に無礼を働いたとかそんな話だった。
この準男爵は治療を何だと思っているのだろうか。怪我と違い老化からくる体の変化には回復魔法は効果は薄い。まったく効果がない訳ではないが気休め程度だと思う。
それに女性が準男爵に無礼を働いたとか言ってたけど、私の勝手な予想では準男爵が女性にセクハラでもして抵抗されたのを逆恨みでもしたのだろう。
嘆かわしいことだけど貴族というだけで平民、特に女性を軽視する輩は多く存在している。
この準男爵もろくでもないタイプの貴族みたいね。
あら? シスターと一緒に頭を下げている女性、もしかして聖女候補のテレーゼさん? 頭を下げていたので今まで気が付かなかったわ。
「テレーゼさん、この準男爵様に無礼を働いたって本当? 本当は準男爵様に何かされて仕方なく黙っているのではないかしら?」
「あっ、ルシア様」
「いいのよ。本当のことを教えてちょうだい」
「何だこの娘は? 関係ない者は引っ込んでおれ」
「無礼者! このお方はナイトレイ伯爵家のご令嬢だぞ」
「ナイトレイ伯爵家だと、それにルシアという名の娘・・・ま、まさか・・・噂の・・・ナイトレイ家の奇跡の姫か・・・・わっ、わしは何も悪くないぞ」
あらあら強気だった準男爵が急にオドオドしだしたわ。これは間違いないわね。
「準男爵様、私ナイトレイ伯爵家の次女、ルシア・フランシス・ナイトレイと申します。以後お見知りおきを」
「これはルシア嬢失礼しました。噂の聖女様であられましたか。無知なもので先ほどの無礼な発言お許しください」
「気にしてませんので大丈夫ですわ。それよりもこちらのテレーゼさんは私のご学友ですの。何をして何をされたのか、詳しくお話をお聞きしたいのだけれどよろしいかしら」
「わっ、わしは何もしていないぞ。そうだな娘よ。 わしはこれでも忙しいのだ。これにて失礼する」
「お待ちください。ザコウ準男爵殿、まだお話は終っておりません」
私の言葉で逃げようとする準男爵をニール様が阻み、その周りを民衆の方々が囲むように集まっている。
さあ、これでもう逃げられないわよ。
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