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第19話
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「わ、わしは何もしていない」
逃げられないと悟った準男爵は、それでもしらを切るつもりらしく図太く構えているけどまあいいわ。
「さあ、テレーゼさん何があったか本当のことを教えてくれませんか」
「えっと・・・その・・よろしいのですか・・・」
「はい」
「わしは何もしてない! そうだな小娘!」
「ひっ」
怯えるテレーゼさんに脅すようににらみつける準男爵。
「準男爵様、今はあなたよりこちらのテレーゼさんにお話を伺っているのです。黙っていてください」
「ぐうう・・・わしは何もしていないぞ」
「はいはい。さあ、テレーゼさん安心して一部始終を話してください」
「実は・・・腰痛の治療にきた貴族様に魔法をかけようとしていたのですが・・・私自身あの事件以降・・・その不調でして・・・」
「テレーゼさんも事件に巻き込まれたのですね」
「はい。魔獣が最初に現れた現場にいました。幸い私は逃げることができたのですが、今でも悪夢のようにあの時のことが思い出してしまうのです」
「そう・・・」
彼女も魔獣の被害者のひとりなのでしょう。トラウマになって魔法に集中できない、うまく使うことができないってところかしら。
だが話はそれだけではなかった。
やはりというか準男爵がテレーゼさんに地位をかざして、いやらしい言葉を使ったり体に触れたりしたらしい。
そして抵抗したテレーゼさんに怒った準男爵がクレームをつけて、シスターともども謝らせたとそんな感じだった。
まったく・・・典型的な権力をかざしたセクハラ貴族ね。こんなのがこの国には大勢いる。残念だけど・・・これが現実。
「ニール様」
このままこの準男爵を憲兵に突き出しても権力でもみ消されるのが落ちなので、ニール様に助けを求めた。
きっとニール様ならどうかしてくれると思う。
「シスター、この準男爵殿は今までも同じようなことしていたのではありませんか?」
「そ・・・それは・・・・はい。過去にも何回か、私もその・・・お尻を触られたことがあります」
はい、証言いただきました。
スケベ準男爵はギルティ確定です。女性の敵です。
今回だけならともかく、この手の輩は余罪を調べれば他にも色々と出てくるでしょうね。
しばらくは牢屋にでも入って反省でもしてもらいましょう。
「ルシア様、ニール様、ありがとうございました」
シスターとテレーゼさんにお礼を言われたけど、当たり前のことをしただけのこと。正直同じ貴族として恥ずかしいし、申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう。ホントにごめんなさい。
こんな貴族はダメな貴族は多いし、アリス様のお父様であるこの国の宰相ローランド公爵も頭を悩ませている。
貴族の意識改革を推し進めるためにも、王室と最大派閥である宰相派の影響力を強めていかなければならない。
はあ・・・だというのに国の皇子であるミューラー第一皇子は、この問題を理解しているのかしら・・・理解していないわよね。
いえ、聡明なる殿下のことだから理解していても、それ以外の理由があるのかしら? 国益より大事なこと? 政治的なことなの? 私にはよく分からないわ。
もうこうなったらアリス様にがんばってもらわないとダメね。
アリス様は同性である私から見ても素晴らしい女性だわ。気品溢れる仕草もさることながらその容姿も美しいの。
幼い頃から皇妃となるべく英才教育を受けて、王室のマナーも行事も行えるアリス様はホントに凄いと思う。
私も伯爵家の令嬢として恥ずかしくない教育は受けてきたけど、アリス様のそれとは訳が違う。
私のできることは、アリス様とミューラー殿下の仲を取り持って少しでも国を良くしていく補佐をするだけよ。
また殿下が変なことを言い出さないように注意しないとね。
それだけが心配なの。
いやそれだけじゃなかったわ・・・今夜の舞踏会、あの事件の後だし絶対大変な目に合うわよね。
はあぁぁ・・・憂鬱だわ。
逃げられないと悟った準男爵は、それでもしらを切るつもりらしく図太く構えているけどまあいいわ。
「さあ、テレーゼさん何があったか本当のことを教えてくれませんか」
「えっと・・・その・・よろしいのですか・・・」
「はい」
「わしは何もしてない! そうだな小娘!」
「ひっ」
怯えるテレーゼさんに脅すようににらみつける準男爵。
「準男爵様、今はあなたよりこちらのテレーゼさんにお話を伺っているのです。黙っていてください」
「ぐうう・・・わしは何もしていないぞ」
「はいはい。さあ、テレーゼさん安心して一部始終を話してください」
「実は・・・腰痛の治療にきた貴族様に魔法をかけようとしていたのですが・・・私自身あの事件以降・・・その不調でして・・・」
「テレーゼさんも事件に巻き込まれたのですね」
「はい。魔獣が最初に現れた現場にいました。幸い私は逃げることができたのですが、今でも悪夢のようにあの時のことが思い出してしまうのです」
「そう・・・」
彼女も魔獣の被害者のひとりなのでしょう。トラウマになって魔法に集中できない、うまく使うことができないってところかしら。
だが話はそれだけではなかった。
やはりというか準男爵がテレーゼさんに地位をかざして、いやらしい言葉を使ったり体に触れたりしたらしい。
そして抵抗したテレーゼさんに怒った準男爵がクレームをつけて、シスターともども謝らせたとそんな感じだった。
まったく・・・典型的な権力をかざしたセクハラ貴族ね。こんなのがこの国には大勢いる。残念だけど・・・これが現実。
「ニール様」
このままこの準男爵を憲兵に突き出しても権力でもみ消されるのが落ちなので、ニール様に助けを求めた。
きっとニール様ならどうかしてくれると思う。
「シスター、この準男爵殿は今までも同じようなことしていたのではありませんか?」
「そ・・・それは・・・・はい。過去にも何回か、私もその・・・お尻を触られたことがあります」
はい、証言いただきました。
スケベ準男爵はギルティ確定です。女性の敵です。
今回だけならともかく、この手の輩は余罪を調べれば他にも色々と出てくるでしょうね。
しばらくは牢屋にでも入って反省でもしてもらいましょう。
「ルシア様、ニール様、ありがとうございました」
シスターとテレーゼさんにお礼を言われたけど、当たり前のことをしただけのこと。正直同じ貴族として恥ずかしいし、申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう。ホントにごめんなさい。
こんな貴族はダメな貴族は多いし、アリス様のお父様であるこの国の宰相ローランド公爵も頭を悩ませている。
貴族の意識改革を推し進めるためにも、王室と最大派閥である宰相派の影響力を強めていかなければならない。
はあ・・・だというのに国の皇子であるミューラー第一皇子は、この問題を理解しているのかしら・・・理解していないわよね。
いえ、聡明なる殿下のことだから理解していても、それ以外の理由があるのかしら? 国益より大事なこと? 政治的なことなの? 私にはよく分からないわ。
もうこうなったらアリス様にがんばってもらわないとダメね。
アリス様は同性である私から見ても素晴らしい女性だわ。気品溢れる仕草もさることながらその容姿も美しいの。
幼い頃から皇妃となるべく英才教育を受けて、王室のマナーも行事も行えるアリス様はホントに凄いと思う。
私も伯爵家の令嬢として恥ずかしくない教育は受けてきたけど、アリス様のそれとは訳が違う。
私のできることは、アリス様とミューラー殿下の仲を取り持って少しでも国を良くしていく補佐をするだけよ。
また殿下が変なことを言い出さないように注意しないとね。
それだけが心配なの。
いやそれだけじゃなかったわ・・・今夜の舞踏会、あの事件の後だし絶対大変な目に合うわよね。
はあぁぁ・・・憂鬱だわ。
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