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第21話
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1曲目とは違ったテンポがゆっくりの曲。
この曲は練習でなんども踊ったことがあるわ。
これなら何とか恥をかかなくて済むかなと思ったけど・・・いざとなると緊張で思うように足が動かない。
「大丈夫。ルシアならきちんと踊れるよ」
互いに手を握り身体を密着させたニール様が、私に聞こえるようにそっと囁いてくれる。
その言葉が私を安心させるように足が動きだす。
私はニール様のお顔を見つめながら、小刻みにステップを踏む。
幼い頃より貴族令嬢のたしなみとして、舞踏会で堂々と踊れるように猛練習してきたの。それはもう厳しい練習だったわ。
講師の先生はそれはもう厳格な人だったわ。でもそのお蔭で色々なタイプの曲が踊れるようになったわ。
基本を忠実に守りパートナーに恥をかかせないようにステップを踏む。
そんな教育を受けて育ってきた。
でもニール様と踊るのは凄く踊りやすいの。
ニール様のリードがそうさせているのだけれど、まるで私の動きが分かっているみたい。さすが私のニール様♡ 私がどう動くのか分かっているみたい。
優雅にステップを踏みつつ、時には大胆に私の身体を傾斜させる。それでも倒れないのはニール様が支えてくれているから、安心してその身を任せられる。
最初の緊張はどこかに行ったのか、今は純粋にダンスを楽しんでいた。
手と手を握り合い向かい合って踊るは、ニール様と一体になれるような感じがして凄く気持ちがいいの。
身長差がある私とニール様。見上げるように見つめるニール様のお顔は凛々しくてかっこいい。ときおり見せる笑顔が凄まじい破壊力だわ。
そんな瞳で微笑まれたら私の精神がもたないわ。
ドキドキと高鳴る鼓動。でもこの高揚感は嫌いじゃない。それでもニール様の優しい瞳には耐えられない。
これまでも何度もニール様と踊ったことがあるけど、今回は特別だった。婚約もしたし観衆の前で踊るのも初めてだった。
楽しい。ああっ何て楽しくて幸せな時間なのかしら。
永遠とも思える楽しい時間も終わりを告げる時がやってきた。
曲が終わり互いに礼をすると、凄い量の拍手が私たちに送られてくる。
「ええっ!」慌てる私にニール様が「素敵な踊りでしたよ」と言ってくれた。
ニール様との踊りに夢中になっていたけど、きちんと踊れていたのかしら。そんな不安を払しょくさせるようなニール様の笑顔とお声だった。
「ニール様のリードのお蔭で楽しく踊ることができました」
「私もルシアと踊れて楽しかったよ」
きゃああぁぁ・・・嬉しいけど恥ずかしい。
あまりの恥ずかしさに思わず目をそらしてしまう。
私も楽しかったけど、ニール様も私と同じように楽しかったってことよね。
やあぁん嬉しい。
頑張って練習してきた甲斐があったわ。
「ルシア。素敵な踊りだったわよ。見直したわ」
「アリス様ありがとうございます。アリス様ほどではないけど恥はかかないで良いほどには踊れたと思います」
ニール様の手の温もりを感じならアリス様と殿下のいる場所に戻った私に、アリス様が私とニール様の踊りを称賛してくれた。
嬉しい。アリス様に褒めていただけるなんて嬉しいわ。
「素敵な踊りでしたよルシア嬢。次は僕と踊っていただけますよね」
そうだった・・・次はミューラー殿下と踊る約束をしていたのだったわ。
一国の皇子に恥をかかせる訳にはいかないし、覚悟を決めないといけないわね。
「わかりました。殿下よろしくお願いいたします」
差し出された手を取ると殿下は満面の笑みを浮かべた。
そんなに私と踊りたかったのかしら? なんか子どもみたい。
「アリシアーネ様、ぜひ私と踊っていただけませんか」
ふとそんな声が聞こえてきた。この上座にいるのは王族と高位貴族。下位貴族はこの場にはいない。
高位貴族でもアリス様に声をかける相手はそうはいないはず。そう思って相手をみるとジュリアン第二皇子だった。
ジュリアン・ウイリアム・ライオンハート。
この国の第二皇子にしてミューラー第一皇子の腹違いのひとつ年下の弟で、王位継承権も第二位となっている。
私はこの皇子がちょっと苦手なのよね。決して悪い人ではないのだけれど、その性格はちょっと乱暴なところがあり、人を見下すようなところがある。
そんな第二皇子もアリス様には従順だったわね。昔から分かりやすいほど好意を寄せているのが分かっていたけど、アリス様が兄であるミューラー殿下と婚約してからは少し距離を置いていたみたい。
幼い頃は仲の良かった兄弟の仲が悪くなったのもこの頃よね。乱暴になったり反発したりするのも、憧れのお姉さんを兄に奪われた弟って感じかしらね。
アリス様も手のかかる弟みたいって以前言ってたし、残念ながらジュリアン様の恋は成就される可能性は低そうね。
それでも兄弟そろって横恋慕するとか、この国の王族は何を考えているのかしら。
そりゃあ、誰が誰を好きになるのは勝手ですけど、王族の婚姻に自由恋愛は厳しいものがあると思うの。ないとは言わないけど、どうしても政治的なことが優先されてしまう。
望まない結婚も当たり前、姫の場合は他国に嫁ぐ場合もある。
「どこを見ている。ルシア嬢のお相手は私だぞ」
「あっ、申し訳ありません」
少しムッとしたミューラー殿下に手を引かれ、ホールの中心へと向かう。
向かい合い手を握って、ミューラー殿下との踊りが始まった。
この曲は練習でなんども踊ったことがあるわ。
これなら何とか恥をかかなくて済むかなと思ったけど・・・いざとなると緊張で思うように足が動かない。
「大丈夫。ルシアならきちんと踊れるよ」
互いに手を握り身体を密着させたニール様が、私に聞こえるようにそっと囁いてくれる。
その言葉が私を安心させるように足が動きだす。
私はニール様のお顔を見つめながら、小刻みにステップを踏む。
幼い頃より貴族令嬢のたしなみとして、舞踏会で堂々と踊れるように猛練習してきたの。それはもう厳しい練習だったわ。
講師の先生はそれはもう厳格な人だったわ。でもそのお蔭で色々なタイプの曲が踊れるようになったわ。
基本を忠実に守りパートナーに恥をかかせないようにステップを踏む。
そんな教育を受けて育ってきた。
でもニール様と踊るのは凄く踊りやすいの。
ニール様のリードがそうさせているのだけれど、まるで私の動きが分かっているみたい。さすが私のニール様♡ 私がどう動くのか分かっているみたい。
優雅にステップを踏みつつ、時には大胆に私の身体を傾斜させる。それでも倒れないのはニール様が支えてくれているから、安心してその身を任せられる。
最初の緊張はどこかに行ったのか、今は純粋にダンスを楽しんでいた。
手と手を握り合い向かい合って踊るは、ニール様と一体になれるような感じがして凄く気持ちがいいの。
身長差がある私とニール様。見上げるように見つめるニール様のお顔は凛々しくてかっこいい。ときおり見せる笑顔が凄まじい破壊力だわ。
そんな瞳で微笑まれたら私の精神がもたないわ。
ドキドキと高鳴る鼓動。でもこの高揚感は嫌いじゃない。それでもニール様の優しい瞳には耐えられない。
これまでも何度もニール様と踊ったことがあるけど、今回は特別だった。婚約もしたし観衆の前で踊るのも初めてだった。
楽しい。ああっ何て楽しくて幸せな時間なのかしら。
永遠とも思える楽しい時間も終わりを告げる時がやってきた。
曲が終わり互いに礼をすると、凄い量の拍手が私たちに送られてくる。
「ええっ!」慌てる私にニール様が「素敵な踊りでしたよ」と言ってくれた。
ニール様との踊りに夢中になっていたけど、きちんと踊れていたのかしら。そんな不安を払しょくさせるようなニール様の笑顔とお声だった。
「ニール様のリードのお蔭で楽しく踊ることができました」
「私もルシアと踊れて楽しかったよ」
きゃああぁぁ・・・嬉しいけど恥ずかしい。
あまりの恥ずかしさに思わず目をそらしてしまう。
私も楽しかったけど、ニール様も私と同じように楽しかったってことよね。
やあぁん嬉しい。
頑張って練習してきた甲斐があったわ。
「ルシア。素敵な踊りだったわよ。見直したわ」
「アリス様ありがとうございます。アリス様ほどではないけど恥はかかないで良いほどには踊れたと思います」
ニール様の手の温もりを感じならアリス様と殿下のいる場所に戻った私に、アリス様が私とニール様の踊りを称賛してくれた。
嬉しい。アリス様に褒めていただけるなんて嬉しいわ。
「素敵な踊りでしたよルシア嬢。次は僕と踊っていただけますよね」
そうだった・・・次はミューラー殿下と踊る約束をしていたのだったわ。
一国の皇子に恥をかかせる訳にはいかないし、覚悟を決めないといけないわね。
「わかりました。殿下よろしくお願いいたします」
差し出された手を取ると殿下は満面の笑みを浮かべた。
そんなに私と踊りたかったのかしら? なんか子どもみたい。
「アリシアーネ様、ぜひ私と踊っていただけませんか」
ふとそんな声が聞こえてきた。この上座にいるのは王族と高位貴族。下位貴族はこの場にはいない。
高位貴族でもアリス様に声をかける相手はそうはいないはず。そう思って相手をみるとジュリアン第二皇子だった。
ジュリアン・ウイリアム・ライオンハート。
この国の第二皇子にしてミューラー第一皇子の腹違いのひとつ年下の弟で、王位継承権も第二位となっている。
私はこの皇子がちょっと苦手なのよね。決して悪い人ではないのだけれど、その性格はちょっと乱暴なところがあり、人を見下すようなところがある。
そんな第二皇子もアリス様には従順だったわね。昔から分かりやすいほど好意を寄せているのが分かっていたけど、アリス様が兄であるミューラー殿下と婚約してからは少し距離を置いていたみたい。
幼い頃は仲の良かった兄弟の仲が悪くなったのもこの頃よね。乱暴になったり反発したりするのも、憧れのお姉さんを兄に奪われた弟って感じかしらね。
アリス様も手のかかる弟みたいって以前言ってたし、残念ながらジュリアン様の恋は成就される可能性は低そうね。
それでも兄弟そろって横恋慕するとか、この国の王族は何を考えているのかしら。
そりゃあ、誰が誰を好きになるのは勝手ですけど、王族の婚姻に自由恋愛は厳しいものがあると思うの。ないとは言わないけど、どうしても政治的なことが優先されてしまう。
望まない結婚も当たり前、姫の場合は他国に嫁ぐ場合もある。
「どこを見ている。ルシア嬢のお相手は私だぞ」
「あっ、申し訳ありません」
少しムッとしたミューラー殿下に手を引かれ、ホールの中心へと向かう。
向かい合い手を握って、ミューラー殿下との踊りが始まった。
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