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第1章 迷宮創生編
第47話 港町でデートです
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地上に降りて、大地の感触を堪能する。
「次は私の番ねって言いたいところだけれど、先にお昼ご飯にしましょう」
ラッセリア先生が、もうお昼の時間だと教えてくれる。
「そうだね。色々追加機能付けたいし、何より休憩したいよ」
ホントに疲れたよ、特に精神的に・・・
「ご飯だ~ 今日は何かな~。ヤマト様、また後で乗せてね」
「乗るのは良いけど、もう一緒には乗らないよ!」
ステラさんの絶叫マシンに乗るのは、もうこりごりだ。
「ええ~! 何で? 私とのお空デート楽しくなかったの?」
「お空デートは俺の操縦なら良いよ」
「それじゃ意味ないよ~」
「じゃあ、ひとりか誰か別の人と乗ってくれ!」
「そんなぁ~ ねえ♡一緒に乗ろうよぉ♡」
こら! 胸を押し付けてくるな! 卑怯だぞ!
ああっ・・腕に押し付けられる柔らかいおっぱいが・・・
「次は私だからな!」
ステラさんに対抗して、逆の腕に抱きついてくるラッセリア先生。厳格な彼女にしては珍しい行動だった。
「あら、先生まで大胆ね」
「ここでは、いやヤマト君について、遠慮してると損をするとわかったからな」
「生徒にまで出し抜かれているからね」
クスクスと笑うステラさん。
「それを言うな!」
少し怒ったラッセリア先生。
しかしホントに怒った訳ではなく、お互いに笑い合う美人ふたり。
両腕に柔らかいおっぱいの感触。えへ
皆で談笑しながらお昼ご飯を食べている。
「そこで、デカい空飛ぶ巨大な蛇に遭遇したのよ!」
興奮気味に話すステラさん。
「よく無事に帰ってこれたわね」
「ホントだよ。モンスターより、ステラさんの操縦の方が怖かったよ!」
「ああ~ 酷い!」
抗議の声を上げるステラさん。
だがシルエラを始め、ステラさんの運転する魔動ミニバンに乗ったことがあるメンバーは、そのことを思い出しているようで、なんとも言えない表情を浮かべている。
「でも飛行機の目処がついたとこだから、港町にもいけるな~ 珍しい物の買い出しもしたいし」
「港町ですか?」
「そそ、海産物とかこの辺じゃ食べれないだろ?」
「食べたいです! 生ものは痛みやすいですからね」
「日持ちする乾物しか流通してないもんね」
港町に行って色々買い物したいな。皆も海産物に興味があるらしい。
「港町に行ったら、瑞希ちゃんにも会えるかな? 会えるといいな~ 元気にしてるかな?」
「瑞希ちゃん?・・・ちゃん?」
「えっ!?」
シルエラのその一声で、その場が凍り付く。
「ちょおっとヤマト様、説明してもらいましょうか? 瑞希ちゃんとは女性の方ですよね?」
「は、はい」
蛇に睨まれたカエルのように答える俺。
「さぞ、可愛らしい方なのでしょうね~ ヤマト様が会えるのを楽しみにしてるなんて、でっ!? どんな方なのかしら?」
恐る恐る答える俺。
「瑞希ちゃんは、俺と同じように日本から召喚された異世界人だよ。 歳はシルエラと同じくらいじゃないかな? 高校生だったし」
「高校生? 学生だったのですね」
「それで、ヤマト様と同じ世界からきたと」
「そうです」
か細い声で答える俺。
「シルエラさん」
「先生、分かっていますわ」
シルエラが、ラッセリア先生の問いかけに頷いている。
「ヤマト様、私も港町に連れて行って下さい! 魔動機は二人乗りなのでしょう?」
「シルエラさん?」
「拒否は許しません! ヤマト様に悪い虫が近付かないように、見張っていないといけませんし。分かりましたか? ヤマト様」
「ハ、ハイ!」
シルエラの威圧に即答する。
「わかればよろしいです。皆さんもいいですね」
「ああ」「良いわよ」
皆もそれで良いようで返事をしている。
「ぎゃははっ・・シルエラの尻に敷かれるヤマト殿・・・ああっ面白れぇ~」
大笑いするリュネールさん。
「女にだらしがないからね。 誰かさんは」
「見張ってないと駄目ね~ 任せたわよ。 シルエラさん!」
「悪い虫・・・クスクス」
それぞれ散々なことを言ってくる。反論できないのが悔しい。
食事を終え、機体にさらなる改良をする。
武装の取り付けと、誰でも乗れて現在地が分かるように地図データを表示させる。この世界にGPSは無いので、行ったことがある範囲でしか表示できないのが難点だが、現在地とレーダーとして使える。
シンプルだった操縦席も、速度計や高度計などの計器類が付き、それっぽくなっている。
推進力も風と火の混合魔法でイザという時は、ブーストができるように改良した。
ブースト、アフターバーナーはかなりの魔力消費と、Gもかかるだろうと予想される。多用はできないだろうが緊急時には必要だろう。
ラッセリアとの試験飛行デートも同時におこなった。どこかのぶっ飛び狐と違って安心できる。
「おまたせしました! これが新しい魔動機なのですね」
着替えを済ましたシルエラが声をかけてくる。
「どうですか? この服?」
胸元が大胆に開いたフリルのついたロング丈のワンピースをまとったシルエラが、感想を聞いてくる。
これはアレだな。褒めて欲しんだな。
左右非対称アシンメトリーのデザインで、ふんわりと広がるフレアスカートが可愛いだけでなく清楚で品が感じられる。
まじでかわいいのだけど・・・どう褒めればいいのだろうか。
「シルエラらしい大人かわいい服だね。良く似合ってるよ! シルエラには、やっぱり白が似合うね」
「そう? お世辞でも嬉しいわ」
「別に着がえなくてもよかったのに」
「そうはいきませんわ! 私のこの胸でヤマト様をお守りします!」
そう言って腕を組むシルエラ・・・その巨乳が・・・思わずゴクリと唾を飲み込む。
「そ、そうですか・・・」
「じゃあ、行ってきますね」
「しっかり、ヤマト君を見張ってるんだよ」
「お見上げよろしくぅ~」
皆に見送られて、浮かびあがる新型魔動機。
「うわ~ 凄い高い! ホントに空を飛んでいるわ」
興奮するシルエラ。俺もシートベルトを付けているシルエラに興奮している。斜め掛けにされたベルトがおっぱいの谷間に食い込み、そのデカさを主張しているからだ。
パイスラッシュの破壊力、恐るべし!
そんなことを考えていると海が見えてくる。
「わぁ~ 海だわ~ 私、初めてみるわぁ」
山育ちのシルエラだ、海を見てはしゃいでいる。
「この辺りに着陸しよう」
「町まで行かないのですか?」
「魔動機で行って混乱が起きると面倒だからな。ここから歩いて行こう」
「そうね。わかったわ」
港町から少し離れた丘に降りた俺たちは、街道を歩いて町まで行くことにした。
海に近づくにつれ、独特な磯の香りが増してくる。
町の入り口に到着し、今は検問待ちの行列に並んでいる。
「ようこそ! イセの町へ。観光ですか?」
門番の兵士が訪ねてくる。
「ええ、海の幸を楽しみにしているの」
「そうですか、新鮮な海の幸を楽しんで行ってくださいね」
シルエラの言葉と美貌にあてられた門番は、ろくな身分証明もせずにすんなりと通してくれた。
いいのかそれでと思ったが、平和な港町で美少女と男ひとりの旅人、しかもろくな荷物も持っていないのだ。どう見ても旅人には見えない。
どこかの令嬢とその従者、もしくは恋人と思ったから簡易検査にしたのかもしれない。
まあトラブルが起きなくてよかったよ。
「見て見て! ヤマト様、綺麗なお魚!」
初めてきた町、しかも港町だ! ブルストの街や、ミカワの街とは雰囲気が違う。シルエラも俺も独特の雰囲気と商店街の活気に興奮気味だ。
恋人繋ぎで店の店頭に並んだ魚や商品を見て回る。
「ねえちゃん、可愛いねえ!彼氏とデートかい?」
魚屋のおっちゃんが、シルエラに声をかけてくる。
「彼氏とデート・・やあん、おじさんたらっ」
「どうだい? 新鮮な魚が揃っているよ。よかったら、買っていかないかい? ねえちゃん可愛いからサービスするよ」
「この魚は何て名前なの?」
「これはカサゴだよ! 煮つけにすると美味しいよ」
「こっちの魚は?」
「これはキス。こっちの魚は太刀魚にスズキだよ」
「キス!?」
「刺身や塩焼きが美味しいよ」
キスと言う単語に過敏に反応するシルエラ、俺としては天ぷらで食べたいぞ。
「ヤマト様、買ってもいいでしょうか?」
「そうだね。せっかくだし買って帰ろうか」
「まいど! 何をご所望で?」
「全部くれ!」
「はっ!?」
「聞こえなかったか? 店にある魚全部買うと言ったんだよ」
「ヤマト様? そんなに?」
「皆で食べれば、すぐになくなっちゃうよ」
「旦那! ホントによろしいのですか?」
「ああ、金ならある。それに空間収納もある。いくらだ?」
唖然とするおっちゃんが、我にかえり必死に勘定を計算している。
ちょっと可哀想になってきた。
「旦那! よかったらウチの店も、見てってくれないかい?」
必死に計算しているおっちゃんを尻目に、となりの店のおじちゃんがここぞとばかりに声をかけてくる。
「どれどれ?」
隣の店は、貝や海老・蟹を売っているようだ。
「よし、買おう!」
「毎度♪」
辺りがちょっとした騒ぎになってきたので、代金を払いさっさとこの場を離れることにしよう。
小売店より、どこかの大きな商会と取引した方が良さそうだ。
事情を話すと、気を良くしたおっちゃんが町の商会まで案内してくれることになった。
「ありがとね。わざわざ案内までしてくれて」
「こっちこそ、旦那には世話になったよ。これぐらいさせてくれよ」
その後、町の有力者である商会の代表に会うこともでき、定期的な取引と街道の整備をすることを約束した。
商会の館を出た所で、4人の冒険者風の女性が待ち換えていた。
「やっぱり宮代さんだ!」
見覚えのある顔立ちに、この声、この感じ。
「瑞希ちゃん」
「久しぶりね。元気だった?」
元気に挨拶をしてくる瑞希ちゃん。制服姿ではなく、冒険者が身に着けるような軽装の鎧姿に、陣羽織を纏っている。
その姿は可愛いと言うより凛々しくかっこいい。
「この方が瑞希さん?」
「ああ、紹介するよ。日本からきた瑞希ちゃんに、こっちが俺の彼女のシルエラ」
シルエラに瑞希ちゃんを紹介する。後ろの女性は知らない人だ。
「始めまして、シルエラと申します」
淑女のようにカーテシーをするシルエラ。
「彼女? もう彼女ができたの?」
「そうだけど? 瑞希ちゃんは彼氏とかできたの?」
「ま、まだだけど・・・そっか、彼女できたんだ・・・」
少し残念そうな顔をする瑞希ちゃん、気のせいかな?
「私は、那覇瑞希、日本人よって言ってもわかんないか?」
「事情はヤマト様からお聞きしています。それよりそちらの女性は?」
こちらは普通に自己紹介する瑞希ちゃん。
シルエラも俺も、瑞希ちゃんの後ろの3人の和風美人が気になっていた。
「失礼、私は織田 紗弓、こっちは従者の十六夜 綾乃に夕凪よ」
「織田? もしかして」
「もしかしなくても、綾乃はあの織田信長の娘よ」
瑞希ちゃんから紹介された女性は、なんと信長様の娘だった。
「次は私の番ねって言いたいところだけれど、先にお昼ご飯にしましょう」
ラッセリア先生が、もうお昼の時間だと教えてくれる。
「そうだね。色々追加機能付けたいし、何より休憩したいよ」
ホントに疲れたよ、特に精神的に・・・
「ご飯だ~ 今日は何かな~。ヤマト様、また後で乗せてね」
「乗るのは良いけど、もう一緒には乗らないよ!」
ステラさんの絶叫マシンに乗るのは、もうこりごりだ。
「ええ~! 何で? 私とのお空デート楽しくなかったの?」
「お空デートは俺の操縦なら良いよ」
「それじゃ意味ないよ~」
「じゃあ、ひとりか誰か別の人と乗ってくれ!」
「そんなぁ~ ねえ♡一緒に乗ろうよぉ♡」
こら! 胸を押し付けてくるな! 卑怯だぞ!
ああっ・・腕に押し付けられる柔らかいおっぱいが・・・
「次は私だからな!」
ステラさんに対抗して、逆の腕に抱きついてくるラッセリア先生。厳格な彼女にしては珍しい行動だった。
「あら、先生まで大胆ね」
「ここでは、いやヤマト君について、遠慮してると損をするとわかったからな」
「生徒にまで出し抜かれているからね」
クスクスと笑うステラさん。
「それを言うな!」
少し怒ったラッセリア先生。
しかしホントに怒った訳ではなく、お互いに笑い合う美人ふたり。
両腕に柔らかいおっぱいの感触。えへ
皆で談笑しながらお昼ご飯を食べている。
「そこで、デカい空飛ぶ巨大な蛇に遭遇したのよ!」
興奮気味に話すステラさん。
「よく無事に帰ってこれたわね」
「ホントだよ。モンスターより、ステラさんの操縦の方が怖かったよ!」
「ああ~ 酷い!」
抗議の声を上げるステラさん。
だがシルエラを始め、ステラさんの運転する魔動ミニバンに乗ったことがあるメンバーは、そのことを思い出しているようで、なんとも言えない表情を浮かべている。
「でも飛行機の目処がついたとこだから、港町にもいけるな~ 珍しい物の買い出しもしたいし」
「港町ですか?」
「そそ、海産物とかこの辺じゃ食べれないだろ?」
「食べたいです! 生ものは痛みやすいですからね」
「日持ちする乾物しか流通してないもんね」
港町に行って色々買い物したいな。皆も海産物に興味があるらしい。
「港町に行ったら、瑞希ちゃんにも会えるかな? 会えるといいな~ 元気にしてるかな?」
「瑞希ちゃん?・・・ちゃん?」
「えっ!?」
シルエラのその一声で、その場が凍り付く。
「ちょおっとヤマト様、説明してもらいましょうか? 瑞希ちゃんとは女性の方ですよね?」
「は、はい」
蛇に睨まれたカエルのように答える俺。
「さぞ、可愛らしい方なのでしょうね~ ヤマト様が会えるのを楽しみにしてるなんて、でっ!? どんな方なのかしら?」
恐る恐る答える俺。
「瑞希ちゃんは、俺と同じように日本から召喚された異世界人だよ。 歳はシルエラと同じくらいじゃないかな? 高校生だったし」
「高校生? 学生だったのですね」
「それで、ヤマト様と同じ世界からきたと」
「そうです」
か細い声で答える俺。
「シルエラさん」
「先生、分かっていますわ」
シルエラが、ラッセリア先生の問いかけに頷いている。
「ヤマト様、私も港町に連れて行って下さい! 魔動機は二人乗りなのでしょう?」
「シルエラさん?」
「拒否は許しません! ヤマト様に悪い虫が近付かないように、見張っていないといけませんし。分かりましたか? ヤマト様」
「ハ、ハイ!」
シルエラの威圧に即答する。
「わかればよろしいです。皆さんもいいですね」
「ああ」「良いわよ」
皆もそれで良いようで返事をしている。
「ぎゃははっ・・シルエラの尻に敷かれるヤマト殿・・・ああっ面白れぇ~」
大笑いするリュネールさん。
「女にだらしがないからね。 誰かさんは」
「見張ってないと駄目ね~ 任せたわよ。 シルエラさん!」
「悪い虫・・・クスクス」
それぞれ散々なことを言ってくる。反論できないのが悔しい。
食事を終え、機体にさらなる改良をする。
武装の取り付けと、誰でも乗れて現在地が分かるように地図データを表示させる。この世界にGPSは無いので、行ったことがある範囲でしか表示できないのが難点だが、現在地とレーダーとして使える。
シンプルだった操縦席も、速度計や高度計などの計器類が付き、それっぽくなっている。
推進力も風と火の混合魔法でイザという時は、ブーストができるように改良した。
ブースト、アフターバーナーはかなりの魔力消費と、Gもかかるだろうと予想される。多用はできないだろうが緊急時には必要だろう。
ラッセリアとの試験飛行デートも同時におこなった。どこかのぶっ飛び狐と違って安心できる。
「おまたせしました! これが新しい魔動機なのですね」
着替えを済ましたシルエラが声をかけてくる。
「どうですか? この服?」
胸元が大胆に開いたフリルのついたロング丈のワンピースをまとったシルエラが、感想を聞いてくる。
これはアレだな。褒めて欲しんだな。
左右非対称アシンメトリーのデザインで、ふんわりと広がるフレアスカートが可愛いだけでなく清楚で品が感じられる。
まじでかわいいのだけど・・・どう褒めればいいのだろうか。
「シルエラらしい大人かわいい服だね。良く似合ってるよ! シルエラには、やっぱり白が似合うね」
「そう? お世辞でも嬉しいわ」
「別に着がえなくてもよかったのに」
「そうはいきませんわ! 私のこの胸でヤマト様をお守りします!」
そう言って腕を組むシルエラ・・・その巨乳が・・・思わずゴクリと唾を飲み込む。
「そ、そうですか・・・」
「じゃあ、行ってきますね」
「しっかり、ヤマト君を見張ってるんだよ」
「お見上げよろしくぅ~」
皆に見送られて、浮かびあがる新型魔動機。
「うわ~ 凄い高い! ホントに空を飛んでいるわ」
興奮するシルエラ。俺もシートベルトを付けているシルエラに興奮している。斜め掛けにされたベルトがおっぱいの谷間に食い込み、そのデカさを主張しているからだ。
パイスラッシュの破壊力、恐るべし!
そんなことを考えていると海が見えてくる。
「わぁ~ 海だわ~ 私、初めてみるわぁ」
山育ちのシルエラだ、海を見てはしゃいでいる。
「この辺りに着陸しよう」
「町まで行かないのですか?」
「魔動機で行って混乱が起きると面倒だからな。ここから歩いて行こう」
「そうね。わかったわ」
港町から少し離れた丘に降りた俺たちは、街道を歩いて町まで行くことにした。
海に近づくにつれ、独特な磯の香りが増してくる。
町の入り口に到着し、今は検問待ちの行列に並んでいる。
「ようこそ! イセの町へ。観光ですか?」
門番の兵士が訪ねてくる。
「ええ、海の幸を楽しみにしているの」
「そうですか、新鮮な海の幸を楽しんで行ってくださいね」
シルエラの言葉と美貌にあてられた門番は、ろくな身分証明もせずにすんなりと通してくれた。
いいのかそれでと思ったが、平和な港町で美少女と男ひとりの旅人、しかもろくな荷物も持っていないのだ。どう見ても旅人には見えない。
どこかの令嬢とその従者、もしくは恋人と思ったから簡易検査にしたのかもしれない。
まあトラブルが起きなくてよかったよ。
「見て見て! ヤマト様、綺麗なお魚!」
初めてきた町、しかも港町だ! ブルストの街や、ミカワの街とは雰囲気が違う。シルエラも俺も独特の雰囲気と商店街の活気に興奮気味だ。
恋人繋ぎで店の店頭に並んだ魚や商品を見て回る。
「ねえちゃん、可愛いねえ!彼氏とデートかい?」
魚屋のおっちゃんが、シルエラに声をかけてくる。
「彼氏とデート・・やあん、おじさんたらっ」
「どうだい? 新鮮な魚が揃っているよ。よかったら、買っていかないかい? ねえちゃん可愛いからサービスするよ」
「この魚は何て名前なの?」
「これはカサゴだよ! 煮つけにすると美味しいよ」
「こっちの魚は?」
「これはキス。こっちの魚は太刀魚にスズキだよ」
「キス!?」
「刺身や塩焼きが美味しいよ」
キスと言う単語に過敏に反応するシルエラ、俺としては天ぷらで食べたいぞ。
「ヤマト様、買ってもいいでしょうか?」
「そうだね。せっかくだし買って帰ろうか」
「まいど! 何をご所望で?」
「全部くれ!」
「はっ!?」
「聞こえなかったか? 店にある魚全部買うと言ったんだよ」
「ヤマト様? そんなに?」
「皆で食べれば、すぐになくなっちゃうよ」
「旦那! ホントによろしいのですか?」
「ああ、金ならある。それに空間収納もある。いくらだ?」
唖然とするおっちゃんが、我にかえり必死に勘定を計算している。
ちょっと可哀想になってきた。
「旦那! よかったらウチの店も、見てってくれないかい?」
必死に計算しているおっちゃんを尻目に、となりの店のおじちゃんがここぞとばかりに声をかけてくる。
「どれどれ?」
隣の店は、貝や海老・蟹を売っているようだ。
「よし、買おう!」
「毎度♪」
辺りがちょっとした騒ぎになってきたので、代金を払いさっさとこの場を離れることにしよう。
小売店より、どこかの大きな商会と取引した方が良さそうだ。
事情を話すと、気を良くしたおっちゃんが町の商会まで案内してくれることになった。
「ありがとね。わざわざ案内までしてくれて」
「こっちこそ、旦那には世話になったよ。これぐらいさせてくれよ」
その後、町の有力者である商会の代表に会うこともでき、定期的な取引と街道の整備をすることを約束した。
商会の館を出た所で、4人の冒険者風の女性が待ち換えていた。
「やっぱり宮代さんだ!」
見覚えのある顔立ちに、この声、この感じ。
「瑞希ちゃん」
「久しぶりね。元気だった?」
元気に挨拶をしてくる瑞希ちゃん。制服姿ではなく、冒険者が身に着けるような軽装の鎧姿に、陣羽織を纏っている。
その姿は可愛いと言うより凛々しくかっこいい。
「この方が瑞希さん?」
「ああ、紹介するよ。日本からきた瑞希ちゃんに、こっちが俺の彼女のシルエラ」
シルエラに瑞希ちゃんを紹介する。後ろの女性は知らない人だ。
「始めまして、シルエラと申します」
淑女のようにカーテシーをするシルエラ。
「彼女? もう彼女ができたの?」
「そうだけど? 瑞希ちゃんは彼氏とかできたの?」
「ま、まだだけど・・・そっか、彼女できたんだ・・・」
少し残念そうな顔をする瑞希ちゃん、気のせいかな?
「私は、那覇瑞希、日本人よって言ってもわかんないか?」
「事情はヤマト様からお聞きしています。それよりそちらの女性は?」
こちらは普通に自己紹介する瑞希ちゃん。
シルエラも俺も、瑞希ちゃんの後ろの3人の和風美人が気になっていた。
「失礼、私は織田 紗弓、こっちは従者の十六夜 綾乃に夕凪よ」
「織田? もしかして」
「もしかしなくても、綾乃はあの織田信長の娘よ」
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