83 / 101
第2章 迷宮成長編
第80話 学び舎
しおりを挟む
ヤマト様の声がする。
昨日はそれはもう甘美な夜だったわ。リュネールとロザリーの3人で大和様のお相手をしたのだけれど・・・・3人ともあえなく撃沈したわ。
私も何度も何度も絶頂に達し力尽きた・・・と思うから・・・もう少し・・もう少しだけ寝かせて・・・・・んんんっ♡ ちょっと♡ そんなとこグリグリしないでぇ♡ やあぁぁぁん♡ 起きるから起きるから止めて。
「寝ぼけていないでよく見ろ!」
もう朝から何だってのよ。眠いんだからね私は・・・・よく見ろって。
「え? なによ・・・・ええぇぇぇぇぇぇ!!」
ベットの上で起き上がった私が見たもの。
きつね色のしっぽ。私の意思で揺れ動くしっぽが何と3本に増えているではないか。
ちょっと前まで1本だったしっぽ。
そのしっぽが増えたのがつい先日。そしてまたしっぽが増えた。
妖狐族の力の象徴でもあるしっぽの数。
大多数の妖狐族は1本であり、有力者で2本。私の知る限り3本なのは族長であるお婆様ただひとり。
ということは私の妖狐族でのランクはお婆様に匹敵するということになる。
その意味するもの・・・・それは私が妖狐族の次期族長候補になるということに他ならない。獣人族は実力者がその地位を受け継ぐ。妖狐族も同様であり、その候補者は皆2本のしっぽを持っている。
私はその候補者を一気に飛び越えてしまった。
これは一度、里に帰らないといかないわね。
「やっぱりヤマト様のお陰で魔力が上がったみたい。この短期間でまた増えるとは夢にも思わなかったわ」
「だよね。俺もビックリだよ」
「このままヤマト様のおそばにいてエッチなことしてたら、益々力が増えちゃうわね。うふふふふふふふ」
「ちょっと怖いんですけど・・・・」
「ヤマト様はこのままで良いのです。このままでね♡」
そうこのままエッチなヤマト様なら、いずれ私も・・・うふふふ楽しみだわ♡
◇ ◇ ◇
ブルストの街中に俺が周辺3郡の領主に任命されたことが徐々に広がり始め一日が過ぎた。もう街はお祭り騒ぎだった。
辞令とともに発表された新事業。
魔動機を利用した都市間を結ぶ輸送業に人々は歓喜した。
街に居れば誰もが一度は見たことがある魔力で動く魔動機。
その形は様々で、馬車のように人を乗せ速く走る機種から、荷物を運搬する機種、土木工事をする機種まである。
それが身近な存在になるのだから、人々の喜びようは計り知れない。
道行く人々から声援を受けながらやってきたのは学校の建設予定地。
既に整地は終り校舎の基礎工事に入っている。
土木特化の魔動機による鉄骨の組み立て作業は迅速かつ正確だ。それが終われば外装工事へと進んで行く。
3階建ての校舎はちょっとオシャレなキャンパスをイメージしてある。これにシルエラとミスティ協力のもと樹木を植えれば、技術学校の学生たちも満足できるオシャレなキャンパスが完成するだろう。
ラッセリアたちの喜ぶ顔が早く見たいぜなどと考えていると、待ちに待った彼女たちを乗せた飛行タイプの魔動機が帰還してきた。
領主館の裏庭にゆっくりと着陸する魔動機。姿勢制御も完璧だな。
「お帰り~」
「ヤマト君。ただいま」
「ただいまです」
「皆もお帰り」
「あれっ? 君は確か」
「はい。冨田 麻由里です。先生に無理言ってついてきちゃいました」
ラッセリアたちと共に魔動機から降り立ったのは、技術学校の生徒である麻由里ちゃん。錬金術師になることを夢見るエルフ娘ちゃんだ。
性に興味があったのを良いことに、なし崩し的に俺に処女を捧げた娘のそれは完全にハマってしまったことを意味しているなこれ。
「麻由里ちゃん歓迎するよ。ようこそブルストの街へ」
「ちょっとヤマト君。こっちへ」
帰ってきたラッセリアに言われるまま別室へと連れていかれた俺。
そこではシルエラを踏まえた話し合いが行われた。
議題は麻由里ちゃんの扱いについてだった。
「本人のたっての希望により、他の学生に先立ち連れてきたがどうしたものかと思ってな。シルエラさんはどうしたらいいと思う?」
「そうですね。ヤマト様と関係を持ってしまったのは仕方がないことですが、とりあえずその関係性はハッキリすべきですね」
「とすると今現在の関係は、領主であるヤマト君に恋する学生ということになるかな? 少なくとも恋人ではない」
「ヤマト様もそれでいいですね?」
「・・・・はい。その通りでございます」
「ではそういうことで」
ねえ? この話し合いに俺が出る必要あるの? どうみても必要ないよね? もうこれ、ただの脅しじゃん。よその女に手を出すなっていう脅しじゃん。
「麻由里。君の住む学生寮はまだ完成していないので、それまではすまないがホテル暮らしになるが許してほしい」
「ホテルってあの高い建物ですよね? ヤマト様のお屋敷に泊まれないのは残念ですがあっちも興味あります」
「え~ 麻由里も一緒に暮らすんじゃないの? せっかく楽しみにしてたのに」
「わがまま言うんじゃありません。先生としても保護者としても、大事な生徒を危険人物のもとになど住まわせられるか!」
「危険人物って言い方!」
「ぶうぅぅ! なら私たちはどうなの?」
「お前らはもう手遅れだ。だが節度は守ってくれよ。でないと預かった親御さんに申し訳ないからな」
「う~ん分かったよ。麻由里ごめんね」
「仕方ないよ。無理言ってついてきたの私だし。皆に迷惑かけれないもん」
いい子や。この子凄く良い子や。
「なれない魔動機の操縦疲れたろ? 食事を用意させるから部屋でゆっくり休むといいよ。その代わり明日からはしっかり働いてもらうからさ」
「ありがと。そうさせてもらうよ」
「奥様、アルデリア様お帰りなさいませ」
「ヤマト様こちらは?」
「ああ、初対面だったね。彼女は信長様の専属料理人でこの街に修行に来ているんだ。後何人か派遣されるらしいからよろしくね」
「ご紹介にあずかりました妙子と申します。以後お見知りおきをお願いします」
「奥様ってなんか恥ずかしいけど、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「ねえヤマト様。この街に修行に来たってことは、信長様がヤマト様の料理気に入ったってことだよね?」
「そうだよ。アルデリアちゃんの作ったスイーツの数々、全部信長様が食べちゃった。もう空間収納の中まで空っぽだよ。どんだけ気に入ったかってくらいもの凄い勢いで食べるんだからビックリするよマジで」
信長様がお忍びでやってきたことは黙っておこう。いずれ知ることになるかも知れないけど、今はいらん心配はかけたくない。
一般人である彼女らが魔王様に会うことなど普通はない。ないはずなのに既に前例があるから恐ろしい・・・・・アルデリアちゃんなんて絶対気絶しちゃうよ。
ここまでやってこないように妙子さんに頑張ってもらうしかない。
シルエラと妙子さんの作った食事を堪能した後は、配属されてくる人員の受け入れとスイーツの受け渡しが待っている。
学生たちには帰ってきて早々申し訳ないが、校舎の建設を手伝ってもらおう。
麻由里ちゃんも魔法を使ったコンクリート圧縮工法は、良い実地訓練になるだろうし、何よりも自分たちの使う校舎だ。自分たちで作り上げれば思い入れも沸くだろうし勉強にもなる。まさに一石二鳥だね。
転移陣を使ってやってきたのは武士団と妙子さんの部下たち。
武士団についてはもう打ち合わせが済んでいる。
500人の兵士のうち300人はここブルストの街に駐在。残り200人は各市町村へと赴き、現地の兵士や自警団と連携することになっている。
突然やってきた兵士と現地の住民では、色々軋轢があるかも知れないが上手くやってもらうしかない。くれぐれも兵士による乱暴狼藉などが起きないように、法を厳罰化しないといけないな。
武士団の面々は初めて見るブルストの街並みに驚愕している。
辺境の地への配属だと思っていた者もいると思うが、ところがどっこいここは時代の最先端を行く街なのだよ。
心配しなくても500人の兵士はローテーション組むから安心してほしい。でないと近隣の農村勤務の兵士から不満が漏れるからね。
「では第1回魔動機講習会を開きます」
俺の言葉に領主館大会議室が湧いた。
魔動機を一般に導入するにあたり問題になるのがその取扱い。
便利な道具も使い方を間違えれば凶器にもなる。魔動機も同様だし武装も装備しているのだから慎重にもなるのは仕方がない。
大会議室に集まってもらったのは選ばれた人々。
事前に告知していた各商会の役員や従業員。
そして武士団から数名。さしあたって各市町村へと配属される代表者に集まってもらったのだ。各市町村への移動は馬より魔動機を使った方が早いからな。
まずは交通ルールを示した教本を見ながらの解説と質疑応答。いかんせん交通ルールと言っても信号も横断歩道もないのだから簡単なものだ。
それが終われば魔動機の説明だ。使用用途によって違いはあるものの基本的なことは一緒。ハンドルとアクセル、ブレーキで動くのだ。
魔動機といっても中身はゴーレム。命令さえ与えれば自動でも動くし、手動でも動かせる。その操作方法はゲームセンターのゲーム機に近い。
そして実際に魔動機を使っての訓練なのだが・・・・・教官役を務めるのは暴走狐のステラさんだ。本人がやりたいと言い出して聞かないのだ。
いつものローブ姿とは違いカジュアルな服装に身を包んだステラさん。
これには生徒となる各商会の方々も喜んだ。見た目の麗しい美女から魔動機の操作方を受けれるのだから、男なら誰しも喜ぶというもの。
だがこれは罠だ。騙されてはいけない。
デモンストレーションと称して数人の生徒を魔動機に乗せ走り出した。
そして辺りに木霊する悲鳴・・・・哀れな。
スキール音を響かせ派手なドリフトを決める教習車。
うん。あれには乗りたくない。
コースを1周して戻ってきた教習車。
同乗していた生徒は皆ぐったりしており、泡を吹いて失神している者までいた。
これには見ていた各商会の人々もドン引きだった。分かるぞその気持ち。
ステラさんの洗礼が終わり、各自練習走行に入っていく。
あんな目に遭いながらも教官として人気があるステラさんには驚愕だね。でも残念ながら人妻だからね。アイドル化するのは良いけど、手を出したらどういう目に合うか分かっているよね?
教習車でひととおりの練習をつんだ者は次のステップに進んで行く。
各市町村を結ぶ連絡バス、資材を運ぶトラックなど、その用途に合わせた魔動機を用意して試乗してみるのだ。
俺自身そんな用途の車両を運転したことないので、実際に運用してみて不具合があれば修正していく形だ。
そんな折にディアドラから連絡が入った。
あの淫魔から連絡があるということは迷宮関連なのだろう。
もしくだらんことで呼び出したらタダじゃおかないぞ。
向かった先はプレジールの塔、最上階である第10層。
転移陣を使いディアドラのいるコアルームへとやってきた。
「いったいどうしたのだ?」
「これを見て」
映し出された映像は魔人とおぼしき冒険者パーティーだった。
昨日はそれはもう甘美な夜だったわ。リュネールとロザリーの3人で大和様のお相手をしたのだけれど・・・・3人ともあえなく撃沈したわ。
私も何度も何度も絶頂に達し力尽きた・・・と思うから・・・もう少し・・もう少しだけ寝かせて・・・・・んんんっ♡ ちょっと♡ そんなとこグリグリしないでぇ♡ やあぁぁぁん♡ 起きるから起きるから止めて。
「寝ぼけていないでよく見ろ!」
もう朝から何だってのよ。眠いんだからね私は・・・・よく見ろって。
「え? なによ・・・・ええぇぇぇぇぇぇ!!」
ベットの上で起き上がった私が見たもの。
きつね色のしっぽ。私の意思で揺れ動くしっぽが何と3本に増えているではないか。
ちょっと前まで1本だったしっぽ。
そのしっぽが増えたのがつい先日。そしてまたしっぽが増えた。
妖狐族の力の象徴でもあるしっぽの数。
大多数の妖狐族は1本であり、有力者で2本。私の知る限り3本なのは族長であるお婆様ただひとり。
ということは私の妖狐族でのランクはお婆様に匹敵するということになる。
その意味するもの・・・・それは私が妖狐族の次期族長候補になるということに他ならない。獣人族は実力者がその地位を受け継ぐ。妖狐族も同様であり、その候補者は皆2本のしっぽを持っている。
私はその候補者を一気に飛び越えてしまった。
これは一度、里に帰らないといかないわね。
「やっぱりヤマト様のお陰で魔力が上がったみたい。この短期間でまた増えるとは夢にも思わなかったわ」
「だよね。俺もビックリだよ」
「このままヤマト様のおそばにいてエッチなことしてたら、益々力が増えちゃうわね。うふふふふふふふ」
「ちょっと怖いんですけど・・・・」
「ヤマト様はこのままで良いのです。このままでね♡」
そうこのままエッチなヤマト様なら、いずれ私も・・・うふふふ楽しみだわ♡
◇ ◇ ◇
ブルストの街中に俺が周辺3郡の領主に任命されたことが徐々に広がり始め一日が過ぎた。もう街はお祭り騒ぎだった。
辞令とともに発表された新事業。
魔動機を利用した都市間を結ぶ輸送業に人々は歓喜した。
街に居れば誰もが一度は見たことがある魔力で動く魔動機。
その形は様々で、馬車のように人を乗せ速く走る機種から、荷物を運搬する機種、土木工事をする機種まである。
それが身近な存在になるのだから、人々の喜びようは計り知れない。
道行く人々から声援を受けながらやってきたのは学校の建設予定地。
既に整地は終り校舎の基礎工事に入っている。
土木特化の魔動機による鉄骨の組み立て作業は迅速かつ正確だ。それが終われば外装工事へと進んで行く。
3階建ての校舎はちょっとオシャレなキャンパスをイメージしてある。これにシルエラとミスティ協力のもと樹木を植えれば、技術学校の学生たちも満足できるオシャレなキャンパスが完成するだろう。
ラッセリアたちの喜ぶ顔が早く見たいぜなどと考えていると、待ちに待った彼女たちを乗せた飛行タイプの魔動機が帰還してきた。
領主館の裏庭にゆっくりと着陸する魔動機。姿勢制御も完璧だな。
「お帰り~」
「ヤマト君。ただいま」
「ただいまです」
「皆もお帰り」
「あれっ? 君は確か」
「はい。冨田 麻由里です。先生に無理言ってついてきちゃいました」
ラッセリアたちと共に魔動機から降り立ったのは、技術学校の生徒である麻由里ちゃん。錬金術師になることを夢見るエルフ娘ちゃんだ。
性に興味があったのを良いことに、なし崩し的に俺に処女を捧げた娘のそれは完全にハマってしまったことを意味しているなこれ。
「麻由里ちゃん歓迎するよ。ようこそブルストの街へ」
「ちょっとヤマト君。こっちへ」
帰ってきたラッセリアに言われるまま別室へと連れていかれた俺。
そこではシルエラを踏まえた話し合いが行われた。
議題は麻由里ちゃんの扱いについてだった。
「本人のたっての希望により、他の学生に先立ち連れてきたがどうしたものかと思ってな。シルエラさんはどうしたらいいと思う?」
「そうですね。ヤマト様と関係を持ってしまったのは仕方がないことですが、とりあえずその関係性はハッキリすべきですね」
「とすると今現在の関係は、領主であるヤマト君に恋する学生ということになるかな? 少なくとも恋人ではない」
「ヤマト様もそれでいいですね?」
「・・・・はい。その通りでございます」
「ではそういうことで」
ねえ? この話し合いに俺が出る必要あるの? どうみても必要ないよね? もうこれ、ただの脅しじゃん。よその女に手を出すなっていう脅しじゃん。
「麻由里。君の住む学生寮はまだ完成していないので、それまではすまないがホテル暮らしになるが許してほしい」
「ホテルってあの高い建物ですよね? ヤマト様のお屋敷に泊まれないのは残念ですがあっちも興味あります」
「え~ 麻由里も一緒に暮らすんじゃないの? せっかく楽しみにしてたのに」
「わがまま言うんじゃありません。先生としても保護者としても、大事な生徒を危険人物のもとになど住まわせられるか!」
「危険人物って言い方!」
「ぶうぅぅ! なら私たちはどうなの?」
「お前らはもう手遅れだ。だが節度は守ってくれよ。でないと預かった親御さんに申し訳ないからな」
「う~ん分かったよ。麻由里ごめんね」
「仕方ないよ。無理言ってついてきたの私だし。皆に迷惑かけれないもん」
いい子や。この子凄く良い子や。
「なれない魔動機の操縦疲れたろ? 食事を用意させるから部屋でゆっくり休むといいよ。その代わり明日からはしっかり働いてもらうからさ」
「ありがと。そうさせてもらうよ」
「奥様、アルデリア様お帰りなさいませ」
「ヤマト様こちらは?」
「ああ、初対面だったね。彼女は信長様の専属料理人でこの街に修行に来ているんだ。後何人か派遣されるらしいからよろしくね」
「ご紹介にあずかりました妙子と申します。以後お見知りおきをお願いします」
「奥様ってなんか恥ずかしいけど、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「ねえヤマト様。この街に修行に来たってことは、信長様がヤマト様の料理気に入ったってことだよね?」
「そうだよ。アルデリアちゃんの作ったスイーツの数々、全部信長様が食べちゃった。もう空間収納の中まで空っぽだよ。どんだけ気に入ったかってくらいもの凄い勢いで食べるんだからビックリするよマジで」
信長様がお忍びでやってきたことは黙っておこう。いずれ知ることになるかも知れないけど、今はいらん心配はかけたくない。
一般人である彼女らが魔王様に会うことなど普通はない。ないはずなのに既に前例があるから恐ろしい・・・・・アルデリアちゃんなんて絶対気絶しちゃうよ。
ここまでやってこないように妙子さんに頑張ってもらうしかない。
シルエラと妙子さんの作った食事を堪能した後は、配属されてくる人員の受け入れとスイーツの受け渡しが待っている。
学生たちには帰ってきて早々申し訳ないが、校舎の建設を手伝ってもらおう。
麻由里ちゃんも魔法を使ったコンクリート圧縮工法は、良い実地訓練になるだろうし、何よりも自分たちの使う校舎だ。自分たちで作り上げれば思い入れも沸くだろうし勉強にもなる。まさに一石二鳥だね。
転移陣を使ってやってきたのは武士団と妙子さんの部下たち。
武士団についてはもう打ち合わせが済んでいる。
500人の兵士のうち300人はここブルストの街に駐在。残り200人は各市町村へと赴き、現地の兵士や自警団と連携することになっている。
突然やってきた兵士と現地の住民では、色々軋轢があるかも知れないが上手くやってもらうしかない。くれぐれも兵士による乱暴狼藉などが起きないように、法を厳罰化しないといけないな。
武士団の面々は初めて見るブルストの街並みに驚愕している。
辺境の地への配属だと思っていた者もいると思うが、ところがどっこいここは時代の最先端を行く街なのだよ。
心配しなくても500人の兵士はローテーション組むから安心してほしい。でないと近隣の農村勤務の兵士から不満が漏れるからね。
「では第1回魔動機講習会を開きます」
俺の言葉に領主館大会議室が湧いた。
魔動機を一般に導入するにあたり問題になるのがその取扱い。
便利な道具も使い方を間違えれば凶器にもなる。魔動機も同様だし武装も装備しているのだから慎重にもなるのは仕方がない。
大会議室に集まってもらったのは選ばれた人々。
事前に告知していた各商会の役員や従業員。
そして武士団から数名。さしあたって各市町村へと配属される代表者に集まってもらったのだ。各市町村への移動は馬より魔動機を使った方が早いからな。
まずは交通ルールを示した教本を見ながらの解説と質疑応答。いかんせん交通ルールと言っても信号も横断歩道もないのだから簡単なものだ。
それが終われば魔動機の説明だ。使用用途によって違いはあるものの基本的なことは一緒。ハンドルとアクセル、ブレーキで動くのだ。
魔動機といっても中身はゴーレム。命令さえ与えれば自動でも動くし、手動でも動かせる。その操作方法はゲームセンターのゲーム機に近い。
そして実際に魔動機を使っての訓練なのだが・・・・・教官役を務めるのは暴走狐のステラさんだ。本人がやりたいと言い出して聞かないのだ。
いつものローブ姿とは違いカジュアルな服装に身を包んだステラさん。
これには生徒となる各商会の方々も喜んだ。見た目の麗しい美女から魔動機の操作方を受けれるのだから、男なら誰しも喜ぶというもの。
だがこれは罠だ。騙されてはいけない。
デモンストレーションと称して数人の生徒を魔動機に乗せ走り出した。
そして辺りに木霊する悲鳴・・・・哀れな。
スキール音を響かせ派手なドリフトを決める教習車。
うん。あれには乗りたくない。
コースを1周して戻ってきた教習車。
同乗していた生徒は皆ぐったりしており、泡を吹いて失神している者までいた。
これには見ていた各商会の人々もドン引きだった。分かるぞその気持ち。
ステラさんの洗礼が終わり、各自練習走行に入っていく。
あんな目に遭いながらも教官として人気があるステラさんには驚愕だね。でも残念ながら人妻だからね。アイドル化するのは良いけど、手を出したらどういう目に合うか分かっているよね?
教習車でひととおりの練習をつんだ者は次のステップに進んで行く。
各市町村を結ぶ連絡バス、資材を運ぶトラックなど、その用途に合わせた魔動機を用意して試乗してみるのだ。
俺自身そんな用途の車両を運転したことないので、実際に運用してみて不具合があれば修正していく形だ。
そんな折にディアドラから連絡が入った。
あの淫魔から連絡があるということは迷宮関連なのだろう。
もしくだらんことで呼び出したらタダじゃおかないぞ。
向かった先はプレジールの塔、最上階である第10層。
転移陣を使いディアドラのいるコアルームへとやってきた。
「いったいどうしたのだ?」
「これを見て」
映し出された映像は魔人とおぼしき冒険者パーティーだった。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
学年一可愛いS級の美少女の令嬢三姉妹が、何故かやたらと俺の部屋に入り浸ってくる件について
沢田美
恋愛
名門・雄幸高校で目立たず生きる一年生、神谷悠真。
クラスでは影が薄く、青春とは無縁の平凡な日々を送っていた。だがある放課後、街で不良に絡まれていた女子生徒を助けたことで、その日常は一変する。救った相手は、学年一の美少女三姉妹として知られる西園寺家の次女・優里だった。さらに家に帰れば、三姉妹の長女・龍華がなぜか当然のように悠真の部屋に入り浸っている。名門令嬢三姉妹に振り回されながら、静かだったはずの悠真の青春は少しずつ騒がしく揺れ始める。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
最弱スライムに転生した俺、捕食スキルで無限進化していたら魔王軍すら支配してました
チー牛Y
ファンタジー
残業中に倒れた俺が次に目を覚ました時、なぜか異世界で最弱モンスターのスライムになっていた。
完全に詰んだ、戦う力もない。そう思っていた時、俺には一つだけ、とんでもないスキルがあった。
【捕食】
それは、倒した相手を取り込み、能力・スキル・力のすべてを奪うチート能力だった。
ゴブリンを食べれば腕力を獲得。
魔物を食べれば新スキルを習得。
レベルは爆速で上がり、進化は止まらない。
森の魔物を支配し、ダンジョンを制圧し、気づけば俺は魔物たちの王になっていた。
やがてその力は魔王軍すら飲み込み、世界の勢力図を塗り替えていく。
これは――
最弱スライムから始まる、無限進化の成り上がり無双譚。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる