少女探偵ヒカリ

タロット殺人事件

遺言の謎

エンナは頭を抱えた
「まさかこんな事件とは」
「大丈夫ですか？」
警官はエンナに言った
「全然よ」
「家出人捜索に不自然な形のタトゥーがあると」
ダイゴは書類を見て
「あの大作家の嶋田浩介先生の養女？」
エンナはうなずいた
「一応、親友のところに伝えるわ」
「親友って誰ですか？」
警官はきょとんとした
「警察庁がお手上げだといった事件を解決する凄腕少女」
ダイゴはきっぱりと言った
「彼女を怒らせると病院送りになるから大変なんだ」
警官たちは青ざめた
ヒカリは読み上げた
「つまり大作家である嶋田浩介先生の遺言に違和感を感じて内容を調べてと」
弁護士はうなずいた
「嶋田先生はタロット占いを趣味とする人でした」
「この内容は殺人を案じているから？」
弁護士は額の汗を拭いた
エンナはヒカリたちに
「この話しは警察にもあります！」
エンナはきっぱりと言った
ベルはエンナを見るや否や
「また無理難題ですか？」
エンナは首を横に振った
「奇妙なタトゥーは？」
弁護士は思い出したように
「ありましたが」
「実は失踪しているの」
「失踪？」
ヒカリは立ち上がった
「その前にヒカリお手製の冷やし汁粉でも」
エンナは目を輝かせた
「ヒカリに頼みが」
「頼みってまさかあの弁護士が言った内科と同じような？」
エンナはしまったと思った
ヒカリはきょとんとした
「タロット絡みだと思って」
ヒカリは首をかしげた
「じゃあ、タロット絡みって」
「亡くなった大作家の嶋田浩介先生が遺した遺言よ」
Nは冷やし汁粉を食べながら
「蒔田でも消えたと」
「京急？もしくは市営地下鉄？」
Nは記憶を探った
「市営地下鉄の駅構内だったが」
「衆人環視の中で消えた？」
Nはうなずいた
「奇妙なタトゥーの特徴は？」
「肩や鎖骨辺りにでした」
エンナはダイゴに電話した
ベルはエンナに炊飯器を手渡した
「ごめんなさいね、今お茶碗を切らして」
チェレンはベル！止めた
「これ以上、警察関係を悪化させないで！」
ヒカリはダメだこりゃと思った
「まさか炊飯器で来るとはいい根性ね｣
ベルはクスリと笑った
「早く二階級特進が見たくて」
Nは目で殺人依頼は断ると目で言った
「じゃあ、依頼内容は今話した内容で間違いないですね？」
弁護士はうなずいた
「まさか警察と同じ？」
「多分ね」
ヒカリはさらりと言った
「タトゥーのことは生活安全課から聞いて」
エンナは先越されたと思った
ヒカリの事務所の電話がな鳴った
「警察からだわ」
エンナは首をかしげた
「検死依頼だわ」
「検死依頼？」
エンナは思わずヒカリに言った
ヒカリはうなずいた
「どこから港南署から｣
「港南署から？」
チェレンはヒカリに
「連絡内容は？」
「下半身のない遺体で右腕にタトゥーがあると」
「まさか失踪届けが出ている人かもしれないわ」
ヒカリはヘルメットを被ろうとした
ベルはヒカリに
「わたしたちは？」
「港南署に話してパトカーで来るようにと伝えたわ」
「エンナの運転は危険だから」
「確かに」
チェレンはうなずいた
「いつになっ たらペーパードライバーから卒業できるのかしら？」
Nは笑いをこらえた
「解剖所見と死体検案書は欲しいと」
エンナはうなずいた
「またいつものことだから」
「じゃあ、パトカーがくるまで待機ですね？」
ヒカリはうなずいた
「ダイゴ、ブカッティは？」
「まだメンテナンスに」
ヒカリはがっかりした
「先に現場へ行くから」
ヒカリは言ってバイクを走らせた